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氷柱の偽日記

『雪のあと』

このあいだの雪が
まだ溶け残って
道のはしに積もっていたり
庭をぬかるみにしたり。
場所によっては
日陰で凍ってしまって、足を滑らせる原因になったり。
困るわね、大雪は。
私たちの家族だったら
慎み深くて、かわいらしい綿雪がいたり
ドラマティックな名前であんがい情熱的な吹雪がいたりするけれど
大雪はいないものね。
いいお天気が好きな子が多い気がするのは
そんな願いを込めた名前もいっぱいあるからなのかな?
海晴姉様や
ヒカル姉様、
あさひもそうだし
麗の名前も、うららかそうな感じがする。
実際に名前どおり、その性格がまるごとうららかなのかどうかは
まあ、今は難しい時期みたいだけど
人の気持ちをわかろうとしている優しい子だってことは間違いないわね。
マリーも明るい響きの名前よね。
でも、太陽王と呼ばれたのは夫になった人の先祖だし、
いいお天気を強調している名前でもないかもね。
私の名前にいったいどんな願いが込められたのかは
まったくわからないけれど。
ともかく、あんまり大雪になるより
いいお天気になって助かるわ。
洗濯物もよく乾くし。
同室の蛍ちゃんも心配して
私に何度も相談しなくても済むんだし。
天気予報はお天気だけど
明日は本当に大丈夫かな?
洗濯物がたくさん干せるかな?
明日の朝になって、海晴お姉ちゃんの天気予報で確認しないと
不安だよー。
そんなこと言われても
海晴姉様の天気予報も、まだ新人の海晴姉様が予報してるわけではないんだし
たまには吹雪ちゃんが予報した日もあるっていう話だけど
ともかく、天気予報なんてどこの番組で見たってそう変わらないし。
ニュースの中で放送する天気予報で
だいたいわかるものだと思うけど
どうしてあんなに何度も確認しようと思うのかしら?
そもそも、海晴姉様の天気予報も結構外れることもあるような……
予報の途中に妙な発言をして番組を混乱させることも多いみたいだし。
まあ、そのあたりは心の中に秘めておいて。
今日はよく晴れたわ。
下僕もしっかり働いて、
ごはんがおいしかったみたいでよく食べて
みんなが感心していたわね。
その無駄に大きい体は
大部分が胃袋でできているからだったのね。
まあ、そんなことだろうと思っていたわ。
しょうがないからしっかり食べていったらいいのよ。
春風姉様と蛍姉様はそれでやる気が出るみたいだし、
授業中におなかが鳴ったりして
同じクラスのヒカル姉様に恥ずかしい思いをさせないように。
今週の19日には、また雪が降る予報だけど
あまり積もらないといいわね。
それまでに、洗濯物をしっかり乾かしておかなくちゃ。
なんだかこのごろ
泥まみれの洗濯物が多いのは
やっぱり、ずいぶん降った雪の影響かな。
濡れたらすぐに着替えられるように
よく乾かして、準備しておかないとね。
と思っていたら
今日、洗濯物を抱えて廊下を歩いている途中で
どこかから突然聞こえてくる奇声に驚いて
あわてて向かってみると。
オリンピックを見ている子たちが
ヒカル姉様を中心にして
テレビの前で跳ねているところだった。
どうやら、最近の泥汚れの多さは
オリンピックの真似をして
残った雪のまわりであばれたりしていたのが
原因らしいわ。
まったく!
私はちょっと驚いた拍子に、足をひねったみたいで
歩きづらかったせいで
仕方なく、少し休憩して
一緒に見ていた。
メダルなんてそんなにほしいものなのかしら、
即物的なご褒美のために競い合うなんて原始的だな、
と、あんまり興味はなかったんだけど。
自分の精一杯を発揮すること以外は
何も考えなかったと
後のインタビューで答えている
本番に向かう人たちが
全力を出しつくして
あと一歩で及ばなかったときの表情も
ついにメダルを手にした喜びも
まっすぐで、すがすがしい
テレビではなかなか見ることのない顔。
なぜか、こんな顔を身近などこかで
いつも見ているような気がする。
立夏は私に、
運動神経も結構いいほうだから
いいところまで行くかもしれない!
と、オリンピックに出ることを薦めるけど。
それなりに運動はできるとしても
あの子の単純な処理能力しかない頭の中では
私はどんな神業の使い手に扱われているのかしら。
脳の構造は、どんな人でも誰もが
神秘的な宇宙を秘めているのね。
下僕の単純な頭の中だって
それなりに興味深い部分も見つかるのかもね。
そんな会話の最中で、霙姉様ときたら。
氷柱は褒められたらすぐにおかしな方向にやる気を出して失敗するから
オリンピックのように期待が集まる舞台に立つのは
難しい気がするな、
だって。
そんな余計なことは言わなくてもいいのよ!
おまけに、
不安定な気持ちを一緒に肩に乗せて歩いていく
パートナーがいればいいんだ、とか。
まったく、一言多くないと気が済まない人なんだから。
もしかしたら
その相手が誰なのか
氷柱だって、もう知っているかもしれない、なんて。
あいにく私にはそんな心当たりはこれっぽっちもない。
だれのことを言ってるのかまるで想像がつかないけど
こんな話を本気にして
うぬぼれたりしないでほしいわ。

もし、私が精一杯の力を出して
それでもどうにもならないことが
本当にあるとしたら
私は悔しくて泣くときも、
大舞台で競い合った選手たちみたいに
浮かべる涙も輝いて見えるような
さわやかな表情でいられるのかな。
ふと考えた。
そしてたぶん、
私なら
敗れることがあったって、
いくら挫折しても
自分の満足の行く結果を出すまで
突き進み続けるだけだわ、
と気がついた。
そうよね。
この私が、できないかもしれないなんて
弱気になっていたら
私に従っている下僕だって
不安でしょうがないだろうし。
そんなの私らしくないと思うんじゃないかな。
だから。
まだ、ひねった足は少し痛むけど
蛍ちゃんが心配するみたいに
これくらいで学校を休むなんてできないから。
私がついていないとどうにもならない
情けない下僕に、
手を貸して支えるくらいは
許してあげてもいいわ。
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