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小雨の偽日記

『ゴールイン』

お兄ちゃん、
おめでとうございます。

ついにゴールインしたって
聞きました。
固い約束を交わしたと──
いつまでも離れないことを誓い合ったと。
死も二人を分かつことのできない
永遠の愛で結ばれたんだと。

立夏ちゃんが言ってました。
違うんですか?

お兄ちゃんがくれたっていう、
キャンディがついた指輪を
見せてもらったんです。

立夏ちゃんの勘違いなんですね。
よかった──
あ、よくないです。
このまま誤解されていたら、大変です。
でも、あんなに嬉しそうな立夏ちゃんに
本当のことを言うなんて──
どうしましょう、
小雨にはそんなことできません。
立夏ちゃんにはもう少し、夢を見せてあげてもいいでしょうか。
だって、小雨が見ている夢もいつかは終わってしまう。
お兄ちゃんは将来、誰かを選ぶんでしょう?
その時に、小雨が選ばれることなんて考えられないですもの。
どんくさい小雨だし、
いいところがない小雨だし、
それに、私たちはきょうだいです。
だけど、お兄ちゃんが立夏ちゃんを選んでくれたと聞いたとき、
少し胸がズキズキしたけど、
良かった、それは良いことだと思ったんです。
お兄ちゃんが将来はそれほど遠くへ行ってしまわないということだし。
立夏ちゃんと小雨は一つ違いで
仲がいいほうだから、これからもいつでも会えると思います。
これまで、なんとなく考えていたことですけど、
お兄ちゃんは男の人だし、広い世界へ出て行くのかもしれない。
立夏ちゃんが勘違いしたままでいれば
小雨にもちょっと希望があるでしょう?
お兄ちゃんと、もっと時間が経ってもいつも会えるのかもしれないって。

ちょっとだけ欲張ったことを言ってしまうと、
お兄ちゃんがまだ誰も選ばないで、
小雨がこのままお兄ちゃんの近くにいられたらと思うんです。
もう少しこのままの時間が続けばいいなって。
小雨が選ばれるわけではないとわかっていても、結論を出さないでいてほしい。
お兄ちゃんの気持ちを考えない、小雨のわがままですよね。
立夏ちゃんとはまだ結婚しないんだ、ってわかって安心してしまうなんて。

いけないですね、お兄ちゃんには早く幸福になってほしいのに
それだと小雨が悲しい気持ちになってしまうなんて。
ううん、恋人ができたら小雨は
おめでとうって、心から祝福してあげたい。
小雨たちにも必要なお兄ちゃんだけど──
お兄ちゃんは、私たちの家族を支えてくれるとても大事な人。
みんなの笑顔のために、たくさんのことができる人。
だからきっと、いい人と結婚して幸せになれると思う。
そうなったら素敵だなと思うんです。
小雨はそれを思うだけで、自分のことのように幸せです。

でも、やっぱり
そんなの寂しいです。
お兄ちゃんがこの家からいなくなるかもしれないなんて。

お兄ちゃんは、いつまで小雨の近くにいてくれるのかな?
お兄ちゃんが大学に行くなら、来年度からあと6年いてくれることになるのでしょうか。
その時には、小雨もちょうど高校を卒業します。
もう少し立派になって、お兄ちゃんがいなくても大丈夫になっているのかな?
全然想像もつきません──
小雨は立派に成長できていると思いますか?
お兄ちゃんがいなくてもいい小雨なんて、未来のどこかにいるのかな?

あさひちゃんが6歳になるときの話ですね。
きっと、あさひちゃんは泣いてしまいます。
そうなったら、小雨は自分が悲しいことなんて気にしている場合じゃないです。
あさひちゃんや、その時もまだ小さい妹たちを慰めないと。
でも、小雨にはそんなの無理です。
小雨はいくら経っても、全然しっかりしていないと思うし。
しっかりしていたって、そのときのみんなの悲しさが分かるから、きっと慰められない。
お兄ちゃんがいなくなったら、みんなどんなに悲しくなることか──

だけど、小雨たちがお兄ちゃんを縛ることなんて
してはいけないんです。

お兄ちゃんが自分で選んだ結果が、いつまでもこの家にいることだったら
うれしいのにな──
実際に立夏ちゃんと結婚するつもりはありませんか?
立夏ちゃんならきっと、お兄ちゃんと明るくて楽しい家庭を作れると思うし、
立夏ちゃんは、お兄ちゃんといられてすごく幸せになると思う。
それで、お兄ちゃんが幸せでいてくれたら小雨も嬉しいし、
小雨もお兄ちゃんの近くにいられたら嬉しいです。
といっても小雨なんて
お兄ちゃんがここにいる理由の一つにもならないですよね。
でも、立夏ちゃんはいい子なんです。
考えてみてはもらえませんか。
小雨のことなんて、何も気にしないで決めていいんです。

それで、小雨は──
小雨はたぶん、なかなかお嫁に行けなくてずっとこの家にいると思います。
そうなったらせめて、
お兄ちゃんがいつでも帰れるように、過ごしやすいようにしておきたい。
お兄ちゃん、どこに行ったとしても時々は帰って来てほしいです。
ううん、お兄ちゃんの都合が合わないなら、帰って来れなくたっていいです。
いつかお兄ちゃんが帰ってくるかもしれない場所にいられるだけで、
小雨は幸せです。
もしも小雨の知らないどこか遠くでも、
お兄ちゃんが幸せにしていたら、小雨はきっと凄く嬉しいです。

お兄ちゃんがもしも疲れてしまったとき、
いつでも帰ってきて笑顔になれる場所は
小雨がいつまでも守っていたいです。
でも、そんなことが、いつか小雨にもできるようになるのかな。
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