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ヒカルの偽日記

『いいにおい』

キッチンのほうからは
おせち料理の相談と
いいにおい。
いや、まだ作り始めてはいないと思う。
いいにおいは、毎日のごはんだ。
それとも、
買い物袋から顔を出している
黒豆や栗きんとんや
おそばもだろうか?
来月2日からは、大磯旅行の予定。
あんまりたくさんは作らないおせち料理の材料が
もう、いいにおいをさせているのかな。

今年もそろそろ暮れが近い。
海晴姉が忙しそうに駆け回る時期も、もうあとわずか。
テレビの向こうのお天気お姉さんは
年明けの旅行を話題にして、楽しみな様子。
指折り数える日を越したら
いよいよ次の年。
やり残したことはないか?
私はたぶんなさそうだ。
あるかもしれないけど、あんまりいろいろ覚えていられる頭じゃないし
まあ覚えていないなら、いいかと思って。
今年の年始の抱負を思い出せば
健康に過ごす、とかだけだし。
一年のうちに何かが出来るようになりたいとか
成長したかったり、スタイルをよくするとか
そういう微笑ましい誓いもなかった。
霙姉がこたつでのんびりいるのどかな光景をよく見かけるけれど
私ものんきな点ではそんなに変わらなかったよ。
願うことといったら
家族みんなが元気ならそれでいい。
あとは、自分自身が悔いがない日々を過ごせたら
もうそれだけで満足。
今年を全力で走り抜けたら
あとは来年を楽しみにして。
年の瀬も、慌てるような理由は私にはなかった。
オマエもないなら、
これから一緒に
みんなの手伝いで大掃除だな。

春風が同室で、こまめに掃除をしてくれるおかげで
私の部屋はよく片付いている。
みんなには、ずるいって言われるけど
部屋割りは年が近い子同士が決まりだし。
それに、いいことばかりじゃなくて
大雑把にしているとうるさいし。
少しは女の子の自覚を持ったらいいなんて
私に言っても仕方ないことなのに。
もともと大雑把な、
気がつかない性格なんだから。
春風もわかっていると思うんだけどな?
まあ、注意しながら私を助けてくれるとき
楽しそう。
好きでやってるのかもしれない。
掃除が好きみたい。
いいな!
だから、ときどき細かいことを言われても
まあいいかと思う。
もしも部屋割りを自由にしていいなら、どうしよう?
うるさくなさそうな蛍と同室だったら
たぶん今度は、かわいい服にされてしまう。
春風ほど片付けは上手じゃないらしい。
家事は何でもできそうな蛍だけど、頼りないところもあるかわいい妹。
きちんとした性格の氷柱が同室で、釣り合いが取れているのかな。
氷柱が私が一緒だったら
きっと、かわいがると思うけど
氷柱はうるさくかまわれるのは苦手そうだな?
やっぱりオマエと同じ部屋が一番落ち着きそうな気がするんだけど
それはいけない決まり。
家族みんなの長男だから、しょうがないか。
いつも一緒にいたいのに。
暇なときはすぐプロレスも相撲も本気でできる相手なのにな。
ともかく、あれこれ考えてみたところで
いま、大掃除のために手があいていて
手伝いをして回りたいのは
私くらい。
オマエも暇になったら手伝うといい。
今日は曇り空の寒い日で
家の中で暖房にあたって
あんまりほこりを立てる大仕事は、暖かく晴れた日にまわすことにして
小さなものから掃除を開始している子たち。
整理整頓は手伝えないけれど
ごみがあったら、捨ててくるよ!
妹たちの部屋を回って
流行の季節が過ぎたファッション雑誌や
なんとなく残しておいた旅行土産の空き箱とか
思い出というわけではないのに捨て忘れたお菓子の袋もためている子がいたし
電車の時刻を書き並べた、数字だらけの空想旅日記や
マホウを考案する落書きノートも
複雑な計算式が並ぶ吹雪の頭の中みたいな書付は
内容が分からないけど捨てていいのかと本人に確認してみたり。
放り出しっぱなしのままにしてある
穴が開いた服やパンツ。
いろいろあるな!
今年積み重ねてきたいろいろな出来事の、
思い出に残っている部分も、つい取っておいてみたよくわからないものも
わけるのが大変なほど混じりあっているというか
本当にこの積みあがった山を、いるいらないでわけることができるのか
私たちの手に負えるのか迷うほど。
いらなかったら全部片付けてしまって
すっきりして新年を迎えられたら、ちょっとうれしい。
毎年、寒い思いをして大掃除をして
なんでこんな時期に年越しなんてあるんだろう、と不満もあるけど
凛と引き締まった雰囲気の冬空の下、
片づけを終えてきれいになった家にいて
すがすがしい気持ちで
澄んだ空気を呼吸していると
いよいよ新しい年を迎えるんだと実感できるようで
これから待っていることが想像もつかないスタートに立っている気分。
何もかも受け入れてくれそうなほど
透き通った空間へと歩みだしていくんだ。
冬の大気は、まだ何も詰まっていない新鮮な始まりのよう。
この季節に訪れる新年。
なんだか、よくできているな。
まだ空白の新しい一年が、
私たち家族みんなにとって、良い年になってほしい。
長い時間を共に過ごしていく幸せな家族として、
そして、助け合いながらみんなを守っていける頼りになる相手として。
来年も、オマエと一緒にいる。
どうかよろしく。
お前がいないと私たち家族はもう何事もはじまらない習慣なんだ。
みんながそろってはじめて、私たちは家族なんだから。
難しいことはわからないし、いろいろ考えてもすぐ忘れる私だけど
大事な人がいるということだけは
よく知っている。

