アルケイディア&キュクレイン

アルケイディア&キュクレイン TOP  >  星花

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

星花の偽日記

『うみ』

音楽の
がく、は
楽しいと書く。

というわけで
歌います。

うーみーは
ひろいーなー

てんかも
ひろいーなー

こうめいさまは
いるしー

じゅきゅうにんしまいも
いるしー

せかいにたったひとり
だいすきな
ごしゅくんさま

おにいちゃんも
いるー

これは、
沖縄の伝統的な歌ではないけれど。

夕凪ちゃんの自由研究は
沖縄の音楽と踊り。
行く前に下調べをして
疑問点をまとめ、
行った先でたくさんのことを知る
楽しそうな宿題。
音楽の、がく。
です。
旅行の予定では
沖縄民謡と踊りの舞台を
見ることができるよ。

いつでも踊って
すぐ歌う
夕凪ちゃん。
新しい持ち歌が増えるかな?
元気なことでは
星花もそんなに変わらない。
研究は、王様の歴史だけど
隙を見つけては
歌って踊る
小学四年生。
違うところといえば、
夕凪ちゃんがマホウ使いなのです。
それと、
粘り強さはちょっと自慢の星花。
という違いがあるくらい。
夕凪ちゃんの進まない宿題を
ときには優しく、
ときには褒めて伸ばし、
ときにはお菓子で釣って、
一心同体になって支えます。
かわいい夕凪ちゃんに
身も心も尽くす
世話女房の役目です。
あんまり厳しくするの、得意じゃないの。
氷柱お姉ちゃんは、こんな星花を
甘すぎるって言うけれど
そんなことないよね?
氷柱お姉ちゃんだって、本当は
夕凪ちゃんに甘いんだもの。
厳しくしないとためにならない、って気を張ってるけど
実は隙を見ては甘くしてしまう氷柱お姉ちゃん。
音楽のがくは
家族仲良く
みんなで楽しく、と同じ字。
全員揃っているから楽しいの。
でも、氷柱お姉ちゃんの意見もやっぱり正しいようで、
厳しく指導で立夏お姉ちゃんの宿題は進んでいます。
立夏お姉ちゃんは自由研究なんてないもんね。
今のうちに、まじめに進めないと。
とっても大変そう。
星花は、夕凪ちゃんが中学生になったときに
立派に指導できる中学二年生になるでしょうか?
先生ではなくて、お友達みたいな。
お姉ちゃんというよりは、女房役みたいな。
二人の関係。
がんばった夕凪ちゃんに
今日も手作りのお菓子をふるまう
ねぎらいの人、星花です。
夕凪ちゃんが自分から、歌と踊りが好きだからって
自由研究のテーマを発見できたときの嬉しさ。
吹雪ちゃんも手を繋いで、三人で輪になって踊ったよ。
楽しむものだから、本当は成績なんて関係ないですよね。
音楽の授業のリコーダーは、練習して上達するのが目的だけど
もっと本来の目的があるものかも、と
夕凪ちゃんと遊んでいると時々思います。
試験が難しい音楽の分野、
さらに成績が付けにくい自由研究。
夕凪ちゃんが張り切っているし、いいものになると思います。
他の宿題も──
家族みんな、気にかけてくれていること、
できるだけの手助けをしようとしているように見えるのは、
星花の未熟なお菓子作りをこっそり手伝ってくれる春風お姉ちゃんと蛍お姉ちゃんを
見ていて、なんとなく感じます。
楽しい旅行に、できるかな。
歌って踊ってばかりじゃないと思うけれど
こんなに素敵な家族とみんなで行くんだから。
楽しむ準備は、みんなが夢中。
小雨お姉ちゃんの自由研究も、下調べが進んでいます。
蛍お姉ちゃんがみなぎる気合でサポートする、沖縄の服飾。
それから、麗お姉ちゃんも宿題があるのか聞いていないけれど
モノレールのことを一生懸命チェックしています。
氷柱お姉ちゃんだって、立夏お姉ちゃんの監督や
小さい子たちに必要なものの細かなチェックをする合間に──
霙お姉ちゃんが学校から借りてきた本を読んで、勉強しているよ。
宿題じゃなくても、真剣です。
お兄ちゃん、準備できた?
何か手伝うことある?
愛するご主君様との絆を誓う
熱い血潮で
いつでも手作りを差し入れいたします!

星花の偽日記

『安全第一』

今日は、ユキちゃんに嬉しいことがあったので
日記の番を替わろうか、
と相談したところ、
順番は決まっているわけだし、
理由があって替わっていたらきりがない、と
海晴お姉ちゃんの決定です。
例外は、麗ちゃんのときくらいかな?
ちゃんとした理由があったら、いいかなと星花は思うけど。

でも、
これからだって
ユキちゃんにはいいことがあるよね。
ついに小学生になったんだから。
寒い曇りの日でも
風が強くても
心配なことが多くても。
家族がいつでも助けに行けるから
ユキちゃんは学校に行きます。
本人からお兄ちゃんに嬉しい話を伝えられる日も、
またあるはず。

