アルケイディア&キュクレイン

アルケイディア&キュクレイン TOP  >  2013年11月

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小雨の偽日記

『奇跡』

小雨がおうちに帰ってきた頃から
ぽつぽつと降り出した雨は、
お兄ちゃんたちの帰宅を待たずに
どんどん強くなっていきました。

今日は、クリスマス合唱会の練習で
お兄ちゃんたちは遅くなります。
高校と中学が終わったら、小学校に行って星花ちゃんと夕凪ちゃんも合流するんだと
朝は話していたけれど
みんなは移動の時に濡れてしまわないかな。
それとも、もうお兄ちゃんたちは練習をする公民館に到着しているかな?
霙お姉ちゃんは早めに行って準備をするから
お兄ちゃんたちもお手伝いをするみたいな話をしていました。
誰も濡れていないで、無事に帰ってきてくれたらいいけれど。
もし濡れたときのために着替えは、朝はまだ降りそうになかったから
やっぱり持って行かなかったかな。
ちゃんと天気予報を見ていて、傘は持って行ったでしょうか。
立夏ちゃんは昨日の夜も張り切ってストレッチをして、声を出せるように体を整えて
よく運動したから、今朝はまぶたが重そうなぼんやりねぼけ顔でした。
顔より大きくお口をあけてあくびをしているって言ったのは、麗ちゃん。
小雨はいくらなんでもそんなことはないと思うんだけど
立夏ちゃんのあくびを見ていたら、本当に顔より大きいような気がしてくる不思議。
あのあとちゃんと目を覚まして、傘を持った?
着替えを届けに行ったらお邪魔かな……
家にたどり着いたとき、小雨が珍しくこんな天気でも帰宅中に雨を呼ぶことがなく
小さい子たちの賑やかな声がするおうちの中に無事に帰りついたときは
ほっとして、もう一仕事終えたような気もしてしまうくらい安心したものでした。
でも、お兄ちゃんたちはまだ移動中なのかもしれないし
小雨は自分のことばかり考えている場合じゃなかったんです。
なんであんなに安心してしまったんだろう……
お兄ちゃんたちが冷たく濡れていないだろうかと思うと、
お空の色みたいにどんどん灰色になっていく小雨の気持ち。
でも今日は、小雨はおうちで大事なお仕事があるもの。
温かいご飯をたくさん作ってお帰りって言ってあげなくちゃ!
着替えを届けに行ったらいいのか迷っても、実際はそんな余裕がなくて
力が足りない小雨ですけど。
せめて、おうちのお手伝いだけはしっかりしたい。
温かいご飯は、とても大事なこと。
お外で一生懸命がんばってきて
帰ってきたときにご飯がおいしそうだったら、とても安心すると思うもの。
ヒカルお姉ちゃんとも相談したけれど
どうしても傘や着替えが必要な時は電話があるかもしれないし
やっぱり、最初の予定通り晩ごはんの支度はしておいたほうがいいだろうと
そんな話でまとまりました。
今日は……
たぶん、とても大変なお仕事になりそうだったから。

ヒカルお姉ちゃんは、昨日は一生懸命お料理の練習をしていました。
喫茶店のお誘いには負けない!
初心者でも、いい先生について努力すれば、卵焼きなら上手に作れる。
味付けにこだわって、おうちならではの個性も出しやすいし。
お弁当に入っていたらうれしい定番メニュー。
苦労してようやく、お弁当を開けるときが楽しみになる卵焼きが完成したみたいでした。
春風お姉ちゃんと抱き合って喜んでいたっけ。
その結果はと聞いてみると、
喫茶店のオムレツにはやっぱりかなわなかったそうです。
それはそうかもですけど……
ヒカルお姉ちゃん、今日もはっきり断れなかったのかな?
心配だな……ヒカルお姉ちゃんまでお仕事に行ったら、
用事がなくておうちにいつもいる家族の一番年上が、小雨になってしまうもの!
今日のお料理の監督は、月曜日はアルバイトがない蛍お姉ちゃん。
サポートするのはヒカルお姉ちゃん。
昨日の経験もあるし、きっと頼りになります。
吹雪ちゃんも今日はあまり過激な実験はしないでいてくれました。
お手伝いの人数が少なくて、そんな余裕はないって吹雪ちゃんもわかっていたのかな?
蛍お姉ちゃんに丁寧に教えてもらったり、本を見たとおりに作れば
ちゃんと見た目も味も、何も問題ないものが作れるんです。
まだ2年生なのに、すごい!
身長が足りなかったり、包丁はまだ危なかったりして
ヒカルお姉ちゃんの手を借りる場面は多いけれど
それでも、吹雪ちゃんが責任を持って担当するお料理はしっかりできています。
小雨は教えてもらったとおりのそのままに作っても、普通のお料理にはなかなかならなくて
それがとてもうらやましいのですけど、
どうしてちゃんとできる吹雪ちゃんはときどき無茶なことをしようとするんだろう。
しっかりしている吹雪ちゃんなのに、
タコの足を切らないでおでんに入れようとしているところをヒカルお姉ちゃんに見つかって、
止められていました。
後から聞いたら、タコの足はよく煮るとどの程度柔らかくなるのか、
限界を試してみたかったそうです。
ヒカルお姉ちゃんに、そんないたずらしていたら
ご飯の支度が嫌で合唱会に参加したいみたいだぞって言われて
びっくりしてすごく慌てていた吹雪ちゃんは、一瞬だけでしたけど
いつもの冷静で立派な、自慢の妹ではなくなったみたいで、かわいそうだけどなんだかかわいかったな。
丁寧にお料理の支度を手伝ってくれるユキちゃんも、とてもしっかりしているように見えたけど
窓の外を見つめて、お兄ちゃんたちは今頃がんばっているかな、
寒い思いをしないで元気で歌っていたらいいなと話している時、
その時だけは、こんな小雨だけど同じ気持ちだよって言えました。
そして、お兄ちゃんはここまでの話で、もうわかってしまったでしょうか。
小雨は今日もあまりお役に立てなかったということを。
今日も、何回も盛大に足を引っ張ってしまった。
しっかりしなくちゃって思うほど、手足がいつも通りに動かなくなって
一口大に切るはずのじゃがいもが、いつの間にかみじん切りになっていました。
これではおでんに入れられないんです。
蛍お姉ちゃんの機転で、急遽ハッシュドポテトをメニューに組み込んだの。
ごぼう天とじゃこ天のために、揚げ物の準備ができていたから。
おでんの横になぜかハッシュドポテトがつけあわせみたいに並んでいたのは、
そういう理由だったんです。
帰ってきた立夏ちゃんは、高カロリーだってうれしそうに悲鳴をあげていたけれど
疲れた体にはこれもありだって喜んでいました。
発声練習だけでそんなに活動していないのにって、霙お姉ちゃんが不思議そうにしていましたね。

