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綿雪の偽日記

『公園デビュー』

世の中には
たくさんのデビューがあるの。

アイドルデビュー。
モデルデビュー。
グルメリポーターデビュー。
炭火焼肉デビュー。
かにしゃぶデビュー。
お姉ちゃんたちはしてみたいって言うけど、
ユキは、まだ知らないデビューが多いな。
あんまり小学校デビューとは言わないみたいだけど
なんでかな?

ユキの妹デビューは
生まれたときから。

だけど、お兄ちゃんのお兄ちゃんデビューは
最近のこと。
なんだか不思議な気がするね。
実は、ユキがお兄ちゃんの妹デビューをしたのは最近。
だから、不思議なことじゃないの。
おうちでは、生まれてすぐにお兄ちゃんの妹デビューをする子は
あーちゃんだけ。
うらやましいような、ほほえましいような、特別です。

この春にユキが経験したのは
フルーツバスケットデビュー。
小学校のレクリエーションの時間に教えてもらいました。
おうちで遊ぶときは、
ユキはいちご?
うさぎさん?
自由に選んでいい?
お兄ちゃんのことが好きな子は誰だ?
ちょっとドキドキ、
ユキのことが好きな家族は誰でしょうか?
明るいフルーツバスケット。
家族がたくさんいるのって、うれしいね。

たくさんの新しいことに出会う
お兄ちゃんの妹。
これからどんなデビューをしていくのでしょうか。

もうすぐゴールデンウィークです。
前半の三日間、お天気の様子を見て、
できたらいいなと
家族で話し合うこと。
この前半の、大事なお出かけ先は公園です。
あーちゃんが迎えるドキドキの体験
公園デビュー。
上手にできるでしょうか。
他の赤ちゃんと仲良くなれるかな。
あーちゃんは、特に人見知りすることがないほうだと思うけど
なんだか不安になってしまいます。
ユキが公園デビューするわけでもないのに、おかしいね。
でも、妹の出発を迎えて、力になれるかどうか分からない気持ち。
自分のことでもないのに、怖いような。
お兄ちゃんもドキドキする?
どっしり構えているかな?
いっしょに行こうね。
みんなであーちゃんを支えよう。
大丈夫だよ。
ユキが見ているよ。
何も怖がらないで、家族がいるよ。
って、言ってあげよう。
ね。
みんなでね。

でも、残念ですね。
海晴お姉ちゃんは、たぶん参加できないって。
この時期は、お天気お姉さんの需要が急増。
テレビでの活動は、始まりの春が過ぎ、いよいよこれから。
仕事場でお勉強することもたくさん。
急なお仕事が多くて、
今年の連休は、どうもお休みが取れそうにないみたいで
家族がそろわないんです。
ゴールデンウィークは、後半が本番。
今年は後半の連休が長いの。
だけど、海晴お姉ちゃんはずっとお仕事。
忙しいの!
とっても大変そう。
がんばって。
でも、無理はしないでね。
テレビのこちらからだけじゃなくて
直接応援に行けたらいいのにな。
あーちゃんみたいな赤ちゃんのことじゃないんだから、
そんなことを思うのは変かな。
変じゃないよね、
家族だもんね。
海晴お姉ちゃんが元気で活躍できるように
何もできないけど、せめて近くで見ていたい、
と考えるのは迷惑でしょうか?
無力なユキだから。

連休の家族旅行も無理かな、
全員がそろったほうがいいもんね。
そう話し合っていたら、
ママがテレビ局のお仕事をしているおかげで
見に行けることになりました。
ユキのいけないお願いがかなってしまって
いいのかしら?
でも、嬉しいな。
テレビ局なら、海晴お姉ちゃんも時間を見て合流できるって。
連休後半のお出かけは、テレビ局。
もちろん、みんなが一緒です。
揃って行けるよ、お兄ちゃん。

だけど、海晴お姉ちゃんが抜ける時間が多くなるし、
責任者になる霙お姉ちゃんは、心配もあるみたいです。
きっと大丈夫だよね。
お兄ちゃんもいるし、春風お姉ちゃんも、ヒカルお姉ちゃんもいる。
蛍お姉ちゃんも、氷柱お姉ちゃんだっているもの。
それに、ユキたちはきっといい子にできます。
お兄ちゃんの妹たちは、みんな言うことを聞くいい子だよ。
家族に心配をかけないように気をつけます。
小さい子たちも、助け合ってがんばるよ。