あんまり入れ替わりをありにすると
夕凪ちゃんがみんなから前借りしすぎて
当分日記をかけなくなってしまいそうです。
そうなったら、また南の島に
お兄ちゃんが連れ去られてしまう!
愛のマホウの限界突破。
日記の間隔が開かなくても、ときどき発動しているかな?
というわけで、
今日の日記は
学校であった星花のできごと。

晴れやかな新学期になり、
一年生を迎えて、
登下校も新しい班を組んで
お姉さんたちが見守ります。
さて、新しい学校に通う子たちには必要なお勉強。
馴れた子達だって、この機会に確認しておくのもいい大事なこと。
それは、
交通ルール。
今日の午後は、全校生徒で体育館に集まって
交通安全指導の講習です。
劇団の人たちが演じる、危険な状況のお話。
あっ
あぶない!
小さな子も、目を大きく見開き
はらはらしながら舞台を見つめて
まじめに勉強していました。
ときどき、おもしろい演技でなごんで、
突然、はっとする瞬間。
たちまち迫る車輪。
不注意って、こわい!
道路を走る車は、もちろん危険なのですけど
歩行者が油断せず、交通ルールを守ることで
確実に事故を減らせます。
お兄ちゃんも気をつけてください!
いくら丈夫でも、人間は車に勝てません。
ちょっと無鉄砲な夕凪ちゃんだって
今日の帰り道では
右を見て、左を見て、手を上げて。
立派だったよ。
褒めてあげてね。

そして、講習の最後には
思わぬ試練が。
といっても、予想していないのは一年生だけで
二年生からは、去年かその前に経験しています。
壇上に何人か呼ばれて
習ったことの確認、
そして、普段から安全を心がけているか、
緊張の抜き打ち指導です。
選ばれたのは、ユキちゃん。
こころなしか、いつもより赤い顔をして
だけど、内気なユキちゃんが顔を上げて
元気にお返事。
お兄ちゃん、
ユキちゃんはがんばったよ!
その時、星花は気づいたの。
もちろん、いい子にしているから答えられる質問なんだけど
あれって、劇団のお姉さんのお話が上手で
丁寧に誘導してくれるから
緊張している子でも
劇の内容をうっかり忘れてしまっても
ちゃんと、大きな声で答えられるように
できていたんです。
星花は大人の事情を知ってしまいました。
昔、星花のシニヨンがまだ
ぴょこんと跳ねた癖っ毛みたいに短かった頃。
憧れは、関羽さまよりも
同じ赤いならイチゴだったあの幼い時間。
突然、壇上に呼ばれて試されたお友達に
がんばれ、がんばれと
心の中で声援を送って
誇らしい笑顔で戻ってくれたとき、自分のことのように
喜びあえたあの時の星花には
もう戻れません。
と言いながらも、星花は悲しくないの。
上級生のみんな、あの立派なお姉さんを目指すのでしょう?
一年生の不安な子を見てあげて、
登下校のとき、忘れそうになっている安全を
辛抱強く声をかけ、厳しく優しく思い出させてあげる
尊敬できる、年上のお姉さん。
いよいよ、どちらかというと下の子達を見てあげる
年齢になりました。
まだ最上級生には程遠いから
小雨お姉ちゃんのお手伝いをして力を付けていくの。
お兄ちゃんやお姉ちゃんたちがしてくれるような凛々しい指導。
家族として、星花にも受け継がれているでしょうか?
指導するべき下級生も、しっかりしている子が多いみたい。
今日のMVP、ユキちゃんをはじめとしていい子ばかり。
吹雪ちゃん、素直な夕凪ちゃん。
まだまだ年下の子に助けられそうです。
いきなりは、みんなを導けるようになれはしないけれど
たくさんの立派な大人の人たちを目標にして。
お兄ちゃんたちのかっこ良さを目指して!

この春から、少しお姉さんの学年になり、
四年生ライフを始めます。
かわいい一年生たちの見本になるように
背筋を伸ばして
何より、安全を心がけて。
後輩たちに、恥ずかしくない後ろ姿を見せられるよう
決意のさわやかな深呼吸を胸に
歩みだす道のりがはじまります。
行ってまいります!

星花の偽日記

『素直に、ありがとう』

ついに新年度を迎える
はじまりの、晴れがましい日。
それなのに春休みの一日として埋もれてしまって
あんがい特別なこともなく。
何かが新しい、この時期限りのわくわくを実感するのは
たぶん、学校が始まってからになります。

そんな中途半端な気持ちを映したみたいに
空はきれいに晴れ渡っている、というばかりでもなく
風が冷たかったり、ときどき雲がかかったり
なんとなく、決めかねる態度。
新しく始まる、さわやかに変わっていく生活、ではない普通の日、
まだお兄ちゃんに報告することは何もなく、
ぴしっと背を伸ばして受け取る心地よい緊張感も、まだ先のお楽しみ。
それまで、あともう少しの間だと思って、
特にこれといって変わったことはないお休みを楽しんでいます。

そんなふうに過ごした4月1日、
お兄ちゃんは
だまされた?
だまされなかった?

