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麗の偽日記

『おしごと』

天気予報でよく聞くようになってきた
冬の便り。
けさは各地で今シーズン一番の寒さを観測しました。
暖かくしてお過ごしください。
テレビの向こうに立つ海晴姉様のあいさつも
しだいに秋の報告から変わり始めている。
冷たい季節が近づいている。
それなのに、まるで備えをしていない頼りない人もいる。
大家族を支えるために、協力してやっていかなきゃいけないのに
私も不安なのに。
それは冬支度のことではないけれど。

おうちでは、もうだいぶ前から
寒い季節を迎える準備を進めてきました。
あなたもちゃんとした?
みんな、だいたい済ませていると思うの。
これから本格的な寒さがやってくると
また秋の服を押入れにしまって、重いコートを出して
もう少し入れ替えながら。
だんだんと冬の気配を増していくタンスの中。
今の時点でできることは各自が済ませているはず。
それくらいの余裕はあったのよ。
冬の準備が必要になるのはわかっていたのに
なんで後回しにしていたんだろう。
立夏ちゃん。
寒いから服を貸して欲しいって言われた。
貸さないわよ!
どれも大事な服なのに。
それに、丁寧にしまったのに、かきまわされたらたまらない。
こう寒くなってくると、服を貸しても仕方ないと思うときはあるわ。
でもね──
入らないみたいだし。
立夏ちゃんは成長が著しいから。
一応、入るかどうか貸してみた。
本人は、胸がきついと言い張っているけれど
ぱっつんぱっつんは体の全体に渡っているように見えるわ。
ズボンのチャックが上がっていないし。
立夏ちゃんの言い分を認めるかどうかは置いておくとして
貸すのは無理だということがわかった。
立夏ちゃんはなぜか忠告してくれたわ。
もっと食べて大きくなったほうがいいよ──
大きなお世話よ。
というか、それは別の問題よ。
今は立夏ちゃんが充分な冬服を出していないという話よ。
そもそも私はそんなに小さくない。
平均です。
よく食べるほうじゃないとしても
食べ過ぎないのは普通でしょ?
だから食事もちゃんと作れないんじゃないの、なんて
立夏ちゃんも出来ないんだけど!?
そしたら、立夏ちゃんは
ホットケーキは焼けるようになっていた。
蛍姉様のケーキの準備で材料をかき混ぜることも上手だって。
いつの間に。
まあ、たぶん私が出かけているときだけど。
家にいたら用事がいくらでもあるから
自分の仕事を済ませたらさっさと行きたいところへでかけていた。
電車を見に行っていたわよ。
悪い?
きちんと仕事を早く片付けていたのに
なぜか差をつけられている。
料理なんて別に作れなくてもいい、と断言できないのは
いろいろな経験をして、私が大人になったせい?
食べることにあまり興味がないから、料理が得意じゃないのかな。
興味がないというほどではないと思う──
自分でやるつもりがないのは良くないかもしれない。。
蛍姉様がアルバイトでごはんの支度ができなくなるかもしれないでしょう?
そんな時は、カレーでいいんじゃないかという話が出ているの。
でも、いつもというわけにはいかないものね。
春風姉様は、みんなそれぞれが得意な料理を増やせばいいと言っている。
だからひとりひとり、自分の食べたい候補をたくさん考えて、挑戦してみたらって。
慣れないと危ない揚げ物なんかは、
料理の下ごしらえを作ることだけでも得意になればいいとかね。
私の好きな料理って何があるかなって
考えてみた。
……
あれは料理とは呼ばないわね。
このごろ気がついたの。
もしかしたら。
カップラーメンを作れるのは、料理ができるとは言わないんじゃないか、
と。
でも私、ちゃんとしたものなんて全然作れないと思うわ。
自信がない。
どこをどうしても、できる気がしない。
逆さにして底をたたいても、
自分が料理を作っているビジョンがまったく出てこない。
蛍姉様は──
どうして外のアルバイトになんて行ってしまうんだろう。
怖くないのかしら。
知らない人がいっぱいお客で来るんでしょう?
今日、あなたと春風姉様とヒカル姉様がお迎えに行って
聞いてきたというあの話。
蛍姉様は、おつかいに来た幼稚園くらいの男の子にも優しく接してあげて
ついにプロポーズまでされたそうね。
この調子では、そのうちお金持ちのお客が来て見初めてしまうかもしれない。
町のパン屋さんにはあんまりお金持ちは来ないけど
お兄ちゃんがお嫁にもらいたくなってしまうかもしれない。
春風姉様も蛍姉様も、冗談にして笑っていたわ。
男もお客で来る大変な場所で仕事をするなんて
私には、とてもじゃないけど考えられない。

しばらくはアルバイトを続けるんだって。
火曜日と木曜日の放課後、
それから土日。
ママには話して了解をもらったし
霙姉様が、校則で学校に許可を取ることになっているから明日のうちに、って
すっかり協力する態度。
もちろん、大変なお仕事だからみんなで助けられたらいい。
家のことは心配しないで、と言えたらいいんだけど
どう思う?
私の意見だけでは充分な説得力がないとしても
あなたが言ったなら、蛍姉様も考え直すはずだわ。
私──
いやだな。
蛍姉様がいないと、心細いのかもしれない。
あなたも同じよね?
アルバイトなんてしなくてもいいって、言ってあげて。
急に言われても、私たちで協力したくらいで
蛍姉様のいない穴を埋めるなんてできないわ。
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