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小雨の偽日記

『おしょうゆが!』

お兄ちゃん!
行かないで!

小雨のせいです。
悪いのは小雨なんです。
だから小雨はどんなことをされてもいい、
罰を受けたくらいですむならどんな目にあってもかまわない、
小雨にできることなら何でもします。
だけど小雨がひとつだけ、
どうしても悲しくなってしまうこと──
どうか、
どこにも行かないでください……

小雨、あまり反省していないのかもしれない。
だけど──

せっかくみんなが揃う楽しい日曜日のお夕飯が、
小雨のせいでこんなに悲しいことになるなんて。
家族のみんな、まだ小さいあーちゃんの他は、みんなわくわくしてこの時間を待って、
ううん、あーちゃんだって、自分では食べられなくても
食卓が笑顔に囲まれたらきっと嬉しかったはずなのに。

ユキちゃんも、今日の診察でも体の調子が良くて
少しだけなら、とお医者様にやっと許していただいたのに。
このときをどんなに楽しみにしていたのか、
それなのに、
もう小雨、家族みんなに顔向けできない。

小雨は、
お兄ちゃんの妹でいる資格が
なかったのかも──
悲しい、悲しいことまで考えてしまいます。

せっかくのおさしみ。
買ってくるように頼まれていたおしょうゆを、
忘れてしまうなんて。
よりによってたったひとつの買い忘れ。

おうちのどこを探しても
おしょうゆの一滴さえ、どこにもないと
知っていたはずなのに。

お夕飯の前に、
寒い冬、みんながあったまろうと早くお風呂に入った後になって、
初めて発覚した
大惨事。

一日を家族でゆっくり過ごして、
横を見れば、安心できる家族の顔。
昨日まで一週間をがんばって、
明日からの一週間も、胸を張ってすごすために、
みんなが思い思いに楽しんだ
お休みの日。
日曜日の最後のお楽しみ。

小雨、
少しでも家族の役に立ちたくって
おつかいを任せてもらったっていうのに、
それなのに……

お風呂上りのお兄ちゃんが
買い物に行くなんて
そんな怖いこと、
小雨はどうしても、
黙っていられないんです

お外はもう、暖かかったお昼から想像もできないくらい
たちまち冷え込んでしまったし、
あっという間に湯冷めをしてしまうに決まっていて、
それで体調を崩してしまうかもしれないし、
だいいち、
暖かいおうちにお兄ちゃんがいられないなんて悲しいことはしてもらいたくない──
小雨も、お兄ちゃんがいないなんて、心配でしょうがなくなってしまいます。

暗くなったら何が起こるかわからない。
どんなに注意していても、夜のお外は危険が多いでしょう?
車にぶつかってしまったら──
変質者にさらわれてしまったら──
暖かい日で間違えて冬眠から覚めたクマが
おなかをすかして襲ってきたら──

悪いのは小雨なのに、
わがままですよね。
でも、小雨、
これだけはどうしても
自分の気持ちを整理できないんです。
お兄ちゃんがいてくれればおしょうゆなんていらない、
お兄ちゃんと、
暖かいおうちでお夕飯を過ごせるなら
小雨はおさしみだっていらない。
お兄ちゃんは、小雨のおしょうゆなんです!
小雨が喜ぶ、一番のおさしみなんです!
食卓に、どんな豪華なご飯よりもおかずよりも
必要な、大事なもの。
家族みんなそう思ってくれているはずです。
お兄ちゃんの笑顔よりも食卓に欲しいものなんて
他に何ひとつありません!
きっと、みんなそうです。

お兄ちゃん、
どこにも行かないでください。
お夕飯は、おさしみのためにあるわけじゃ
ないんです。
お願い、
お兄ちゃん──
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