アルケイディア&キュクレイン

アルケイディア&キュクレイン TOP  >  2013年08月

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青空の偽日記

『おてんきあかちゃん』

おてんきあかちゃん
そらの
てんきよほう。

あしたは
はれ。

そのつぎは
はれ。

そのつぎは
ゆき。

そら、
ゆきあそびする。
あとは
だいたいはれる。

きょうはくもり。
どうしてくもり?
はれたらいい!

よほうする
おてんきおねえさんの
いじわる!
はれにして!

あめがふりそうな
くもり。
どこであそぶか
はなしあい。

こうえんにいって
みんなではしるか。

おにわにでて
みんなではしるか。

むずかしいよ。
どうする?
だいじなこと。

おにいちゃん!
おてんきおねえさんは
くもりとあめが
すき?
まいにちはれたらいいのに
なんで?

そらは
はれがすき。
もし
おてんきおねえさんになったら
まいにちはれにする。
わあー
いいな!
そうする!
そら
おてんきおねえさんになる!
あと
ぺんぎんになる!
あと
まんがにくをたべる!
いつになったら
なれる?
みはるがね、
あしたの
あしたの
あしたの
まださきだって。
そんなにまてない!
きょう、
なる!
おてんきおねえさんになる!
てれびで
てんきよほうする!
はれにする!
みはるは
やるきの
おてんきおねえさん。
くもりとあめより
はれがすき。
がんばってはれにするわ、
きあいではれにするわって
めらめらもえて
でかけたよ。
あしたのあさには
よほうで
はれです!
っていう。
やくそくした。
はれ、
いいな。
みはる
すき!
いつも
はれにする
おてんきおねえさんに
そらもなる。
いそいで
あしたの
あしたくらいには
なる!
それまで
がまんするよ。

おてんきおねえさんになったら
きょうははれ!
きょうははれ!
まいにちいう。
あきたら
たまに
きょうは
あんこがふる!
みぞれがよろこぶ!
そらもおいしい。
あとねー、
まほうがふる!
ゆうながふらせる。
もしも
そらがとめても
ゆうながふらせる。
いっきうち!
おてんきおねえさんと
まほうつかいは
どちらがつよい?
おにいちゃんは
なにがふるといい?
おてんきおねえさんは
はれでも
あめでも
よほうするよ。

霙の偽日記

『宿命』

暑さが戻ってきた。

ひとときのまどろみを楽しんでいた
ペンギンのかき氷機も
使命を思い出したように
目をかっと見開く──
もともと開いているが。
その勇姿を表現して、
星花は時に
逆立つ虎髯を見るという。
意味がよくわからないが
とにかく。

暑さにあえぐ、ぐったりした家族に
ほんのりと涼をもたらすため
耳にも快い活動音を奏でている。

ペンペン──
シャリシャリ──

鳴き声を出しているのは
ペンギンのハンドルを操作する立夏だ。
本当にペンペン鳴くのかは知らない。
というか、たぶんそんな鳴き方はしない。
しかし、わかっているはずの吹雪でさえ
ハンドルを譲られると
つられてしまって
そうせずにはいられないのか
ペンペン鳴き始める
心の躍る時間。

魅惑の甘さと
透き通った氷を飾る夜の暗黒が
目を楽しませる
ミルク金時を
堪能して──

みんなに
あんまり食べ過ぎないようにと
釘を刺しておくのを忘れてはいけない。
強烈に暑い日が続いた夏の盛りと違って、
夕焼け空を迎える頃には
静かな風が肌を冷ましていく。
これまでの猛暑と同じような感覚でいたら
体を壊すかもしれないぞ。
夏はまだ続いているが
過酷だった気温は
背中を見せて行き過ぎようとしている。
呼びかけても戻らない
旅の孤独を体現したよう。
終わることなく続くと思えた
氷と甘いあんこの日々。
懐かしさに振り返る時間もやがて
オーブンの熱を総身にまとった
暖かなあんこの香りと代わり
明かりがともる食卓に私たちを迎え入れてくれる。
塵のごとき小さな人間の孤独や
やがて消え去る宿命を
その時だけは遠く感じるに違いない。
癒しの甘い芸術が
舌の上と、この胸の中に広がる
そんな日が
近いうちに訪れることを感じさせる
夏の終わりの風が吹く、暗闇に埋もれた静かな夜。

