アルケイディア&キュクレイン

アルケイディア&キュクレイン TOP  >  スポンサー広告 >  立夏 >  立夏の偽日記

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

立夏の偽日記

『伝説の』

うわ、
うわ、
わおーん!
おおー……

あー
もう
ほんと
もう
なんといっても
もう
めっちゃ
キンチョーしたよ!

一ヶ月の練習の成果が
いよいよ試される
本番の舞台。
しかも一年生から順番だから
文化祭の開会式直後の
トップバッター。
いきなり重荷を背負わされた!
一年生からって!
ちょっと!
うちの学校
なにしてんの!
でも、こうなったらやるしかない。
これまでがんばって練習してきたもの。
せめて挑戦するだけは、してみたい。
試しもしないで
しっぽを巻いて逃げるなんてできないよ!
失敗するかもしれなくて
全然ダメな結果に終わるかもしれなくたって
一度はぶつかりたい。
でもなるべくなら
練習した成果を全部発揮して後悔しないようにしたい。
緊張でがちがちで
思ったように体が動かないせいで
悔しい終わり方をするなんて
そんなの悲しくて
考えただけで涙が出てきて
友達のウワサでは、夢に見るほど恐ろしいなんて事態もあるとか。
リカは夜はベッドに入ったらスポーンて寝ちゃって
一日に何があっても一瞬でぐっすりで
こんなことではいつか恋のロマンティックナイトを過ごすときに
どうなるんだかと先が思いやられるくらいなのに
怖い夢を見て眠れなかったりするなんて、ありえる?
わー、
リカ失敗したらゼッタイ夢で見るよ。
健康快眠リカがまさかの悩みで眠れない夜だよ。
考えれば考えるほど怖くなる。
もうこんなこと、考えても仕方がないのに
頭の中で不安がぐるぐる渦を巻く。
リカには止められない。
自分ひとりではどうにもならない!
うわあ、このキンチョーはどこへやったらいいの。
ちょうドキドキするヨーって
ついに発表寸前になって着替えが終わってギリギリの状態で
クラスの仲間に切り出したら
リカちゃん、うるさい!
って。
そんなー。
友達甲斐のない連中だー!
かつて誓い合った友情はなんだったのか!
あの夕焼けの目にしみる放課後、
お菓子を交換して嬉しさのあまり
この友情はいつまでも永遠だよ!
と抱き合ったあの日の約束、
キミたちは忘れてしまったの!?

リカは別に、クラスの真ん中に立って引っ張っていくタイプではないの。
天使家は先輩たちが学校のどこでも評判でスゴいからって
リカは特別じゃない。
友達も、最初は元気な子だなって思っていただけで
まさか天使家だって聞いたときには、
うそだー、普通の子だよ、
と、ありがたいのか失礼なのかよくわからないコメントをいただくしまつ。
いくら、昨日のヒカルおねーちゃんがかっこよかったからって。
霙おねーちゃんが、やる気があるのかないのかよくわからない生徒会長だからって。
今日、氷柱おねーちゃんが学校の伝説になったのは、リカたちの発表の後だから
それは関係ないけど。
あんまりリーダーでもヒーローでもない。
今回の舞台も、中心なんかじゃない一人としての参加。
クラスの中では、明るいときもあるし失敗もする、みんなと同じ一般人。
将来の生徒会長を受け継ぐ未来だって、今は全然見えないままで冗談で語るだけ。
天使家のたまご。
まだぜんぜんベイビーです。
緊張しているのはクラスの全員が同じだと
やっとわかったその時の気持ちが、リカの学園祭の大事な記憶。
ステージにあがる直前、円陣を組んだときの掛け声だって、リカじゃない。
ダンスがうまくてこの一ヶ月でコーチってあだ名が定着したミサキちゃんにおまかせした
オー!
と声を合わせて、それがリカらしいって感じ。
クラスのみんなと一緒に練習して、みんなで揃って本番に望める。
緊張するのが当たり前の、どこにでもいる子でした。
運動神経のよさにちょっと褒められることが多くて、
調子に乗ってやりすぎることも多いけど、
ただそのあたりが違うだけで、普通でした。
そんな時間を半年過ごしてきたクラスの仲間たちと、いよいよ本番。
大丈夫、
緊張しているのは自分だけじゃない。
このステージに立って一緒にダンスするのも、一人でやるわけじゃないんだ。
だから、緊張したけど
自分ひとりがうまくいったから成功するって舞台じゃないんだもん。
一人で緊張していたんじゃないんだ。
みんなでがんばった。
見ていてくれてありがとう!
もし失敗しても
リカの家族はみんな、優しいんだよ。
心の支えでした。