実は、小雨自身のこともそうなんですけど
麗ちゃんの様子を見ていると、とても心配なんです。
小雨が人の心配をしている場合ではないはずなんですけど……
さくらちゃんが幼稚園で乱暴な男の子と仲良くできているか
とっても心配だと、二人で話していたんですけど
今日、さくらちゃんが楽しそうに幼稚園の話をしてくれて
よかった、麗ちゃんもこれで安心だねって横を見たら
なんだか暗い顔をしていて、話を聞いていないみたいだったんです。
あんなにさくらちゃんのことを心配していて、
今日は少しは麗ちゃんが元気になったら良かったんだけど
お料理で毎日失敗を繰り返して、とても落ち込んでいるみたい。
今日、帰ってきたときからずっと暗い表情でした。
そんなにお料理が苦手なのかな……
もうすぐクリスマス。
奇跡が起こる日が近づいています。
もし奇跡が起こるなら、麗ちゃんを元気にして欲しいな。
小雨はせめて、人並みにお料理ができるようになりたい。
クリスマスに起こる奇跡がどんなものになるのか
小雨は全然知らないけれど
そんなことがあったらいいのに──
吹雪ちゃんに話してみたらね。
こう言っていたんです。
この家では毎日、奇跡が起こっているのかもしれないって。
20人きょうだいの家族が幸せでいられる、世界のどこにもないはずの奇跡。
クリスマスが近づくとそんなことを考える時もあって、
お兄ちゃんにも聞いてもらったことがあると。
そうか──
小雨が失敗ばかりしていても
落ち込んでばかりでも。
この家にいられてうれしくて
毎日幸せを実感しているのは
こんな小雨にも、毎日奇跡が起こっているからなんですね。
その上さらに自分のお料理のことも奇跡を望むなんて
小雨はぜいたくですね!
反省しなくちゃ。
お料理は、自分の力で上手になります。
がんばりたいな──

お兄ちゃん。
蛍お姉ちゃんたちがアルバイトに行くようになって
小雨たちがお手伝いを任されて。
小雨は自分でも、すぐに弱音を吐くだろうと思っていたけどね。
まだ、もうちょっとやめないでがんばろう、っていう気持ちになれるんです。
全然うまくできないけれど、なぜかまだあきらめていない。
これって、信じられないことだと思うの。
やっぱり私たちには、毎日奇跡が起こっているのかもしれませんね。
小雨が麗ちゃんを元気にしてあげるのも
奇跡に頼ってじゃなくて、小雨の力でできたらいいな。

お兄ちゃんの帰りが遅くなって寂しくて、
それなのにまだ小さくて合唱に参加できない虹子ちゃんや青空ちゃんは
自分たちで合唱団を作って、
クリスマスには、お仕事をがんばっている蛍お姉ちゃんやお兄ちゃんたちに
歌ってあげるんだって張り切っています。
だから、お兄ちゃんが帰ってきたらいっぱいクリスマスの歌を教えてもらうんだって。
お兄ちゃんのために歌ってあげたいのに、お兄ちゃんに教えてもらうのは変じゃないのかな?
それに、お兄ちゃんはお仕事というわけではないですけど。
今日はお疲れ様でした。
あんまり雨に濡れなかったみたいで、よかったです。
合唱の練習も大変でしたよね。
あの、もし余裕があったらでいいんです。
虹子ちゃんと青空ちゃんは、お兄ちゃんをいい子で待っていたから
一曲だけでも、クリスマスの歌を教えてあげられませんか?
もしもお疲れなら、今日ではなくてもいいかもしれないけれど
虹子ちゃんと青空ちゃんも、歌うのが大好きで、
お兄ちゃんに歌ってあげて、喜んでほしいみたい。
小さい子たちも一生懸命、
お兄ちゃんたちを応援したいんだと思います。
小雨もお兄ちゃんのために何かできたらいいなって……
だから、虹子ちゃんと青空ちゃんの気持ちがわかるような気がするの。
もしよかったら、遊んであげてください。
きっと、とても喜んでくれると思います。