お仕事の迷惑にならないように
決まっている通りに見て回る
普通の観光ツアーの予定だったけど、
ママは、お兄ちゃんと誰か一人だけなら
番組に出られそうだと、話を決めているみたいです。
その番組は、新婚さんいらっしゃい。
えっ、新婚さんじゃないよ?
ところがなんと、新人お天気お姉さんの家族なら、
テレビを見ている人たちもきっと気になっているはずだから
特別に出演できるんだって。
本当でしょうか?
冗談かもしれないって、氷柱お姉ちゃんも疑っているの。
ユキは、おおぜい家族がいるおうちを取材する番組か、
初めてのおつかいが、おうちの家族には合っていると思っていたけど。
春風お姉ちゃんは、張り切っています。
お兄ちゃんは、春風お姉ちゃんと一緒に
新婚さんいらっしゃいに出るの?
みんな半信半疑なんだけど、いざとなったら
くじ引きで決めるのが公平だって話し合っているの。
新婚さんを選ぶのに、そんな運任せでいいの?
別に新婚さんじゃないから、いいの?
もしもユキがくじで選ばれたら
お兄ちゃんはそれでも、ユキと一緒でいてくれますか?
家族を思う愛情の強さでは
みんな同じ、お兄ちゃんの家族。
新婚さんじゃないけれど、一緒に出られるかな。
新婚デビューって言うと、何かおかしいかな?
新婚にも、デビューにも、始まりっていう意味があるからだって
吹雪ちゃんが教えてくれたよ。
新婚をはじめます、と言うよりも
新婚です。
で、いいそうです。
お兄ちゃんと新婚になったら、それはユキたちの新しい始まりなのかも。
胸ときめく連休が、もうすぐやってきます。

綿雪の偽日記

『あしあと』

楽しい春休み。
小さい子が多いこの家では
今日も、玄関から廊下へ伸びる
汗とほこりだらけのあしあと。
そのまわりには、散り敷いたような花びら。
すっかり春ですね。
過ごしやすい日が続いて、本当に良かった。
お兄ちゃんも、春休みを楽しんでいますか?
ユキはもちろん、
お兄ちゃんがいてくれるから、毎日がとても楽しいの。
こんなに、ユキたちだけのお兄ちゃんにしていいのでしょうか?
もっとたくさんのことができる春休み。
お兄ちゃんは、したいことがたくさんあるかもしれないのに。

宿題がなくて、自由な時間がいっぱい。
家族それぞれが、思い思いに好きなことをしているみたいです。
お姉さんたちに遊んでもらって
青空ちゃんが庭を駆け回っていると、
あーちゃんまで追いかけてこようとして、
ガラス戸の周りをはいはい。
にぎやかなのが好きなのかな?
この様子だと、すぐに歩くのも上手になりそうですね。
我が家には、活動的な赤ちゃんが二人もいるんです。
お兄ちゃんは、青空ちゃんとあーちゃんと、どっちがより元気だと思う?
あーちゃんは今のうちからもうこんなに、いたずらもいっぱいするし
姉妹の誰よりも行動力がある子になりそう。
もう、なってる?
これから二人もそろうと、きっと大変。
相手をするお兄ちゃんやお姉ちゃんたちにしてみれば
あんまり大急ぎで成長するのも困りもの?
それとも、大変でもいいからやっぱり早く大きくなって
元気な様子をたくさん見せて欲しいのでしょうか。
どんな思惑にも関係なく、止めようとしても止められない速さで
日に日に成長していきます。
もっと一日中お兄ちゃんと遊べるように?
こんなに楽しいこと、言葉が通じなくてもわかってしまいそうですもの。
ユキは、あーちゃんが早く大きくなるように願っています。
あんまり動き回れないお姉ちゃんの分も
妹たちはみんな元気になって、たくさんはしゃいでください。
とっても楽しいよ、あーちゃんももう少しで仲間に入れるよ。
ユキに教えてあげられる遊びはあんまりたくさんはないけれど、
全部残さず、ユキの知っている素敵なことを教えてあげるね。
晴れた日に外を歩くのも、
寒い日に部屋にいるのだって。
絵本も、おやつも、ごはんも、お風呂も。
きっとすぐにあーちゃんは、ユキを追い越してしまうわ。
そうなったら、もうユキに教えてなんて言わないから
どんどん先に走っていって、その後のことは何も気にしないで。
好きなように、みんなが一番幸せであるように。
ユキを追い越して、どんどん引き離していく背中、
体の弱い子には遠く見える道に進んで活躍するその姿を
嬉しく見送っていくのだと思います。
それまで、一緒にいるからね。
短い間だけでも、ユキにもお姉ちゃんとして活躍させてください。
でも、ユキは立派にお姉ちゃんができる?
まだお兄ちゃんに甘えてばかりなのにね。
まとめてお世話をするお兄ちゃんは、きっと、もっと大変。
それでも、甘えてしまう気持ちを止められない。
ユキは、こんな体だけど
お兄ちゃんの妹をしていて、いいですか?
してほしいことが、まだまだたくさんあって
大人になるまで待てない。
だから、この春休みを
もっと一生懸命に過ごしたい。
氷柱お姉ちゃんは心配しているけれど、
小学生だって、春休みをなまけてばかりではありません。
星花お姉ちゃんは、前から興味があった漢詩のお勉強──
は、難しすぎるから、日本の詩を読んだり、書いたり、調べているの。
吹雪ちゃんは家族の情報を調べるのが好きみたい。
まだ身体測定がない虹子ちゃんたちも、丁寧に計ってくれて
春に向けての新しい服作りに協力しています。
夕凪お姉ちゃんは、ピンク色の花が咲き誇るこの季節だからこそ
恋のマホウ研究が進むに違いない、とがんばっているの。
それから、麗お姉ちゃん。
テレビのニュースを真剣に見たり、
他の子たちが投げ出すほど難しい本で勉強したり。
春のダイヤ改正があって、調べることが多いみたいなんだけど、手を抜かないんです。
とっても美人で、しっかりしていて、意見もはっきりしていて、何事もまじめで丁寧で
なんだか整いすぎて、少し遠い存在みたいにも思える麗お姉ちゃん。
でも今日は、調べ物のお手伝いをしたの。
ユキが退屈そうにしていたみたいで、声をかけてくれたよ。
時刻表の数字を調べる作業は大変だったけど、
見所があるって言ってもらえました。
本当なのかな、本当だったら嬉しいな。
ユキも麗お姉ちゃんみたいに、かっこいいお姉さんになれるでしょうか。
でも、そんな麗お姉ちゃんのことを、妹として愛してあげられるお兄ちゃんやお姉ちゃんたち。
なんだかユキには想像もつかないくらい大人です。
どんな気分なんだろう?
大人っぽい麗お姉ちゃんも、
手がかかってしまうユキも妹になるなんて
どうなってしまうんでしょうか?
教えて欲しいです。
そして、春休みにユキがしようと考えていること。
新しいことが始まる季節のおかげでふくらんだ、大きな夢。
それはもはや、生まれてはじめて胸に抱くと言ってもいい、身の程知らずの野望。
お兄ちゃんが、どうしてこんなにユキのかっこいいお兄ちゃんであるのか、
どこにでもついていって勉強することです。
お休みの間だけでも、いいですか?
みんながそれぞれ好きなことができる春休み。
こんなふうにしている一歩一歩が、
いつか、ユキたちがふと振り返ったときに見つめるあしあとなんでしょうか。
ユキはこれから、お兄ちゃんがつけるあしあとを辿ってみたいです。
ときどき気が向いたら、歩いた道を思い出してね。
そこには、お兄ちゃんみたいに立派になって、お姉ちゃんをしているユキの姿が
たまには見つかるかもしれません。