ところで、近ごろ思ったのだが。
私はうちの小さい子たちに
どんな生き物だと思われているのだろう。
やれ
あんこを奪う海賊だ、
やれ
あんこが降って喜ぶぞ、
いやいや。
奪わないし
降らないから。
私は何者だ。
あんこおばけか。
そんな珍奇な妖怪ではない。
せいぜい、あんこ人がいいところだ。
自分で言っておいてそれもどうかと思うが。
弟や妹たちとおやつを食べる時間を
楽しみにしているというだけで
あんこ狩りだけではなく、他の大事なこともしているぞ。
じゃなくて、あんこ狩りはしていないぞ。
言ってみれば、あんこおねだり程度だぞ。
いや、それだってあんまりしていないぞ。
していないかな。
しているかな。
ともかく、忙しくしているほうだ。
夏休みの間は余裕もあったが
そろそろ学校が始まる時期で
生徒会活動に通うことも増えてきた。
夏休みが明けたら、まもなく始まる学園祭の準備。
今のうちから、こまごまとした書類の処理は始まる。
オマエのクラスでは何か企画している出し物があるだろうか。
こういうとき、オマエもヒカルもあまり先頭に立って行動するほうじゃないが
早いうちに決めておいたほうがいい。
他のクラスとの競合もある。
生徒会としても
彩り豊かで盛りだくさんな学園祭にしたいのだ。
春風のクラスは甘味処を申請して
準備を進めている。
歴史が大きく動いていた頃、
人々の活動もまた活発で
多くの影響を後に残すことになった。
大正のロマン、昭和のモダン。
歴史や文化に触れ、得るものも多いだろう。
という建前で
かわいい衣装とレトロな雰囲気を楽しみながら
準備をしているようだ。
蛍のクラスが計画しているのは、ラブライブ喫茶。
ことりちゃんが苦心して製作した衣装を
努力と情熱で再現し、
みんなが歌い、踊れるステージを
提供したくて仕方がない。
あなたも、μ'sに元気をもらって
一緒に夢を追いかけてみませんか。
もちろん生徒会としては許可は出せないので
もう少し穏当な
コスプレ喫茶の方向で模索しているようだ。
高校の学園祭で同じステージ衣装を使うのは問題だし
参考にするくらいで、アリス喫茶に変更する予定があるとか。
大丈夫なのかな。
とんだマッドティーパーティーになってしまわないか。
生徒の代表として、気にかけていることは多いのだ。
もしも、私のアドバイスで和風喫茶がもうひとつ増えたとしても
それは趣味を押し通したわけではなく
生徒たちが心から学園祭を楽しめるようにと
熟慮の上でのことだと思ってもらいたい。
あんこおばけではないのだから。

立夏の偽日記

『サンバのリズム』

ブラジルが呼んでいる。

浅草が呼んでいる。

立夏に踊れと
呼んでいる。

わーん!
リカは生まれてくる場所を
間違えた!

宿題なんかじゃなくて
楽しく踊るほうが大事だと
ワン、ツー、エイ、ワオ!
って育てられたかった!

リカたち20人兄弟は
ブラジルに生まれればよかった!
宿題のない国に。
歌と踊りと
胸焦がす情熱の国に。
でなかったら
20人仲良く
何があっても
助け合う
優しい家に生まれたかった。
いや、生まれたから
ここでいいか。
いいんだけど、
優しさなんだけど
助け合いなんだけど
氷柱ちゃんのスパルタ授業は
リカ耐え切れるかな。

そりゃ、見捨てられるほうが悲しいのは
わかってるけど。
氷柱ちゃんも一生懸命協力してくれているってことは
充分にわかってる、
厳しくする理由があるのも
わかってるんだけど。

リカも女の子。
こんな時は
優しくしてほしかったナ。

優しくしてくれたから
今日やるように言われた分の宿題は
終わらせたヨ!
の嘘を信じてくれていたのかな。
だって、本当に
夜には時間を取って
宿題するつもりはあったの。
暑さに負けないぞって
一日遊びまわったら
スコーンと眠れる自分の体質を
恨んでもしょうがないから
立夏は健康な体にカンシャ。

そう、
学業に向いた頭をもらえなかったからって
神様を恨んでも意味ないんだ!
こんなに得意なサンバが
踊れる世界の生まれじゃなかったからって
何も──
ちょっとだけ──
それにしても
宿題くらいで生まれをこんなに嘆いたりできるなんて
リカにしかない才能だって
氷柱ちゃんも褒めてくれたよ。
またまたあ。
それほどでもないヨ。
まあね、
褒められたわけじゃないって
理解はしていマス──

こんなに情けない立夏に
ここまで付き合ってくれてる氷柱ちゃんには
カンシャしているの。
ホントだよ。
厳しいのも愛だよ!
厳しすぎて泣いちゃうけど!

ごめんね氷柱ちゃん。
嘘をついて泥沼にはまり込むだけじゃなくて
立夏の頭でも無理のないペースの計画を
作ってもらっておきながら
カバンの底から
出るわ出るわ
正直じいさんが大判小判を掘り当てたのか
ざくざく、どっさり。
ワンワンはポチの恩返しじゃなくて
立夏のだらしない泣き声でした。

わざとじゃないの!
中学生になって
小学生と違うんだと
怯えていたら
なんだ観察日記も工作もないんだー、
小学生より宿題少ないくらいだな、
さすが中学生は大人だな
自由な世界だなと
感心していたの。
そんなわけないじゃん!
学業は、学生の本分!