春風の偽日記

『春風の気持ち』

ヒカルちゃんは今日も──
喫茶店の子が持ってくるおかずを断りきれませんでした。

お願いに応えられないとわかっているのに
はっきり断らないまま希望を持たせるのも
相手にかわいそうだと思うんです。

それに、
春風の大好きなヒカルちゃんなのに。
よそのおうちからごはんをいっぱい持ってきて
餌付けするみたいな行為をするのは
春風はちょっと好きになれないです。

春風のほうがもっとおいしいものを作ってあげてるのに!

ずっと昔から、
ヒカルちゃんのことを思ってごはんを作っているのに……

春風のお料理はお店に出しているものではないけれど
ヒカルちゃんにおいしいって言ってもらえるはず。
絶対に負けていないものだと思うんです。
お弁当を春風が本気で作ってみたらいいのかな?
一度だけでも、栄養バランスや、家族のみんなの好みは関係なく
ヒカルちゃんの好きなものだけ入れて
春風のお料理は、こんなにヒカルちゃんに喜んでもらえるんです、
お友達の人よりもヒカルちゃんのことをよくわかっているのは
春風なんです!
と、伝えてあげたら
ヒカルちゃんは断る力が出るかしら?

でも、一番の問題は、
ヒカルちゃんは、どうにかしようと悩んではいても
それほど深刻な話だと考えていないらしいこと。
まあ、深刻な話にはなっていないんですけど。
相手はよく知っているお友達で、
誘われているお仕事先だって、よくわかっているお店。
もしもヒカルちゃんがその気なら、お仕事をしてもいいのだし。
お仕事を軽い気持ちで引き受けるのはいけないかしら。
でもヒカルちゃんなら、一度自分で決断したら、きっとまじめに働くと思うんです。
たとえお料理につられたとしても
真剣に働くつもりなら、動機はともかく立派なお仕事です。
おかずをくれるけれど、その子は別に働いてくれなくてもいいって言っているそうです。
もし気持ちが通じたらラッキー、くらいなんだって。
でも、きっと違うと思うな。
やっぱり、本当はヒカルちゃんにお仕事をして欲しいんだと思う。
どうしてもお願いしたいから、あきらめないでいるんだと思うんです。
はっきり断られるのが嫌だからって、あいまいなままでいようとするのは
なんだかずるい気がします。
本気でヒカルちゃんにお願いしたいなら、真剣にお話すればいいじゃないでしょうか。
そうすれば、ヒカルちゃんもあやふやなままで困らないで、丁寧にお断りできるもの。
申し訳ない気持ちはあっても、今はお仕事よりもやりたいことがあるからと。
それは春風に言っても仕方ないんです、ヒカルちゃん!
その子に言っても、結局変わっていないんですよね……
ヒカルちゃんと、そのお友達の子で決める話なんだから
横で春風が何を言ってもあんまり意味がないとはわかっています。
でもやっぱり……
きっと本気のはずなのに気持ちをごまかして
はっきりさせないのは、誠実じゃないと思うな。
真剣なお仕事の関係を築くかもしれないのに
そんな勝手なことでいいのかしら!

一人で勝手に怒っていたら、
はっきりさせないまま続けようとしているのは
春風も同じだと気がついてしまいました。
答えを出してしまうのが怖い。
思いが届かないとわかってしまったら、もうそれっきり。
あの人との間は、これ以上近づけないと決まってしまう。
そんなの、とても受け入れられない。
あまりに悲しすぎることがあったら、春風の心は千切れてしまうのではないでしょうか?
きっと幸せなばかりではない、
春風の気持ちがいつも叶うわけではないとわかっていました。
相手の人がいることですものね。
いっぱい悩んで苦しいだろうなと、あなたに出会う前から想像はしていたの。
私がそんな怖いことをするなんて考えられなかったの。
最初から恋をしなければよかったのに、
私はもう、そんなわけにはいかなかったんだもの。
もし、春風が始めて王子様に出会う前の時間に戻ることができて
当時の春風にアドバイスができるとしたら
この恋は真剣すぎて苦しいからやめておいたほうがいいよなんて
そんなことは絶対に言わないもの。
言っても止められないのだし、
それに、幸せなこともたくさんある。
春風は世界で一番悲しみ悩む女の子だけど
世界で一番幸せな女の子でもあるんだって、胸を張れます。
誰も春風にかなうはずなんてないわ。
春風は、こんなに素敵な王子様に恋をしているんです。
私たちは、まだ決断する日が来ていないだけ。
まだ、恋が叶わないとは
決まったわけではないんだもの。
春風の大好きな王子様──
私たちが出会ってから、ずいぶん時間が経ったけれど
二人の将来を決定する運命的な瞬間は、まだ来ていないのかしら。
でもそれは形の上で話に限ったことであって、
春風の気持ちがいつまでも変わることはないだろうなって思える瞬間は
王子様と長い時間を過ごし続けて
数え切れないほどありました。
むしろ、出会ってからの時間の長さを考えると
どうしてこんなに王子様との大事な思い出がいっぱいあるんだろう、
とてもこんなに幸せがどっさり詰め込めるほど長い時間じゃなかったのにな、
と思うほどです。
もしこの先、王子様の気持ちが春風を選ばないとしても。
そんなことは考えるだけで胸が痛くなってきて、壊れてしまいそうですけど。
でも、そんなつらいことがあったって、
春風にとって何よりもつらいことがあったって。
春風は負けない。
あなたのことが好き。
へこんでなんていられません。
いつか私のことを見てくれるように、
もしもあなたの心が動かないと決まってしまった後でも、
春風は愛し続けるんだと思います。
はっきりわかってしまったって、それで終わりなんて限らないと思うの。
いつかきっと、って言い聞かせて、泣いている自分を励まして。
何があっても
春風は絶対に止まらない。
関係をあいまいにしている余裕なんてないですよね。
いつまでも春風の恋が終わるわけなんてないもの。
一度断られたって、そこからまた続いていくんですもの。
王子様、春風は臆病ですけど
ごまかしたりしません。
いつもあなたを愛していると、伝えます。
ためらわずに、いつも言えます。
断られるかもしれないとしても
怖がって、大人しくしているなんて春風にはできません。