綿雪の偽日記

『蝶』

春は変わっていくものが多い季節。
いもむしさんだって、もうすぐ蝶になるの。
海晴お姉ちゃんの天気予報も、
新しいコーナーを計画中。

そのアイデアの一つが、
天気予報アイドルの育成なんです。
もっと身近に、
今までよりも親しみやすい天気予報を目指して。
でも、毎日の欠かせない番組なんだし、もう充分かも?
とにかく、新しいことが始まる春です。
アイドル募集は、女の子が優先。
それから、年齢制限なし。
あさひちゃんもアイドルになれるかしら。
よだれ系アイドルですね。
時代をリードする、ファッショナブルおむつ。
元気で、たくましくて、
大きな夢を胸に、狙っているのは大好きなお兄ちゃん。
お兄ちゃんのことを大好きなのは、あさひちゃんだけじゃないですね。
見ているとかわいくて、
みんなが赤ちゃんを欲しくなる
新時代のアイドル天気予報。
そんなのがあったらいいけど、
今のところは、予定はないみたい。
それで、ユキが海晴お姉ちゃんに誘ってもらって
オーディションを受けてみると、
君こそが探していたダイヤの原石だ!
未来の天気予報を担うスターだ!
ということで、試しにダンスのレッスンを受けることになりました。
病気がちで、体育も休むほうだし、あんまり筋肉はないけれど
踊れるのかな? ちょっと不安。
だけど、迷惑をかけてはいけないなんて引っ込んでいたら
なんにもできない。
海晴お姉ちゃんは励ましてくれました。
こんなふうに言ってくれたの。
ユキががんばるつもりなら、
それを助けるのが、コーチのお仕事。
もしも迷惑をかけても、それが必要なときもあるんだから
いつか蝶になって羽ばたくために──
決して後で悔やまないように。
ユキもできるでしょうか?
ダンスのレッスンを受けるのは、ユキともう一人の、
同じ年頃の女の子。
きれいで、才能があって、明るくて元気で
病気なんか簡単に跳ね除けてしまいそうな、しっかりした子です。
あらまあ、細くて体力もなさそうな子が来た。
あなたについてこれるのかしら?
ちょっとだけ、怖いかも。
でも、ユキもやると決めたからには、やってみたいです。
レッスンが始まったら、
そのときがシンデレラストーリーの始まり。
怖いと思っていた子にいっぱい助けられて、
つらいレッスンを励ましあったよ。
その子も、才能だけでどんな苦労も乗り越えてきたわけじゃない。
苦しいことも、向き合うだけで泣いてしまいそうになる壁も、
大変な努力と、手を取り合う友達のおかげでどうにかやってきた。
だから、ユキにもがんばってほしいって言ってくれたよ。
病気だからって、負けないで。
悲しいことがどんなにたくさんあっても、
たとえ死んでしまうことがあったとしても、それで終わりじゃない。
私はそれを知ってるんだ、って言ってたよ。
女の子の名前は、ミキちゃん。
ユキの大事なお友達。
新人アイドルのユキが、とうとう大きなステージに向かう前に、
忘れないで、って言っていました。
大事なことは何なのか、忘れないように。
ミキちゃんとの思い出と、
それから、たくさんの楽しい時間を、
大事な人と過ごしたこと。
いもむしさんだったユキは、たくさん栄養をもらって
そうやって蝶になってはばたいて──
お兄ちゃん。
ユキがいちばん大事にしたいことは、お兄ちゃんといること。
ユキとお兄ちゃんがいる、この家族です。
アイドルの夢は、ステージにあがる前に終わり。
今日は、風が強くても、日差しがあるからあたたかかったよ。
おうちの中にいれば寒くなんてない、おだやかな日。
日曜日に家にいて、幼稚園の子や、もっと小さい子たちとお昼寝をするには、
ちょうどいいお天気でした。