夕凪ちゃんは今年は
宿題居残り仲間じゃないの。
心強い友がー。
でもおめでとう、
誰だってこんな悲しい思いはするべきじゃないの。
吹雪ちゃんが疑問を持つ
宿題を忘れる能力も
今年は発揮されることが
ないそうです。

おーい
吹雪ちゃん!
記憶力に関する疑問を
追及するなら
ここにも研究の対象がいるよ!
一緒に立夏の頭の悪さの秘密を
解き明かしてよ!
わーん!

ま、
やることはやらないと!
もしも
お兄ちゃんからもパワーを
充填させてもらえたら
弱ったリカちゃんも
助かるな。
お祭りまでに終わらせられるよう
なんとかしたい!

30日にG’sと一緒に
マンガの3巻を買ってきたら
そーんなことないよって
内容を
笑い飛ばしてやるんだ!

絶対!
ぜひ応援をよろしくオネガイします!

夕凪の偽日記

『宿題おわった!』

夏休みに
あと少しの日を残して
夕凪の宿題も終わり。

本当に終わったの?
嘘みたい!
また何か忘れてない?
それともこれは夢なのかも。

お兄ちゃん!
夕凪のほっぺたをつねってみて!
あまりに信じられないから
夕凪のおしりを叩いてみて!

きゃあー!
お兄ちゃん
なんてことするの!

おしりたたきは
悪いことをした子供に
言い聞かせるときなの。
夕凪はもう子供じゃないよ。

本当に終わったんだ、
宿題。
夢じゃない!
まぼろしでもない!
まるっと自由な夏休みが
まだ残っている。

こんなことがあるなんて
予定を組んでくれた吹雪ちゃんのおかげだ。
最初に話を聞いたときには
鬼が出た!
子供をさらいに
どこかの山奥から降りてきた!
と思ったものだけど。
終わってみれば、
なーんだ!
夕凪のためだった。
鬼の計画に見えても
なんとかなるものなんだ。

あとね、あとねー、
星花ちゃんがいてくれたから。
毎朝、ごはんのあと
カンフーの練習をするのを
教えてもらって横で真似て
終わったら
体が温まったところで
何か物足りないなって瞬間に
さあ、夕凪ちゃん!
そろそろ宿題しましょう!
ってなったら
ついつい言われるままにやってた。

そしていよいよ、
今日は何の宿題をする?
聞かれたときに、
えっとね、
今日は、
あれも終わって、
これももう済んだ、
あっ、もうない!
夏休みの宿題は終わったんだ!
解放の瞬間だ。
夕凪はこれから自由に夏休みを過ごせるよ。
毎日付き合ってくれた星花ちゃん、
ありがとう!
なんとなく元気を入れてくれたカンフー、
ありがとう!

小学生のみんなの宿題は
もう片付いて、
あと宿題が残っているのは
立夏ちゃんと
蛍お姉ちゃん。

夏の間はみんなの体調管理におおわらわで
ごはんに
家事に
一生懸命だった
蛍お姉ちゃん。
暑くて食欲が出ないようなときは
みんなで楽しく食べられる流しそうめんを企画したり
最近涼しくなってきたら
重ねて着る薄い上着や
夜寝るときの毛布や
かわいい飾りをいっぱいつけて
家族の喜ぶ顔を見たいって
きらきら!
忙しいお母さんでした。
これからは夕凪が家事を手伝うから
がんばって宿題済ませてね!

立夏ちゃんは
なんで?
早く終わらせちゃえば良かったのにね。
夕凪みたいに!
中学生はやっぱり
勉強も違うのかな。
夕凪は、その頃にはすっかり賢くなって
我が家で二人目の特進クラスに入るかもしれないくらい
伸びる子だから
心配はいらないけれど。
今年の夏休み、
立夏ちゃんも、星花ちゃんや吹雪ちゃんと
同じ部屋だったら良かったね。
夕凪の大事な二人を
誰にもあげないけどね!
それで、お兄ちゃんも夕凪のものだったら
いいなと思います。

今日は夕凪が
蛍お姉ちゃんの代わりに
肝っ玉お母さんをします。
ご飯のお手伝いと言っても
作れるものはホットケーキくらい。
マホウの力を込めようとすると
食べ物で遊ぶなって叱られるから
普通のホットケーキ。
遊んでるわけじゃないのにね!
大人はマホウと遊びの区別もつかないのかなあ!
そういうわけで、お母さん夕凪に許されるマホウは
おいしくなーれの呪文だけです。
夕凪が作った
意外と普通のホットケーキが
みんなで協力して作る
晩ごはんのメニューのひとつだよ!
これしかできないけど、
今日から
蛍お姉ちゃんの宿題が終わるまでは
いっぱい作るから
いっぱい食べてね。

