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観月の偽日記

『神様』

おいしいおこめ。

神様も好んでおられる。
穀物の神は、お稲荷様じゃ。
宇迦之御魂神や豊受媛神としても伝わっており、
稲作の豊穣を祈願する祭りが
現代でも多く行われている。

神に見守られて育つお米ならおいしいのは確かなこと。
わらわや青空や小さい子らが
茶碗を叩いてご飯のおねだりをしても
仕方のないところじゃ。
お行儀が悪いとマリー姉じゃに叱られてしまう。
小さくとも誇り高いレディであるべき、
それはわかっていても
おなかがすいたら
なかなかがまんができない。
ごはんの味が恋しい。

蛍姉じゃがアルバイトに出かけるようになって
家に残った者たちだけで作る
今日がはじめての夕餉。

春風姉じゃの担当した炊き込みご飯は
赤や黄色、紅葉のようなにんじん、たけのこ、季節のいろどり。
立ち上る湯気も深山を思わせて風流じゃ。
でも、おかずが来るまでもうちょっとの辛抱。
冷めてもおいしい炊き込みご飯だから、とのことなので
茶碗を叩いて楽しみに待っていると
こちらは冷めないようにと急いで煮物を持ってきた小雨姉じゃが
二度ほど転んだので
わらわのおかずは
今日は、ちくわが半分。
あとは缶詰の煮魚を分け合って
夕餉は無事に済んだ。
いざというときを見越して買い込んでおいた霙姉じゃのおかげじゃ。
今後も缶詰でしのげるかどうかは、難しいが。
もしも足りないようなら、蛍姉じゃが明日のおやつにもらってきたパンを
今夜は特別に食べてもいいそうじゃ。
ホワイトルームの面々は、初めての夜食という経験にそわそわ。
パジャマに着替えたあとでごはんをもらうとは!
大晦日でもないのに、こんな夜にいいのか?
興奮した顔を見合わせ、話し合う。
何のお祭りであろうか。
新しいお祭り……パン祭り?
八百万の神がいる国ならば、もちろんパンも自然の営みの一つ。
正しくあるよう司る神もきっとおられる。
今日は家族を見守っていてくださるのであろう。
兄じゃもお願いしてもらってくるかの?
それとも、蛍姉じゃをお迎えしたときにもう分けてもらったか?
夕餉を途中で切り上げて、時間に間に合うように迎えに出たものな。
蛍姉じゃが、パンのほかほかの匂いと一緒に運んできた良い知らせ。
クリスマスケーキの予約の受付を、そろそろパン屋さんではじめるから
蛍姉じゃも製作を手伝えるものを
次のアルバイトの時に話し合って決めることになっているので
家族にも相談に乗ってもらいたい、という。
ケーキのことでは一家言あるのが
この家にも多い女子というもの。
あんなに大人しいさくらでも、ケーキと聞いたら主張がある様子。
パンをいただきながらケーキの話をすれば
近いうちに試作品が家でもおやつに出ると聞いた。
まだクリスマスでもないのにケーキが食べられる。
大人になると季節のイベントは早めに準備するものだと聞くが
今年はなかなか思いがけない速さじゃな。
この調子では
歳神様もそろそろ出番かと勘違いしてしまうかもしれぬ。
本当はまだ一ヶ月も先のはずなのに
楽しいクリスマスは駆け足で近づいて来た。
だが、準備は少々早くても
本番が来るのは、泣いても笑っても25日。
そろそろサンタも早めにやってくるのではないかと噂する子もいるが
プレゼントはクリスマス当日ということは、変わりはしない。
わらわは知っておる。
毎年どれだけ町があわただしくなっても、
サンタは毎年きちんと決めたとおりに仕事をこなす立派なおじいさんじゃ。
その日までちゃんといい子で待っているぞ。

明後日の蛍姉じゃの不在に備えて
家事のレッスンは続いている。
台所のあたりは、提灯が並ぶように賑やかな気配じゃ。
あさひは離乳食だから数えないとして
海晴姉じゃと蛍姉じゃが帰宅したときの分も用意して、19人分。
余った分をお弁当にまわす量も確保したい。
台所の騒動を見ていて思ったが
20人きょうだいというのは、もしかしたら
ずいぶん数が多くて、大変なのなのではないか?
ご飯の支度でも、天地をひっくり返すようなこの騒ぎ。
味の良く染みた大根が宙を舞い、
立夏姉じゃの両手のお皿が追いかけて
後から来た面々が次々とぶつかっていく。
うーむ、
今までよくこの人数が成り立っていたものじゃ。
この特別な大家族という存在を
見守る神もまたいるのではないか。
人数が多くて騒ぎが絶えないところに住み着くような
にぎやかなのが好きな神様が、
八百万の神には一柱はおられるのではないか。
毎日何事もなく、家族の平和を平和に成り立たせる力。
なんだか蛍姉じゃが我が家の守り神のようにも思えてきたが
その蛍姉に信頼されて、お迎えをお願いされる兄じゃもまた力あるものの気配がする。
兄じゃは、ケーキにも神様がいると思うか?
ケーキもまた人が過ごす上で欠かせない、自然の営みの一部である以上は
立派な神様がついていてくださると思う。
正しく敬うならば、きっといいことがあるであろう。
あんまり茶碗を叩いてお行儀が悪いと、
神様も怒ってしまう。
小雨姉じゃが何もないところで転んでしまったのは
うるさくしたせいで、お米の神様や大家族の神様がへそを曲げてしまったからかもしれぬ。
おいしいケーキの神様が今年も福を運んでくださるように
ご飯のときはお行儀よく、
小さい子達で声を掛け合って、協力していかなければな。
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