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氷柱の偽日記

『男らしさ』

私はそれほど
女の子らしいタイプじゃない。

素直じゃないってよく言われるし。
かわいくないし。
よくわかってる。

雛祭りの日になったわね。
ふん。
あんまり、女の子の成長を願いましょう、とか
女の子らしくこの日を楽しみましょう、とか。
私なんかには、あんまりありがたみがない。
というか、
もっとこの日にふさわしい人がたくさんいるんだから、
今日は私も裏方に回って
みんなが楽しめたら、それでいい。

いつも忙しくしている春風姉様も、蛍ちゃんも、
いかにもかわいらしい女の子って感じだもの。
後ろに引っ込んでる場合じゃないでしょう。
ヒカル姉様だって、女の子らしいところが──
あるんじゃない?
たぶんあるでしょう。
どう思う?
雛祭りに、花のようにほころぶヒカル姉様の姿が、
想像できるような、できないような。
でも、私みたいにかわいくない子とは違うんだから、
ヒカル姉様だってもっと女の子らしく楽しんでもいいと思うわ。
それから霙姉様。
うーん、いつも、どう行動するか予想がつかない人だから
とりあえずおいといて。
海晴姉様は素敵な女性でしょう。
妹たちは、みんな雛祭りの華やかなお祝いが似合うわよね。
ちょっとだけ、女の子らしいことに複雑な思いがあるらしい
麗ちゃんや星花ちゃんだって、
いい楽しみ方は普段から結構できてると思う。
かわいい趣味で、
元気で、明るくて。
雛祭りって、きっと楽しいわよね。
うちの家族の、私以外の女の子みんなにとっては。

私はどうせ暇になるから、
裏方の仕事を担当してもいいわ。
当日に必要なことなんて、そんなにたくさんあるわけじゃないし。
お手伝いを買って出たからって、蛍ちゃんはこんな日にまで
人にメイド服を着せようとはしないだろうし。
そういうわけだから、
あなたの仕事はないわよ。
雛祭りに手伝ってもらうことなんて、
もう何にも。
男は身の程をわきまえて、
女の子のお祭りの日なんだから、肩身を狭くして
隅に引っ込んでいなさい。
なに?
寂しいの?
雛祭りのお楽しみに参加したいの?
下僕の分際で?
わかってるのかしら?
あなたは、男の子。
家族みんなが、あなたに男らしさを期待してる。
たくましく、かっこよく、タフで勇気があって
家族の中心になる頼りになる人。
それが、実際はどうなの。
寂しいからって、
女々しく擦り寄って、
私たちの楽しいお祭りに参加しようなんて、
ずうずうしいのよ。

そもそも、あなたは私たちの下僕。
頼れる男の人だなんて、期待外れもいいところだわ。
男らしくないからって、かわいい女の子になれるわけでもなし。
どうして、こんなに情けない人がうちの家に来たのかしら?
下僕呼ばわりされても、普通に受け入れて
ろくに言い返すこともしないし。
ヘラヘラと腹が立つ顔で、毎日、毎日。

まったく。
私はどうして、あなたのことになると
こんなにイライラするのかしら。
下僕が救いようもないほど能無しだからかな?
ああ、不本意な下僕を持ってしまったわ。
こんなのが、私たちの家族のたった一人の男性だなんて。
こんなのしかいなかったのかしら?

こんなのしかいなかったのか。
私たちの家族は、
他にいるっていうわけじゃないもの。
最初から選べない。
生まれたときから決まっているというだけの、
家族の一人。
あなたが、唯一の男の人。
そう決まっているだけ。
何を言ったって変わらない。
不満でも、
不愉快でも、
あなたが無知で無力で男らしくなくて
恥知らずの甘ったれでも、
私の家族であることは
いつまでも決して変えることはできない。

そうよね?
だから──
雛祭りに参加したい?
女の子のお祭りよ?
あなたが、自分の男らしさにプライドも何も持たず
ただ、あなたが家族と一緒に過ごしたいというのなら、
そうすれば?
私たちが断りたくても、
あなたは家族なんだもの。
わがままを言う権利はある。
家族行事に参加する権利はあるものね。
権利って言うか、
義務なのかもしれない。
好きにすれば?
女の子の遊びだから、あなたは楽しくないかもしれないけど。
私は、女の子らしいとは言えないからちょっと離れて
みんなを見ていることにする。
もし、誰かがはしゃぎすぎて無茶を始めたら、止めてあげる。
仕事の合間に、見ていてあげるから。
好きに楽しめばいいじゃない。
家族なんだから、そうすれば。

あ、そうだ。
早めに言っておくけど、
雛人形の片付けは、あなたは手出ししなくていいから。
ガサツな手で触られたら、どうなるかわかったものじゃないし。
うちの子達は、まだ婚期を焦ってもいない。
家を出て行くのは当分先のことよ。
といっても、みんな気立てがいい姉妹だから、
お嫁に行くのが遅れることなんてないだろうけど。
私の他は、全員がそう。
誰かが言っているように、全員が愛する長男のところへ
お嫁に行くなんて、そんなことはありえないとして。
片付けが遅れたらどうこう、なんて馬鹿らしい迷信は信じないの。
とにかく、それは急がないでいいわ。
みんなで遊んで、体力を使うことは目に見えているし。
夜にはぐったり疲れているだろうから、ゆっくりすれば。
別に下僕に気を使うわけじゃない。
そんな体調のときに片付けなんてされたらたまったもんじゃないと思ったの。
雛人形を壊される危険を少しでも減らしたいだけよ。
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