綿雪の偽日記

『一年生の願い』

ユキの
お天気予報。
一年生版。

明日は
家族日和。
晴れたら
大好きな家族と遊ぼう。
雨が降ったら
お兄ちゃんやお姉ちゃんたちに飛びついて
くっつける。
蛍お姉ちゃんも、お兄ちゃんに
得意なごろにゃんができる。
もしも雨が続いて
あんまり急に気温が下がるようなら
大勢でベッドに集まって
丸まってもいいかも。

晴れでも雨でもいいなんて
ユキも細かいことを気にしない性格でしょうか?
きちんとした子に思われることも多いけれど
実は遊びたい盛り。
やりたいことがたくさん。

ユキは
暑すぎるときは外に出られないし
冷えてきたら風の当たらないところに行きます。
自由になる時間が誰よりも少ないような気がして
でも、ほんの少し許された時間を
精一杯に遊ぶ力も
なかなか持っていなくて。
ときどき、歩いているだけでめまいがするのは
病気だったころのなごりというだけで
決して再発したわけじゃない。
そう思える強い心が欲しい。
思いたくても
不安でますますくらくらしてしまうと
もうユキの夏休みの一日は
いつのまにか、それでおしまい。

本当は
ユキは悲しいことなんか何もないのにね。
だって、いつも一緒にいたい家族が
こんなにたくさん
ユキの近くにいるの。
優しいお兄ちゃん。
すてきな氷柱お姉ちゃん。
遊んでもらいたくてたまらなくて
とても楽しい
かわいい小さな子たち。
きれいでなんでも知っているお姉ちゃんたち。
みんな、大好き。
ユキのまわりは
たぶん、他にはどこにもないほど
にぎやかで、あたたかな場所です。
それとも、よそのおうちのことは知らないから
こんなににぎやかなのが普通なのでしょうか?
子供がはしゃぐ声がしたら
どこでもそうなのかしら?
よそのおうちがもしもそうだったとしても
ユキはこの家のきょうだいにうまれて
よかったな。

時々は
検査入院で
一人で病院にいて
寂しい思いをすることがあったって
絶対、何もつらくなんかないんです。
晴れたときにしてみたいことと
雨が降ったときにしてみたいことが
いつだってたくさんあって
優しい家族のみんながいてくれるから
すぐに実現できそうだな、
そんな希望を忘れずにいられる。

天気予報は好き。
どんな天気が来るとしたって
明日は家族と過ごそうねって
言っているみたいだから。
晴れでも雨でも
みんなといる明日を思い描いています。

お兄ちゃん!
お天気予報のまねをして遊ぶ子の日記が
近いうちに
もう一回くらいはありそうですけど
どうかな。
だって、お天気を予報するふりをして
好き勝手なことを言うのは
大きなお空の力を借りるみたいで
なかなか言えなかった願い事が
するりと出てくるから。
それで、もう一回くらいあったら
元気な子ばかりがいて
話したいことがいっぱいのこの家だもの。
別の話題がびっくりするほど出てくると思います。

一年生になったばかりで
雲の動きも天気図も
何も知らないユキが
お天気予報のふりをして
込める願い。

夏休みが
もう少し続くことではなく、
病気にならない体を
欲しがるわけでもなく、
それどころか
いよいよ迎える二学期を
元気な体で人並みに経験する
そんなあれこれよりも
実はもっと大それた願い。
どんなお天気が来て
大変なことがあっても
ユキはこれからも
家族と一緒の時間を
過ごせますように。

立夏お姉ちゃん、
宿題を終わらせた後に待っている
土曜日と日曜日のお祭りが
雨になりそうだからって
悲しまないで。
天気が何だって
家族で楽しく過ごすことはできると思うから
ユキも、雨のときはなんとか努力します。
早く宿題を終わらせて
一緒にお祭りに行こうね。

蛍お姉ちゃんは宿題が順調みたいで
うれしいな。
みんなで作るご飯の候補に
マンガ肉があがっているけれど
どう作っていいかわからないし、
それにいつまでもマンガ肉の話題も続くかな。
ユキは大きなお肉はちょっと食べきれないです。
作って欲しいというわけではなくて。
この数日で料理の腕をちょっぴり鍛えあげた小学生組。
ユキもピーラーの使い方が少し上手になったよ。
蛍お姉ちゃんと並んでご飯を作れる時間がすぐ来ると思うと
気持ちは果てしなく盛り上がります。
小学生のみんなが揃ったら
キッチンにそんなに何人も並べるか心配。
夏場は暑苦しいかも?
だけど
ユキの想像は
細かいことは気にしないの。

