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蛍の偽日記

『夏服』

あっつい
あっつい
日が続いて。

蛍みたいに
お肉が余計についている
女の子じゃなくても
とっても厳しい
夏の暑さ。

本当に夏休みも
折り返し地点を過ぎたのかしら?
本当にそのうち
夏服を着なくてもいい日が
来るのかしら?
薄着ではできない
重ね着、
暖色、
大人のセンスで
秋色おしゃれ。
いったい、いつになるのでしょう。
ずいぶん遠い先に感じるな。

早く少しは涼しくなってくれないかなあ
と、ぼんやり物思いをしている間にも
気がついたら
無意識のうちに
フリル付きワンピース水着を参考に
小さい子に良さそうな
かわいいノースリーブを
ひとつ仕上げていました!
暑さって、困ったものですね。

まあ
気がついたら無意識にっていうか、
何冊もお裁縫の雑誌を並べて
メジャーを持ち出して
さくらちゃんのサイズを計らせてもらって
みっつよっつデザインのアイデアを出しては
ボツにして
わかっていて作った衣装なので
実は、わざとです。
てへ。

ウェストのゴムも
あまりきつくないようにしたから
観月ちゃんでも着まわせると思うけど
こういうの、似合うかな?
マリーちゃんには、小さいかな。

手作りの衣装だと
リボンの位置にまで気を使って自由に。
なんだかいいですよね。
襟元を広めに、胸のリボンはちょっとルーズに。
涼しさと、まだ早いおいろけを意識した
小さい女の子の魅力を丸出しに。
こんな服でも、夏の後半を
元気に過ごすお手伝いができたら嬉しいです。

ふだんから
幼稚園や小学校の小さい子たちは
蛍の作った服を着て行ってくれるから
たまに帰ってきた子に
評判がいいって言ってもらえるんです。
服だけじゃなくて、
蛍のことも。
なんて聞かされると
ええっ!
って。

お裁縫が得意で
お弁当作りも上手な
お姉さん。
そんな子がうわさになっていると聞くと
どんな大和撫子なんだろう!
一瞬思ってしまいます。
とても蛍のこととは思えませんよね。
一緒に住んでみないと、わからないものがあるかも?

本当の蛍は
思い立った勢いで
服を作ってしまうような子だし。

夏休みの宿題だって
実は──

やろう、
やろうと
思っているうちに、
そろそろやらなきゃ、
やばいかも?
の、
レッドゾーン突入寸前。

宿題から逃避したら
かわいい服ができているんだから
世の中は分からないものですよね!

もっと乙女心をくすぐるような
宿題が
たくさんあればいいのに。

あっ!
お兄ちゃん!
蛍の場合は
乙女心じゃなくて、
主婦の堅実やりくり精神だろう、
なんて思いませんでしたか?
そんなことを言われたら
蛍は泣いちゃいます!
と言いながら
笑ってしまいます!

自分でも思っちゃった。
蛍は乙女心でいいのかなって。
面白いことを思いつくものですよね。

蛍の偽日記

『秘密です』

ファーストキスと
初恋は、
レモンの味。

ほんとかな?

蛍の秘密、
お兄ちゃんには気づかれているかもしれないの。

体型よりも重要な秘密。
スタイルだって
体重だって
追いつけない大問題。

おこづかいの使い道より
大事な秘密。
無駄遣いをするとか
どちらかというと、お買い得に目がないとか
そんな困った子供みたいな癖と比べたってなお、
家族に知られてはいけない
恥ずかしくて
いけなくて
誰にも明かせない
秘めに秘められた真実。

ばれてしまったら
どうなるんだろう。
だけど、
隠してはおけないよ。
蛍のことを見てくれている、家族のみんな。
一緒の時間をずっと過ごしたい、
とても大切な、蛍の一生の宝物のみんなに──
もう、ごまかせない。
お兄ちゃんも、とっくに知っているでしょう?
蛍はごまかしたくない気持ちになってしまいました。
怖がらずに、言うね。
迷惑かもしれないけど、
本当のことなの。
その秘密っていうのは、
蛍が、実は
少し──
考えが足りないということです。
やることをやらないで、大変なことに夢中になってしまうの。
みんな、小さい子たちも
おばかじゃいけない、ってがんばっているのに!
お兄ちゃん、妹がおばかで悲しいかな。
ううん、学校の成績のことじゃないの。
夏休みの宿題も順調に進んでいます。
実はところどころ引っかかったりしているけれど
誰にでもあること。
蛍が落ち込んでしまうのは、
お兄ちゃんに、とても迷惑をかけてしまったこと。
だって、夢中になったら止まらなくなる
考え無しなんだもん!