オニーチャンたちの劇も、よかったよ!
みんなは炎の中に消えていく義経に盛り上がったみたいだけど。
リカ、仁王立ちで数え切れない矢を受けた弁慶の立ち往生に
もう泣いて泣いて、
自分がダンスの時にちょっと失敗したことも忘れてた。
泣くとおなかがすくんだなって
実感するくらい泣いてた。
最後の意味深なナレーションみたいに
もし大陸に渡ってジンギスカンになるなら、リカも連れて行ってね。
どんな苦難の逃避行も、文句一つ言わないでついていきます。
でもときどきは文句も言うかも?
リカまだちっちゃいから、そうなったらゴメンね。
ちっちゃくても気持ちは本気だから、忘れないでね。

おなかがすいたから
ホタおねーちゃんたちの喫茶店もおいしかったし
がんばったからって春風おねーちゃんの喫茶店でも
大正喫茶なのに特別に文明開化なリカメニューを用意したって
海軍カレーを作ってもらったよ。
実は元からメニューにあった肉じゃがを工夫しただけという本人からのネタばらしがあって
それでもリカのためなんだと思うとうれしい、特別なおいしさでした。
食べ物のお店ばっかり渡り歩いて霙おねーちゃんのところに行けなくて
仕方ないやつだって笑われたりもしたけど
リカもホントにそうだって笑っちゃった。
はじめての文化祭で、不安もいっぱいあった朝を懐かしく思い出します。
終わってみれば大満足の一日でした。
不満が残るといったら、
後夜祭のフォークダンスが意外と早く終了して
あと少しでおめあてのオニーチャンと手をつなげたのにーってこと。
ほとんど女子ばっかりだからって、男子が参加するのを遠慮してたら
そりゃ春風おねーちゃんも突進して引きずってくるよ!
私たちの学校の仲間だから、って言った春風おねーちゃんの声が
今もキャンプファイヤーの目にしみる炎と共に、はっきりとよみがえります。
って、ついさっきのことだから当たり前か。
これが一生忘れられない思い出になりそうな今の予感は、
リカと一生を過ごしてくれたらその時に、結局どうだったか教えるネ。
あとひとつの不満はやっぱり、
氷柱ちゃんの伝説を自分自身のその目で確認できなかったこと。
評判になったその時にはもう、氷柱ちゃんのオネガイで撤去されていたんだヨ。
ウワサに敏感な中一女子も、今日ばかりは食べ物によそ見していて
情報をつかむのが遅れました。
見たかったな。
私たちが繋いだ手と手、をテーマに
友達、家族、町の風景、
感動的な写真のパネル展示が並んで
その中でもたちまち学校の話題をさらうほどいい写真だったって。
家族の写真を展示して気づかれないと思うなんて、
氷柱ちゃんもなんといううっかり屋さんなのか。
家族に黙って写真を展示したことや
結局、許可がないからと撤去したから
クラスの展示に迷惑をかけたって
いろんな人に迷惑をかけたって、あの氷柱ちゃんが落ち込んじゃってた。
そんなに気にしなくていいのにね。
どんな写真だったのかは
男の人みたいだったという説もあるし
それはヒカルおねーちゃんの可能性もあるって言う人もいるし
小さい子が映っていてかわいかったって話も聞くの。
たちまち学校中の話題になるほどの何が起こったんだろう?
追及すると氷柱ちゃんが怖いから、このへんでやめとくね。
展示が始まってすぐ、オニーチャンがまず真っ先に氷柱ちゃんのクラスに行ったなら
見れたのかもしれない。
でも、お昼にホタおねーちゃんのところで会ってあーんってしてあげたから
見なかったのかな。
喫茶店メニューは、家でも食べたホタおねーちゃんのきのこオムライス。
お祭りの中で食べる味は、なんだか違うようでした。
オニーチャンはリカに食べさせてもらったんだから、
ますますおいしい味がしたんじゃない?
思い出すとおなかがすいてきちゃうな。
ちょっと冷蔵庫を覗きに行ってみない?
終わってしまっても、体の中になんだかあのお祭りの熱気が残っているよう。
リカはいま怖くもないし不安でもないのに、眠れなくなる気持ちがわかってしまった。
コーフンして眠れないのって、悪い気分じゃないネ。
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL


ブロとも申請フォーム
ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。