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海晴の偽日記

『帰宅』

本人は内緒にしているつもりでも
駅からの帰り道に、ときどき見つけてしまう
麗ちゃんのお気に入りの場所。
待っていると、通過する電車がよく見える。
たたずんでいるその背中。

何か困ったことや、人に言えないようなこと。
自分で一人で抱え込む気持ちになってしまうつらいこと。
誰に話したらいいのかもわからない
本人だけの大きな問題や、ありふれた小さな出来事。
ただ普通に過ごしているだけで、
誰にでもどんどん増えていく重荷を
ひとときだけ肩から下ろして
自分の気持ちの中だけでも整理したら
また背負いなおして、歩き出す。
なんでもない立ち止まる時間が、
好きなものがそばにあるだけで大切になる。
それは必要なことなのか、こちらとしてはもう少し頼ってもらいたいのか
あとで正面から顔を見て話しかける言葉を考えながら
肩を落とした背中に声をかけないで通り過ぎる。
一人きりで気持ちを見直す時間が欲しいときは、誰にでもある。

私の小さい頃は、そういう時間はあまりとれなかった。
もっと気になっていたのは
自分よりも少しだけ小さな家族たちの姿。
せいいっぱいに伸ばした手足と、丸まってしまう遊んだ後。
夢中になっていたのは、いつでもくるくるする表情。
きらきらした真剣な瞳にひきつけられて
いつも近くで見つめていたくなる。
私もまだ、あんまりしっかりしていなかった時代。
逆にお世話をしているつもりの私が助けられるのが当たり前だった。
それは今でも変わっていない部分があるけれど。
ときどき一人きりで調べる天気図の上。
指先でうつろいゆく天気に、妹たちの顔を重ねている。
晴れたとき、くもったとき、いつでも見ているからすぐに浮かぶ。
さみしいときも、私が一緒にいてもらっていたようなものだった。
だから気がつかなかった。
妹たちが自分だけのものと思ってしまう悩みを抱えたときに、たまにひとりで考えたくても
私はあまり力になる手段がないということ。
一人でいなくてもいい、どんな形でぶつかってきてくれても頼って欲しいと
それだけを願ってしまうのは、繊細な子には厳しいお願いかな。

今日の麗ちゃんは、一人じゃなかったよ。
秘密にしていた大事な場所に、夕凪ちゃんを連れてたたずんでいた。
夕凪ちゃんは、どうして自分が連れてこられたのかよくわかっていなくて
きょろきょろ。
帰ってきてからも、麗ちゃんの寄り道に付き合ったみたいな報告をしてくれました。
でも、たまたま見かけただけなのにわかってしまう。
思うことがあるときに一人になりたくて来る場所に、
どうして自分以外の誰かを連れてきたのか。

サーカスを招いたのは
アミューズメント施設の三連休のイベントのひとつなんだって。
開催の日は土曜日。
他の日は体育の日関連のイベントが続くから、前夜祭みたいな感じ。
たった一日だけで終わってしまう
夢のようなきらめく体験。
光り輝くライトと、集まった人たちの熱気の中で
後になって幻と区別がつかなくなってしまう、目に映るもの全てが華やかなショータイム。
いつもの日常とはほんのちょっと離れた世界にいるような、魅惑の時間です。
その一日が過ぎ去ってしまうと、どうしても旅立ってしまうサーカスのみんな。
せっかく仲良くなったちゃちゃちゃんも、明日限りでお別れの約束。
夕凪ちゃんは、明日のサーカスが楽しみでまだ気がついていないのかもしれないけれど
麗ちゃんはわかってしまったのかもしれない。
敏感に、気配を感じてしまった。
遠くに離れてしまった後に、残された人の気持ち
想像できてしまったんじゃないかな。

夕凪ちゃんを慰める役目は、氷柱ちゃんも見過ごしていられないみたいだし
星花ちゃんも仲良しで、よく一緒だもんね。
麗ちゃんが気にしてあげているのは、よく道案内で動物病院に付き合ってあげているからかな。
家族のことを幸せにしたいけなげな子が増えて、
悲しいときに、どうすれば立ち向かえるのか教えてあげられる。
別に私がどうしてもしなければいけないわけじゃないことは知っている。
でも、私も手助けしてあげたいのに、何もできないのはやっぱりつらい。

本当は悲しむことじゃないはず。
ちゃちゃちゃんはやっと家族と出会うことができて、戻っていく。
これからも離れないでついていける。
せっかく友達になれた夕凪ちゃんと別れて、さみしく感じるときがあっても
夕凪ちゃんと同じように励ましてくれる家族がいる。
それはたぶん、私たちとは違うやり方になるだろうけど
そのおうちの大事なことを教わっていくはずです。
見送るときには、もう会えないかもしれないさみしさを思うより
友達が大切な家族とまた出会えて、一緒にいられる幸せを喜んであげたい。
もしかしたら、お別れのあいさつをする機会はないかもしれないの。
公演のあとはすぐに出発するからと
今日、ちゃちゃちゃんを引き取っていったサーカスの人が
夕凪ちゃんではなく、私に教えてくれました。

サーカスの開演は、土曜日の夕方6時から。
我が家でもみんなで見に行く予定だよ。
ひとときの夢の時間、
私の家族たちが楽しんでくれたらいいな。
もう二度と見ることがないかもしれない、まぶしすぎるステージ。
ずっと忘れられなくなる出会いのひとつ。
私が家族に毎日もらっている大切な日みたいに?
そばにいるだけで一番幸せな、愛する人たちのしぐさと少し似ている。
あんなに華やかなのに、私たちのありふれた毎日とどこかで重なる。
いっぱい楽しもうね。
小さな子たちも、ここだけにある刺激的な出し物を待っている。
仲良しの友達が参加している、きっと自慢の家族たち。
ちゃちゃちゃんは、迎えに来てもらってとても嬉しそうにしていたわ。
あっという間に終わってしまう夢でしかないとしても
開幕の時間は、もう近くまで迫っています。
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