明日はいよいよ、旅行の準備の総仕上げ。
出発前の一番のお楽しみ。
みんな準備が整って、それなりに時間が取れて
誰に必要で、一人一人にどこまで必要でないか、
去年からどれだけサイズが変わって
嬉しく、元気に、大きくなったか。
あるいは、成長期を過ぎたはずなのに
どれだけ横に伸びてしまったか。
なーんて。
それを確認してから、いよいよ買出しに出発の
ついに来ました。
わくわくと、どきどきと、
期待と不安。
女の子の覚悟が全て詰まった
ももいろ体験、
水着選びです。
だけどね、
お兄ちゃんのことは、蛍が知っているんだもの。
既製品の水着なんかよりも、何が似合うか。
見ているもの。
蛍の大好きなお兄ちゃんだもの。
絶対に。
賭けてもいいんだから。
お兄ちゃんに一番似合う
最高の水着は、
どこのデパートにもなくて、
蛍の手で作り出せるもの
たったひとつだけなんだもん。
お兄ちゃんの雄姿を飾るのに
どんなファッションデザイナーの手も
借りないんだから!
南の島の、輝くビーチに舞い降りるお兄ちゃん。
蛍の想像なんて、全然追いつかないよ。
すごいことになると思います。
楽しみだな。
だから全力で!
こんなことしかできない蛍だけど
お兄ちゃんの素敵な旅行に貢献したい。
そう思ったんだけど、
大事な衣装だもんね。
妹なんかに任せるの、心配だよね。
鼻息の荒いいのしし娘が
下半身をぐるぐる回ってサイズを測っても
どうしようってなりますよね。
ごめんね。
お兄ちゃん。
最高の水着は、いつか
将来のお嫁さんに作ってもらってね。
もしくは、蛍がお嫁さんになってから
作ってあげるね。
明日は、お兄ちゃんもデパートで一緒に水着を買うんですよね。
その時は、蛍が少しだけ意見してもいいですか?
今度は迷惑をかけないように
自分を抑えられるよう、がんばります。
できることがあんまりなくても
ほんのちょっとでも、お兄ちゃんのお役に立ちたい
小さな妹。
実はまだまだ、寂しがり屋で甘えん坊で
お兄ちゃんに全身で伝えたい。
大好きだよ。
甘酸っぱい気持ちじゃないよ。
いつでもふんわり、やわらかな甘さ。
蛍の毎日です。
どこに行っても、これからも、そうですよね。

あとね、春風ちゃんは水着と一緒に
ねまきを選ぶんだーって、スキップしています。
お兄ちゃんはどうしますか?
旅行は小さい子も一緒だし、
大変なことも多いと思うの。
ドキドキすること、
慌てるようなこと、
そして、いつか優しい思い出になるような経験。
私たち楽しい家族のことだもの。
きっと、いっぱいありますよね。
だから夜はとっても疲れて、ぐっすり休みたくなるんじゃないかな。
慣れない場所でも気持ちよく休めるように、
ホタの提案としては
ゆったりしたパジャマを持って行ったらいいと思います。
枕投げやトランプで夜更かしなんてしていたら
体力が続きませんよ。

蛍の偽日記

『ふつう』

連休です。

そう、
プリンが9個で、
りん、きゅー。
の、連休です。
おうちでは9個では足りないけれど──
任せてください!
ホタがいれば、プリンの10や20は
たちまちできあがります。
今日のごはんは、プリンは合わないかもしれないね。
楽しい連休。
張り切って作ったごはんが、
連休を元気に過ごすお役に立てたら嬉しいです。
なぜちゃんこ? って思いましたか?
それは理由があって、話は長くなるの。

連休の一日目。
お兄ちゃんはどんなふうに過ごしましたか?
風が冷たい日でした。
家の中で過ごす子も、
寒いお庭に駆け出していく子も、
思い思いに過ごした日。
こんな日でも仕事で忙しいママや海晴お姉ちゃんには
特別なおもてなしを用意して
帰りを待ちます。
食べやすくて元気になる栄養料理、
ホタの腕前がどれだけ大人の世界に通じるかな?
もう少しでいいから力があればと、いつも思う
ふがいない五女です。
もちろん、小さい家族たちのお世話も大事。
寒い風が吹いても体が冷えないように
激しく動いてもいいようにと通気性を考えた素材で
スパッツ、
タイツ、
腹巻き、
靴下。
コーディネートは蛍の腕の見せ所。
女の子はかわいく楽しみましょ。
お兄ちゃんのこと、なかなか見繕いができなくてごめんね。
男の人の運動用品、
とても生まれながらの女の子、蛍の手には負えないの。
かっこ良さと行動力と汗臭さの三角形を
上手に手綱を取って扱いこなせるのはヒカルちゃん。
でも、蛍にもできることはあるんです。
休日の激しい活動に必要なエネルギーの提供。
朝、昼、晩、さらにおやつの時間。
蛍は力が入っています。
みんなが元気でいられるように。
ご飯のときくらいは、運動が得意な子も苦手な子も
同じように喜んでもらいたいから。
目標もなくだらだらと過ぎてしまうかもしれないと
心配していた大事な連休。
いつも通りの土曜日、家族と過ごす蛍の大切なふつうの一日。
意外と充実している休日です。

お兄ちゃんは、夕凪ちゃんとお買い物に行ったんですか?
やっぱり、おねだりされてお菓子を買ってあげたかな?
いいなあ、
蛍もお願いすれば、時々はわがままを聞いてもらえる?
なんて。
大人なんだから、そんなことを言うのはおかしいですね。
年齢が違うもの。
蛍はもうすぐ、結婚もできる年齢。
といっても、赤ちゃんが欲しいとかそういうわがままになるというわけでは
今のところはなくて。
そう言えば、風が冷たい日にあーちゃんは外に連れて行けなかったの。
明日は晴れになりそうな予報です。
期待します!
まだおしゃれを知らないあーちゃんに、
かわいい服を用意してあげたいな。
それに、おむつの準備、
おっぱいの準備。
家族が多い蛍の明日も充実することになりそう。
生まれながらのお母さんなんでしょうか?
みんなにしてあげたいことが多いです。

