アルケイディア&キュクレイン

アルケイディア&キュクレイン TOP  >  2013年09月

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立夏の偽日記

『伝説の』

うわ、
うわ、
わおーん!
おおー……

あー
もう
ほんと
もう
なんといっても
もう
めっちゃ
キンチョーしたよ!

一ヶ月の練習の成果が
いよいよ試される
本番の舞台。
しかも一年生から順番だから
文化祭の開会式直後の
トップバッター。
いきなり重荷を背負わされた!
一年生からって!
ちょっと!
うちの学校
なにしてんの!
でも、こうなったらやるしかない。
これまでがんばって練習してきたもの。
せめて挑戦するだけは、してみたい。
試しもしないで
しっぽを巻いて逃げるなんてできないよ!
失敗するかもしれなくて
全然ダメな結果に終わるかもしれなくたって
一度はぶつかりたい。
でもなるべくなら
練習した成果を全部発揮して後悔しないようにしたい。
緊張でがちがちで
思ったように体が動かないせいで
悔しい終わり方をするなんて
そんなの悲しくて
考えただけで涙が出てきて
友達のウワサでは、夢に見るほど恐ろしいなんて事態もあるとか。
リカは夜はベッドに入ったらスポーンて寝ちゃって
一日に何があっても一瞬でぐっすりで
こんなことではいつか恋のロマンティックナイトを過ごすときに
どうなるんだかと先が思いやられるくらいなのに
怖い夢を見て眠れなかったりするなんて、ありえる?
わー、
リカ失敗したらゼッタイ夢で見るよ。
健康快眠リカがまさかの悩みで眠れない夜だよ。
考えれば考えるほど怖くなる。
もうこんなこと、考えても仕方がないのに
頭の中で不安がぐるぐる渦を巻く。
リカには止められない。
自分ひとりではどうにもならない!
うわあ、このキンチョーはどこへやったらいいの。
ちょうドキドキするヨーって
ついに発表寸前になって着替えが終わってギリギリの状態で
クラスの仲間に切り出したら
リカちゃん、うるさい!
って。
そんなー。
友達甲斐のない連中だー!
かつて誓い合った友情はなんだったのか!
あの夕焼けの目にしみる放課後、
お菓子を交換して嬉しさのあまり
この友情はいつまでも永遠だよ!
と抱き合ったあの日の約束、
キミたちは忘れてしまったの!?

リカは別に、クラスの真ん中に立って引っ張っていくタイプではないの。
天使家は先輩たちが学校のどこでも評判でスゴいからって
リカは特別じゃない。
友達も、最初は元気な子だなって思っていただけで
まさか天使家だって聞いたときには、
うそだー、普通の子だよ、
と、ありがたいのか失礼なのかよくわからないコメントをいただくしまつ。
いくら、昨日のヒカルおねーちゃんがかっこよかったからって。
霙おねーちゃんが、やる気があるのかないのかよくわからない生徒会長だからって。
今日、氷柱おねーちゃんが学校の伝説になったのは、リカたちの発表の後だから
それは関係ないけど。
あんまりリーダーでもヒーローでもない。
今回の舞台も、中心なんかじゃない一人としての参加。
クラスの中では、明るいときもあるし失敗もする、みんなと同じ一般人。
将来の生徒会長を受け継ぐ未来だって、今は全然見えないままで冗談で語るだけ。
天使家のたまご。
まだぜんぜんベイビーです。
緊張しているのはクラスの全員が同じだと
やっとわかったその時の気持ちが、リカの学園祭の大事な記憶。
ステージにあがる直前、円陣を組んだときの掛け声だって、リカじゃない。
ダンスがうまくてこの一ヶ月でコーチってあだ名が定着したミサキちゃんにおまかせした
オー!
と声を合わせて、それがリカらしいって感じ。
クラスのみんなと一緒に練習して、みんなで揃って本番に望める。
緊張するのが当たり前の、どこにでもいる子でした。
運動神経のよさにちょっと褒められることが多くて、
調子に乗ってやりすぎることも多いけど、
ただそのあたりが違うだけで、普通でした。
そんな時間を半年過ごしてきたクラスの仲間たちと、いよいよ本番。
大丈夫、
緊張しているのは自分だけじゃない。
このステージに立って一緒にダンスするのも、一人でやるわけじゃないんだ。
だから、緊張したけど
自分ひとりがうまくいったから成功するって舞台じゃないんだもん。
一人で緊張していたんじゃないんだ。
みんなでがんばった。
見ていてくれてありがとう!
もし失敗しても
リカの家族はみんな、優しいんだよ。
心の支えでした。

