アルケイディア&キュクレイン

アルケイディア&キュクレイン TOP  >  スポンサー広告 >  海晴 >  海晴の偽日記

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

海晴の偽日記

『お姉ちゃん』

商店街のハロウィンイベントがはじまったのは
ほんの4、5年前。

その頃、大人に憧れているばかりで生意気だった私は
はやりに乗ってハロウィンなんかはじめるなんて、
なんて軽薄な商店街なんだろう!
と、全然興味もなかった。
お菓子と言われても別にねえ。
うちの春風ちゃんのおやつを食べたら
どこにもない一番のおいしさは、家族だけのものだって気がつくはず。
ハロウィンのありきたりなお菓子なんか全然かなわない。
どうでもいいイベントだと、春風ちゃんが家族にいればすぐわかると思うけどな。
でも春風ちゃんを他のおうちになんてあげないけどね!
と思っていた。
家では参加したい子が多いから、仕方なく行っただけ。
だけど、まだ中学生になったばかりの春風ちゃんが
化け猫の肉球手袋にお菓子をたくさん乗せて戻ってきたときの笑顔に
まあ、いいか。
こういうイベントもあっていいんじゃないかなって。
変に自分の考えにこだわって、意地を張ってこわばっていた心が
すーっと気持ちよくほぐされていくような──
と言っても、肩こりに縁のないまだ若いキミにはわからない例えかな。
とにかく、ぶつかってみて感想が変わることは良くあるんだなとわかりました。
いい歳の大人なのに、経験してみないとわからないことがまだいっぱいある。

今年のハロウィンは、私も参加するよ。
一般参加で。
町の普通のお姉さんとして。
商店街をおなじみにしているお客さんとして。
お天気お姉さんの顔はこの一晩は封印して。
これでも芸能人だから、主催者側に巻き込まれてしまいそうになっている。
芸能人だからというか……
もともと、顔なじみだけで行うイベント。
仮装していても結構わかるくらい、近所の人ばっかりの
ゆるーいイベント。
細かいルールも別に必要なかった。
知ってる子の笑顔が、この日はちょっとたくさん商店街を歩いている
それだけの、私たち地元の人にとってのぜいたくなイベント。
気がついたらここ数年は、だいぶ知らない人が増えてきた。
にぎやかになるのはいいことなんだけどね。
主催者のおじさんたちは、毎年のイベントに張り切って
今回はお菓子を大放出したいって、お買い物のときの世間話に相談してくれたけれど
思っているより大勢の人が集まるイベントになってきたので
何も考えずにお菓子を配っていたらすぐ足りなくなるんじゃないかな。
人が増えると、決まりごとが必要になるのは
私たち家族でなくても同じ。
まあ、私たち家族が他の家とは少し違う決まりごとが必要だってことは感じるけど。
おやつをわけるときだったり
大事だって気持ちを、みんなに伝える手助けになったり。
ね。
でもなんでおじさんたち、そんなに私の意見を聞こうとするんだろう?
仮装コンテストの表彰やビンゴゲームは
前に世間話で提案したら本当になったなあってびっくりしたけど、たまたまだよね。
別に私が言ったから実現したってわけじゃないよね?
このハロウィンに関しては、私は一般人だし。
そんなふうに不思議に思っていたら。
ハロウィン当日に配るチラシの話になって
商店街のおじさんたちの仮装を並べて
この人たちをさがしてみよう!
たくさんお菓子をくれるかもしれないぞ!
と、主催者自ら盛り上げようとするたゆまぬ努力というか
ノリがいいというか。
チラシの下書きを、今日もらったの。
ふーん、こういうのも楽しそうでいいわね。
でも女の人も参加してくれないと、麗ちゃんみたいに声をかけにくい繊細な子もいるんじゃないかな。
奥さんたちは事務を担当しないとならないから、難しいかな?
お子さん連れでいらしてくれるお母さん方がたくさんいるからそのへんは問題ないのかな。
ぼんやり考えていたら
海晴さんも当日はよろしくお願いします。
えっ。

いえいえ、主催者でもない私なんかがでしゃばっても。
いえいえ、海晴さんも主催者として企画を提案してくださって。
えっ。
そもそも、ハロウィンをしたいと申し出たのも
海晴さんでしたね──
さすが芸能事務所の娘さんは違いますね。
その海晴さんが今ではテレビでお仕事を見かける立派な方になって。
また今年も力を貸していただいて
商店街の誇りです!
何を言われているのかちょっと頭がぐるぐるしてしまったんだけど
どうも昔、私が言ったことが全ての始まりらしい。
商店街のハロウィンパーティ。
たぶん何も考えていない軽い冗談だったと思うの。
だって全然憶えていないんだけど!?
じゃあ、
世間話のつもりだったあれもこれも
全部真面目な相談のつもりだったんだ。
そういえば、夏が終わって水着を着る機会がなくて寂しいと話したら
ハロウィンイベントで寒中我慢大会を開催して
水着の参加を優遇していた年があったような。
こんな偶然もあるんだなって無邪気にはしゃいで立夏ちゃんを応援していたんだけど
きゃあー!
じゃあ、今年の目玉の仮装コンテストが盛り上がらなかったら
私にも責任があるってこと!?
そんな大事なこと急に言われても!
ちょっと待ってよー。
それならもっと真面目に答えていたわよー。
ど、どうしよう。
やっぱり私もハロウィンを盛り上げるの協力しなくちゃまずいかなあ。
適当に受け答えしていたら、商店街がさびれてしまいました!
うわあー!
むりむり!
責任取れないよー!
そんなにアイデアマンじゃない、
お天気が好きなだけで、どちらかというと地味なタイプの海晴なのに。
いやまあテレビに出演して笑顔をお届けするのは嫌いじゃないんだけど。
どちらかというと大好きなんだけど。
お天気って生活に密着した大事なものですと伝えられる仕事は、やりがいがあるけれど。
でも、
もちろん愛する家族がいちばん大好きで、いちばん大事なの!
とにかく、イベントを盛り上げる責任重大な役割を任されたって……
私は家族と参加したいだけなんだから!
思わずチラシの下書きをもらって帰ってきてしまって
明日には仮装する私の写真を届けて、ここに並べてもらうことになったんだけど。
じっくり考えたの。
おやつを食べながら、
晩ごはんを食べる時間までうわのそらになりながら
じっくり考えたんだけど。
もし私がお菓子を配っていたら麗ちゃんは参加しやすいか迷ったりもしたけどね。
一般参加させてほしいから、って断ることに決めたわ。
ごめんなさい、商店街の皆さん。
ハロウィンを盛り上げてくださってるのはとても苦労が多いことだと思うし
感謝はいっぱいです。
協力できることがあればしたいのはやまやまなんですが。
私、やっぱり──
一番好きな人たちと歩きたいよ。
今回は許してください!
がっかりさせてしまうおじさんたちの顔が今から目に浮かぶようで、胸が痛いけれど。
麗ちゃんのことは主催者になって引っ張るより、となりで手をとってあげたいな。
キミも、こういうイベントは子供っぽいと思う?
私みたいに楽しみにしていてくれるかな。
当日は保護者の立場になりそうで、苦労も多いかもね。
もし大変なことがあったって、お姉ちゃんはそばにいる。
いつも私はキミのすぐ近くで一緒にイベントを楽しんでいると思います。
どんなときも、頼ってくれていいからね。
私もキミがいてくれたら心強いんだよ。
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL


ブロとも申請フォーム
ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。