お休みなのにかえって疲れてしまうよう。
あっ、気にしないで!
休日の本番は、お休み、また学校、それからお休みのその時。
ゴールデンウィークのおでかけに、普段のことは忘れて楽しむつもりです。
テレビ局の見学は、ママがきっちり予定を立ててくれています。
新婚さんいらっしゃいは、さすがに冗談だとしても。
家族旅行が、もうすぐ。
新鮮な体験はいいリフレッシュになると思うの。
学校がまだあって、その先。ずいぶん遠い気もしますね。

今日の蛍は、
何かと忙しい、家族と一緒だったふつう。
満足のいつも通りでした。
それでね、テレビを見ていたら
両国で行われているイベント、ちゃんこ通り。
いいなあ、と我が家の食いしんぼうたちが言うから
今日はちゃんこ記念日。
記念日は嘘です。
料理の腕はまだ至らないかもしれないけど、
家族を幸せにしたい気持ちは
蛍も負けない!
張り切って作りました。
寒い風も吹く日だったもの、ちょうどいいよね。
ちゃんこが得意ですけど、
蛍はそれほど太っているわけではないですよ。
ふつうです。
たくさん食べて、力を蓄えて、
明日も家族と楽しく過ごせるように、
男の子で栄養が必要なお兄ちゃんが明日もいい日を過ごせるようにと、
願いをこめた愛情料理。
おなかいっぱい食べてもいいんです。
ちゃんこだもの!
寒かった日のちゃんこ、
いいイベントです。
我が家でも、いい晩ご飯になったかな?
プリンは出なかったけど、笑顔がいっぱいの夜でした。
たくさん食べた?
遠慮しないで、まだあるよ。
蛍の愛情は、こんなに。
好きなだけどうぞ。
もりもりいける、おいしいちゃんこ。
あったまっていってね。

蛍の偽日記

『微熱』

うーん
うーん──

おにぎり
サンドイッチ──

からあげ
手羽先
ハンバーグ
かぼちゃサラダ
カスタードプリン──

はっ!
お兄ちゃん?

ホタ、
いま幸せな夢を見ていたような。

すみません、
蛍はもう少し寝ていなくちゃいけないんです。
そんなに熱があるわけじゃないの。
39度2分なんて
蛍からすればほんの微熱。
休むほどじゃないの。
頭は普通に回転しているし
よく寝て体力はありあまっているし
むしろ、働かないのがつらいくらい。
でも小さい子にうつったら
蛍と違って、重くなってしまうかもしれない。
だから、全快までは我慢です。
蛍、なさけないけど
我慢は
あまり得意じゃないの。
もうお姉さんなのにね。
ついうっかり、
ご飯を作りすぎてしまう。
安いからって
おかずの材料を買いすぎてしまう。
かわいくねだられて
小さい子におやつをもう少し。
気がついたら、
蛍のおなかにも
見慣れないお肉が
ちょっぴり多め。
まあいいか
もっと大事なこと、
家族が笑顔でいること、
そのためなら、太るくらい。
食べなくて痩せるのは、悲しいですもの。
おいしく、楽しく、みんなで栄養をとるのが家族の活力。
でも、家族の力になれるならうれしいんだけど
欲望に弱い蛍は、あまり姉として見本にならないんです。
あんなふうになっちゃいけない!
欲望に負けて食べ過ぎたらいけない!
と、思われてしまったらどうしよう。
いえ、欲望に負けないでいて欲しいのは正しいんですけど。
太りすぎるのを気にして、とるべき栄養をとれなかったら
蛍のせい!
だから蛍も、時には妹たちの手本になることを意識して
わがままを言わないで、治るまで寝ています。
手本なんて大げさな話じゃなかったですね。
風邪で休んでいないといけないときに、
子供みたいに落ち着かないほうが、恥ずかしいというだけです。
蛍は自分で思っていた以上に子供なのでしょうか。
そういえば、自分がお姉さんになったと実感する機会も
普段そんなにたくさんはないような?
立派なお姉さんって、どうしたらなれるんだろう。
蛍はただ、家族みんながかわいくて、大好きで、
お世話をしたい、その気持ちだけ。
蛍の体は甘やかしだけでできています。
それじゃあ、いけないでしょうか?
珍しく難しいことを考えていたら、うとうとしてきました。
明日には元気になって、みんなと過ごせるかな。
ちょっと落ち着かない、ベッドで過ごす非日常。
考えすぎるのもいけないと思うんです。
病気の時には、弱気になってしまうから。
蛍がいなくて、みんなご飯をちゃんと食べているかな。
春風ちゃんは結局、鼻かぜで熱が出なかっただけみたいなの。
花粉症じゃなくてよかったけど、
蛍にうつしてしまったって、気にしていないでしょうか。
ただ蛍が不摂生で寝込んでいるだけなのに
変に気を使わせてしまっていないか、心配です。
それから、同室のよしみで看護を担当してくれている氷柱ちゃん。
氷柱ちゃんもなるべく小さい子に会わないようにして、
蛍のせいで申し訳ないな。
ひとつ上のお姉さんなのに、全然しっかりしていなくて。
蛍がもぞもぞ部屋で作業を始めるので
いつも以上に目を吊り上げています。
寝ていなさい! って、
氷柱ちゃん、そんなに怒鳴ると喉によくないよ。
氷柱ちゃんの体にいいものを食べさせてあげなくちゃ、
蛍も休んでいられないと思うんだ。
寝込んだタイミングのせいで
お弁当で悩んだ知恵熱みたいになって、
うなされて出てくる寝言もおいしそうなんだそうです。
氷柱ちゃんが、蛍のせいでおなかをすかせてしまわないでしょうか。
あんまりお料理が得意じゃない氷柱ちゃんだし、
体に優しい夜食を作ってあげられないと、蛍の風邪もよくならない気がするの。
お兄ちゃん、氷柱ちゃんがあんまり偏った食事をしないように
見ていてあげてください。
カップラーメンとか、栄養食品とか
お腹がすいたら、合理的だからと適当に済ませてしまいそう。
氷柱ちゃんが消化と吸収のいい夜食を作る姿が
想像できないのはどうしてなんでしょう。
ううん、氷柱ちゃんの持ってきてくれるおかゆ、おいしいよ。
春風ちゃんの得意な、ほんのりお塩の味付けと
それから、ほのかに優しい、知らない味が喉を通り過ぎると
氷柱ちゃんよりも先に、
なぜかお兄ちゃんを想像してしまうの。
ごめんね、氷柱ちゃん。
詳しい話を聞く前に、寝かしつけられてしまうので
まずは体を直すことが一番です。
お兄ちゃんがいてくれるんだし、
安心していられるのは確かなんだけど、
どこか、うまく言葉にならない胸のうち。
お兄ちゃんのことを思うと、
なぜか眠れなくなるんです。
病気なのにあまりしおらしくない蛍です。