吹雪ちゃんが公園に行くのは気が進まない様子だったので、
どうしたの?
いじめられたの?
そんなことがあったら、星花は鍛え上げたカンフーを振るいます!
でも、怖いからあんまり振るいたくないかもです!
話し合いで解決できないかなあ、と思って聞いてみたら
子供のつく嘘が苦手なんだって。

星花も嘘を見抜くのは下手っぴです。
どうして氷柱お姉ちゃんや霙お姉ちゃんは
隠していることがあっても、すぐに見抜けるんだろう?
吹雪ちゃんも、けっこうまわりを観察しているほうだから
嘘を発見するのは得意だと思っていたけど
苦手なんだ。
意外です。
でも、出かけたくない理由を話すのは恥ずかしそうだったのに
そういう時に嘘をついたりしないのは、性格なんですね。
苦手って、自分で嘘をつけないから、人の嘘にも慣れていないってことかな。
あっ、これじゃあ、氷柱お姉ちゃんや霙お姉ちゃんが
よく嘘をついているみたいになっちゃうかな。
氷柱お姉ちゃんは、悩み事を家族に隠しちゃうことがあるんだって。
そうなのかな?
お兄ちゃんに相談したらいいのにね。
本心をなかなか言えないのは、麗ちゃん。
家族で一人だけ通う学校で
新学期のこと大丈夫かな、と思うけど
そこまでは星花が聞いたら余計なお世話でしょうか。
お兄ちゃんなら、麗ちゃんも心を開いてくれるかな。
なんだか星花は、お兄ちゃんによりかかってばかりですね。
今日もだまされっぱなしで、お兄ちゃんが近くにいたらハラハラしたかも。
星花、気付いて!
それは嘘だ、だまされてる!
って。

公園には、今日も仲のいい友達が集まったけど、
一番きれいにハマった「だまされたー!」感があった嘘は、
ラーメン屋さんのヒゲ割り引き。
1メートル以上は今日だけ100円おとく!
さすが関羽様、おとくです、と思ったけど
関羽様が100円で喜ぶ器だろうか、というあたりで気がつきました。
それから、東京特許許可局は実在しないという話。
後になって、これは本当だったことがわかったので
えっ本当? ああ、なんだ嘘なんだ。えっやっぱり本当?
こんがらがっちゃった!
東京特許きょきゃきょく。
嘘かどうかは置いといて、みんなで言って盛り上がったよ!
エイプリルフールの不思議なテンションでした。
あとね、男の人は毎日おっぱいを見つめると
寿命が延びるって話。
学術的に統計を取って確認したらしいけど、
どんな統計を取ったんだろう?
お兄ちゃんは、おっぱいは好きですか?
もうエイプリルフールは終わったから、
回答に混乱する心配はなさそうで安心です。
でもお兄ちゃんはもともと、あんまり嘘をついてだましたりしないですね。
誠実な人柄のご主君様です。
戦国の世を渡っていくとき、正直すぎて何か困ることがあったら、
星花が駆けつけて、力になります。
と宣言したいけれど、
カンフーでいじめっこをやっつけるのも怖い星花が、役に立てるでしょうか?

星花はだます側になれないから
だまされる側だけど、それでもいいと思っています。
でもこれじゃあ、策略をめぐらす孔明様にはなれませんね。
お兄ちゃん、頼りない妹でごめんね、
軍師の素質がない妹で。
嘘なんてつけなかったけど、面白い日だったね。
だまされるのは妙に楽しかったです。
不思議な話題が飛び交って、なんだかくらくら。
大変なことが起こっているような、別にそんなこともないのに、変な高揚感。
何もないのに、なぜか特別の日みたいでした。
いつも普通で特に変わったところのない星花が、
今日だけは特別な事件に次々と巻き込まれていくようであり、
実は全然そうでもないという。
ぶっとんだり、安心したり、こんがらがったり。
今日の星花は、ちょっと普通の女の子じゃなくて、
大きな歴史的イベントの主人公みたい。
こんな体験ができるエイプリルフールって、なんだかいいですね。
また、来年もやりたいな。
これから続いていけば、一生で一回くらいは、楽しませる人になれるかな?

吹雪ちゃんが苦手な、嘘をついてもいい日。
お姉ちゃんたちが教えてくれた、嘘を見抜くコツは
勘!
それと、嘘をつけないと自分で分かっている人が
嘘なのか疑われないようにしたいなら、
その人に本当の気持ちをたくさん伝えること。
普段から、どれだけ相手のことが好きなのか、力いっぱいに。
本気で、全力で、
手加減なんてなしで
嘘なんかつかないで。
そうすれば、たまに気持ちを伝え損なって
誤解が生まれそうになったって
そう簡単に、信頼が揺らぐことなんてない。
お兄ちゃん、
星花は、普段から気持ちをちゃんと伝えられているでしょうか?
ときどき、ひとりよがりかもしれない、
行き過ぎて迷惑かもしれない、
そんな不安な時にも、
お兄ちゃんが笑顔でいてくれるから
星花は、自分の未熟さを自覚しながらも
いつも甘えてしまって、
自分のしたいように、お兄ちゃんに本心を何でも言ってしまいます。
星花が嘘をついたら、簡単にわかっちゃうね。
お兄ちゃんがどんな嘘を言ったって
普段から星花たちのことを思ってくれているおかげで、
星花はすぐに見破れそうです。
覚悟していてね、
忠誠心厚い義兄弟に、ごまかしは何も通じないんです。