オニーチャンたちの劇も、よかったよ!
みんなは炎の中に消えていく義経に盛り上がったみたいだけど。
リカ、仁王立ちで数え切れない矢を受けた弁慶の立ち往生に
もう泣いて泣いて、
自分がダンスの時にちょっと失敗したことも忘れてた。
泣くとおなかがすくんだなって
実感するくらい泣いてた。
最後の意味深なナレーションみたいに
もし大陸に渡ってジンギスカンになるなら、リカも連れて行ってね。
どんな苦難の逃避行も、文句一つ言わないでついていきます。
でもときどきは文句も言うかも?
リカまだちっちゃいから、そうなったらゴメンね。
ちっちゃくても気持ちは本気だから、忘れないでね。

おなかがすいたから
ホタおねーちゃんたちの喫茶店もおいしかったし
がんばったからって春風おねーちゃんの喫茶店でも
大正喫茶なのに特別に文明開化なリカメニューを用意したって
海軍カレーを作ってもらったよ。
実は元からメニューにあった肉じゃがを工夫しただけという本人からのネタばらしがあって
それでもリカのためなんだと思うとうれしい、特別なおいしさでした。
食べ物のお店ばっかり渡り歩いて霙おねーちゃんのところに行けなくて
仕方ないやつだって笑われたりもしたけど
リカもホントにそうだって笑っちゃった。
はじめての文化祭で、不安もいっぱいあった朝を懐かしく思い出します。
終わってみれば大満足の一日でした。
不満が残るといったら、
後夜祭のフォークダンスが意外と早く終了して
あと少しでおめあてのオニーチャンと手をつなげたのにーってこと。
ほとんど女子ばっかりだからって、男子が参加するのを遠慮してたら
そりゃ春風おねーちゃんも突進して引きずってくるよ!
私たちの学校の仲間だから、って言った春風おねーちゃんの声が
今もキャンプファイヤーの目にしみる炎と共に、はっきりとよみがえります。
って、ついさっきのことだから当たり前か。
これが一生忘れられない思い出になりそうな今の予感は、
リカと一生を過ごしてくれたらその時に、結局どうだったか教えるネ。
あとひとつの不満はやっぱり、
氷柱ちゃんの伝説を自分自身のその目で確認できなかったこと。
評判になったその時にはもう、氷柱ちゃんのオネガイで撤去されていたんだヨ。
ウワサに敏感な中一女子も、今日ばかりは食べ物によそ見していて
情報をつかむのが遅れました。
見たかったな。
私たちが繋いだ手と手、をテーマに
友達、家族、町の風景、
感動的な写真のパネル展示が並んで
その中でもたちまち学校の話題をさらうほどいい写真だったって。
家族の写真を展示して気づかれないと思うなんて、
氷柱ちゃんもなんといううっかり屋さんなのか。
家族に黙って写真を展示したことや
結局、許可がないからと撤去したから
クラスの展示に迷惑をかけたって
いろんな人に迷惑をかけたって、あの氷柱ちゃんが落ち込んじゃってた。
そんなに気にしなくていいのにね。
どんな写真だったのかは
男の人みたいだったという説もあるし
それはヒカルおねーちゃんの可能性もあるって言う人もいるし
小さい子が映っていてかわいかったって話も聞くの。
たちまち学校中の話題になるほどの何が起こったんだろう?
追及すると氷柱ちゃんが怖いから、このへんでやめとくね。
展示が始まってすぐ、オニーチャンがまず真っ先に氷柱ちゃんのクラスに行ったなら
見れたのかもしれない。
でも、お昼にホタおねーちゃんのところで会ってあーんってしてあげたから
見なかったのかな。
喫茶店メニューは、家でも食べたホタおねーちゃんのきのこオムライス。
お祭りの中で食べる味は、なんだか違うようでした。
オニーチャンはリカに食べさせてもらったんだから、
ますますおいしい味がしたんじゃない?
思い出すとおなかがすいてきちゃうな。
ちょっと冷蔵庫を覗きに行ってみない?
終わってしまっても、体の中になんだかあのお祭りの熱気が残っているよう。
リカはいま怖くもないし不安でもないのに、眠れなくなる気持ちがわかってしまった。
コーフンして眠れないのって、悪い気分じゃないネ。