蛍の偽日記

『朝食』

わがやの朝食は
もちろん──
そう、
みんなの大好きがいっぱい詰まった
山盛りメニュー。
小説の3巻にもあるとおり、
イングリッシュブレックファスト。
小説の3巻?
なんだか、私たちを題材にした小説があるみたいな言い方ですね。
私たち家族なんて、小説で扱うほどでもない
わりとどこにでもありそうな、平凡な日々を送る家族。
普通の暮らしで誰にでも起こる出来事で一喜一憂、
何も特別なことはなく、ただ平凡に、家族を愛しているだけの私たち。
違うところといえば、
実は夕凪ちゃんが魔法使いだったこと、
くらいでしょうか。

よく似ているところがあって共感もできる面白い小説の話はともかく、
平日の朝の定番は、そんなふう。
家族がたっぷり栄養を取って一日をしっかりがんばれるように、
ホタと春風ちゃんの願いを込めて、
量も種類も充分に取れる、朝一番のお楽しみ。
お兄ちゃんは、気に入ってくれているでしょうか?

今日は、お料理の栄養の本を読んでいたんだけど、
栄養表示の一覧に、くさやが載っているの。
お兄ちゃん、くさやってそんなにポピュラーなのかな?
だけど、干物は塩分が多くなるから気をつけないとね。
お魚はなるべくメニューに取り入れていきたいんだけど、
夕凪ちゃんは骨をとるのが苦手みたい。
早く食べたくて焦っちゃうのかな?
ちゃんとお皿に取り分けているもの、逃げませんよ。
落ち着いてね、って言ってあげないと。
もし何か思わぬ出来事があって、どら焼きみたいに消えてしまっても、
ホタがまた用意してあげるからね。
なんて、朝の定番メニューは、焼き魚もありですよね。
それで、あんまりくさやは関係ない話なんですけど。
蛍ってときどき、話がそれてしまいがちなんです。
お兄ちゃんに聞いて欲しいことがたくさんあるからなのかな。
夕凪ちゃんみたいですね。お姉さんなのにね。
話したいことがたくさんある妹って、ちょっとうるさいでしょうか?
いつでも近くにいてほしくて、実はそんなに話を聞いてもらわなくてもいいと思う妹もそう?
迷惑にならないか、心配しながら甘えています。
話っていうのは、ちょっとだけ焼き魚の関係。
食事の栄養の本によると、
朝食はエネルギー生成の効率がいいご飯がおすすめですって。
そうなの?
お兄ちゃんも、朝は日本食がお好みですか?
家族みんなに元気に一日を過ごしてもらいたくて
胃袋担当を買って出た蛍としては、
みんなの笑顔のために張り切るのは
ビックリマーク付きの優先事。
なにしろ家族がいっぱい、好みもそれぞれのにぎやかな家なので
そんなにすぐには要望に応えられないかもしれないけど、
蛍はときどきお兄ちゃんの言うことは妙に素直に従ってしまいがち。
小さい頃は一緒にいられなかった分、取り戻そうという気持ちなのでしょうか。
他の子たちの希望をいったん置いておくくらい、順位が上になりそう。
みんながそろう場所で、あからさまにお兄ちゃんが一番というわけにはいかないけれど、
時々は、お兄ちゃんのことを一番だと思うホタの気持ちを
届けさせてください。

できるだけみんなに満足して欲しくて
おいしい朝食を運ぶのなら、
高級ホテルみたいなビュッフェスタイル?
さすがに毎日は難しいけど、
今度、お休みのときにじっくり時間をかけて用意してみるのもいいかも。
きっと楽しいと思うな。
あれも食べたい、こっちも迷う、そんなふうに目移りするなんてなかなか経験できないから、
誰でもテンションが上がると思います!
定番が大好きな麗ちゃんも、そんな時には冒険してみたくなるかな?
ホテルのレストランと比べたら、さすがに蛍なんてちっぽけな見習いもいいとこですけど
家族みんなに向かう愛情では絶対に負けません。
どんな高級ホテルよりも蛍主催のビュッフェが嬉しいって思ってもらえる
果てしない目標に向かって!
実力では本物のシェフにかなわなくても、蛍のハートで補えるように
細い腕に力を込めてがんばってみたいです。
冬の間に太い腕になってしまったかもしれないけれど。
ところで、実際にビュッフェスタイルの朝食にするとしたら、
蛍はシェフなのかウェイトレスなのかメイドなのか、
どのコスプレをすればいいのでしょう?
お兄ちゃんの好みで選んでもらっていいですか?

