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霙の偽日記

『参加者』

明治時代ごろから、日本の女子教育は
キリスト教関係者に支えられていた。

各国の思惑が入り乱れる
激しい歴史のうねりに巻き込まれた日本。
急速な近代化を要請される中で
教育機関の発展も海外文化を吸収する形で急ぐことになった。
特に急務とされた軍事力の発展の流れに押されて
遅れがちだった女子教育。
それを進めていこうとした力は
未来を見つめていた先進的な女性たちの活躍と
当時は社会的に弱い立場の女性に、手を貸そうと続けた
キリスト教関係者の献身的な努力だった。
今でもさまざまな評価が為される明治維新という歴史の、
これもひとつの見方ではある。

そして、近所のキリスト教の教会と
もともと女子校だった私たちの学校が共同で開催する
今度の合唱会がそのような教育の歴史の関係かというと
別にそうでもなく。

我が校はたぶん、あまり宗教的な背景があって設立された学校ではない。
教会と縁があるのも、合唱部の子がときどきお世話になっているから。
そんなに大きくない、町の教会。
東京カテドラル聖マリア大聖堂のような、教会音楽に適した立派な環境は
こちらには存在しない。
多くの人が集まるということはないそうだ、
でも地元には、生活の支えとしてこの場所を大事にする人たちがいる。
敬虔な思いを胸に日々を重ね、クリスマスにも感謝の祈りを捧げるのだろう。
そんな場所なのに、宗教的な関心があまりない私たちの活動でお邪魔してもいいものだろうか。
少し迷うところだが、いいらしい。
宗教的な意識でクリスマスを祝う機会とはまた別として
若い人たちがそれぞれの形でクリスマスを楽しむのは良いことだという考え方もあるらしい。
昔から合唱部とハンドベル部が存在する木花なので、
クリスマス合唱会は協力のもとに行われる伝統があるらしい。
基本的に自由参加で、興味がない人が多くても
立派な生徒会活動だ。
私も生徒会に入るまで知らなかったくらい控えめなイベントだが
大事な活動だ。
ちなみにハンドベル部の活動は、大学の生徒たちが中心になって
私たち高等部を指導するという形をとっている。
海晴姉が今年のクリスマスは大学生なんだからと、
少し前に張り切ってハンドベル部に体験入部をして
とても自分には無理だと断ってきた。
昔から続けようとしたことは多くても
日記もヨガもなかなか続かないところがある海晴姉だ。
お天気お姉さんの仕事もあるし、
本番を見に来ることに決めたそうだ。
海晴姉に連れられて、家族みんなも来るんじゃないかな。
家族にかっこいい姿を見せられるように
がんばれよ!
そう。
オマエが。
オマエと、春風と、立夏と、星花と、夕凪が。
私は、雑用で忙しいのだ。
練習に人が集まるし、裏方の仕事も多いからな。
教会の中で練習するわけではなく、近くの公民館を借りる。
キリスト教の活動というよりは、クリスマスを楽しみたい人のために
当日の場所を貸すという形に近い。
木花の部活動で親しい関係になければ、
それから、幼稚園もイベントなどで教会の人と協力することがなければ
とても得られない機会だ。
寛大な姿勢に礼を忘れず、この機会に甘えることにしよう。
地元の人たちも数人集まって、
木花からも興味がある生徒がやって来て
毎年、20人くらいの人が合唱に出るという。
結構な数だ。
練習のあとにお茶とお菓子を用意して、
それから本番も設営の仕事がある。
合唱会が円滑に行くように支えるのも
生徒会の毎年の活動なんだ。
いや本当だぞ。
確かに、今年は私の趣味で、お茶請けに和菓子を選んだが
職権を濫用したのはそれくらいで。
いや、これは特に問題ない判断なのだ。
去年、海晴姉に首根っこをつかまれて手伝わされたときにも
ちゃんとお茶とお菓子の準備と、こまごました雑用は生徒会の活動だった。
使用後の公民館の掃除など、生徒会が中心になって行う仕事は多い。
うちの学校の部活動の生徒たちが、何人も参加するイベントだからな。
関わる全ての人たちに感謝の気持ちを忘れたくない。
自由参加の生徒も募集しているんだが……
なぜか今年は、ヒカルが参加するのかという質問が結構あったな。
もう、募集ポスターに書いておいたほうがいいのだろうか。
ヒカルは出ません。
と。
もちろん、冗談だ。
あまり大きなクリスマスイベントにはならないかもしれない。
でも、私もわずかな力ながら、できるだけのことはしよう。
参加する人たちが気持ちよく過ごせる時間になればと思う。
明日の放課後に最初の練習がはじまる予定だ。
たぶん、顔合わせくらいになるんじゃないかな、初日だから。
今後は、参加者の予定にもよるけれど、毎週土日が練習日になると思う。
合唱会というよりも、クリスマスを楽しもうとする同士の親睦会に近い感覚だ。
気楽に練習に行くといいだろう。
幼稚園に行くのは12月半ばかな。
昨日、そのあたりの大雑把な予定を立夏に伝えておいたが、聞いたか?
まだ練習が始まってはいないから
合唱のアドバイスをしたのも私。
それから、動きが邪魔になりそうだと言ったのも私だ。
少しショック、微妙にブルーという顔だった。
悪いことを言ったかな。
まあ、星花も夕凪も歌いだすと結構動くから
本当はそんなに気にすることでもないと思う。
春風は大人しく歌うのだけど
あまり声を張るのが得意じゃないようだから
なるべくなら、元気な立夏たちが引っ張ってくれたらいいと思っているんだ。
立夏たちは、春風を見て少し礼儀正しくできるのではないかと。
一応、そのあたりでうまくお互いを補えるタイプの子に参加して欲しいと思っていた。
面倒がなさそうな、しかも場合によってはうまく裏方の仕事を任せられるようなメンバーを
選んで誘ったつもりだ。
わりと思い通りにいった気がする。
私の説得がそれなりに上手になったのか?
あの子たちが単純なのか?
ああ──もし、前からもう少し弁が立つのであったら
あんな面倒くさいお見合いなんてしないで済むように
ママを説得できたのかな。
だめかな、比べ物にならないくらい手ごわい相手だから。
最近、春風もお見合いをしないかとママから声をかけられた
もう心に決めた人がいる、
もしもどうしてもお見合いをしなければならないなら
その時は迷わずに、愛する人と手をとって家を出て行くと
はっきり伝えたようだ。
もしも気持ちが届かなくて、一緒に行くことができなくても
自分は決して愛する人を裏切らないと。
ママも感心していた。
私も、心に決めた相手がいるのにそこまでは言えなかったぞ。
言いたくても、蛇ににらまれた蛙のような金縛りだった。
あのママを相手にして、顔を合わせて堂々と。
もしかしたら、我が家で一番度胸があるのは春風かもしれない。
今度の合唱会でも頼りになりそうだ。
オマエを誘ったら自然についてきたが、逸材だったかもしれない。
また、他の子もいつでも飛び入り参加は募集中だ。
私は気楽に見ているだけでいいと決まっているのだし
せっかくだから、もう少し家族からも参加者が増えてもいいんじゃないかという気がしてきた。
別に、宇宙的な混沌を期待するイベントではないと知っているが
人数が多いほうが楽しそうじゃないか。
誰か候補になりそうな子がいたら、声をかけておいてくれ。
実は、私が見込んでいるのは吹雪なんだ。
暖房が効いた室内では、体調に気をつけて見てやる必要はあると思うが
練習を重ねれば、面白い反応をたくさん見せてくれると予想している。
どうだろう。
少し、オマエからも話しておいてくれないか。
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