あんまりものを考えない立夏は
その分、直感が発達してきたというのは本人の談。
掃除の時にいるもの、いらないものは
においで一発でわかるんだそうだ。
甘いお菓子だとか、おいしそうなにおいとは違うもので
うまく説明はできないらしいけど
なんとなくいいにおいがするんだって。
私も頭を使うのが苦手なら
そのくらい鼻が利いてもいいのにな。
なにかよさそうなにおいを感じるものは。
おいしそうとかじゃなくて、感覚で良さそうな気がするにおいをたどると
掃除をしてもいつまでも残しておきたいものは
オマエかな?
くんくん……
家族のにおいだからかな?
こんないいものが近くにあったら
あとは掃除のついでにだいたい捨ててしまっても
特に不都合がない気もしてくる。
みんながそろっていれば
もう、だいたい何とかなるよな。
困ったことがあったって
頼りにできる人が、私にはここにいるんだから。
この家に、
大事な家族がいるんだ。
こんなに大雑把な鼻を利かせても
全然掃除の役に立たない気がするな。
実は相談なんだけど、
さっき観月が、
まとめて読もうと思って出しておいた古い本が
どこにも見つからなくて、心当たりがないか
聞いて回っていた。
そういえば、
やけにぼろぼろの本が並んでいるなと思って
張り切って紐で縛ってまとめた記憶があるんだ。
今日、庭の物置に運び込んだ本の束のどこかに
たぶん混ざっていると思う。
必要なものだったんだな。
私の鼻はやっぱり適当すぎて頼りにならないことがわかったよ。
もし、オマエの大掃除が大丈夫で、時間があったら
明日は観月の本を探してやりたいんだけど、
手伝ってもらえるかな。
いや、私がしたことだから自分で探すべきか。
なーに、どこかにあることは間違いないんだし
体を鍛えると思って、あの山積みの本を
今日みたいに汗びっしょりになって並べなおせば
見つかるんじゃないだろうか。
えっと……
やっぱり、できればこっちを優先して
手伝ってもらえたら助かるんだけど。
お礼に、お正月が来たら
私の分のおぞうにのもちをいっぱい譲ってあげてもいいから!
気の早い来年の挨拶をしておきながら
今年のうちも、まだずいぶんお世話になるな……
あと数日になったけど
さわやかな新しい年を迎えるまで
もう少しの間、オマエを頼りにしているよ。
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