虹子の偽日記

『まほうだよ』

おひるごはんを
たべたら
ちゃーんと
ごちそうさまの
あいさつをしないと
おこられる。

すっぱだかになって
プールにでていったら
だめなのよ。

あつくても
おぎょうぎよく
あいさつして
みずぎをきて
じゅんびうんどうする
にじこです。

はれたらプールのひだよ。
くもりじゃないんだよ。
あめでもだめだよ。
おにわにプールをひろげてもらって
はいろうよ。

おんなのこは
みずぎをきると
みてもらいたくて
いてもたってもいられない。
スタイルはばっちり?
いろけは?
まよってきめたみずぎは
にあっているかしら。
にじこはどんなふう?
セクシー?
おとなになると
Tバックをはくよ。
おしり、ぷりんぷりん。
こむぎいろがゆれる。
おにいちゃん、Tってしってる?
むねのまえで
みぎてをよこに
ひだりてをたてに
あしをかたはばにひらいて
このポーズが
T!
おしえてもらった。
なるほど、ポーズをきめると
おしりにきあいがはいるね。
でもね、ほたるおねえちゃんは
じぶんのみずぎはTバックじゃないっていうの。
りっかおねえちゃんは、
そのくらいからもうTバックだっていうの。
どっちだとおもう?
よくみて
にじこにおしえてね。

ほたるおねえちゃんは
しゅくだいがもうあとすこしだから
きょうのプールはいっしょにあそんだよ。
つららおねえちゃんは
ほたるちゃんがいうならそうかな、
いや、でもな、
ゆだんしていいのかな、
なやんでた。
おしりをぷりんぷりんさせて
なやんでた。
むずかしいおしりだな。
プールはたのしくなかよくはいるものだって
おねえちゃんたちは、いつもいうよ。
おにいちゃんも、つららおねえちゃんのなやみを
かいけつしてあげて!

みんな
うすぎなのに
かぜをひかない
ふしぎなふくだ、
みずぎ。
おねえちゃんたちにきいたらね、
みずぎにはまほうがかかっているの。
なつのあつさと
みんなのえがおと
よいこであそぶみずぎがそろうと
げんきのまほうがかかる。

すずしくなってきたら
まほうがとけちゃう!
まほうがどろどろとけちゃう!
すずしいのに!

そしたら、
すずしくなったら
つぎのまほうがはじまるの。

せいかおねえちゃんがおてつだいする
おふろのまほう。
ほかほか!
はるかおねえちゃんがつくる
プリンのまほう。
ほどよいあまさ!
みはるおねえちゃんがしてくれる
キスのまほう。
あいしてる!
にじこも、おんなのこだもの。
だいすきなひとにあげる
キスはまけられない。
にさいのキスと
じゅうはっさいのキス。
おんなのほこりをかけた
たたかいだ。

すずしいきせつは
あきといいます。
にじこ、にさいだから
もう、あきはにかいもむかえたの。
だいぶくわしいよ。

あきは、
すずしいから
いろいろなことがはかどるまほうがかかります。
うんどうのまほう。
しょくよくのまほう。
ちいさいまほう。
あき!
あれっ?
おにいちゃんはおおきいから
ちいさいあきはできない?
そんなー
かわいそう。
おもしろいよ?
ちいさいあき。
にじこはちいさいから、とくいなの。
だから、おにいちゃんにちいさいあきを
たくさんあげる。
ちいさいあきは、なんさいまで?
にじこがおおきくなったら
そらちゃんと
あーちゃんに
ちいさいあきをもらう?
ことしも、いつまでもみずぎでおしりをだしていると
かぜをひくきせつが
ちかづいた。
あきのまほうがはじまるの。

氷柱の偽日記

『おに』

立夏の勉強に付き合う理由は
根気強いからじゃない。

優しくもない。
そりゃ、立夏のためだからっていうのは
間違っていないけれど。
励んだ分は立夏の力になるんだから。
でも、それが一番の目的じゃないことは
わかってる。
立夏の頭がどれだけ進化しようと
たいしたことはないから
私は興味ないんだし。