綿雪の偽日記

『お休み』

中学校から上のお兄ちゃんとお姉ちゃんたちは
学園祭の代休。
今日はお休みでした。
それで、小学校に行く夕凪ちゃんが
ずるい、
自分も応援に行ったし
喫茶店に食べに行ったのに
休みにならないなんて!
けさ、すねてました。
でもそれは、遊びに行っただけだもんね。
しかも、喫茶店に食べに行ったのは
お休みの理由にはならないですよね?
お兄ちゃんたちがお休みの日に一緒にいたいのは
本当はユキも同じ。
あまりわがまま言って困らせてはいけないから言わないだけ。
本当は、言葉にして伝えたほうがいいのでしょうか?
お兄ちゃんたちがいるなら、ユキもおうちで一日ずっと近くにいられそうなのに。
もしも昨日までの学園祭でお疲れなら、静かにできます。
しーって指を立てて、小さい子たちで励ましあって努力します。
近くにいるだけでいいんです。
だけど小学校のお勉強だって大事なこと。
お兄ちゃんたちだって、小学校に通って今の立派なお兄ちゃんたちになったんだもんね。
ユキはわがままはこれくらいにして、
ちゃんと小学校で一生懸命がんばってきます。
なんだかこれだと、今日はユキたちが応援してもらいたいみたいですね。
小学校って、お兄ちゃんたちの学園祭みたいに大変じゃないと思うのに、おかしいですね。

夕凪ちゃんがお疲れなのもわかるの。
霙お姉ちゃんのコスプレ写真館では
星花ちゃんと共にお写真のモデルになって
その場で少しチラシに刷って、その格好で配りにまわったりしていました。
お仕事お疲れ様です!
あんなに小学生のサイズの衣装が充実していたなんて
お兄ちゃんたちの学校の学園祭は、
たくさんの人が来るんですね!
やがて木花に入学するかもしれない子たちもいる。
卒業した先輩たちが今はママになって
母校にお子さん連れでやって来る人もいます。
子供の人も大人の人も、お祭りのようにたくさん。
歴史の長い学校だから、お年を召した人も多くて
各地の休憩所も、生徒会が管理する場所だから、こまめに顔を出してご案内していたんだって。
小雨お姉ちゃんと麗お姉ちゃんもなぜか休憩所を回るお仕事を任されたそう。
ユキ、吹雪ちゃんや海晴お姉ちゃんと落ち着いた出し物を回っていたから気がつかなかった。
なんだか大変だったんですね!
人手が足りなかったなら、お手伝いができたら良かったな。
ユキには無理でしょうか。
喫茶店のチラシを配っていた蛍お姉ちゃんは、おまわりさんのかっこうだから
お客さんたちにずいぶん頼りにされたそうです。
勘違いしてコスプレ写真館の宣伝だと思った人も
けっこういたらしいの。
おかげで大盛況だったと霙お姉ちゃんがほくほくしていました。
もちろん、蛍お姉ちゃんのクラスもお客さんがいっぱいで
お昼過ぎには全品が売り切れ。
そのあとは、本当に霙お姉ちゃんの写真館に合流して宣伝していたんだって。
春風お姉ちゃんたちのクラスも、夕方には完売で、霙お姉ちゃんにスカウトされたみたい。
お兄ちゃんも見た?
学園祭って、あんなに学校中がたくさんの衣装で溢れるものなんですね。
なんの場所なんだろう?
夢の国?
ユキの疑問に、
違うよ、学校だよ。
これも学習活動の一環だよ。
と答えた海晴お姉ちゃんも、あまり自信はなさそうでした。
でもなんだか、嬉しそうに見ていたよ。
この学校でお勉強して、お天気お姉さんになったんですよね。
海晴お姉ちゃんを、ユキの大好きな素敵なお姉さんにした秘密が
この学習活動にあるのでしょうか。
中学生になると、お勉強の内容は授業だけではないみたいなの。
教科書に載っていないお勉強は、小学生も時々あるよ。
どうすれば、今年知り合った同じクラスの子たちともっと仲良くできるのか。
家族やお世話になった人たちに、日頃の感謝を表現できるのか。
中学生からは、そんなお勉強がもっと大きなものになるみたい。
ユキが今はまだ全然知らない大切なことも
こうして学んでいくのかもしれないですね。
もしユキがいつか元気な中学生になれたなら
こんなお勉強もがんばれるような、立派なお姉さんになっていたい。
そのためには、今は小学校にちゃーんと通わないと。

お疲れだった人たちに、今日の代休。
どうかゆっくりお休みしてください。
でも、小学生のみんなはそんなわけにはいかないですね。
小学校を元気に過ごして
いい子で帰ってきてから、ゆっくりしたいね。
ユキもできることがあったら、何かお手伝いします。
もしまた人手が足りないときには
何もできないで済ませるのは、ちょっとさみしい。
体の調子がいいユキは、今日はサポート。
少しでも特訓していいですか?