吹雪ちゃんに言ったら、
昔、蝶になった夢を見た人が、
自分は夢を見ていたのか、
それとも、蝶が私になった夢を見ているのか
そんなことを考えたっていうお話を教えてくれたの。
ユキは、アイドルになる夢を見ていたのかな?
それとも、アイドルとして忙しく活動しているユキが、
のんびりと大好きなお兄ちゃんと過ごす夢を見ているのでしょうか。
ユキはね、せっかくいい夢を見るのだったら、
アイドルよりも、もっとなりたいものがあるの。
そんなことを言ったら、ぜいたくでしょうか?
でも、夢の話なんだから、ちょっとくらいいいよね。
わがままだって、ぜいたくだって、それも全ては目が覚めれば消えてしまう夢の中。
ユキは、病気で体調が悪くなるなんてことはこれから全然なくて、
毎日元気に学校に行って、新しいことをたくさん経験して、
伝えきれないくらいの出来事をお兄ちゃんに聞いてもらえるような
元気な女の子になりたい。
毎日しっかりお勉強して、お兄ちゃんに褒めてもらうの。
体育の授業では、走ったり転んだり、擦り傷をたくさん作って
これじゃあ将来どんなふうに育つのか、心配させてしまうんです。
かけっこでも、跳び箱でも何でもいいから
クラスで一番を競えるような得意なものがあって
なんでもできるほどじゃなくてもいいの。
ひとつだけでも、得意なものが欲しいな。
そんなに自慢するほど上手じゃなくて、ちょっと得意なだけでもいい。
ユキがこっそり胸に潜めているくらいでちょうどいい、小さな自慢。
そんなふうに楽しく過ごす普通の生活を
お兄ちゃんにはなんでも聞いてもらって、
ときどきは褒めてもらって、
少しでいいから、お兄ちゃんが自慢に思うこともあるくらいのユキになりたい。
誰もがあこがれるきれいなアイドルになるよりも、
それがユキの一番の夢です。

天気予報アイドルの計画は、まだ企画中なんだって。
それよりも、毎日必要なことをまずしっかり伝えるのが、
お天気キャスターの大事な役目なんだそうです。
明日は強風に注意。
これまでの暖かさから、急に普通の3月の気温になります。
テレビの前の、この予報が必要な人たちにしっかり届いて欲しい。
海晴お姉ちゃんの真剣な顔は、そう伝えています。
もしあんまり寒くなったら、ユキは学校に行ったらいけないもの。
あんまり無理をしたらいけないものね。
天気予報は、大切なことを伝える立派なお仕事。
ユキは明日も学校に行きたいなら、早く休んで体調を万全にしておくことですね。
できることは、それだけ。
もしもお天気が悪くて学校に行けないなら、仕方ないことなんです。
でも、不安なまますぐに眠れるかどうかユキにはわかりません。
もう少し気持ちが落ち着くまで、お兄ちゃんとお話をしていたら、やっぱりだめですか?

お兄ちゃん、もしもお兄ちゃんの時間が大丈夫で、
このあとユキがまだもう少し起きていていいなら、
夢の中で大評判だったユキのダンスを見ていきませんか?
本当は特別じょうずなわけじゃないかもしれないけど、
あんなに元気に踊れていたんだもの。
ミキちゃんも、病気じゃなかったみたいに踊っていたよ。
とっても楽しい夢の世界には、もう一度行ってみたいけれど
ユキはきっと、あの世界でもすぐに芸能界を引退して
お兄ちゃんと過ごすことを選ぶと思います。
元気なユキが、いつかお兄ちゃんの自慢になるように
ユキの一番がお兄ちゃんで、
今日もお兄ちゃんが、ユキを元気にしてくれているんだと伝えたいです。

綿雪の偽日記

『お兄ちゃんインタビュー』

今日はとっても
風が強い日でした。

家の中にいても、
びゅうびゅう、ごうごう──
激しい音が鳴り続いていました。
強い風って体が冷えてしまうだけじゃなくて
とっても怖いものなんですね。
あんまり大きな音だから、
みんなでお部屋の中にいても、
誰かがびっくりして声をあげるの。
氷柱お姉ちゃんは、そんなに怖がらなくていいって言いながら、
自分でもときどきびっくりしていたんです。
ユキたちが怖いときは氷柱お姉ちゃんがいてくれるけれど、
氷柱お姉ちゃんが怖いときに、頼りになるお兄ちゃんがいればよかったね。