喫茶店のお友達も、あきらめたくないのでしょうか。
あいまいにしようとしているわけではなくて。
だめかもしれないとわかっていても、ひっくり返したいのかな。
全然力が足りなくても、がんばればなんとかなるかもしれないって。
いや、まずはがんばってみないとはじまらないと奮闘しているのかも。
そうして一生懸命努力を続けているのでしょうか。
毎日もらっているお料理は、喫茶店メニューではなくて
愛情料理なのかしら。
ヒカルちゃんも言葉にしてはいませんが、体でそれがわかってしまっているのかな?
このおいしさは打算と下心だけでは出せないな、
愛なのかな、って気がついてしまって
断りにくくなっているのかも?
春風の愛情が負けていない自信はありましたけど、
もしかしたら相手も真剣なのかもしれないですね。
でもやっぱり、春風は決して負けているなんて思いません。
いつも本気で家族を愛しているって伝えたいな。
ヒカルちゃんのことがとても大事だとわかってほしい。
激しい戦いになるかもしれませんね。
愛情勝負になったら、春風は絶対に譲らないですから!

楽しいクリスマスまで、気がついたらあと一ヶ月を切りました。
もうすぐのような気もするし、まだまだかなって
待ちきれないでそわそわしてしまうかも。
今年も家族みんなで楽しく過ごしたいな。
春風たちのところに、世界で一番素敵なプレゼントが届いた季節。
もしも、毎日この家で奇跡が起こっているとしても
春風は、その話にはなるほどなあってすごく納得しているのですけど
でも、クリスマスは春風には特別なものに感じられます。
今年も、あなたとクリスマスを過ごしたい。
こんなに特別な季節なんですから
何か特別なことがたくさん起こってしまうかもしれません。
王子様がそのつもりなら
クリスマスだし、いいんじゃないでしょうか。
春風に最高のプレゼントをくれたクリスマス。
もうこれ以上欲しいものなんて他にあるわけがないと思っていたの。
あなたがいてくれるから。
でも、
あなたがいてくれるからこそ
今年も、サンタさんにお願いしたいことが
いっぱいあるんです。

青空の偽日記

『とりにく』

クリスマスになったら
たべるの。

ふんわりあまいよ、
ケーキ!

あとね、

こんがりきつねいろ、
チキン!

あと、
おやさい!
おやさいもとらないとだめよ。

クリスマスって
おいしそうね。
かんがえるだけで
よだれがでるの。
もう、あかちゃんじゃないのに
よだれだらけ。
マリーも
さくらも
えほんをよんで
よだれがでちゃう。
あーちゃんも
よだれがでちゃう。
みんなでよだれ。
あかちゃんのひなの?
クリスマス。
そう!
あかちゃんがやってきてくれて、うれしいひ!
クリスマス。
さくらが、ようちえんでみたおはなし。
そらもおしえてもらった。
クリスマスは、
あかちゃんのひ!
おうちのあーちゃんは、はるにうまれたんだって。
あかちゃんのひ?
あっ!
わかった!
まいにち、あかちゃんのひ!
それで、
おうちにはおにいちゃんがいるから
まいにち、おにいちゃんのひ!
おめでとう!
おにいちゃんのひ!