だから星花も今日は、
お兄ちゃんに、本当の気持ち。
嘘を言える日が終わったから、
もし、星花が恥ずかしくて嘘を言ってしまっても
簡単に分かるように。

星花の大事なご主君様、
いつも星花たち家族といてくれて、ありがとうございます。
これからも星花は、お兄ちゃんの都合も忘れて
自分の心のままに行動してしまうことがあると思います。
どんなに星花が溢れる気持ちを抑えきれないか、
伝えたくて、わかってほしくてどうしようもない。
全身でぶつかっていきたいです。
迷惑だなんて言わない?
困ってなんていないよね?
お兄ちゃんは優しいから
あんまり負担はかけたくないけど
でも、家族たちを愛してくれているんだなと
どんなときでも教えてくれる、嘘をつかないお兄ちゃん。
星花がもっとしっかりして、立派な忠臣になるまで
どうかもうしばらく、甘えることを許してください。
星花はこれからも、お兄ちゃんのためにがんばっていきます。
家族に生まれた永遠の絆が、さらに熱いものになるように。
義兄弟の誓いには一片の嘘もないと信じてもらえるようになりたいです。
ちゅっ!
あっ、あっ、なにしちゃったんだろう。
今のは嘘です。
もう日付は過ぎちゃったけど。
まだ、楽しかった興奮が残ってるのかな?
星花は嘘が苦手です。
きっと簡単だと思うから、
お兄ちゃんがすぐに本心を見抜いてください。

星花の偽日記

『雄飛』

まだ、ときどき風は冷たいけれど
一日ごとに暖かくなっている実感がある季節。
というか、急に暑くなりすぎている気もします。
花粉症の人は急いで対策をしないといけないようです。
お兄ちゃんも、花粉症には気をつけてください。
って、風邪じゃないんだし、気をつけてっていうのはおかしいですね。
もし花粉症になってしまったら、
よく効くお料理を春風お姉ちゃんや蛍お姉ちゃんが知っているかも。
星花はそこまで気が利いた子ではないので
ティッシュの箱を持って駆けつけるくらいが精一杯です。
あとは、鼻をかんで赤くなってしまった時のお手当てが、
お姉ちゃんたちから塗り薬をもらってくればなんとかこなせるでしょうか?
未熟者ですが、
困ったときは家族で助け合いたいし、一声かけてください!

いろいろなことがやって来る春です。
この毎日の暖かさに、
新しい日々が訪れるような感じもしています。
別れと出会いの季節が来て、
でもなんだか、別れだけじゃなくて
晴れやかに進んで行けるような──
なんだかそんな気分になれる、いいお天気。
何かが始まる季節。
お兄ちゃんがこれから天下の覇権を取りに出かけるのに
うってつけの気候です。
これは、天がお兄ちゃんの出現を待ち望んでいるのでしょうか。
星花はまだお供ができるほどには育っていないのですが、
いつか立派にご主君様をお助けできるように
毎日、運動に勉強に、それから学校の活動に、張り切って励んでいます。
今日は、星花が所属している環境整備委員会の活動で
学校の花壇を見て回りました。
お世話になった先輩方や、
この一年で成長した後輩たちが揃って──
暖かい、のどかな陽気のこの日に
私たちが重ねてきた実績を振り返り、
やりこしたことがないか最後の確認をしながら
穏やかな時間を過ごしました。
まもなく卒業してしまう先輩たちに、
後顧の憂いなく前へ進んでもらえるように。
それから、もし私たちが来年から別の委員会を選ぶとしたら
後輩たちが苦労しないよう、教えておけるように。
放課後だけでは足りなくて、
この土日には、また委員会活動で集まる予定です。
花壇をきちんと見て回る、というよりは
せっかく仲良くなったみんながもう少し一緒にいられたら、と
誰ともなく提案したこと。
この陽気で一気に咲き出した花のお世話も、しっかり後輩に託しておきたい。
そんな名目で、
お休みの日、普段はあまり着ないようなおしゃれな私服で
ちょっと新鮮でうきうきするような、
だけど、この特別は最後だからと証明しているみたいで寂しいような?

卒業する六年生の先輩たちに、
お世話になったお礼の寄せ書きを贈ろうと
こっそり話し合っています。
星花は、この重大な布陣の総大将を任せてもらえることになりました。
おうちではまだ、よちよち歩きの小さな妹にしか見てもらえないことが多いですが
小学校の生徒としてみれば、信頼を受けているのかもしれません。
こんな頼りない星花だけど、
仲間たちと助け合って成功させることができたらと思っています。
先輩たちに喜んでもらいたい気持ちは、委員会の子たちみんな同じですもの。
こんな経験を積み重ねて、お兄ちゃんに手柄をたくさん報告して、
いつかお側でお仕えできるようになりたいです!
今はまだ、不安とか失敗談とかを聞いてもらうことのほうが多い星花なのですけど
なれるでしょうか?
お兄ちゃんに助けられながら、
それに、友達みんなに支えてもらいながら
人に頼ってばかりで申し訳ないけれど
未熟なまま、もうしばらくやっていかなければなりません。
総大将なのに、号令をかけて格好良く仲間を率いることはできないみたい。
先輩からも後輩からも、教えられてばかりの毎日です。
委員会の仲間たちは、
かわいい後輩がいっぱい。
あやとりが得意な子や、
なぞなぞをたくさん知っている子。
もともとお花の飼育に詳しい子、ゼロから学ぶ子。
お調子者の女の子、大人しくても慎重なところが頼りにされている子。
みんな、楽しく明るい学校生活を過ごしたいことは、気持ちは一つ。
その中で、星花がどう役に立っているかというと
あんまり特徴がなくて地味なポジションのような気がするんです。
いつも助けてもらっているお礼に、
この土日は、手作りのお菓子を用意して喜んでもらえたらと考えているんだけど
いきなりで、みんなびっくりするかなあ?
女の子が多い家に育って、家事の手伝いをよくすることでは有名みたいだし、
いいかな?
星花も少しは、立派な先輩たちみたいに
お姉さんとして活躍できればいいんだけど。