せっかくの日曜日だったのに、
小さい子たちは外に出られなくて、ちょっと残念そう。
この風を体で体験してみたい、って
完全防備で寒さに備えて出て行った
立夏お姉ちゃんと夕凪お姉ちゃん。
あっという間に氷柱お姉ちゃんに見つかって、
ものすごく怒られて、連れ戻されてしまいました。
戻ってきたとき、あの元気な二人がすっかり無抵抗。
よっぽど怖い思いをしたのね。
強い風だったもの。
その様子を見て、他の子たちもあきらめたみたい。
青空ちゃんはそれでも外に出て行きたがったけど、
だめだめ!
青空ちゃんはまだ小さいから、それはだめよ!
吹き飛ばされちゃうよ!
ばいばいきーんって言いながら飛んで行っちゃうよ!
そうしたら大変よ、どこに行っちゃうのかわからないよ?
青空ちゃんが帰ってくる家はここなのよ。
ばいきん星じゃないんだよ。
青空ちゃんはばいきんまんじゃないんだから。
飛んで行ったら、帰り道が分からなくなっちゃう。
また晴れた日はお外で遊んであげるから、
今日はおうちの中で大人しくしていようね。
青空ちゃんは、うんわかったっていいお返事ができるんだけど、
すぐ外の様子が気になって、そわそわしてしまうの。

小さい子でもおうちの中にいよう、って思えるように、
楽しいお話を聞かせてあげたらいいかな?
だったらやっぱり、お兄ちゃんのお話が、みんな好きだと思うな。
大好きなお兄ちゃんが、ユキたちの前でしてくれているように
いっぱい活躍するお話。
家族を守る冒険をするの。
そんな楽しいお話は、どれだけたくさんあってもいいと思いませんか?
みんな、喜んで聞きたがるよ。
いつもユキたちのヒーローで、いつも近くにいて、
かっこいいお兄ちゃん。
一緒にいると嬉しい、みんなのお兄ちゃん。
今日は、ユキたちのためにどんな冒険をしてくれるのかな?

でもね、
お兄ちゃんは大人で、たいていのことはできてしまうから、
罠にかかって天井が落ちてきても突き破って出て行くし、
大きな岩が転がってきても壊してしまえるし、
縄で縛られてもそんなの簡単に千切れるじゃないですか。
銃を突きつけられても、
悪い女の人がいけない誘惑をしてきても、
乗っていた船が沈みそうになっても、
宇宙から巨大な怪獣がやってきても、
そんなのちっとも気にしないで
ユキたちが困っているときに、助けに来てくれるでしょう?
お兄ちゃんが主人公だと、なんでもすぐに解決してしまいます。
普通のお話作りではどうしても、
お兄ちゃんのかっこよさを伝えきれないみたいなの。
どんなに驚くような解決をしても、お兄ちゃんなら普通のことだもんね。
何か苦手なものはありますか?
ライバルが繰り出す策略を、愛と勇気で乗り越えるのはありがちすぎるかな。
何か、食べるときちょっと苦手なものでもいいよ。
にんじん? セロリ?
お兄ちゃんが嫌いな食べ物があったら、ユキのお皿にこっそり移しちゃう?
でもお兄ちゃんなら、そのくらい克服してしまいそうですね。
本当に苦手なものはないのかな?
じゃあ、うっかり誘惑されそうな女の人のタイプは?
もっとお兄ちゃんのことを知らないと、ユキは面白いお話が作れない気がするの。

なんだか、本当に作家になって取材をしているみたいですね。
ユキが一番書きたいもののために
どうしても必要なインタビュー。
好きな食べ物は何ですか?
いま一番欲しいものは?
大事にしている宝物はある?
無人島に行くとしたら、何を持っていくの?
一人で部屋にいるとき、どんなことをしているの?
理想のプロポーズのシチュエーションを教えてください。
家族の中で、お兄ちゃんの一番好きな子は誰?
ユキが健康になったら、その時はお兄ちゃんの一番になれる?
候補に挙がりますか?
みんなが知りたい、お兄ちゃんのいろいろ。
ユキにだけほんの少し先に教えてください。

こんなに強い風が吹いている日でも、
お兄ちゃんとお話をしていたら、
怖いことなんてみんな忘れちゃうみたい。
こんな日もいいな、って思ってしまいます。

それから、
なぜかよくある定番の質問なんですけど、
お風呂に入ったときどこから洗うんですか?
一緒にお風呂に入ったらわかるかな。
お兄ちゃん、いまは芸能人で好きな人っている?
やっぱり海晴お姉ちゃんですか?
もしもユキが将来お天気お姉さんになったら、
あんなふうにきれいで優しいお姉ちゃんになれると思う?
そうなったら、お兄ちゃんは
ユキのことをどれくらい好きになってくれますか?

