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吹雪の偽日記

『ボーダー』

冬の早朝、
窓の外には
枯れて色をなくした木の葉と
冷気に耐える樹肌。
薄い霧もかかる朝には
未だ降雪の気配は見えないのに
白く染まりはじめた世界。
私たちの住む地域に霜が降りるのも、まもなくでしょう。
地中の水分が凍ってできる霜柱は、霜とは別の現象で
さらに厳しい冬の気温が条件になっています。
我が家の子供たちが
朝の寒さも気にせずに霜柱を踏もうと外に出て行く
そんな寒い日が来る頃には、
雪の訪れも現実的な予測として近づいているはずです。

それが、だいたいいつごろになるのか
例年の記録を参考にしてみると。
関東地方で、クリスマスに降雪を観測する年は
あまり多くありません。
ただ、可能性が少ないながらも
雪の降る聖夜を待ち望む人たちは
気象条件の整った国ばかりでなく、日本にも多いようです。
西高東低の冬型の気圧配置を考え合わせると
主に太平洋側の地域においては
気象の面で条件的に向いていないと思われるのに、
なぜか、全国的に定着しているイメージ。

偶然にも、
遠い厳寒の国からそりをひいてサンタクロースが訪れる
このクリスマスが、
私たちの住む国でも各地で雪の訪れの可能性がある
境界の時期になるのかもしれません。

寒い季節の訪れは歓迎します。
家族はあまり喜ばないようですが。
体調を崩すかもしれないと、
私の薄着にも、セーターを重ねようと試みています。
自己管理が難しい小さい子ではないので、大丈夫です。
そうは言っても、
運動して一時的に体温が上がった子供と区別がつかないらしく
風邪の心配をしているようです。
やはりキミも、私がこの季節にふさわしい装いになることを望みますか?
それとも、私が自分で想定している快適な温度を保つべきだと
思ってくれますか?

この家には、寒さに弱い体質の子も
比較的強靭な体力を持った子もいて、
ヒカル姉は、少し調子が悪いと感じても
栄養をとって休めばすぐ治ると宣言しているし、
ユキは大事をとって外遊びを控えることが多い。
しかし、ヒカル姉も風邪で伏せってしまうことがたまにはあるようで
どこまでが健康を保てるラインか、
各人でも判断が難しく、その基準は一定しないのでは。
それほど難しいならば
私が薄着で生活する例もありえるのではないか。
それとも、私もやはり自分で想定できない事態が起こって
寒さのあまりに体調を崩すことはあるのだろうか?
健康でいられるラインとは、果たしてどこにあるのか?

そんなことを考えながら、
暖房のきいていない廊下を歩いていくと
リビングのドアを開けたとたん、
暖かい空気にくらくらすることもあります。
ここにも、境界がひとつ。

家族の何人かがが今気になっているラインは
いつまでなら、サンタクロースにお願いの手紙が届くのか。
それで、私はこのごろボーダーラインについて考えるのかもしれません。
ぎりぎりまで待ってもらえる境界線。
ひとつだけのクリスマスプレゼントを、なかなか絞りきれない子には
締め切りは非常に重要な悩み。
今の時代なら、海外にもすぐに手紙が届くだろうし
不思議な力を持つサンタのことだから、そのくらいの無理は通るかもしれないと
期待する子もいます。

また、少し年長のきょうだいが気にしているのは
サンタクロースにまつわる、もうひとつの境界線。

私が気づいたのは、いつのことだったでしょうか。
論理的に矛盾があることを把握していても
夕凪姉のように、信じ続けることは可能です。

夕凪姉のクラスでも、
サンタクロースがいないと主張する子は
何人かいると聞きました。

夕凪姉は言っています。
世の中には、不思議なことを考える人がいるものだ。
本当にプレゼントが届いているのに。
と。

世界中の子に、一晩でプレゼントを届けることが難しくても。
現代では多くの家屋に煙突がなくて、入り口に困っても。
高空を飛ぶトナカイやそりの説明が現実的でなくても。
プレゼントを用意する予算について謎があるとしても。
おじいさんがあえて寒い季節を選ぶことに健康面の心配を感じても。
なぜ、良い子にプレゼントを届けるのか、理由がはっきりしていなくても。

サンタの起こす奇跡の全ては
家族の行動で説明できるとしても。

夕凪姉が、どのような理屈も気にせず
サンタだからと納得しているのに
なぜ私は、論理的に突き詰めただけでわかったような顔をしているのか。
もしかしたら、夕凪姉が正しくて私が間違っているのだろうかと
時に考えることもあります。
サンタを信じる力とは、果たして何なのか。
全ての論理を跳ね除けて
サンタクロースは実在するのか。
だとすると
私は今年、良い子だったでしょうか?

私が気になっている、もうひとつの境界線。
合唱会に参加する子と、しない子と。
私はどう誘われても、参加することはない。
これははっきりしています。

しかし、霙姉は
断られたら断られるほど燃えると
理解が困難な説明をして
まだ私の勧誘を続けます。
なぜなのでしょう?

次の日曜は、麗姉の学芸会があります。
別のクラスの演目には、マッチ売りの少女があるため
見ていて泣いてしまったらどうしようと春風姉は心配しています。
もっと心配することがあるような気がしますが
春風姉は、特に問題はないと考えているらしい。
麗姉は、あまり人前に立つのが好きではないそうです。
それでも麗姉は劇の練習をしています。

仕方なく学芸会を終えた後、
私の気持ちを理解して、霙姉に抵抗する味方になってくれるのか。
それとも、気が進まない要求であっても
何かの意思があってやりとげようとしているのか。
もし、そうする理由を麗姉が見つけ出したのであれば。
私が何かを教えられて、合唱に参加することを断らないこともありうるのか。
家族が私に与える影響は、理解を超えている場合もあります。
予想できる範囲も存在しているのに
どのあたりから、家族は私の考えられない行動を始めるのか。
いまだに判断はできない。
練習を重ねる日々を見ていると
私はだんだん、
麗姉が本当に学芸会を嫌がっていると、断言できない気持ちになっています。
そんなことは、私がこれまで麗姉を観察していた経験を元にしたら考えられないはずなのに。
ただ、家族が支えていると知るだけで勇気が出ると
そんなことは実際にありえるのでしょうか?
私は今、論理的に説明できないことを考えている気がします。
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