ただ単に
気になるだけ。
計画的にやればすぐ終わるっていうのに
ぎりぎりまでねばって
限界まで放置できるラインを探して
なんで
やらない。

あとは私が監督をしなくても
本人のやる気次第でどうにかなる量が
残っているだけ。
最後まで付き合う義務もない。
残り少ない夏休み、
立夏は放っておいて
短い時間だけでも
小さい子たちと付き合う選択肢もありだし。
ちょっとまとめて時間をとって
難しい読書に熱中してもいい。
それから、あまり得意じゃないけれど
蛍ちゃんがもう少し宿題に集中するために
食事の支度は、手伝うくらいならできる。
一応、掃除の当番は数日だけという話し合いで
蛍ちゃんと交替している。
下僕は洗濯が好きみたいね。
特に、取り込んで
たたみながら仕分ける作業が
たまらないみたいね。
整理整頓が趣味っていうタイプには見えないけどな。
まあ、働き者なのはいいことね。
大家族に必要な労働力に
自分から名乗り出るのは感心ね。
これからも励んでいれば
ご主人としては気持ちよく褒めてあげられるわ。
よしよし。
そういうことだから
することがなくて立夏を見ているわけじゃない。
やっぱり単純に、あの子の宿題の進行状況が
気になるだけなの。
おせっかいなのかもしれない。
だらしないと手を出したくなるだけかもしれない。
後で手伝うのが嫌だから叱っているだけかも。
まあ、
たまには少しくらい落ち着きを覚えたほうがいい
立夏だからって
悲しい顔なんてあまり見たくはないけど
でも、そうせずにはいられないな。
悲しませるのが目的ではないのに。

まったく。
なんで今までやらなかったんだろう。
予定にない宿題が出てきたって
それまでにちゃんとやっていれば、困らないですんだはずよ。

趣味じゃないのに
なんとしても
立夏を机に縛り付ける形になってる。
そんなに言うほど厳しくはないわ。
予定で決めた勉強の時間だけよ。
本当はもっと見張っていたい気持ちは
抑えてる。
だから結局
鬼みたいだからなのよ。
相手がつらいとわかっていても
叱らないとって思うのは。
どうせ私は
牛の頭か馬の頭をして
悪い子には金棒を振り回して見せる存在よ。
みたいなことを蛍ちゃんに言ったら
体の一箇所をじっと見つめながら
でも牛娘には何かが足りないような気がする、だって。
いったいどういう意味なのか
私には全然わからないわ。
だいいち、私はまだ成長する希望があるから。

それでね。
立夏の宿題を手伝ったらだめだけど
あんまり厳しくして逃げてもいけないから
立夏の大好きなオニーチャンとして
息抜きくらいはさせてあげてくれる?
応援するなら
立夏みたいに元気なチアガールで
ポンポンを振ってあげたらいいのかな。
もちろん、下僕が。
って、なんて想像させるのよ!
私は普段から応援って柄じゃなくて
あんまり思いつかない。
うるさいときの立夏は
もうちょっとなんとかならないのかなって思うけど
あんまりしぼんでいても、こっちとしては調子が出ないな。
よくできたら、もうちょっと褒めてあげたらいいのかな。
いやいや机についているわりに
このところは、立夏にしてはがんばっていると思う。
でも、いままでほったらかしにしていたのが悪いのに
あんまり褒めるのは違うかな。
といって、このくらい当然でしょ、
じゃあやる気がでないのはわかっているんだけど
サボっていた宿題を済ませたからってあんまり持ち上げても
まじめにやっていた他の子に不公平になる気がする。
何かしてやれないかな。
誰かがチアで応援したらいいのに
そういうの得意そうな蛍ちゃんと立夏ちゃんが
今年は応援される子。
海晴姉様が張り切りはじめる前に
この話題は切り上げておきましょう。
甘いものでごほうび、というのは
私が作ったものでは誰も喜ばないし。
あ、思いついた。
春風姉様に相談したら、何かいい知恵がもらえるかも。
下僕に相談してる場合じゃなかったわ。
まあ、気が向いたら立夏のこと見てやってね。

蛍の偽日記

『あと少し』

霙お姉ちゃんは
全てのものが
塵になってしまうと言うけれど。

やっぱり、
時にはそういうことも
あるのかしら。

もうあと残りは
ほんのちょっとだけになってしまいました。
残念だな、
物足りないな、
本当にもうあんまりないのかな?
疑って
何度も確認しても
間違いなく、残りわずかです。

ここしばらく
家事をお手伝いしてくれたみんなには
感謝なんて言葉では足りないくらい
胸いっぱい。
蛍はどうしてこんなに素敵な家族が
いるのでしょうか?
しあわせもの!
だけど、気がついたらなくなってしまうものだってある。

さようなら、
買いだめしてあった
おこめ。
おいしかったよ。

ホタは宿題に専念して、
ここ数日は
台所仕事をしなくてもよかったから
スーパーで悩んで買ってきたちょっといいおこめが
いつのまにか
今日限りでなくなってしまうなんて
びっくりでした。
宿題が終わって、
さあおいしいご飯の天国が
はじまるぞ!
と、はりきって米びつを開けたときの
蛍の頭につぎつぎ浮かんだクエスチョンマーク。
数字が好きな吹雪ちゃんなら、
いくつ数えたでしょうか。
そうか、もうないんだと気がつくまでの間に。