綿雪の偽日記

『寒い日』

冷たい雨が、
雪に変わるかもしれない予報。

お空はずっと、雲の灰色。
明かりをつけた部屋の中も、
普段より暗く沈みこんでいるよう。

指先に染み込む寒さや、
日差しをさえぎる暗さ。
とても厳しい、冬の一日。
さむいさむい日でした。

お兄ちゃんは大丈夫だった?
ユキがこんな心配しても仕方ないんだけど、
だってお兄ちゃんはもう大きいんだから
ユキみたいに無理をして具合が悪くならないで
ちゃんと暖かくしていると思います。
わかっているんだけど、少し心配になってしまったの。

こんな日には
ユキはいつも
お外に出てはいけません。
仕方ないことだって、ユキも知っています。
体のことなんだから、わがままを言ってはいけないんです。
誰も、ユキをいじめたくて閉じ込めているわけじゃない。
ユキのことを思っていてくれるから。
これ以上ユキがつらくて苦しい思いをしないように考えてくれているから。

お兄ちゃん、
今日、
ユキが元気で学校に行って来たなんて
教えてあげたら、
お兄ちゃんはやっぱり心配するでしょうか?

昨日からユキは変なんです。
楽しいことがたくさんあって、
ドキドキすることがたくさんあって、
少しも落ち着いている時間がないほど
家族みんなが大騒ぎだったバレンタイン。
本当なら、
疲れてしまってお休みが必要で、
ただでさえ、体調が悪くなってもおかしくないのに、
なぜか今日は、
体の調子もよかったんです。、
このまま、寒さなんかに負けない子供みたいに
学校に行きたかったの。
お友達と会って、
楽しかったこと、
張り切ったこと、
ユキが勇気を出してチョコを渡せたことや、
お兄ちゃんが家族みんなといて嬉しそうだったこと、
いつもみたいにかっこよかったこと、
ユキたち家族が幸せに過ごせたこと、
ユキが本当に幸せなバレンタインを過ごせたことを、
お友達に話したかったの。
自慢するつもりじゃなくて、
ただ、そういういいことがあったって、
それだけのことを
いろんな人に聞いてもらいたかった。
ユキといつも仲良くしてくれるお友達に
たくさん聞いて欲しかった。

お天気のことがよくわかっている海晴お姉ちゃんは
もちろん反対したし、
氷柱お姉ちゃんだって、こんな寒い日にユキを学校に行かせて
どうなるかちゃんとわかってる。
でも、
ユキは昨日の興奮がまだ冷めないみたいで、
普段なら絶対に言わない、
他の誰でもないユキ自身の体のことだから
いけないってわかっている──
無茶なことを言い出して
お姉ちゃんたちを困らせてしまいました。

だけど、
少しでも調子が悪くなりそうならすぐに帰る、
無理をしないように、っていう条件で
行ってもいいって。

ユキがお休みばかりじゃなくて
普通に学校に通ってみたいと思っていること、
お姉ちゃんたちは知っているの。
とてもよくわかってくれている。
だから、お姉ちゃんたちも困ってしまうんだって、ユキはちゃんとわかってる。
いつもなら、かなうわけもない
ユキのいけない願い。
つまらない、たいしたことのない、
誰かに迷惑をかけるだけしかない、
ささやかだけど叶うことのない
悲しくなってしまうような、ユキの切ないお願い。
だけど、今日は体の調子がいいまま
一日を終えられそう──
大丈夫、こんなに寒くても
体が弱くても
ユキは今日は大丈夫だと思う。
だって、昨日は楽しかったんだもの。

小学校の女の子たちの間でも、
昨日のバレンタインの話は盛り上がります。
女の子は誰でも、頬を赤くして
興奮して、ちょっと照れて
甘い体験を教えてくれます。
まだお兄ちゃんから見たら
小さくて手足も短くて、
まだお花のつぼみでも若葉でもない
種から芽を出したかどうかもわからない子たちばかりの
一年生の教室。
それでも、いつもよりほんの少し、にぎやかな気配でした。

ユキ、普段はお友達の元気なお話を
いいなあって思いながら聞いてることが多いんだけど、
今日はね、ユキがみんなの話題の中心になって
いちばん元気にはしゃいでいたかもしれない。
お姉ちゃんがいっぱいいるおうちのバレンタインだし、
それに、チョコの手作りもみんなより少し早く経験しているし、
それにね、まだまだ他にも違うところがあるの。

ユキのお兄ちゃんが世界一すてきでかっこいいっていうこと。
お兄ちゃんが、大事な家族としてユキを愛してくれていること。
そして、ユキがお兄ちゃんを大好きな気持ちが、
きっとすごく大きいっていうこと。
まだ小さい一年生のお友達みんなの中でも、
体の成長が少し遅くて体調も不安定なユキが
実は、人を好きになる気持ちだけは、他の誰よりも
激しい勢いで膨らみ続けていること──