うちの家族のことでは、お兄ちゃんも学校ではたまに話題になります。
お兄ちゃんが知らないところで話題になってしまっていて、申し訳ない気もします。
女の子ばかりの家にやってきてくれて、
私たちの中心にいるお兄ちゃん。
そんなかっこよくて立派な男の人は、みんな気になるみたい。
一度見てみたい、なんて言われたらお兄ちゃんは困るかもしれません。
でも、星花のかわいい後輩たちは
悪い子なんて一人もいないと自信を持って紹介できます。
もし気が向いたときにでも遊びに来てくれたら、嬉しいです。

春が来たからといって、星花がいきなり新しい道に進むわけではありません。
いつか花が開くとしても、もっとしっかりしてから、もう少し先のこと。
その時が来て、力不足を後悔しないように、
まだ子供で未熟であっても、一生懸命に過ごしていきたいです。
お兄ちゃん、
星花がいつか大きくなって、まだのんびりしていたら
三顧の礼で迎えに来てくれたらとお願いするのは、
星花みたいなたいしたことのない子だと、厚かましいですよね。
やっぱり、お兄ちゃんを追いかける側になりたいな。
永遠を誓う義兄弟の契りを結び、
生死を共にすることができる
その相手がお兄ちゃんだったら
星花は何も思い残すことはありません。
早く、お兄ちゃんが頼りにする星花になりたいものだけど
そんなに急にはいかないみたいなので
気長に待ってもらえたら嬉しいと思う、弱気な星花です。

星花の偽日記

『お外』

雪がなくても、
急に走り出したら
いけません。

雨が続いたせいで
力が有り余っているのが
小さい子たちばかりじゃなくたって
いけません。

道路の向こうに
お兄ちゃんが見えても
ダメ!
気をつけて。

右を見て、
左を見て、
もう一回右を見て、

横断歩道を渡ったら、
前を見て、
脇目もふらず
まっすぐに飛び込んでも、
もう大丈夫。
あっ、いきなりで驚かせないように声はかけます。

お兄ちゃん、
ただいま!

今日も寒い日でしたね。
日が暮れるまで遊んでいると、風が冷たくて
星花の耳は劉備様みたいに大きくないけど、
ますます縮こまって、うー寒いって言ってるみたい。
鼻の先まで痛いくらいです。
こんな帰り道に急ぎ足になるのは、
早くおうちで暖かくしたいっていうだけじゃなくて、
風の中でもいっぱい遊んできて、
お兄ちゃんに聞いてもらいたい話がたくさんあるから!
危ないから、走ったりはしないけど、うきうきして早足です。

なかなかお見せする機会はないのですけど、
星花はダッシュが得意みたい。
カンフーで鍛えられているのかな。
瞬発力がありますよ。
スタミナもあって、スピードもあって、
足りないのは、知恵だけです!
学校の勉強じゃなくて、
わりと動きがまっすぐだから、搦め手に弱いんです。
サッカーの相手に軍師がいなくて良かった!

小学生の女の子が
好きなものは、

恋の話。
ドッジボール。
いろおに。
サッカー。
花いちもんめ。

普段は大人しい子たちだって、
先生がおっしゃるので、
寒い季節は体を動かしてあったまろう!
と、冷たい風も気にせず、
というより寒さに負けないようにいつもより元気よく!
もうむちゃくちゃに走り回って
ボールをまわして
大声をあげて
校庭せましと駆け回ります。

お兄ちゃん、
星花のふわふわセーターは
カバンに詰め込んでしまったけど、
走って熱くなったほかほかの暖かさを
お届けします!
寒い日には、ちょうどよくないですか?
ちょっと、のしかかるみたいになってしまうけど
星花は冬場でもそんなに体重が増加しないほうだと思います。
どうでしょうか。

お兄ちゃんは、
いろおにがあんまり強くなさそうな
格好ですね。
そんな時は、星花にお任せください!
どうも、うちの小学校のいろおにでは伝統的に
ピンクといえば
天使家!
みたいなイメージがあるようで、
ピンクの掛け声がひとことあがると
周囲から密集してくる女の子たち。
星花はうちの家族にしてはあんまりピンクは身に着けないので、
そんな時は全員、一網打尽です。
ごめんなさいってにこにこ真っ赤。
もうーってみんなにこにこ真っ赤。
あ、星花は赤に強いですよ!
覚えておくと、お兄ちゃんも
いろおにのとき得をするかもしれません。
赤い髪留め、
赤いブラウス、
白いズボンに白い靴、
そしてほっぺの真っ赤が集まると
星花です!