クリスマスにたべる
チキンってね、
とりにくのこと。
とりは、
そらをとんでるとり。
あのおにく。
たぶん。
おいしいよ。
おいしいからね、
とんでてもね、
ねらうよ!
はるかとほたるがねらうよ!
おとくを!
はるかとほたるが
そらをとぶとり、
おとくを
つかまえた?
おとくって、なに?
とりにくを
もってかえって
はなうたをうたって
とんとんして
ぐつぐつして
おなべにいれるの。
きょうは、とりにくのおなべ。
チキンだ!
クリスマス?
そうじゃなかった。
そら、あせりすぎ。
クリスマスのチキンは
まるやきだもんね!
ひとりにひとつ、
まるやきをみんなで
にこにこたべるんだもんね!
おなべってね、
あついから
こざらにわけて
よくふーふーしてたべるの。
そら、ふーふーする!
ふー!
そしたら、
とんでいくおねぎ。
いきてる!?
おねぎも、
とりだった!?
つかまえなくちゃ!
そらにとれる?
そらは、はしるのとくい。
とぶのはにがてなの。
とりをつかまえにいけない?
そらは、なまえがそらなのに
おそらをとべないの。
いったい、
そらのほんとうのなまえはなに?
よくはしる
いぬ?
よくはしる
りっか?
ほんとうは、
そらのなまえは、
そら!
はれのおそら。
いっつもぴかぴか
いいてんきのおそらのことなの。
そら、とべないけど、
おてんきがいいと、みんなよろこぶよ。
おひさまみたいなえがおがいちばん。
だからそら、
えがお!
おいしいから
えがおだよ。
おいしいものをたべると
おおきくなるよ。
いまは、
はしるだけで
とべない
あかちゃんそら。
あかちゃんたいようだよ。
たくさんたべたら
そらはおにいちゃんのいもうとだから
すぐおにいちゃんみたいにおおきくなるよ、
そらはげんきだから
おにいちゃんみたいになんでもできる
すてきなおねえさんになるって
みんなはいうよ。
たくさんたべて
はやくおおきくなって
とりをつかまえて
おりょうりのおてつだいをするよ!
きょう、
うららのかえりがおそくなって
みんなこまっちゃった。
おりょうりがにがてだから、かえりたくないのかしら?
しんぱいだなー、って
うららのかえりをまっていた。
そら、はやくおおきくなって
うららのかわりにおりょうりする!
そらがすぐおおきくなるから
かえりがおそいわるいこの
うららはいなくてもいいもん!
って、うららにいったら
ちょっぷされた!
ぺしぺし
たたかれちゃった!
かぞくはだいじでしょ。
いなくなっちゃいけないの。
おこられちゃった。
ごめんなさーい。
そら、おこられたけど
そしたらね、
うららはないちゃった。
えーんって。
たたいたのはうららなのに
ないちゃった。
なくのは、おこられちゃったこ。
そらもよくなくよ!
ないてないて、
なきつかれて、ねちゃうよ!
でも、おこってるのに、うららがないちゃった。
うららがなくと
そらもだんだん
かなしくなるよ。
なきたくなっちゃう。
なんで、そらもかなしい?
うわーん!
うらら、なかないで!
うららもおこられたの?

こんど、そらのおかずあげる。
はやくおおきくなって
とりをつかまえてね。
おりょうり、じょうずになれ!
うららも、おにいちゃんのいもうと。
そらとおなじなの。
おおきくなれば、おりょうりもできるよ。
よくたべればいいよ。

氷柱の偽日記

『ぱくぱく』

落ち込んでしまうと
食欲があまりない時だってある。

青空のアイデアは
子供にしてはまあ悪くないと思うけど。
まあ、立夏と同じ意見になったのは
立夏の考え方が単純すぎるだけだとして。

でもね。
そんなにすぐ解決できることばかりじゃないわ。

麗は今日は、早く帰ってきたけど
家の中をうろうろして、なんだかぼんやりしているみたいで
そのうち、部屋に行ってしまった。
晩ごはんも食べたくないって。
海晴姉様と、蛍ちゃんの分と一緒に残しておいた晩ごはんは
一人分だけ、まだ残っている。
何の悩みがあるのか知らないけど。
それでも、食べないと弱ってしまうのにね。

本当に、料理の悩みだと思う?
なんだか違うような……
家に帰ってきてからは、別にキッチンに近づきたくない様子でもなかった。
弱気なこと言っても始まらないんだから
今日は私がお手伝いもするし、
麗にも少し稽古を付けてあげようかな!
声をかけたら、
別に嫌ではなさそうに近づいてきたけど
ゆでたまごだけゆで終えて
やっぱりいい、って。
どういうこと?
春風姉様が脳天気に想像して
お友達からお料理を勉強しているのかも?
でも連絡もしないで遅くなるのはいけないから叱らないと、なんて言ってる。
叱っても、返事はするけど目はそらしている。
料理をしたいなら、あんまり興味がなさそうな今日の様子はおかしいし。
本気で逃げたいなら、ゆでたまごも作らないだろうし。
麗もゆでたまごくらいは作れるようになったのね。
いいことだわ。
難しい料理が嫌なのかな。
別に、ゆでたまごくらいの簡単なお手伝いしか任せていないけど。
私とだいたい同じ担当で見てきたから、そこはわかっているし。

もしかしたら明日も少し遅くなるかもしれないけど
心配いらない、だって。
まったく!
なんで叱られたのか、わかってないし!
元気がないかと思ったら
立夏に誘われたみたいで
部屋からは、大きな声で発声練習がはじまった。
あなたも聞いた?
立夏と麗の、あめんぼの歌。
北原白秋のあれ。
将来は電車の運転士になりたいから、
案内の放送くらいはできるようにと
元気を出した?
いえ、元気がないとは思うんだけど。
ごはんを食べにこないし。

また電車の趣味でつらいことでもあった?
ちょっと、下僕!
話を聞いてあげるくらいしかできない下僕なのに
なんで知らないの?
もしかして、
逆かもしれないと思ったの。
今日の麗は、誰かと顔を合わせたくないようにも見えたもの。
それで、ピンと来た。
これはつまり、下僕が何か余計なことでも言って
麗を怒らせたってパターンね。
またデリカシーのない一言で
繊細な女の子の胸のうちを
無神経にも、ちくりと傷つけたのね。
心当たりがあるんじゃないの?