この気持ちを手のひらに乗せて、お兄ちゃんに見せてあげたいのにな。
そうしたら、ユキの胸の中にあるのが
どれくらいのものなのか、
言葉にするよりもずっとわかってもらえると思う。

でも、そんなわけにはいかないので、
言葉で伝えてお兄ちゃんに分かってもらおうと思います。

お兄ちゃん、
今日、ユキが元気で過ごせたのは、お兄ちゃんがいるからです。
いつも学校に通ってお勉強できるのも、
とっても弱いユキが繰り返す寒い日を乗り越えられるのも、
きっとお兄ちゃんがユキを好きでいてくれて、
ユキを守ってくれるから。
ユキに、大事な気持ちをたくさんくれるからだよ。
まだ子供のユキは、ときどき自分の気持ちを抑え切れなくて
無茶をしてしまって、お兄ちゃんにもお姉ちゃんたちにも
心配をかけているけれど──
もう少し大きくなって、
きちんと自分の気持ちを整理できるようになって
それで、お兄ちゃんにユキの気持ちを
今よりも上手に伝えられるようになって、
ちゃんとした女の子に成長したら、そのときには
ユキはお兄ちゃんの自慢の妹になりたい。
体があんまり良くなくても普通に過ごせる日が、もっと増えるの。
お兄ちゃんのためにいろいろなことができるようになります。
いつもありがとうの感謝の気持ちを毎日伝えたいです。
お兄ちゃんが幸せになるお手伝いを、
ユキにできる小さなものでいいからしていきたい。

ユキは、そんなふうになりたい。
今まで、叶わない願いはたくさんあったけど、
この願いは叶うでしょうか。
いつも願いが叶うとは限らないのは、ユキの体なら仕方ないことなの。
でも、ときどきだったら叶います。
お兄ちゃんが叶えてくれるからだよ。

今日はユキにしては無理をしてしまったから、
ゆっくり体を休めないといけません。
体の調子が悪くなるときはどんな気配がするか、
ユキは何度も経験しているからなんとなく感じるけれど、
そんなときも、具合が悪くならないと思いたくて
不調を見ないふりしようとするから、
ユキには自分の体のことなんてわからないのかもしれません。
だから、いま少し悪い気配がしていても、
調子が悪くなるって決まったわけじゃない。
必ず、ユキは元気で明日の朝を迎えます。
明日もお兄ちゃんに元気なおはようのあいさつをして、学校に行って、
これからも毎日、体調を崩さないで
ユキは元気にお兄ちゃんを助けてあげられるようになって、
また来年のバレンタインを迎えたいです。
お兄ちゃんと幸せな毎日をたくさん過ごすの。

お兄ちゃん。
来年のバレンタインも、ユキと一緒にいてくれる?
これからも離れないでいてね。
ユキがもっと大人になって、もっと元気になって、
もっと上手に気持ちを伝えられるようになったら、
毎年のバレンタインがどれだけ楽しかったか、
お兄ちゃんに話したいことがたくさんあるんです。

綿雪の偽日記

『なりきり遊び』

さむーい冬の日は
お部屋で遊ぼ。

日が暮れるのが早い季節。
夕方はすぐ寒くなって、暗くなってしまって。
なんだか怖くて、少し寂しくなる冬。

早くおうちに帰って
小さい子たちと遊ぶことが自然と多くなります。

ユキは、
小さい子たちが喜ぶ
お兄ちゃんゆうえんちとか、
お兄ちゃんの馬乗りとかみたいに
あまり体を激しく動かすようなことは
できません。

はしゃいで疲れてしまうと、
休まないと動けなくなるし……

調子が良くても、
小さい子たちを抱っこしてあげていたら
あんなにはしゃぎまわって楽しくしていた子たちも
疲れを忘れていつも、
お兄ちゃんと遊びたくって
お兄ちゃんを探しに行こうと家の中を走り回って。

本当に家のどこかにいつでもお兄ちゃんがいたらいいのに。
だからお兄ちゃん、こんな寒い冬は、早く帰ってきてね。
みんなが待っています。

最近、
小さい子たちの間ではやっている遊びは
なりきり遊び。
おままごとと何も変わらないかもしれないけど
大きなお姉ちゃんたちもよく参加してくれる、楽しい遊び。

虹子ちゃんは、お嫁さんになるのが好き。
マリーちゃんは女王様。
みんなのことを良く見ていて、手助けしてくれる
やさしい立派な女王様です。
観月ちゃんは、巫女さんの真似をするのが大好きみたいだし
さくらちゃんははちみつが好きな、かわいいクマさん。
そうしていると、たいてい、
青空ちゃんが男の子になりたがって、
お兄ちゃんの真似を始めるから、
他の子たちも、
ずるい、
私もお兄ちゃんがいい、って
お兄ちゃんの真似を始めるの。
みんな、お兄ちゃんの真似をするのが大好き。