今日は帰ってから、ビーフシチューのお手伝いをするの。
朝出かけるとき、春風お姉ちゃんがそういう予定だって言ってました。
急がなくても夕凪ちゃんにお肉をどんどんとられる心配がないから
ゆっくり温かいシチューをふーふー、
おなかでもゆったり気持ちでも味わえますね。
あったまろうね、お兄ちゃん。

星花の偽日記

『報告』

まぜて、
まぜて、
よくまぜて──

ねって、
ねって、
よくねって──

あっ!
氷水につけて冷ましたあと、
もう一度湯せんで温めるときはかきまぜない!

そして、29度になったら
お湯から外して
木べらでよくかきまぜます。
これでつやが出て
おいしそうなチョコレートになるよ。

星花、けっこう力があるって褒めてもらいました。
お兄ちゃんに尽くすために一番役に立てるのは、
つやがよくなるまで一生懸命にかきまぜる
この根気かもしれません。

星花はこの特技を認められて、
果たしてお兄ちゃんと
男の熱い絆を築くことができるのでしょうか?
うーん……

意外といいものができそうだし、
お兄ちゃんに喜んでもらえたら嬉しいです!

今のところ星花はいい成績です。
型に流し入れてハート型を作るところまでは
一番最初に合格。
もう少し難しいチョコを練習してもいいって。
お兄ちゃんは、どんなチョコがいいですか?
でも、春風お姉ちゃんと蛍お姉ちゃんのほうが
お兄ちゃんの気に入ったものを作れるかな?
いろいろ試していいそうなので、
星花が作ってみて一番おいしいと思ったチョコを
お兄ちゃんに差し上げるつもりです。

どれを選んでもおいしい
ずらり並んだチョコレートのレシピ。
星花にはまだ、遠く手が届かないものもたくさんあります。
春風お姉ちゃんは、チョコレートケーキが豪華で
挑戦してみたいって言ってるけど、
でも、普段からちょこちょこ作ってるからどうしようかって──
あっ、お兄ちゃんごめんなさい。
ダジャレみたいになっちゃった。
チョコレートケーキをちょこちょこ、
だって。

蛍お姉ちゃんは、
今年も珍妙な料理を次々と考案しています。
珍妙って言っちゃった。
えーと、その、
なんと言っていいのか、
一応、
あんまりチョコの割合が多すぎると胃にもたれるかもだし、
今年はおなかに優しい料理もあればいいなーと、
さりげなくリクエストしておいたけれど、
気分が盛り上がってしまったら
そんな意見は蛍お姉ちゃんの頭からすっ飛んでしまうと思います。
お兄ちゃんから意見があれば、もう少し控えめになるかも。
ダメ元のつもりで試してみてはどうでしょうか……

とはいえ、
冷蔵庫の中身は
いわしにかれい、
かす漬けにする予定だった鮭だったり、
しばらくはさすがの蛍お姉ちゃんでも
チョコと合わせる気にならないものが豊富です。
酒かすといくらかの鮭は今日の晩ご飯に使ったので、
残りの鮭は焼いて食べることになりますね。
チョコ作りに夢中なみんなが食べやすいように
おにぎりの中に入れてもいいかなあ?
ただ、忙しくしているみんなだけど、ご飯のときくらいは
お兄ちゃんが一緒でないとつまらないと思うし、
戦場に出ているわけでもないのに
簡単なおにぎりだとご主君様がご不満なら、
みんなの中では比較的余裕がある星花に
お任せください。
ちょっとしたものならなんとかなります。

もうしばらくは挑戦を続ける私たちですけど、
お兄ちゃんを放っておくなんてことはしないので安心してくださいね。
バレンタインでなくても、申し付けてもらえれば
星花がいつでも戦いに赴きます!

今日の晩ご飯は、
チョコの試食にくたびれた胃に
あまり刺激が強くないものがいいだろうと、
煮魚に合わせて
鮭と大根、にんじんのかす汁になりました。
明日は試作品が今日ほど出ない予定だし、
というか、今日ほど失敗作の処理に困ることはないだろうし、
それほどおなかをいたわるメニューでなくてもいいかもしれないけど、
念のため、
牛乳いっぱい、栄養たっぷり、
暖かくてたくさん野菜がとれるクリームシチューがいいかもって話をしています。

星花たちもキッチンを占領してしまって申し訳ないし、
できるだけご飯の準備を手伝おうと話し合っているんですけど、
立夏お姉ちゃんや夕凪ちゃんはくたびれ果ててしまったし、
ユキちゃんたちにはまだ早いし──
今日のかす漬けは、実は星花が教えてもらって作ったものです。
お兄ちゃん、あったまった?

バレンタインに学んでいるものは、実はお菓子だけではないのです。
この先もずっと、お兄ちゃんのお役に立ちたいもんね。

おいしいご飯で体をあっためて、
栄養を十分に取って、
お兄ちゃんは元気に明日を過ごせそうですか?
星花は、明日もお兄ちゃんに尽くすためにがんばります!

星花の偽日記

『夕凪ちゃんのペット』

ワンワン、
ニャンニャン、
コンコン、
ペンペン。

ここまでは、いいんだけど──

お兄ちゃん、
ウサギの鳴き声って知ってる?