明日は私のアルバイトがある日。
今のところ、問題なくやっている。
なんで疑うの?
本当よ。
ユキの目はごまかせないけど
下僕なら適当に言ってれば気がつかないだろうし。
というのは冗談で、実際に問題はない。
ユキや蛍ちゃんは心配しているみたいだけど。
まあ、私はあまり力強い戦力ではないのは確かだとしても。
それは蛍ちゃんが人並み以上というだけであって。
ちょっと前までは、比べてしまうこともあったかもしれないわ。
かなわない相手と張り合っても仕方ないと気がついたから
今は、新米バイトとして謙虚にやっていくことに決めた。
いいのよ、今はそれで。
誰でも最初は、何もできないところから始まるんだから。
と、自分に言い聞かせて
なんとか悔しい気持ちを抑えている。
今はいいの!
クリスマスまでには私が、蛍ちゃんの評判さえも追い越しているはずだわ。

それで、明日はね。
麗はなんとなく、下僕と顔を合わせにくいみたいだし。
あと、私が一人で帰るのも不安だから。
麗に話をして、お店に来てもらうことにした。
待ち合わせて一緒に帰ってくるから、そういうことでよろしく。
明日は、下僕が忙しいみたいだし。
次の合唱の練習は土日だそうだからいいとして
家事が大変なんでしょう。
大変なのよね!
わかった?
だから、明日は麗と二人で。
もしかしたら、二人だけなら何か悩みを話してくれるかもしれないし。
仕事が終わる時間は決まっているけれど
念のため、麗には早めにお店に来て待っていてもらわないといけないわ。
そう思って、早めの時刻を伝えておいた。
何か用事があるとしても、
家族の用件なんだから、ちゃんと来るようにと。
もしも文句がある人が誰かいるなら、私からちゃんと話すから。
まさか、麗がいじめられているなんてことがあるわけないと思うけど
そういえば昔は男の子が苦手だったんだし
今の学校にも苦手なタイプの人がいないとは限らない。
必要があったらいつでも私に連絡していいから、
とにかく、時間通りにお店に来て待っていること。
さっき部屋を覗いたとき、伝えておいた。
一応、いい声で返事はしてくれたけどね。
まだ発声練習に熱中しているみたいだった。
おなかがすかないのかな?

合唱に参加したいのかしら?
いえ、まさかね。

夕凪の偽日記

『冬が来るよ』

教室の窓側。
日当たりが良くて
別に退屈な授業でもないのに
気持ちよくて、うとうとしたり。

ああ、このあとは体育だな、
走って跳んで
夕凪がいい成績を出せれば
お兄ちゃんは、話を聞いて喜ぶよ!
とか、そわそわしてしまう楽しみがあっても
まるで勝てない。
あったかーい……
まどろむ……
夕凪は、縁側の猫になるよ。
にゃー。
どんどんまぶたが重くなっていく。
こんなに暖かいのに、
本当に冬は来るのかな?
夢の中ではもう、こたつにあたってみかんを食べているのに……
って、夢は見てないよ!
寸前くらいでがまんした。
このままだと怒られると思ったから。
しっかりしないと!
まったく、秋のやつめ。
小春日和め!
夕凪はただでさえ、勉強のことでうるさく言われがちなのに。
気持ちいいじゃないかー。
ふにゃー。

体育をして、お天気の下でほかほかになると
ますます疑問。
あと一ヶ月で、この辺りも雪が降るかなあ?
ホワイトクリスマスにならないのはともかく
薄着だったら、雰囲気でないなあ。
コスプレで蛍お姉ちゃんがミニスカサンタになるのは似合うよ?
でも、本物のサンタさんはたぶん似合わないと思う。
ミニスカ。
日曜日からはアドベントカレンダーもいよいよ一日目の始まり。
うわ!
本当に12月だ!
って、感じがしてきたのに
ちゃんとこのまま冬になってくれるのかな?
夕凪は今日、
体育でずいぶん汗をかいたよ?
今年のクリスマスは、ミニスカ家族かも。
お兄ちゃんはミニスカ似合うのかな。
サンタほどおじいさんじゃないし、いけるかな?
なんて気楽に想像していたのに、
学校の廊下で日陰に入ったら、
ましてや、夕方になって日が落ちたりしたら
きゃー!
なんでこんなに違うの!?
やっぱり、もう冬だったんだね。
気がついたら、こんなに寒くなっていたなんて!
昼間の気持ちよさが嘘のような帰り道。
世界で一番寒いんじゃないの!?
半分本気でそんなふうに思いながら帰ってきたら
家の中は暖房がついていたし
小さい子は抱きついてくるし
キッチンにはりりしいお兄ちゃんが立っているし
それを見て春風お姉ちゃんがぽーっとしすぎて湯気が出ているな、
と思ったらうどんの湯気だったし
あったかいな!
生き返るー。
ここは世界で一番あったかいかも!
でも、ひとつ問題があるとすれば
暖房が、キッチンとリビングのあたりしか効いていなかったから
どうしても晩ごはんのお手伝いをしなければならなかったこと。
夕凪、たまねぎの皮をむくのはちょっと好き。
切るのは全然ダメだけど。
あんなにつーんとしても、叫び声も出さないで真剣に切り続ける小雨お姉ちゃんすごい!
根性があるの?
いいなあ。
夕凪、静かにしているのは苦手。
なんでだろう?