氷柱お姉ちゃんも大丈夫かな。
今日一日お休みすれば元気が戻るでしょうか?
本当は、今日の日記は氷柱お姉ちゃんが書く予定だったんです。
海晴お姉ちゃんが決めたの。
きっと書きたいことがたくさんあるだろうって。
どんな形になってもいいから、自分の気持ちを伝えて欲しい。
でもね、氷柱お姉ちゃんは
今の自分は家族に合わせる顔がないからと
ユキに日記を渡しました。
きっとユキが書いたら、お兄ちゃんだって嬉しいからと言ってました。
お兄ちゃんは、氷柱お姉ちゃんの日記も嬉しいよね?
きっと待ち遠しいって言ってくれる。
家族でも、日記でないと伝えにくい出来事がたくさんあるの。
毎日読むの楽しみだよね。
家族全員の日記が読みたいよね。
ユキも氷柱お姉ちゃんも、みんなお兄ちゃんの家族です。
気持ちを伝えていけないなんてこと、ないはずです。
お兄ちゃん、違うでしょうか。
ユキも、この日記を書くのが好き。
文章を書くのって、ときどきうまくいかなくて
まだ国語もそんなに進んでいないから欲しい言葉が浮かばなくて、迷って大変で、
下手な文章だらけでも、お兄ちゃんに届けるんだと思ったら一生懸命です。
ユキ、大変だけど、書くのが嫌だなんて思ったことはない。
読んでもらえて、返事をもらえるのがとてもうれしい。
体調が悪くて書けなくてユキがつらくて泣きそうだったとき
日記に白紙がないように、代わりに書いて助けてくれたのは氷柱お姉ちゃんなのに
どうして今は、逃げようとしているみたいなんだろう。

黙って発表したお写真のこと、
とても責任を感じているみたい。
お兄ちゃんは怒ったりしないよ。
ううん、怒られるようなことをしたと思っているなら
誤らなくちゃいけないんだよ。
どんなことがあったって
氷柱お姉ちゃんは家族。
お兄ちゃんが、氷柱お姉ちゃんを嫌いになるなんてことは絶対にない。
優しい氷柱お姉ちゃんだもん。
ユキの病気がずっと治らなくても見放したりしないで
何も変わらず、優しくしてくれる。
だからもっと、そんなふうにお兄ちゃんたちにもできたらいいのに。
氷柱お姉ちゃんは家族の全員が好きなんだっていうこと、
もうみんなが知っています。
ユキにしているみたいに
お兄ちゃんにも優しく気持ちを伝えてあげられないでしょうか。

明日は氷柱お姉ちゃんが日記を書いてくれると思います。
氷柱お姉ちゃんだって、今のまま逃げ回っていいと思っているわけはないもの。
ユキが説得するね。
氷柱お姉ちゃんにしてもらった優しいふれあいがあるから
ユキは素直な気持ちを言えるようになりました。
お兄ちゃん、いつもありがとう。
氷柱お姉ちゃん、いつもありがとう。
家族がいるからユキは毎日幸せです。
どんなにつらい病気だって、関係ない。
みんなに迷惑をかけていたって変わらない。
いつもこんなに愛されている。
ユキはこの家族が大好きです。
いつも言えるよ。
少しも迷わずに、本当の気持ちを言葉にできる。
氷柱お姉ちゃんが優しかったからだよ。
今度はユキが氷柱お姉ちゃんと同じことをすればいいだけです。
氷柱お姉ちゃん、
こんなに小さいユキが愛してるなんて言ったら笑われるでしょうか。
でもユキは小さくて病気がちな弱い体の全部で、
誰にも負けないほど氷柱お姉ちゃんを愛していると言いたいです。
大人になったらたぶん、どんなに小さな愛情だったか自分でも恥ずかしくなる。
ユキは愛してもらった経験ばかり。
自分がどんなに人を愛しているか、そんな大人みたいなことは考えられない。
わかっています、お兄ちゃんやお姉ちゃんたちに比べて自分がどれだけ小さな子なのか。
今は、そんなことを気にせずに自分の気持ちを伝えたいです。
弱弱しいユキでも、本気で愛していたら
こんなに気持ちが体の中全部に詰まっているよ。
今はユキにできる全部が、こうして愛を言葉にすることです。

今の気持ちを伝えてくれたらいいと思っています。
でも、そんなことをしたくないなら、それでもいい。
ユキは、氷柱お姉ちゃんが悲しそうにしているのがつらいです。
早く元気になってください。

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