どおりでご飯が不思議なくらいおいしいと
思ったの。
さては
みんなの愛情がこもっているからかな、
それにしては氷柱ちゃんは自分の料理に自信が持てないのね、
なんでかな、
と首をかしげていたら
お米作りの農家の皆さんの愛情も
こもっていたのね!
いつもおいしいお米をありがとうございます。
一生懸命作ってくださっている皆さんのおかげで
蛍のおうちは今日も笑顔でご飯を食べています。
おこめに限ったことじゃない。
たくさんの人への感謝があって、
ホタ、家計は無理できないけど
たまには、これもおいしくて、しかもふところにやさしい
もやしやお豆腐料理を工夫したり
おいしく、体によく、ちゃっかり上手にきりつめて
ちょっといいお米をまた買えたらな、と思います。
そして、知恵と工夫と地道に積み重ねたわずかな経験で
少しでもおいしく食べられたらいいな。
農家の人の努力に比べたらたいしたことではないですが
ホタは一生懸命がんばります。

そうです。
家族のみんなの協力のおかげで
やっと宿題は終わりました!
しかも、
なんと、
お兄ちゃん、おどろくよ。
こんなとほうもないこと聞いたら
お兄ちゃん、絶対おどろくんだから。
口から心臓が飛び出すんだから。
心の準備はいいですか?
あの、
蛍が最後の宿題の問題集を
あと1ページになって一息ついたその時、
私と氷柱ちゃんの部屋で、一緒に宿題をしていた立夏ちゃんが
やったー!
って
先に終わらせたの!
やればできる!
最後まで協力してくれた氷柱ちゃんに
思わず立夏ちゃんが右から、ぎゅーっ!
それなら蛍も左から、ぎゅぎゅーっ!
前からはあーちゃんが
よじのぼります!
よかったね、よかったね。
みんな我を忘れるほどハイテンションです。
氷柱ちゃんも、チアで応援はできないからと
今日はバンカラ応援団風の衣装に着替えて
見てくれた勉強会。
おおはしゃぎに拍車がかかったのも、あの雰囲気が理由かもしれません。
春風ちゃんも楽しいアドバイスをしますね。
こんな服だからあーちゃんも、お兄ちゃんと間違えたのかしら?
お兄ちゃんの制服は違うから
あーちゃんが遊んで欲しかっただけ?

というわけで
実は、蛍は
宿題をあと1ページ残しています。
終わったわけではないのに、はしゃいでしまいました。
なんだか、これを済ませたら
自分の手で夏休みを終わらせてしまうみたいで
さみしいな。
変でしょうか?
でも、どっちにしても終わるものだから
さみしがっていても仕方がないですね。
まだ塵になるわけではないし
夏休みが終わっても
これから楽しいことはいっぱいあります。
今日のキッチンでの出来事を思い出して
蛍は言います。
ごはんがなかったら
買いに行けばいいじゃない!
ホタもフランス女王の生まれ変わりなのかしら。
でも、倹約して買おうとするから
このつつましさは女王でもないということに?

米びつのおこめは
胃袋という名の大きな宇宙に飲み込まれて
もうなくなったけれど
私たちの食卓は
これからも続いていきます。
お兄ちゃん、
明日とあさってはお祭りですよ。
晩ごはんに、屋台のたこ焼きや焼きそばが許される日です。
それとも、やっと宿題の鎖から解き放たれた蛍の
久しぶりの手料理がいいとお兄ちゃんが言うなら
蛍は忙しくなっちゃうな。
浴衣の着付けもあるのにね。
お祭りは昼間から、商店街の特別セールで始まるよ。
おこめの買い出しは、明日じゃなくてもいいけど
どうしましょう?
月曜日は、始業式の後で
一日違いで大切な防災計画、避難訓練がある予定。
その後の下校は、中学と高校のみんなは時間が揃うから
買い出しにちょうどいいと話し合っています。
だけど。
夏休みももう終わり、
家庭内でちょっとメモリアルな食卓にしたい蛍と
こっちもまたメモリアルなお祭りと、
お兄ちゃんならどちらを選びますか?
あ、でも、台風が近づいているから
買い出しには向かないかな。
うーん。

宿題の最後の1ページは
なるべく忘れないうちに
ちゃんと済ませます。
終わらせたらその時は、
褒めてほしいというようなものではないし
特に理由はないんだけど
みんなのおかげで
宿題がちゃんと終わって嬉しいよ、と
お兄ちゃんや氷柱ちゃんに
報告してもいいですか?

