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ヒカルの偽日記

『うどん』

今日は剣道の練習をしたよ。

家に帰ったら、妹たちが料理をして待っている。
最近になって挑戦を始めた子たち。
なんとなく不安で、でも家族がどんな顔をしているか想像して。
たぶん私は家に帰るのが楽しみなんだと思った。
こんなにそわそわ、落ち着かない気分で練習の支度を始めるのは
いつ以来のことだろう?
蛍がまだ小さい頃の感覚にしては、どうも今でも馴染み深い気がする。
考えてみたら、オマエがいるからだとわかった。
この家に新しい家族がやってくると聞いたときにはじまって
オマエの周りで問題が起こったら
私が少しくらい心配していたところで、家族のみんなは力技で挑んでみたいようだ。
体当たりでぶつかってなんとかしてしまう小さい子たちとくらべて
もやもや考え出すと答えが出ない私こそ
オマエ絡みの悩みがいちばん多いと思ってしまうのは
気のせい?
結構最近になっても
私は落ち着かない生活を過ごしていたみたいだ。

今日の練習は、
始めてしまったら意外と頭の中がすっきりして
特に言うこともなくいつもと同じ。
変わりない積み重ねは大事だ。
ときどき、無茶をしている自分に気がついて
そこまでして強くなりたいのは、家族を守るためなんだろうかと考えている。
どんな相手からも愛する人たちを守れるように
私は、誰よりも強くなりたいのか?
オマエが家に来て、一人で気負わなければいけない場面もなくなった。
それなのに挑み続けているのは
ただ単純に、体を動かしていると楽しいから、
それだけの理由かもしれない。
どうして剣道を始めたのか。
どんな思いで続けているのか、
人間はいつでも初心と向き合うのだと思う。
私は自分を見つめなおして、いったい何を知るのか。
言葉に出来なかった子供の頃の気持ちを
そうしていれば自分の中に形になるのではないかと期待しているみたいに
無心になって練習を続けている。
考えたら、初心者って変な言葉だよな。
誰だって初心を持ち続けて、歩みを進めている。
つまづいたときや、壁にぶつかったとき、迷ったとき。
自分の中にあるはずの答えを見つめなおして
また新たな気持ちで、ひとつの思いを胸に動き出すんだ。
全ての人が、いつも初心を抱き続けるのだから
実は誰もが初心者で、熟練者なんてどこにもいないでいいんじゃないだろうか。
私の中にある最初の思いはなんだったのか。
オマエがいなかったあのときの感覚で、私はこれから生きていけるのだろうか?
もしかしたら、まだ始まりになる気持ちが見つかっていないのだろうか。
悩んでしまうより、
剣を握って答えを出そうとすることが私のやり方のような気がして、
夢中になって練習していたよ。
妹たちが新しいことに挑み始めている姿を見ていたら、
私もまた、この剣の道をいまだ何も知らず歩む初心者なんだろうなと考えた。
何か変かな。
でも、あの子たちと私はそんなに変わらないと思ったんだ。

今日の晩ごはんは、うどん。
どうも煮込みすぎて、麺のこしがなくなってくたくただと
作った夕凪たちは嘆いているけれど
こういうものだと思って食べればおいしいよ。
よく煮込んで、野菜の味がつゆによく染みている。
味噌煮込みうどんというのもあるけど、あれはこしが強い麺を使うから別物だな。
こういうよく煮込んだのは、ほうとうが近いのかな。
具のかぼちゃや野菜がいっぱい入っていて、味噌で味付けして煮込むやつ。
こっちの味は味噌じゃなくてうどんだな。
もう少しで、味も中身もよくわからないものになってしまう危険があったらしい。
てんぷら班とうどん班で別々になって
衣を着ける作業をするてんぷら班は、揚げ物は班長の春風に任せる。
うどん班は、計量に正確な吹雪が班長を任されたそうだ。
吹雪はしっかりしているからな。
夕凪が張り切ってあれもこれも入れようとしても
材料と分量を記述した料理本を参考にしているのだから
まだ料理に詳しくないうちから無謀な行為を始めるなんてやめたほうがいいと、止めたそうだ。
だから、味付けや具には問題なし。
煮込みすぎただけで、どうにかうどんになった。
ちゃんと食べられるものになったのは、吹雪のお手柄だ。
たくさんあって、暖まったな。
春風があとで教えてくれたことだけど
麺だけあればささっと焼きうどんも作れるから、
多少の失敗はなんとかなる、秘密の計画があったという。
王子様に新婚さんみたいに手料理を食べさせてあげたかったのにな、って。
いつも手料理は食べさせてもらっているし、そこは別にいいんじゃないかな?
夕凪が花嫁修業とか、教えてもらったばかりの言葉を連発していて
対抗したかったらしい。
もしまた失敗しても
何とかなるだろうか。
私も土日は調理に参加するように言われたよ。
明日のうちに春風と蛍から教えてもらうことになった。
まあ、みんな忙しくしているし、手伝いたいんだけど
料理か……
私にできるのかな。
やってみなくちゃわからないと言うには
何度か試してみて、かなりわかってしまっている……
私はたぶん、器用じゃないんだ。
というか、春風と蛍が凄腕なんだ。
あの二人も、昔はよく失敗していたっけ。
じゃあ私も練習すれば?
うーん──
たぶん、だめだけど。

悩んでいても仕方ない。
もう、
やるか!
誰でも最初は初心者なんだ。
試してみてうまくいかないらしいとわかっていても
まあ、だいたい初心者みたいなものだ。
慣れたからうまくいくなんて
たぶん、本当はたいして問題じゃなくて
いくら上手になったって
最初の気持ちを忘れることはないんだろうと思う。
きっといつでも、不安はあるけれど。
それでも試してみるものなんだ。
私の剣道も、だいたいそんな感じかもしれない。
やるだけやってみる。
失敗するとわかっていても
やらないわけにはいかないからな。
それから、
ひとごと見たいな顔をしている場合じゃないぞ。
オマエも参加。
霙姉もだ。
協力して乗りこえる、というか
無謀な挑戦を続けているんだが
昔からこんな家だったから。
そのへんはオマエもそろそろ、わかってきたんじゃないかな。
怖くても──
逃げてばかりいられない。
オマエも、私も。
な。
うん。
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