ここ数日暖かい日が続いて、
かわいい妹たちの熱意に打たれ、ついにアイスを解禁してしまったことで
やっぱり、久しぶりのアイスに夢中になって
ご飯を食べられなくなる子が現れ始めました。
こんな時こそ、おいしく食べられるものを!
大事な朝食をしっかり取ってもらうために、毎日が工夫の連続です。
それでね、あんまり甘いものを摂るとのどがかわくみたいで、
今日はみかんが大人気。
少し前までこの家では果物界のエースだったいちごは、
このまま暖かくなったら、買い足す機会もないでしょうか?
残りを家族全員で分けるには、ちょっと足りないくらいの量が
中途半端にあまっているけど、
お兄ちゃん、
今後のメニューについて、相談に乗ってもらっても大丈夫なら、
話し合いながら、台所でいちごを私たちで分けてしまいませんか?
この冬を締めくくる味覚の、そのひとつ。
お兄ちゃんと、去り行く楽しかった冬に笑顔でありがとうを告げながら。
これからの春を迎えたいです。

蛍の偽日記

『大変!』

大変、
どうしましょう!

お兄ちゃん、
大変なんです!

このままでは──

2月が、
2月が!
終わってしまうんです!

あ、
そんなの当たり前のことですよね。
でも、3月に入ったらすぐ雛祭りがあるんです。
お雛様も飾って、お部屋はなんだか華やいだよう。
我が家の女の子たちもみんな、立派なお雛様を見て喜んでいます。
これは、日記でもお話に出るんだろうな。
女の子のお祭りだし、かわいらしい話がたくさん聞けるはず。
まだ少し先だから、何度も話題になるんだろうなあ、
嬉しいな!
なんて思っていたら、
今日になって急に気がついたんだけど、
2月って少し短かったんです。
このままだと、すぐ終わってしまうんです!
お雛様の話……みんな、あんまりしませんね。
それよりも、お兄ちゃんに聞いて欲しい大切なことが
いっぱいあるんですね。
言われてみれば、そんなに雛人形って
一日中見ているものじゃないですね。
お兄ちゃんと遊ぶものでもないし、
他にしたいこといっぱいあるみたい。
楽しい雛祭りは当日になってから。
毎年コスプレをしているわけでもないですから
今年は準備もそんなにありません。
お部屋の見た目が華やかになったくらいで、
実はあまり影響がないのでしょうか?
雛祭りがついに来る、張り切っちゃう!
っていうイベントじゃないかもですね……
蛍は何を期待していたのか、
こうなってくると自分でもさっぱりです。
今年もコスプレしたらよかったかな?

それに、
女の子のお祭りだと、
私たちのお兄ちゃんが参加しにくい気がしませんか?
それで、テンションがあがりきらないのかなあ?
お兄ちゃんもこの家に来てずいぶん経って、
蛍のわがままも聞いてもらっています。
いつもありがとう、お兄ちゃん。
お兄ちゃんがいてくれて、蛍は毎日嬉しいことがいっぱい。
というわけで、もうずいぶんコスプレに慣れた頃ではないですか?
お内裏様に扮装して、今度は本当に家族みんなでお雛様になるの。
どうですか?
でも今年は準備していないから、今からだと無理ですね。
お兄ちゃんがその気になってくれたら、来年しましょうね。
その時は蛍はきっと張り切って、
かつてない会心の衣装を製作しそうな予感があります。
お兄ちゃん、来年は絶対しましょうね!
あ、いえ、あんまり無理に誘ったりするのはいけないですけど、
蛍もお兄ちゃんの素敵なところ、
もっと見たいんだもの。
いつもわがままを聞いてもらっているのに、ついついこんなこと。
いけませんか?

今年の雛祭りは、もうすぐやって来ます。
小さい子たちがお兄ちゃんを順に連れて行って、
お雛様を見せてあげたかったみたいで、
ずいぶん引っ張られていませんでしたか?
本当にお疲れ様でした。
みんな、いつもお兄ちゃんと遊びたくて仕方がないんです。
きれいなお雛様を見てもらえば、きっと喜んでもらえるはずですもの。
なんとなく盛り上がってきているとは言えるし、
これから雛祭りのごちそうの用意をみんなで支度していくうちに、
また雰囲気が出てくるんじゃないかなと思っています。
当日は、楽しい雛祭りになって欲しいな。
蛍も家族たちと力を合わせて、いい雛祭りを迎えられるようにしたいです。
そこまで張り切るものでもないですか?

でも思うと、やっぱり
2月の短さは、改めてびっくりしちゃいます。
26日って言えば、普通の月ならもう少し気持ちの余裕がある時期だけど。
明日と明後日で、今月が終わっちゃう!
来月になったら、雛祭り本番に向けての仕上げ。
うわー、短いような気がしてきます。
お兄ちゃん、どうしよう、ホタ焦ってきちゃう。
どうしたら落ち着けるかな。
ホタ数学は苦手だから、素数は分からないし。
お兄ちゃん、迷惑でなかったらホタの勉強を時々見てもらえませんか?
あ、それとも、気持ちが落ち着くように手を握ってもらってもいいですか?
ホタがまだ小学生の頃は、怖いテレビを見てしまったら、
春風ちゃんやヒカルちゃんと手を繋いで、
同じ布団に入ってぎゅうぎゅうしながら眠りました。
布団の中の温度は上昇、怖くてぶるぶるしているどころじゃなくなって、
ほかほかになって眠ることができたんです。
お兄ちゃんと一緒に寝るなんて考えたら少し恥ずかしいけれど、
落ち着くように手を握ってもらうだけなら、いいですか?

