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真璃の偽日記

『マリーのすてきな午後三時』

ふわふわスフレは
かわいいスフレ。

ねえ、不思議に思ったことはないかしら?
それとも、一度も疑問に思ったことのない
かわいいフェルゼンなのかしら?

どうして我が家のおやつやデザートには、
あの、
やさしくふんわり、
とろけてやわらか、
ぬくもりと夢のような甘さが
スプーンひとつでおくちいっぱいに広がる、
あのスフレがめったに並ばないのか、
って──

変でしょう?
これには、ちゃんとした理由があるのよ。

それは──
おやつを食べる機会が多いこの家では、
作りおきが冷凍保存できる
スポンジケーキやバターケーキにパイ生地、
作りやすいタルト生地やクッキーが
便利だということ。

さらにもうひとつ、
おやつの時間がまちまちになるのが普通で、
たまに海晴お姉ちゃまやヒカルお姉ちゃまみたいに
食事の時間がずれることもあると、
できたてあったかのふっくら感が命のスフレよりも
冷めてから食べるシューにエクレアにプリン、
夏場のお供にムースやババロア、
温かなお菓子は焼き芋にたい焼き、スイートポテトのがっつり系が人気だし、
冬場についついとってしまうカロリーを思うと、そうなるわよね……
まあ、マリーのお願いがあればもちろん聞いてもらえるんだけど、
あの素朴なスフレは我が家では意外と高嶺の花なの。
フェルゼンなら分かる? この気持ち。
それとも、マリーの親しみやすさのおかげで、遠い憧れにため息をこぼす経験はないのかしら?

だから、お姉ちゃまたちがいつも帰って来れない三時には、
冷蔵庫のクグロフを分けるのも楽しいけれど、
早くオーブンが使えるようになったらいいと思うの。
マリーのお手製のスフレをみんなの前に並べてあげられたら、
さあ召し上がりなさい、
熱いから気をつけてよくふぅふぅしてね、
あさひちゃんにも、はい、ふぅふぅ、
あったかくて柔らかくて、
マリーの愛がしみこんだ女王様の味でしょう?

って、その頃にはあさひちゃんは
ずいぶん大きくなっているのかしら?

ねえ、フェルゼン。
マリーはもうホイップクリームを塗るお手伝いもできるし、
粉砂糖を振るうお手伝いもできるし、
こう見えて器用なのよ。
神様が与えてくださった才能も、時には恨めしいもの──
私がオーブンを使ってもいい日は
まだまだ、遠い先のこと。

もし私が最初に自分でおやつを作ったその時は、
フェルゼンはどこにいても飛んできてくれるわね?

今晩のメニューは、待望のスフレ。
かわいい、ふわふわよ。
スフレの型は一人分。
専用のものなんだけど、オーブンに入れる都合もあって、
優雅なレリーフに欠けるのが、気になるところ。
マリーの提案で、チョコレートスフレに粉砂糖をかけるときに
型紙でバラの花の形を飾るの。
もしフェルゼンも試したいなら
バラより、クマさんのほうがいい?
麗お姉ちゃまに言って、特別に電車の型紙を使わせてもらう?

おいしくて、家族みんなで嬉しくて、
そんな飾りは必要ないかもしれないけれど、
でも、マリーは思うの。
もしこれから、私がまた王妃になって、
フェルゼンは今度はマリーと真実の愛で結ばれた王様になって、
いつまでもいつまでも幸せに暮らす二人が、
自分たちが過ごす日々を懐かしく思い返すときがあるとしたら、
それは豪華な結婚式や戴冠式、
子供の生まれた日や、初めての日、たくさんいろいろ初めての記念日、
大事なバレンタインにクリスマスの忘れられないイベント、
そういうのよりも、もっと強く、印象的に浮かび上がるのが
ちょうど今、私たちの過ごしている
ふだんの、こういう身近な日じゃないかしら?
豪華なケーキの記念日に、素朴であたたかなスフレの日。
みんな、忘れられないものよね。

女の子が着飾るのも、きっとそうだもの。
お姫様になるだけじゃない──
ドレスアップに工夫をして、女の子は毎日変わる、
蝶になる、花になる、
猫になる、うさぎちゃんになる、
大切な日の贈り物になる。
もしかして、ラッピングのリボンをほどくようにフェルゼンは
裸のマリーを召し上がってしまえばいいのかもね?
包み紙がなくても、きらきらマリーの
いちばんのドレスが本当は、あなたを思う心だと
伝わるように──

スフレは何を入れても合うものだけれど、
あずきのスフレって、
ううん、おいしいんだけどこのごろ素材が偏ってるような……
お正月に何かあったのかしら?
霙お姉ちゃまに弱みを握られたわけじゃないわよね?
蛍お姉ちゃまは、あれで脅しには屈しないしっかりしたところがあるし、
何より、策略をめぐらす霙お姉ちゃまなんて想像がつかないし。
この時期のことだし、バレンタインに備えて考えていることがあったりなんて
まさかね?
ま、いいか。
バレンタインでもいつでも、
フェルゼンの心を誰よりも捕らえるのは、必ずマリーなんだものね。
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