そうしたい気分なんです。

ヒカルの偽日記

『一日目』

てんつくてんつく。

ぴーひゃら
どんどん。

町の音に合わせて
小さい子たちが歌っている。

一日中太鼓を叩きっぱなし
踊りっぱなし
おはやしをはやしっぱなし
というわけではないので
昼間は、スピーカーから鳴っているよ。
というか、夜の盆踊りもだいたい録音だ。
太鼓やおはやしは、広場のステージで
それ専門のイベントがあるとき。
明日は、2時からおはやし。
4時から太鼓。
ちなみに正午からは、演歌歌手。
私はそういうの詳しくないから知らない人だけど
見に行く?

お祭りが始まった。
家族みんな、
夏休み最後のいい思い出になるだろうか。
誰も宿題を気にしないでいいなんて
何年ぶりのことになるか。
そんな大げさな話じゃないか。
ともかく、心置きなく楽しもう。
こころなしか今年の我が家は、どの笑顔も
気にかけていた肩の荷を下ろしたように晴れやか。
大きいお姉さんも、チビたちも。
宿題を計画的に済ませた子も、
前日まで予断を許さなかった危なっかしい子も。
よく似た笑顔でお祭りに飛び出した。
あさひや青空に宿題の意味なんてわかるわけないのに
どうしてそんなに嬉しそうなのかな。
20人揃った、珍しいお祭り。
はしゃぎすぎて迷子にならないようにな。

普段は騒がしいのが苦手らしい
小雨や吹雪だって
慣れない浴衣を着て
緊張しているようにすました大人っぽい顔でいても
その体のどこかから
わくわくと高鳴る音が聞こえてきそう。
きらきら輝く目を大きく見開いて。
何か特別ないいことが、この町で起こっている真っ最中だって
怖がりの子でも
冷静な子でも
わかってしまう。

小雨が苦手にしていて
よく怯えがちな
声の大きい魚屋も
今日はお祭り仕様。
新鮮なたこを使ったたこ焼きに
見た目から豪快なイカの丸焼き。
同じお店なのに、今日通った小雨は
お祭りらしい華やか笑顔。
いつもの商店街も、
提灯が並んでにぎやかに輝いている。
八百屋では焼きとうもろこし。
肉屋では豚肉たっぷりの焼きそば。
どこをのぞいても、通いなれた店とは違って見える。
この二日間を盛り上げたくて、せっかくだから楽しみたくて
そんな気持ちが熱気になって伝わる
夏のお祭り。
お店じゃないけど、うちの家族も
いつもとは違って見えるらしい。
浴衣の効果なのか。
お祭りの空気もなのか。
私は、浴衣でもお祭りでも変わらない気がするから
参考にならないタイプだけど。

蛍が浴衣を着せてくれて、
その時に褒めてくれて。
やっぱりスポーツしている人は
すらりとしていてかっこよくて、凛々しくて、
浴衣も映えるね、って。
そんなものなのかなと
半分くらい真に受けて出かけたけれど
でも、浴衣姿でスポーツマンだってわかる人も別にいないし
蛍の身内びいきだな。
仕方ないやつだな。
スポーツマンといったら
浴衣をきた姿より、あれかな。
行動で示すのかな。
盆踊りを踊りだしたら、なんとなく夢中になって
浴衣はだいぶ着崩れて、汗も染みて
凛々しいとは言えない姿だけど
やりたいことを充分にやったから後悔はない。
見た目はともかく、気持ちはだいぶさわやか。
いい盆踊りを楽しんだ。
スポーツマンらしいかどうかはわからないけれど
これが私の夏祭り。
明日も、夕方からの盆踊りはあるから、
もしオマエがまだ踊り足りなかったら
付き合ってもいい。
花火大会がある都合で、今日より時間は短いから
やり残すことなく踊り抜きたいなら、気をつけて。
それから、ちびっこのど自慢大会のステージが5時から。
うちの出演者を応援に行ってやりたいし
盆踊りより大事なイベントになりそう。
出演するのは立夏と、
甘えん坊な立夏が一人では寂しいと
小雨に声をかけたけど
いくらなんでも小雨を出演させるなんてできないし
それで自分から身代わりを買って出て
最初は絶対嫌だと言っていたはずが
なんでこんなことになったのかと言わんばかりの
青い顔をしている麗、
2人が今年の出演者。
今からでも断ろうとしているけど
それも情けないと覚悟を決めては
でもやっぱり、の振り子が
顔を見ているだけでもわかる。
見守ってやるしかできないけれど
麗が覚悟を決めたら
応援してやりたいな!
芸術分野は得意じゃないとしても
お祭りを楽しむための企画なんだし
それに、立夏より音程がずれるなんてことはなかなかないだろうし。
それを考えたら立夏のほうが心配かもしれない。
2人とも、たとえうまくいかなくたって、
せいいっぱいの力を出し尽くせばいい。
そうして、さわやかに花火大会を迎えて──
夏休み最後の日をみんなと過ごしたいな。

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