まあ、できることをすればいいか。
とにかく、楽しく雛祭り当日を迎えたいものです。
でも雛祭りはコスプレの日じゃないですね。
女の子の健やかな成長を願い──
お雛様には、私たちの厄を代わりに請け負ってもらう意味もあるんでしょう?
不思議な力を持っていて、
時には、私たちの分身とも言われる、お雛様。
雛祭りのお祭りのおかげで、これからも無事に過ごせたら
それが一番ですよね。
でも、蛍は分身よりも、本人をかわいがってもらいたいな。
お雛様ほど、いつ見ても華やかってわけじゃないけれど、
蛍も毎年、ちょっとは女の子らしく成長していませんか?

これからも、毎日を幸福に過ごせますように。
家族みんなが元気で、そして、女の子として楽しくいられますように。
蛍は、もう少しでいいから、お雛様みたいにきれいになれたらいいな。
それから、お兄ちゃんがいつもかっこよくて健康で
私たちの家族でいることが幸せでありますように。
お雛様、今年の雛祭りもよろしくお願いします。
私たち家族のことを見守ってくださいね。
ちょっとお願いしすぎたかな?
これは、どうやら今年も、
雛祭りの本番は張り切ったほうがいいかもしれません。

蛍の偽日記

『お菓子の家』

おさとうと、
スパイスと、
すてきなものでできている
蛍です!

でも実は、
蛍をぺろぺろしてもあんまり甘くないけど。

甘いほうのお菓子の話です。
お兄ちゃんは知っていましたか?
最近は、本物のお菓子で作る
本物のお菓子の家製作セットが
お店で売っているの。

もちろん、
人が住める大きさじゃないですけどね。
お皿に乗るくらい小さいみたいです。
家族で分けるのは難しそうだし、
倹約家のホタなので、手を出してはいません。

あっ!
お兄ちゃん、
欲しいなんて言ってもダメですよ。
小さい子たちも興味があるみたいだけど、
おやつは家族みんなで分けるものです、って
ちゃんと言い聞かせています。
見本になるべき私たちが
ナイショで自分たちだけ楽しむ、なんて
そんなことできるわけないじゃないですか。
お兄ちゃんはそんなにホタとの間に秘密を作りたいんですか?
だったら別の秘密を作ってもいいですよ。
台所の整理をして、
古くなった分やあまっている分をこっそり処分してしまいましょう。
いっしょにね。

それに、ホタだったら
やっぱり本当に住める大きさのお菓子の家を考えちゃうなあ。
そうなると、課題はいろいろありますよね。
柱に使う丸太も、ブッシュドノエルというわけにはいかないし。
内装にも快適さを求めなくちゃ。
ソファだって、立夏ちゃんなんかが元気に体重をかけても耐えるには
相当な量の寒天が含まれている必要がありそう。
強烈な寝相でもしっかり包んでくれるベッドとなると
羊羹並みの弾力があってもなかなか難しいかな。
マシュマロのやわらかさがよく眠れそうかなとも思うんだけど。
お兄ちゃんの寝相は大丈夫?
マシュマロボディーで受け止めきれないやんちゃな寝相だったら
ホタ困ります!
あと、賞味期限の問題もあるし
こまめに食べては作り直すことになりますね。
つまり、お菓子が大好きな我が家のみんなは
お菓子の家の健康を守るために活躍する看護師さん。
そして、傷口を治していく蛍はお医者さんの役目です。
お兄ちゃんもお医者さんが似合うんじゃないかな。
でもそれは、ときどき疲れたり弱気になったりした蛍を支える
お医者さんの蛍のためのお医者さんなんです。
ややこしいですね。
でも大事です!

あれこれ考えてみたけれど、
ココアパウダーとホワイトチョコレートでチェスボードのお菓子も作れるし
貴婦人のお人形のパニエで広がったスカートに見立てるケーキも
バラの花の形をしたチョコレートだとか、
クリスマスを思い出せばツリーからはみ出して飾るオーナメント。
その気になれば意外とお菓子の家でした。
女の子はおさとう入り。
さらに、チョコボールを家族の分だけ買っていると
結構出てくる天使たちは、私たちの名字と同じで
ちょっと親近感の嬉しさもあります。

それにね、
お菓子の家があると思うと嬉しいのはなんでかな、
お兄ちゃんなんでだと思う?
ホタは考えたんだけどね、
それって、家族みんながおいしいものを食べて
笑顔で過ごせるからじゃないかって。
だったらホタ、がんばって
私の家はお菓子の家みたいに幸せだな!
と、みんなに思ってもらいたい。
青い鳥は最初から家に──これはちょっと違う話だったかしら。
蛍の力はささやかだけど、
おいしい幸せだけでもみんなに届けられたら、お菓子の家に住むよりこっちがいいです。
大事なことは
愛する人の笑顔ですものね。

お菓子の家は蛍の一番の希望ではなかったけど
ほんのちょっとだけ望みを言ってもいいなら、
蛍はときどき、おもちゃのカンヅメを運ぶ天使のように
ラッパを吹いてみんなに幸せを運べたらと思います。
もちろん、地味な仕事に不満はないし、
今だって自分で楽しいことをやってるだけなんですけど、
たまにはみんなに向けて
笑顔のお届けものでびっくりさせたいな。
ぱんぱかぱーんって。

ぱんぱかぱーん。
新しい日の朝が来ましたよ。

ぱんぱかぱーん。
おやつができました。

ぱんぱかぱーん。
かわいい服はいかが?