海晴お姉ちゃんは、
普段なかなかできない
グルメリポーターをやってみてくれます。。
でも、海晴お姉ちゃんのリポートは
うちの春風ちゃんのお料理のほうがおいしいですね、
うちの蛍ちゃんのほうが上手ですね、
なんて
あんまりレポートになっていないって
小さい子たちは楽しそうに笑います。
ユキも、あんなに楽しいレポートはテレビでも見たことないの。
お兄ちゃんにも見てほしいな。

ユキは、
元気になったらなりたいもの──
楽しいお話を作って小さい子に聞かせてあげたりしたいけど、
でもね、
そんななりきりの時にユキがなりたいのは
看護婦さん。

ユキが病院で困っていても
明るい笑顔で助けてくれた
やさしくて、かっこよくて
すてきな看護婦さん。

遊んでいる最中だけは、
ユキはすっかり病気が良くなって、
今ではどんな病気でも怪我でもたちまち治してしまう
そんな設定の、
いつも元気な看護婦さん。
お嫁さんや、女王様や、巫女さんや、クマさんたちが
困っていたらすぐに飛んで行って
元気を分けてあげる、立派なお姉さんなんです。

それから、
吹雪ちゃんは普段の頭の良さを生かして、博士になるの。
どんな問題が起こっても、
たくさん新しい機械を発明して、解決しちゃう。
吹雪ちゃんとユキがいれば、
大変なことも、悲しいこともみんななくなるような、
そんななりきり遊びをしています。

お兄ちゃんも一緒に遊んでほしいな。
それともお兄ちゃんはもう大きいから、なんにでもなれるし、
こんな遊びはつまらない?
でも、何になってもいいんだよ?
お兄ちゃんは、何かなりたいものはある?
スポーツ選手?
宇宙飛行士?
芸能人?
海賊?
それともやっぱり、王子様?
ユキは、ユキのお兄ちゃんでいてくれるお兄ちゃんが
いちばんかっこよくて、
これからもユキと一緒にいてくれて、
ときどきユキと遊んでくれたらいいって
そう思うけど、
お兄ちゃんがなりたいものなら、
きっと何になっても似合うと思います。

もし、大変な仕事で怪我をしてしまったときは
ユキに任せてね。
なんでも治せる素敵な看護婦さんが、いつもお兄ちゃんの側についています。

寒い冬の日、
ちょっと寂しいこの季節。
お兄ちゃんも早く帰ってきて
一緒に遊んでくれたら嬉しいな。

綿雪の偽日記

『雨の日のおうち』

あめ、あめ、
ふれ、ふれ、

お兄ちゃんが──

お兄ちゃん!
やっぱり、大きなお兄ちゃんお姉ちゃんになると
学校のお勉強は忙しいですか?
氷柱お姉ちゃんも、下校の時間は一緒にいられないの。

今日は曇りがち、お昼過ぎも雨になりそうなお天気でした。
お兄ちゃんが迎えに来てくれたらいいのに、
それとも、ユキがお兄ちゃんを迎えにいけたらいいのに、
ときどき窓の外を見ながらぼうっとすることの多い日でした。

雨の日は、おうちに帰ると
ママがお風呂の支度をして待っていてくれるときがあるの。
それで、ママが忙しいときは、霙お姉ちゃん!
学校もだけどおうちのことも大事、って
両方できる霙お姉ちゃんはすごい!

冷えた体を、お風呂とミルクであっためて、
ユキはお熱が出ていたらお風呂はいけないけど、今日は少し暖かい日だったから体調は良かったの。
ほかほかになってお兄ちゃんを待っていると、

ふと──
今日はこのまま、
お兄ちゃんをお迎えに行ったらいけないかな?

天気予報で言っていたみたいな大雪だったら、
ユキの外出はきっと許されないわがままだけど──
ユキなのに、雪に弱いなんておかしな話ですよね、
本当はユキ、こんな体だけど実は雪には特別に強いんじゃないかしら?
ときどきそう思うけど、本当はそんなことなくて……

でも、今日は雨のちくもりの日だったし、
気温も低くなかったし、
お兄ちゃんだってこんなお日様が不安定な暗い日を一人で帰るのは寂しそう、
ユキ、きっとお兄ちゃんに心配はかけないから、
たまには、今日くらいは、ユキも元気に出かけていってお兄ちゃんと楽しく帰れたら、
ううん、せめていつか、今よりもう少しだけでも元気になったら──
今より元気に、外に出て行けるようになったら──

暖かい部屋で、ユキはたくさん幸せな夢を見ながら
チビちゃんたちと
「お兄ちゃんまだかな?」
「お兄ちゃんまだかな?」
「氷柱お姉ちゃんのほうが早いかな?」
って、はしゃぎながら──
お兄ちゃんの帰りを待つ、いい子にしていました。

おかえりなさい、お兄ちゃん。
あったかい牛乳がいいですか?
お風呂にしますか?
それとも、
小さい子たちとユキがいい子に待っていた暖かいお部屋に来て
遊んでくれるかな?
その前にまず、うがいと手洗いからですよ!
ウフフ、ユキなんだかお兄ちゃんのお姉さんみたい。

雨の日って、
楽しいことがたくさんありますね。


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