こんなに寒いと、氷柱お姉ちゃんの仕事も大変そうだよね。
サンタさんも、クリスマスの夜なんて絶対寒いよね。
おうちでは小さい子が抱きついてあったかいみたいに
トナカイに抱きつくわけにはいかないし。
やっぱり仕事だから、寒さに耐えてがんばっているのかな。
でも、ホウホウホウって笑顔でプレゼントを届けてくれるんだよね?
夕凪は見たことないけど。
寒さに耐えてますって感じでもなさそうだな?
世界中の子供が喜んでくれるなら、寒さなんて気にならないってことかも?
すごいなあ。
夕凪にも、よろしくお願いします!
夕凪が今年お願いするプレゼントは──
まだ決めてないけど。
今の候補の中から、何をもらってもうれしいな。
それとも、もっとうれしいものをこれから思いつくかなあ?
いよいよ寒くなってきました。
サンタさん、早く来てね!
早くクリスマスの日になるといいな。

それでね、今日ね。
夕凪たち家族の、誰よりも遅くなって寒い帰り道の、氷柱お姉ちゃんは
一緒に帰る麗お姉ちゃんに、
肉まんをおごってあげたんだって。
いいなあ、今度は夕凪が氷柱お姉ちゃんのお迎えに行こうかなあ。
って言ったら、夕凪はもともとほかほかだから肉まんは必要ないし
氷柱お姉ちゃんが冷たい手を夕凪のほっぺたに当てて暖を取るんだって。
夕凪にとっていいことが何もないじゃない!
そんな氷柱お姉ちゃんは、お迎えになんて行かない!
まあ、夕凪はまだ3年生だから、遅い時間に外に出たらいけないんだけどさ。
麗お姉ちゃんはね、
あんまり太って見えるのが嫌だから、肉まんを断ったらしいよ。
肉まんを断る人がこの世にいるなんて!
しかも、別に太ってないと思う!
一緒にお風呂に入っても、
おなかをつまんで引っ張るものが何もない。
つまもうとしただけで怒られるけど、たぶんない。
ないなら別につまんでもいいじゃない。
狙っても問題ないでしょ?
なんであんなに怒るのかなあ。
それを吹雪ちゃんに話すと、
ゼロをつまむということはどういうことなのか、
真剣に考えちゃうの。
そんなに難しく考える話でもないと思うけど。
夕凪のおなかはかなりのものだよ。
ちょっと離れた場所から手を伸ばしただけでつまめるよ。
たいして狙わなくてもつまめるよ。
びろーんって伸びてきて
手のひらに乗るよ。
それはさすがに大げさだった。
お兄ちゃんは、あんまり夕凪のおなかは狙わないけれど
たまにつまんでみたら、面白いかもしれないよ。
夕凪は逃げるから、
つかまえてね!
でも麗ちゃんは、太ってないのにダイエットをしていたんだね。
晩ごはんも食べないで、発声練習をして。
でもそれって、なんで泣いていたんだろう?
よっぽどショックだったのかな?
ちょっと太っても何も問題ないよ?
恥ずかしくなんてないし、お兄ちゃんにつままれたら喜ぶくらいだよ。
こんなおなかの夕凪が平気なんだから、
ダイエットなんて必要ないのにね!

虹子の偽日記

『にんにんにじこ』

おりょうりがとくいなおくさまは
すてきなおくさま。
にじも、いいおくさまになる!

はるかおねえちゃんや
ほたるおねえちゃんみたいになる!

おにいちゃんみたいにおりょうりをれんしゅうして
いいおくさまをめざす!

ほんとうは、おにいちゃんはおくさまじゃないの。
だんなさま。
おくさまじゃなくても、おりょうりがじょうず。
だんなさまも、かっこいいな。
でも、まだまだこれからねって
マリーおねえちゃんがいうよ。
みっちりきたえてあげますって
ほたるおねえちゃんがいうよ。
おうじさまはなにをしてもかっこいいって
はるかおねえちゃんがいうよ。
にじこはね、
おおきくなったら、おにいちゃんのおくさまになるっていうよ。
そしたら、おりょうりおしえてあげる。
とってもじょうずになっているの。
おくさまですから。