ぱんぱかぱーん。
なわとびがたくさんできたよ。

ぱんぱかぱーん。
背が伸びました!

ぱんぱかぱーん。
お兄ちゃんにお料理上手の彼女ができました。

ぱんぱかぱーん。
ご懐妊でーす。

ぱんぱか
ぱんぱっかーん。

お兄ちゃんにいいことが
たくさんありますように!

蛍の偽日記

『雨?』

昨日まで
少し暖かい日が続いて。

立春って本当なのね、
早いうちに春服の準備をしなくっちゃ!
と思っていたんです。

うちの家族はみんなかわいいから、
ホタも作り甲斐があります。
次はどんな衣装を用意しようか?
今度はアイドルをテーマにしてみたいなあ。
みんなのお気に入りは、AKB48だとどれになるんでしょう?
ね、お兄ちゃんはどれが好き?
ホタは、どの衣装もお兄ちゃんに似合うと思います!
というのは冗談です!

家族の服を考えていたのは、本当です。
ラブライブだと、もっぎゅーが似合う季節でしょうか。
でもあれは、露出度が高めでまだちょっと寒いかも?
大事な日に勇気を出して気持ちを伝えるために、
まず、日ごろから元気と健康を養っていくことも必要。
でも、普段からかわいいことや素直な気持ちにもっと慣れておくことが
必要な子もいるけどね?
ウフフ、って
そんな予定を立てていたら──

びっくり!
あんなに暖かい日が続いたのに、
関東は大雪に警戒。
海晴お姉ちゃんも、この冬何度目かの真剣な顔で伝える
まじめなニュース。

急激な低気圧の発達で
いきなり寒くなります!

ホタ、コスプレが趣味なんだけど
お天気キャスターの真似はちょっと苦手です。
生活に密着しているのに、
わかりやすく伝えるには、意外と難しい用語が必要なんですよね。
何事もプロの人ってすごいです。
まあ、そんなホタのお遊びは、こっちに置いといて。

やっぱりまだ二月です。
春服の準備をしてる場合じゃなかったかしら?
大変、みんなの冬服はどこへしまったっけ。
タンスをひっくり返してでも、厚着させてあげなくっちゃ。
どうしよう、急いで探さないと、
ああ、ホタが普段からしっかりしていればこんなことには、って
慌ててしまいました。
でも、よく考えたら
まだ冬服は奥にしまわずに、そのまま置いてありました。
よかったよかった。

……
もしかして、
ホタはおばかなのでしょうか。

でも、
家族ためにこうして元気に働けるんだから、
少しはおばかでもいいかな。
お兄ちゃんも、頭が悪いくらいは気にしませんよね?
ホタ、学校の勉強はそこまで悲観するほど悪くはないと思うの……
ただちょっと、うっかりするというか、
あれ? ってなるというか、
すぐぼーっとしているというか?

ちょっと力が足りないところもある蛍ですけど、
家族のために精魂込めてがんばります!

お兄ちゃん、明日の朝はずいぶん寒くなりそうです。
蛍がそこまでしなくてもよかったというくらい一生懸命タンスをかき回して
探し出したコートを着ていってね。

なんでも素直に言える家族になりたいけれど、
蛍はうまくしゃべるのもあまり得意じゃないし、
一生懸命言葉にしてもなかなか気持ちの全部が伝わらないので
行動でも家族のみんなに好きって伝えたいんです。

私、お兄ちゃんのことが大好きです。
だから、できることならなんでもしてあげたいの。
してほしいことみんな、言いつけてね。

ところで、
思ったより雪が降らなくて、
寒さだって、雪が積もるときほどでもないし、良かったですね。
ただ、ユキちゃんの体も心配だし、
小さい子の健康については、油断してはいけないですけど。
そんな心配な当の子供たちは、
雪遊びができるほど積もらなかったのが不満みたいで、
部屋で廊下で、鬱憤を晴らそうと大暴れです。
こっちの気も知らないで、いい気なもので
なんだかつられて笑ってしまいます。

麗ちゃんは違う意味で不満があったみたい。
大雪の可能性があったから、
早朝から電車の本数が少なくなっていたんですって。
麗ちゃんが全部の電車に乗るわけじゃないのに、
やっぱり好きな人にはいつも活躍していてもらいたいのかな。
それはホタも同じ気持ちです。

蛍では麗ちゃんを助けてあげられないけれど、
お兄ちゃんならどうかな。

雪が降っても走れるような
麗ちゃんが気に入るかっこいい電車がたくさんできたらいいのかな?
お兄ちゃんは男の人だし、そういう話に詳しくないですか?

蛍の偽日記

『二月に向けて』

一年の最初の月も、もう少しで終わり。
あわただしかった年の瀬のあとの、少しゆっくりできたお正月。
ここしばらく──
クリスマスのサンタと天使のパーティや、年始の着物パーティ。
というのは、ホタの趣味の楽しみ方だったかもしれないけど。

そんな、
華やかだった日々が、
昨日のことのような、もうずいぶん昔のことのような。
あっという間に過ぎ去ったと思ったら、
もうすぐいよいよ
次のイベントが近づいてくるんですよね。

二月は他の月よりほんのちょっと短いけれど、
またいろいろなことがあると思います。
特にバレンタイン!

