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吹雪の偽日記

『ブーメラン』

気温は午前中から
急上昇して。
今日も真夏の一日でした。

日課のラジオ体操や、
朝顔の観察。
それぞれの朝を過ごした後。

涼しいうちに宿題を済ませたい
学生らしい努力も
空しいものとなって、
正午を迎える前にはもう
屋内のあちこちで、うちわを力なく扇いで
寝転がる姿が見つかります。
涼しそうな場所を探して
駆け回る子供たちの声が
高く響き渡る夏空は──

水蒸気も足りないのか、
上空との気温差で生じる
わずかな白い雲は
太陽の日差しもほとんどさえぎることなく。

夕方近くになって
本格的な活動をはじめようと
集まってきた薄雲が
青い空を落書きのように白く染めながらも──
積乱雲にまで発達することはありませんでした。
それでも、
さっと短時間の雨が届き、
涼しい風を運んでくれました。
この程度でいいのかもしれませんね。
やっと温度の下がり始めた空気に誘われて
一日の終わりの、少し優しくなった太陽の光を求めて
この時を待ちかまえていた姉妹が
水溜りを跳ね上げ、夕焼けめがけて駆け出していきます。
もし、もう少し強い雨が降ったら、
旅行直前なのに明日は洗濯で精一杯になってしまったでしょう。
家のどこから引っ張り出してきたものか、
おもちゃの小さなブーメランを遠くに投げては
追いかけていく子供たち。
戻ってくるものだから、追いかける必要はないと思って
見ていたのですが、
どうも投げるときの技術で
戻ってくるかどうかが左右されるようです。
ブーメランといえば、
水着売り場で君を取り囲んだ姉たちの
熱のこもった議論から漏れ聞こえてきた単語が
印象深く耳に残っています。
自分の水着を選ぶ権利は、キミ自身にあります。
結局、どの水着を選んだのかは
旅行の途中で確認できるでしょう。
水着は投げるものではありません。
どうして水着のことを思い出したのかというと、
戻ってこないブーメランの落下地点まで走って行って
頭から滑り込んでキャッチする
少し本来の目的とは違った遊び方をしている小さい子達が
雨の後の泥だらけの庭に飛び込んで濡れた服を
今にも脱ぎ捨てようと
邪魔そうにしているのを見て、
最初から水着を着用していれば
洗濯の際に効率的だったのではと考えただけで
言葉の響きも強烈な
ある形容をされる男性用水着の
言語感覚が頭を去らない、
というわけではないと思います。
私は夕凪姉と比べると、
流行歌が耳に残らないほうですから。
そもそも、水着を着て泥遊びをしていては
すぐにだめにしてしまうから、有効な提案ではないのですが。
投げ上げられるブーメランは、
大声から逃げたがっているみたいに、人の手を避けて
あらぬ方向へ向かいます。
夕立とも言っていいのか迷う程度の降雨の後、
ほのかな風は、せいぜい体感に影響するほどで
決して強くはないものでした。
それほど、予想もつかない動きを目指す道具ではなかったような。
ブーメランは、子供の遊具として利用されるものですが
その原理は、数学的な解釈を受け入れ、魅力的に思えるものです。
揚力の働きや、歳差運動の影響など
分析を始めればきりがない。
涼しい風に誘われたのか、
私としては珍しく、
体を激しく動かすと想定される道具を積極的に受け取って
実体験で分析を始めた、
あの私らしくない光景は──
もしかしたら、今日の暑さが見せた幻だったのでしょうか?
充分な技術がなければ戻ってくる見込みのない
歯がゆい挑戦を、
何度も、何度も飽きずに。
夕焼け空に向かっていくパステルカラーの回転体を
ほこりが苦手な私が、追いかけようとするなんて
暑さに揺らぐ、ただの頼りない幻のはず。
お気に入りのワンピースのすそに跳ね上がった
まだらの泥汚れが、
答えを知っているかもしれません。

夕焼けを迎えたその翌日に
晴天がやって来るという言い伝えには、
ある程度の科学的根拠があります。
明日は、こんなに暑くならないといいですね。
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