いま、みんなの間で説が分かれていて、

きゅうきゅう
っていうのと、

ぶうぶう
っていうのと、

うさうさ
っていうのと、

ぴょんぴょん
っていうのと
四つの説が、今のところ有力です。

飼育係を経験したお姉ちゃんたちの
鳴かない、って意見が出たけど、
でも、うさぎだって恋をしたら
気持ちを伝えようと、言葉にしたいんじゃないか、
うさぎにもし大好きなお兄ちゃんがいたら
一緒に遊びたいんじゃないか、
うさぎは革命の火に巻き込まれたら
愛を歌い上げたいのではないか、
うさぎだって戦場に出たら
割れるような大声で名乗りを上げたいんじゃないか、
様々な意見が紛糾して、
主に小さい子を中心に──
うさぎの想像が発展を続けているのです。
ちょっと星花の意見も入ってますけどね。
星花、もう小さい子じゃないのに、おかしいですね。
でも星花、お兄ちゃんの名乗り上げが
きっと誰よりも凛々しくてたくましいと思います。
本当は、お兄ちゃんと一緒に戦場に立つ星花が
かっこよくありたいのになあ。

観月ちゃんは、狐がかわいいって主張しています。
あまりメジャーなペットじゃないし、同意する人は少なくて──
お兄ちゃんはどう思いますか?
狐ってペットに向いてるのかな?

とはいえ、
みんな、空想上のお遊び、
なんですけどね──
はあ──

夕凪ちゃんは、もうずいぶん立ち直っているけれど
なんかもう、ペットのことはすっかり忘れたみたいにしているけれど、
星花はなんだかかわいそうで
ついつい、夕凪ちゃんの元気が出るように
お菓子を買ってきてあげてしまいます。
そういうときは、小さい子たちにも分けてあげたいし
結局、安くて量がある駄菓子を選んでいくくらいが星花の精一杯ですが
それでも大喜びの夕凪ちゃん。
ああ──
嘆いてもどうにもならないですけど──

星花、ちょっと考えてみました。
青空ちゃんが時々連れて帰ってきちゃうカエルは
あまりペットで飼っていてもかわいくないし、
家族が多い家でも、水槽で魚や亀を飼うなら、
でも夕凪ちゃんは水槽の手入れみたいに根気がいるお世話は苦手だし
それに、観賞用の魚は、体でぶつかって触れ合うのが得意な夕凪ちゃんには
合わない気もするんです。
鳥カゴで鳥を飼うとしても、すぐに逃がしてしまいそうだし……

だけど、
吹雪ちゃんが言っていたんだけど、
一人ずつ好きな動物を飼えるように分かれた家があったら
やっぱり寂しいし、吹雪ちゃんもそれはいやだって。
そんな家に住んでいたら、みんながお兄ちゃんのところに集まってしまうかな?
広い家に住む話なのに、今よりも狭いところに集まりそうな話になっていますね。
星花も、どさくさで、お兄ちゃんともっと家でも一緒にいられたらなあ。
でも、あんまりお兄ちゃんのお部屋に押しかけたりしたら迷惑だもの。
たとえば家が広くなるとかで、星花の寂しさが膨らんで耐え切れなくなったとしたら、
お兄ちゃんにお仕えする立派な武将になるはずの星花が、もしそんな弱気なことを言い出したら
そのときは、しかられてもいいし、
厳しく鍛えなおされてもいい、
もし処刑されてもかまわないので、
追い出したりしないで、お兄ちゃん、どうか星花のことを迎え入れてください。

ちょっと寂しい想像をして、ややへこんだ星花でした。
本当は、
ペットが飼えなくても、
こんなにたくさんの優しい家族に囲まれているんだから
星花が寂しがることなんてないのにね。
星花、よくばりないけない子なんでしょうか?
ペットのことだけじゃなくて、
お兄ちゃんと遊んでいるとよく
迷惑だとか考えないで、夢中になってしまう、
子供っぽいいっぱいのわがままも、思い出しちゃった。

お兄ちゃんの周りに誰もいない隙を見つけたとき、
まわりをよく確認しないで飛びついちゃうから
他の子と同時に飛びかかってしまう偶然、結構あるんですよね。

そんなときにも、慌てた顔をしながら
しっかりと星花たちを受け止めてくれるお兄ちゃん。

動物なんていなくても、
星花は、もっと嬉しいことを知っています。
お兄ちゃんは、象よりも馬よりもライオンよりも
世界中のどんな人よりも
かっこ良くて優しい、星花の憧れです。

空想しているペットの話だと、
パンダのふかふかのおなかに顔をうずめてみたい派もいます。
クマさんと人気を二分してるかな。
それとね、イルカと一緒に遊びたい意見で盛り上がったし
背中に乗って海を渡ってみたいタイプと、
イルカと協力して楽しい芸をしてみたいタイプがいるみたいです。

いつか将来、みんなと少しの距離が離れていても寂しくない
しっかりした大人になったとき、
自由に動物も飼えるのかな?
でも星花はまだ、自分がそんなたくましい大人になるなんて
全然想像できません。
まだもう少し、いいよね? お兄ちゃん。

星花の偽日記

『青い空と下校時刻』

澄みきった冬の空気。
空もますます高く遠くなるような、青くどこまでも続くような。
こんな季節、
ちょっと灰色の雲が浮かんでしまうだけで──

寒い!
寒いのです!