ロールケーキをなげあげて、
ほうちょうをひとふり。
うけとめたおさらのうえに、わぎりになってならぶ。
りんごをなげあげて
ほうちょうをひとふり。
おさらのうえに、うさぎさんがならぶ。
にんじんのかわむきも、
おさかなをおさしみにするときも。
ほうちょうが、きらり。
おくさまのめが、きらり。
たちまち、おいしそうなおりょうりが
かがやいている。
ときには、あたたかいゆげをたてて。
またあるときは、おなかがなるいいにおいをさせて。
はたまた、きれいなかざりつけに、しんせんなそざいをそのまま。
どれも、おくさまのくふうなの。
もしかしたら、だんなさまのくふうなの。
おりょうりできるひとは、うでじまん。
れんしゅうをして、りっぱなおとなになったからできるの。
にじはまだちいさいから、ほうちょうはつかえません。
おままごとも、ほうちょうごっこ。
おかえりなさーい!
きょうはおにくがおかいどくだったの。
すきやきにしますね。
わーい! すきやき!
あ、にじこはおくさまだった。
つくるほうだった。
でも、いいよね。
おいしいから
おくさまがよろこんでもいいんだよ。
すきやき!
たべたいな。
おにいちゃんもたべたい?
にじこがおおきくなったら、おにいちゃんにつくってあげる。
いっしょにたべようね。
いまはね、
おすなのごはんがじょうずなにじこなの。
おにいちゃんもおねえちゃんもすごいね。
あっというまにおいしそうなおりょうりをつくるんだもん。
すごいちからだよ。
かっこいいちからだよ。
ゆうなおねえちゃんは、まだあんまりとくいじゃない。
まほうをつかってがんばりたいけど
おりょうりのときはあぶないから、まほうきんしなんだって。
おりょうりって、まほうをつかってつくっていたんじゃないの!
じゃあ、なんだろう。
どんなちから?
にんじゅつかな?
まほうみたいなちから。
こどもにはまだむり。
おべんきょうだとか、しゅぎょうでみにつけるちから。
おにいちゃんも、にんじゅつのしゅぎょうをして
おりょうりがじょうずになったの?
どんなにんじゅつ?
やまおくでしゅぎょうした?
でも、おにいちゃんはおうちにいてくれる
やさしいおにいちゃん。
にじたちみんなのいえにくるまえに、しゅぎょうしていたの?
それで、いなかったの?
おにいちゃんは、にんじゅつをつかえなくても
にじこのすきなおにいちゃん。
しゅぎょうなんかでおそくならなくてもよかったのに!
めっ!
もっとはやくきたらよかったんだよ。
これからは、どこにもいったらだめですよ。
やまおくでしゅぎょうなんて、
したらだめ。
にじこといっしょにいられないんだよ?
さみしいよ?
このごろ、
ほたるおねえちゃんと、つららおねえちゃんは
おりょうりのおしごとをしているの。
パンだ!
ケーキだ!
おうちにもってかえってくるおりょうりは、どれもおいしい。
うでをみがいている。
でも、まいにちちゃんとおうちにかえってくるの。
おりょうりのしゅぎょうは、おうちにいてもできるの?
にじこもできる?
とおくになんか、いけないにじこ。

にじことなかよしの、おにいちゃん。
なかよくしているといつもうれしい、
にじこのおにいちゃん。
いろんなことが
いっぱいできる。
でも、おにいちゃんがいても
にじこにできないこと。
おうちじゃなくて、やまおくでしゅぎょうすること。
そんなのむり!
さみしいやまおくなんて、ぜったいむりだもん。
おにいちゃんは、もうおりょうりができるから
いっしょのしゅぎょうじゃないんだもん。
さみしくてさみしくて、
ないてしんじゃう。
だからにじこ、おとなになったら
おうちにいておりょうりをおしえてもらいます。
どこにもいかない!
はるかおねえちゃんと、ほたるおねえちゃんにおしえてもらって
きらきらしながら
おりょうりをつくります。
まいにち、おにいちゃんのためにつくる。
おすなのごはんも、つくるよ。
にじこのおりょうり、おいしい?
まいにちたべてくれる?

うららおねえちゃんがないていたのは
きっと、かなしいことがあったから。
おりょうりがあんまりじょうずじゃないって
このまえ、ごはんのときにいってたの。
しゅぎょうにいくかもしれない!
だめだよ!
そんなの、ないちゃうよ!
うららおねえちゃんがとおくにしゅぎょうにいってしまったら、
ぜったいかなしいよ!
うららおねえちゃん、やさしいもの。
でんしゃごっこしてくれるもの。
ときどき、おままごともしてくれるんだもの。
うららおねえちゃんは、ながいかみのびじん。
きれいだから
おくさまがにあうのよ。
にじこは、なかよしのむすめです。
おかあさん!
にじこは、このひととけっこんすることにしました。
みとめてください!
おにいちゃんも、にじこのことをあいしているの。
ヒカルおねえちゃん、そうだよね。
じゃなくて、おにいちゃんやくだったね。
ほんもののやさしいおにいちゃん。
いつか、にじこのほんもののだんなさま。
いっしょにおままごともしようね!
うららおねえちゃん、いまもないている?
とおくにいくならとめなくちゃ!
にじこはにんじゅつはつかえなくて
いっちゃだめよ、しかいえないけど
とめるの。
おへやをこっそりのぞいたら、
うららおねえちゃんはひとりでしゃべっていた。
きれいなかみをきって、おかねにして
とけいにつけるきんのくさりをかうらしい!
うららおねえちゃん、おりょうりは!?
きんのくさりはたべられないよ!?
なやんでいたのはおりょうりじゃなかったけど
うららおねえちゃんがかなしいのは、ぜったいだめ。
きれいなかみをうらないで!
おにいちゃんも、うららおねえちゃんをとめて!

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