でも、今年はなぜか
みんなが蛍に、
あまりバレンタインのごちそうを作らないようにって
言うんです……

みんな、
そんなに、お兄ちゃんに自分のお料理を食べてもらいたいのかな?

そういうわけで、
今年は衣装係を担当しようかな、と考えたりもしています。
バレンタインもコスプレパーティができるかしら。
お兄ちゃんに思いっきりの愛を伝える
とびっきりのかわいい衣装、
何がいいかな?
夢見るフリル?
勇気を出して大胆な露出?
他にも、生地にまでこだわるきらきらのドレスで
お兄ちゃんがまだ見たことのない私たちの新しい魅力を引き出すのもいいな。
でもそれは、お兄ちゃんと私たちの結婚式のときのお楽しみかしら?
かっこ良くスーツで、少し大人の女を意識させるのはどうかな。
ファンタジーなコスチュームでかわいらしく揃えるのもありだと思うし。
それとも、お兄ちゃんはやっぱり裸がいいですか?
生まれたままの、素直な心。
裸の心を伝えることができれば、
本当は衣装なんて何でもいいのかもしれないですもの。

でも、大好きな人にかわいいと思ってもらいたいし、
かわいい姿を見て喜んでもらえたら嬉しいし。
ホタ、本当はいつでもこだわっていたいけど
そういうわけにもいかないので
何かあったら張り切ってしまうのは、仕方ないんです。
ちょっとだけ大目に見てください、
お兄ちゃん。

さっき、みんながお兄ちゃんにお料理を食べさせたいんだって
言ったとき、
お兄ちゃんは「えっ?」って思ったかもしれないけど、
でも、それは本当なんですよ。
このごろのホタは、家庭科の先生の気分です。
みんなのためを思うなら、なるべく手を出しちゃいけない。
でもおいしいお料理を作るために、なるべく要点は教えなくちゃ。
みんなががんばっているのは、
この機会に、お兄ちゃんにおいしいお料理を食べさせてもらいたいっていうのも
ちゃんとあるんです。
キッチンに立つ真剣な顔を見ていれば、わかります。
大好きな人に喜んでもらうことを思いながら作っているんだなって──
いつもホタがそうだから、見ればすぐわかるものなんです。

でも、ホタはダメな家庭科の先生なんですよ。
家族の料理には採点が甘くって、
おいしい、
おいしい、
とってもじょうずよ、
なんて、あんまり参考にならないって言われているんです。
もっと上手になりたいから相談してくれるのに
こんなことでいいんでしょうか?
でも、お兄ちゃんに喜んでもらいたくて作っているんだし、
きっと、お兄ちゃんの評価も同じだと思うの。
おうちの家庭科の先生に必要なものは
「たいへんよくできました」のハンコがひとつだけでいいよね。
あ、霙お姉ちゃんには「もうすこしがんばりましょう」が要るでしょうか?
でも、がんばって作っているものなんだから、ね。

バレンタインのお品書きには、
きっと「たいへんよくできました」のハンコが
ずらり並ぶと思います。
チョコ料理ばっかりじゃなくなっちゃうのは
お兄ちゃんはちょっと残念かもしれないかな?

みんなの上達が楽しみです。
その前に蛍は、
バレンタインコスの準備──
よりも先に、今日のご飯の支度ですね。
まだしばらくは、おいしいご飯で家族が喜ぶ顔は
蛍と春風ちゃんだけのお楽しみです。

今日のメニューは何がいいかな?
週の始まりの月曜日は、
元気よく、カジュアルに小倉スパゲティと
あんこたっぷりのサンドイッチにしようか。
他の候補としては、白身魚とほうれん草と小豆のグラタン──
たまには、小さい子がよろこぶおはぎもいいかなあ?
それとも、豚肉もあることだし
ヒカルちゃんが好きな、ニンニクたっぷりのぎょうざに小豆を合わせるとか、
うーん、中華の方向だと、ホタは小豆シューマイもありかなあ。
豚肉としいたけ、にんじん、春雨の小豆炒めもいいですよね。
それと、デザートは
ホタもこのごろいろいろ試しているけれど、
小豆の家庭的でやさしい甘さは、シンプルにお団子と食べるのが一番なんじゃないかと
思うんです。
でも、気になるレシピが一つ──
ホタのお料理の本の中を探して見つかった、小豆料理のひとつ。
それがこの小倉ババロア。
とろーり生クリームと、ゆであずきのつぶつぶが、
ぷるんとしたゼラチンの中に溶け合う、甘さの彩り──
食べたら、いったいどんな心地になるのかしら。
まるで、個性が混じり合って、思いもよらない味になる私たちの家族みたいに
まったく体験したことのない、
新しい甘さが発見できるかもしれません。
なんちゃって。
今日は抜けるような青い空で、
早く帰ってきて、窓の内側で日向ぼっこしていたユキちゃんたちは、
汗ばむくらいだったみたい。
こんな日は、ホットなメインメニューの後に
冷たいデザートを用意してみても喜んでもらえるかな?
この調子だと、そろそろ小豆を買い込んでこないといけませんね。

ね、
お兄ちゃんは
どんな小豆料理が好きですか?
ホタ、がんばって作ります!


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