あっという間に
ぽかぽかの陽気がすっ飛んでしまうのです!
おひさまはどこへ?
あさひちゃん大好き、お兄ちゃんのいないいないばぁのように
顔を隠しただけで、いなくなってしまったかのようです。
ああ、日差しの温かさとは、これほどまでに
嬉しいものだったのですね……
不肖星花、失ってはじめて分かるぬくもりのありがたさです。
こんな季節は寄り道もしないで、
暖かな家へ早く帰りたいものなのですけど……

ましてや、今日ときたら
観月ちゃんの言う風の神様が
体調が悪いのか、それでも仕事をしなければと熱心になって
思い出したかのようにときおり
吹き付ける突風!

神様!
真面目なのはいいのですが
休むことも大事です!

なーんて──
そんな、風の強い日でした。
お兄ちゃんのほうはどうでしたか?
やっぱり、風が吹いていて寒かった?
なまじ日が当たる時間もあるぶん、
油断して少し薄着になったりしませんでした?
家を出るときに、みんな暖かい服をしていったっけ?
星花がお側にいられたら
念のために着込んでおいた服をおひとつ、貸して差し上げることも──
かけっこして熱くなった夕凪ちゃんが放り出した上着を
荷物になる代わりに羽織っていただいて、一挙両得の計も
できたのですけれど。

さむーい日でも、
夕凪ちゃんは元気、
星花も実はつられて遊んでしまったら
それはそれで楽しくてなかなか止まらなくなる
冬の帰り道、
吹雪ちゃんも、少し低い温度なら外にいるほうが調子がいいみたいだし
でも──
ユキちゃんもいるから早く帰らなくっちゃと思うし、
たまたま時間が揃って、今日はまとめ役の小雨お姉ちゃんは
困ってしまって、
どうしよう、
どうしよう星花ちゃん!
お兄ちゃん助けて!
こんな時にお兄ちゃんがいてくれたら!
星花の手を強く握って、頼ってくれるのですが
小雨お姉ちゃん、ごめんなさい。
あまり頼りがいのない星花で……

小雨お姉ちゃんが、晴れて中学に進学すると
小学生のまとめ役は
麗ちゃんをひとつ飛ばして、いきなり星花の肩にかかってきます。
この大変な役割を、
星花は果たして勤め上げることができるのでしょうか?
お兄ちゃん、どうかなあ?
星花はまだまだ子供だから
こんな日でも外で遊んでいたいと思うの……

今日を逃したら、また明日が来るまで
こんなにゆっくり遊んでいられるかわからないし、
ううん、明日になったらもっと曇るんじゃないか、風が吹くんじゃないか、
そう思うと、今日の日差しがもったいなくって
そのまま夢中になっちゃうの。
今日だって、寒かったけど楽しかったし、
明日も夕凪ちゃんの誘惑を断る自信がこれっぽっちもありません!
もっと自信を持って
なんでもお任せください! と言える星花になれないものでしょうか。

星花、どうしたら
もっと大人になれますか?

お兄ちゃん、星花の遠い将来の夢、
澄み切った冬の空、手の届かない青い空みたいに遠くにある夢、
それは──
いつか立派になって、天下に名を轟かすお兄ちゃんの、
そのそばでお仕えすることです。
槍の扱いはうまくないけど、
軍略の智謀も発揮できないけど、
お姉ちゃんたちに似て将来は美人になるって言われても
星花はそんなに美しくなって、お兄ちゃんの苦労を少しでも和ませて差し上げる
自信だって全然ないけれど──

まだ小さい星花が、遠く憧れるだけの夢。
もしかしたら、星花のいたことなんて
お兄ちゃんを記録する歴史書のどこにも残らないかもしれない。
どんなに活躍しても、ちっぽけな星花のお仕事は
ただ、お兄ちゃんが世に出るお手伝いをしたことのほかに
名前が残らないかもしれない。
それだけのことでも、きっと星花は大満足で死んでいきます。

歴史書に語られない、たくさんのこと。
小さい星花がお兄ちゃんに楽しかった話を聞いてもらわずにはいられないこと、
星花のいろいろな悩みを、たくさん聞いてもらっていること、
お兄ちゃんをこんなに愛している家族の一人に星花がいること、
そして、星花が毎日お兄ちゃんと、こんなに楽しく過ごしていること。
何もできなくても、後世の人が星花のことを何一つ知らなくても、
こんなにたくさんのことを知っている星花は、世界一の幸せものです。

星花、もう少しがんばって、
もう少しお兄ちゃんのお役に立てるようになったら、
と思っています。
助けられてばかりの星花が言うにはおこがましい、遠い先の話──

お兄ちゃん、
星花にして欲しいこと、なにかありませんか?
これから星花は、どんどんお兄ちゃんの期待に応え、
お兄ちゃんを助けられる、そんな自身のある子を目指します。
なれるかなあ?

まずは、小雨お姉ちゃんを泣かせることがないように
しっかりするところからはじめなくっちゃ!


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。