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霙の偽日記

『超人』

カニのつもりで作った装飾が
さそりの仮装に流用できただけであって
これはバルタン星人ではない。
みんな、ハサミに気を取られすぎなんだ。
全身は甲羅だし
針の尻尾も付けてもらったんだぞ。
やわらかい素材だから、刺せないが。

そもそも、バルタン星人はカニでもさそりでもない。
宇宙忍者だったはずだ。
その姿が、セミ人間の着ぐるみを流用したものであるとは
言われなければわからないことだ。

だが私は──
ハロウィン当日もサービス精神を発揮して
あっバルタン星人だ、と声をかけられたら
フォッフォッフォと笑い声を出してしまうだろうか。
バルタン星人が特別に好きだというほどでもない。
だが、忍者という存在には、憧れもある。
宇宙を支配する闇を唯一の友として過ごす。
無となって消え行くことを当然として、迷いなく受け入れる。
それは、滅びの定めを受け入れようとする私でも
とうてい到達しえない、遠い場所。
アイドルに憧れるよりも、
ケーキ食べ放題に憧れるよりも、
青空が以前見た夢を思い出して教えてくれたように、台風の風に飛ばされて
お兄ちゃんだらけの国に飛んでいくよりも。
私にとっては果てしない彼方としか見えない
ひとつの哲学を突き詰めた終局。
闇に生きる者、忍者か。
なりたいというわけではないし、なりたくてもなれないとは思うが
ただひととき、その姿を我が身に重ねてみるのも悪くはない。
いやバルタン星人ではないが。
宇宙忍者ではなく、潜んで住むさそりだ。
ときどき笑い声を似せてしまうが、それは茶目っ気だ。
本来の目的ではないんだ。
おばけの仮装をして怖がらせてお菓子をもらう、という
ハロウィンの趣旨とも違ってくる。
だから、これはさそりだと言い張ることにしよう。
言い張るも何も、本当にさそりなんだ。
どうしてバルタン星人とばかり言われるのだろう。
どこか直したらいいのか?
そもそもさそりは馴染みがないから、間違われやすいのか?
カニのままなら良かったかな?
困ったな。
真璃は、さそりの隠れ潜む姿を参考に
地味な色合いだがよく見るとトゲがあるというコンセプトを狙い
闇に住む悪魔の女王の衣装に決めたようだ。
真璃の注文は妥協をしないので
蛍は大忙しだ。
絵に描いて説明してもらっても、園児の絵では伝わらないからな。
だが──
厳しい注文を出されるほど
蛍の目がキラキラ、肌がつやつやしてきて
何かを体内に充填しているかのように見えるのはなぜだろう。
おいしいものが多い季節だから、衣装は関係なく元気になっているだけなのか?
そう、
おいしいもの。
晴れの日の休日、
よく遊んだあとは
焼き芋のにおいに
チョコレートもおいしそう。
あんまんもおいしい季節。
日が沈んで、急に寒くなるとおでんも恋しい。
若い娘たちは、胃袋の要求を満たすことにかけては節操がないな。
お菓子はハロウィンまで待たないと。
結局、それぞれの少ないおこづかいを出し合って
たこやきをひとつづつ分け合うのが今日の楽しみとなった。
帰ってきて、人生ゲームをしていると
止まったマスの指示に従って踊るゲームだと勘違いした子供たちが
結婚して踊る。
子供が生まれて踊る。
アイドルになったので踊る。
画家になってもモデルのつもりで踊る。
水着コンテストがはじまったから、アピールに踊る。
すいか割りのすいかがじょうずに割れて踊る。
きのこがとれたので、
見つけたときに嬉しくて踊るというマイタケかどうかはわからないが踊る。
ルーレットの出目が思ったようにいかなくて
きのこごはんの調理に失敗することになって、悲しみのあまりに踊る。
ゲームの指示では焦げすぎておなかをこわして入院したというのに、特に気にせず元気だ。
ユキもあまり得意ではない運動なのに
いっしょうけんめい、はやりの踊りに見せたくて腕を上下させていたから
まあいいのかもしれない。
しかし、小雨や吹雪がやりづらいようだったので
あまりゲームのルールから逸脱するのは考え物だな。
今度はルールで踊るようになっているゲームを用意したいものだ。
今日の晩ごはんがきのこごはんだったので
ゲームに参加したメンバーは意味もなく身構えてしまったが
焦げていなかったので大丈夫だ。
おいしいものがゲームから飛び出してきたとか
むしろゲームよりおいしいごはんになったと言われても
春風や蛍には何のことかさっぱり分からなかっただろう。
そういえば盤上では、オマエがプレイヤーを嫁にしすぎて子供が増えるすさまじい勢いに
青空が夢の中で見つけた幻の長男王国が本当に誕生していたが
これもいつかはゲームの中から飛び出してきてもおかしくないということか。
あるいは、もっと強烈な形で実現するのかもしれない。
竹やぶから100億円を拾ったり
あさひが世界的な人気の踊るアイドル赤ちゃんになったり
夕凪が勝手にゴールに書き加えたように、一位の人が世界一の幸せ者になったり。
おまけに二位の人が二番目の幸せ者になって、
ビリがなってしまう六番目の幸せ者までを我が家が独占したり。
びっくりするようなことがあるのかもしれない。
夕凪が意外と堅実な職業に就いて活躍したりな。
この愛しい家族の人生に、これから何があるのか想像もできない。
ビリになった私が世界一の幸せ者を主張したら
一位で喜んでいた、星花と夕凪のペアに悪いだろうか?
だからそんな感情は、お前だけに聞いてもらうことにしよう。
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