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氷柱の偽日記

『ぱくぱく』

落ち込んでしまうと
食欲があまりない時だってある。

青空のアイデアは
子供にしてはまあ悪くないと思うけど。
まあ、立夏と同じ意見になったのは
立夏の考え方が単純すぎるだけだとして。

でもね。
そんなにすぐ解決できることばかりじゃないわ。

麗は今日は、早く帰ってきたけど
家の中をうろうろして、なんだかぼんやりしているみたいで
そのうち、部屋に行ってしまった。
晩ごはんも食べたくないって。
海晴姉様と、蛍ちゃんの分と一緒に残しておいた晩ごはんは
一人分だけ、まだ残っている。
何の悩みがあるのか知らないけど。
それでも、食べないと弱ってしまうのにね。

本当に、料理の悩みだと思う?
なんだか違うような……
家に帰ってきてからは、別にキッチンに近づきたくない様子でもなかった。
弱気なこと言っても始まらないんだから
今日は私がお手伝いもするし、
麗にも少し稽古を付けてあげようかな!
声をかけたら、
別に嫌ではなさそうに近づいてきたけど
ゆでたまごだけゆで終えて
やっぱりいい、って。
どういうこと?
春風姉様が脳天気に想像して
お友達からお料理を勉強しているのかも?
でも連絡もしないで遅くなるのはいけないから叱らないと、なんて言ってる。
叱っても、返事はするけど目はそらしている。
料理をしたいなら、あんまり興味がなさそうな今日の様子はおかしいし。
本気で逃げたいなら、ゆでたまごも作らないだろうし。
麗もゆでたまごくらいは作れるようになったのね。
いいことだわ。
難しい料理が嫌なのかな。
別に、ゆでたまごくらいの簡単なお手伝いしか任せていないけど。
私とだいたい同じ担当で見てきたから、そこはわかっているし。

もしかしたら明日も少し遅くなるかもしれないけど
心配いらない、だって。
まったく!
なんで叱られたのか、わかってないし!
元気がないかと思ったら
立夏に誘われたみたいで
部屋からは、大きな声で発声練習がはじまった。
あなたも聞いた?
立夏と麗の、あめんぼの歌。
北原白秋のあれ。
将来は電車の運転士になりたいから、
案内の放送くらいはできるようにと
元気を出した?
いえ、元気がないとは思うんだけど。
ごはんを食べにこないし。

また電車の趣味でつらいことでもあった?
ちょっと、下僕!
話を聞いてあげるくらいしかできない下僕なのに
なんで知らないの?
もしかして、
逆かもしれないと思ったの。
今日の麗は、誰かと顔を合わせたくないようにも見えたもの。
それで、ピンと来た。
これはつまり、下僕が何か余計なことでも言って
麗を怒らせたってパターンね。
またデリカシーのない一言で
繊細な女の子の胸のうちを
無神経にも、ちくりと傷つけたのね。
心当たりがあるんじゃないの?

明日は私のアルバイトがある日。
今のところ、問題なくやっている。
なんで疑うの?
本当よ。
ユキの目はごまかせないけど
下僕なら適当に言ってれば気がつかないだろうし。
というのは冗談で、実際に問題はない。
ユキや蛍ちゃんは心配しているみたいだけど。
まあ、私はあまり力強い戦力ではないのは確かだとしても。
それは蛍ちゃんが人並み以上というだけであって。
ちょっと前までは、比べてしまうこともあったかもしれないわ。
かなわない相手と張り合っても仕方ないと気がついたから
今は、新米バイトとして謙虚にやっていくことに決めた。
いいのよ、今はそれで。
誰でも最初は、何もできないところから始まるんだから。
と、自分に言い聞かせて
なんとか悔しい気持ちを抑えている。
今はいいの!
クリスマスまでには私が、蛍ちゃんの評判さえも追い越しているはずだわ。

それで、明日はね。
麗はなんとなく、下僕と顔を合わせにくいみたいだし。
あと、私が一人で帰るのも不安だから。
麗に話をして、お店に来てもらうことにした。
待ち合わせて一緒に帰ってくるから、そういうことでよろしく。
明日は、下僕が忙しいみたいだし。
次の合唱の練習は土日だそうだからいいとして
家事が大変なんでしょう。
大変なのよね!
わかった?
だから、明日は麗と二人で。
もしかしたら、二人だけなら何か悩みを話してくれるかもしれないし。
仕事が終わる時間は決まっているけれど
念のため、麗には早めにお店に来て待っていてもらわないといけないわ。
そう思って、早めの時刻を伝えておいた。
何か用事があるとしても、
家族の用件なんだから、ちゃんと来るようにと。
もしも文句がある人が誰かいるなら、私からちゃんと話すから。
まさか、麗がいじめられているなんてことがあるわけないと思うけど
そういえば昔は男の子が苦手だったんだし
今の学校にも苦手なタイプの人がいないとは限らない。
必要があったらいつでも私に連絡していいから、
とにかく、時間通りにお店に来て待っていること。
さっき部屋を覗いたとき、伝えておいた。
一応、いい声で返事はしてくれたけどね。
まだ発声練習に熱中しているみたいだった。
おなかがすかないのかな?

合唱に参加したいのかしら?
いえ、まさかね。
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