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氷柱の偽日記

『寒気』

本格的な冬が来てから
天気予報では
乾燥注意をよびかけている。
強い冬型の気圧配置が続いて
強烈な寒気が発生し、
日本海側では大雪。
とても強い吹雪の場所もあるそうね。
いくら冬になるのが早くて
寒い期間が長い地方だからって
あまりに急な雪の訪れじゃないかな、
天気予報を見ている私たちでも感じる。
本当にもう、
とうとう冬になったんだわ。
私たちの町も、
吹き付ける北風に震えているよう。
わかっていたはず。
もうすっかり寒くなったってこと。
それでも、
驚いてしまう。
少し前の週間天気予報では雨の予報だったから
まだ本格的な寒さとは言えないと思っていたのかもね。
今日の予報を見て
テレビの前では、思い思いに声を上げる家族たち。
楽しみな時間を待つ歓声だったり
寒さを心配するつぶやきだったり。
ついに明日は、
東京も雪の予報。
早い気もするけど
このあたりも、もう雪を迎える時期なのね。
まだ積もるというところまでは行かないかな。
麗が心配しているみたいに、電車の運行に影響は、
あってもおかしくないわね。
でもまあ、まさかいきなり何本も電車が止まるというほどでもないと思うけど。
なんにしても、体調の心配もあるし
帰りは早めにね。
いえ、下僕のことを心配しているというか、
それは、この家の誰も、もう具合を悪くしないほうがいいんだから、
家族の合言葉という感じで
明日は、早く帰ろう。
そういうことね。
ユキは明日も学校に行くの。
やっぱり、休ませるほうがいいのかな……
心配だわ。
でもユキは、もう残り少ない今年の学校だから
一日でも多く行きたいって言ってる。
今年のうちにたくさんお勉強をして
今できることをして、
来年もいろんなことをおぼえる予感を見つけて
すがすがしい新年を迎えるんだって。
もちろん、いいことよ。
なんで立夏や夕凪の妹なのに、あんな勉強熱心ないい子に育ったんだろう。
あと、下僕の妹なのに。
まあ、私の妹でもあるし。
いい影響というのは自然と伝わるものなのかしら。
でもね。
まだ小さいし、体が弱い子だから
ユキがどうしても行きたいと言っても
年上の私たちが止めなくちゃいけないときもある。
一応、明日は朝の様子を見て考えるわ。
ユキは今年、いっぱい遊んで
少し強い体になったよ、だって。
そんなこと、お医者さんでもない私にはわからない。
ユキが自分の体のことがわかるならいいけれど。
本当に強い体になって
いつのまにか、私たちがいつも見てあげているつもりでいても
ぜんぜん気がつかないうちに
雪の日にも外を歩けるようになっていたらいい。
ユキに知ってほしいことが、たくさんあるもの。
同じ名前をして、空から降ってきて
しんしんと積もる白い雪は
触れたときは冷たいものであっても、
こんなにきれいで、
真っ白く純粋に積もるものなんだと
その寒さを体験しながらわかってもらえたらいい。
ユキの名前はこんなに美しいものからつけられたんだよ、って教えてあげたい。
雪が降る町を歩く人たちが
この冬をどんな風に過ごすかゆっくり考えて、
たまに困ったような、あるいはうきうきしたような顔で通り過ぎていく。
町の景色をすっかり白く変えて、
私たちのところに、冬がやって来たんだとみんなに伝える。
今は、おうちの中で大好きな家族たちと
あたたかく、寄り添いあって過ごす冬。
厳しい寒さでも、
家族がこの家にいれば乗り越えていけるものなんだと気づかせる冬が
私たちの住む場所にやって来る。
そんな冬に、一番大きな印象を持つ素敵なもの。
家族と手を繋いで越えていく季節が来たと知らせる
ユキと同じ名前をした、白いきれいなもの。
こんなに特別なものの名前が似合う子なんだよ、って
雪が舞う空を見上げながら
ときどき、てのひらに受け止めて触れてみたりしながら。
私が考えていることを
ユキにわかってもらえたらいい。
私がユキをどんなに思っているか。
毎年の特別な思い出になる白い雪よりも
いつもおうちで一緒にいてくれるユキが
どんなに特別で、私の中でかけがえのない宝物なのか、
降り続く雪の中で話せたらいい。
あなたは私の大切なもの。
こんなにきれいな雪景色だってくらべものにならない。
ユキみたいに美しい白い雪の中で話せたら
ちょっとは伝えれれるのかな。
こんなにユキを愛している人がいて
どんなときも、何があっても見守っているんだよ、
それが私の気持ちだということ。

今年、最初に風邪をひいてしまったのは
ふだんはあんなに体力があるように見える、たくましい元気な海晴姉様。
悪くならないうちに治ったのはよかったけど。
夕凪たちのアイデアが役に立ったのかはともかく、麗の学芸会に行けなくても
大人なんだから納得しているし。
まったく、あの海晴姉様も寝込むほど深刻な寒さだと思うべきなのか
急に寒くなってもおうちではまだ体調を崩す子がいないことを喜ぶべきなのか。
立夏の様子がなんだか変なのも
風邪をひいたとかじゃあないわよね。
理由はたぶん、
サンタさんへの手紙。
そう、これ。
なんで私が持っているのかって?
いいのよ、
ちゃんとサンタさんに届いたってことなんだから。
プレゼントのお金を出したのも、当日に枕元へ届けるのもたぶん私ではないけれど
買い出しとかで協力はしたんだし。
いえ、
立夏のプレゼントはまだ買ってないけどね。
他の候補をまったく考えないで
サンタさんにならお願いしたものを絶対にもらえる、と信じている。
代わりに今年は何を届けるのか
まだ会議が続いているの。
サンタさんたちの間で。
立夏も、手紙の最後で
どうか立夏だけじゃなくて家族のみんなのお願いも聞いて
みんなにプレゼントを届けてください、って
変に気を使うより
もっと考えることがあると思うけど。
もしも第一希望のプレゼントが無理だったら
何がいいのか、とか。
立夏が希望している、不可能なプレゼントは。
これからずっと
お兄ちゃんと二人だけで毎日続ける交換日記。
日記帳をあげるだけならいいんだけど
たぶんお兄ちゃんは
19人姉妹との日記でせいいっぱいだから、
姉妹との交換日記を増やすのも無理でしょう?
あの子には珍しく、プレゼントの内容を秘密にしたのも
無理を言ってるのがわかっているのか、
それとも、他の子に真似をされたら
そのぶんお兄ちゃんを取られちゃうから、だけの理由かもしれないけど。
世界中のどんなサンタさんでも、叶えてあげることのできないお願いなんだから
代わりに何かほしいもの、
下僕もこっそり聞き出しておいてよ。
私たちの下僕は
肝心なときに役に立たなかったりして、頼りになるかどうかは疑問だけど
でも、私たち19人姉妹の家族なんだから
誰か一人が独占することはできないと思う。
あなたもあんまり無理をすることは考えないようにね。
たいしていい知恵が浮かぶ頭でもないんだし
使い慣れない頭を使って、熱が出るかもしれない。
ただでさえこんなに寒い冬。
少なくとも立夏にはこんなに思われている体なんだから
大事にしてよね。
無理してでもこれから立夏と毎日交換日記をしよう、なんて思いつめて
体を壊すようなことはしないで
ちゃんと別のプレゼントを考えておいて。
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