アルケイディア&キュクレイン

アルケイディア&キュクレイン TOP  >  2013年07月

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春風の偽日記

『恋人たちの夜』

今日は暑い日でした。
春風の王子様は、お体は平気ですか?
たくさんお世話をしてあげたい。
どんなに暑くて大変な夏の日でも、
寝苦しい夜でも──
春風がいるから幸せでいられると
王子様が思ってくれるように。

真夏みたいな陽気は一日、何者も邪魔をすることなく、
今日の夜も晴れそうです。
手を伸ばしても届かない、遠くて広い夜空。
数え切れない無数の星の中から
この夜に、たった一人の相手だけを見つめて
織姫と彦星は星空を渡っていきます。
愛し合う二人の思いは、果てしなくどこまでも。
今年は無事に二人の夜を過ごせそうで、
良かったですね。
うらやましいな。
春風も、この夜だけでも
王子様と恋人同士みたいに過ごせたらと
そんなお願い、いけないかしら?
用意したのは、別の願い事。
家族のイベントに用意した笹の葉に、短冊が一人一枚。
二十のお願いが、笹の葉にさらさら。
夕方からそよそよと気持ちよく吹いてきた風に
揺れています。
ママは忙しくて参加できなくて、寂しいですね。
でも、あーちゃんまで、一生懸命に願いをこめた短冊。
よだれが多すぎるかもしれないけれど──
というか、字は書いていないけれど──
こんなに晴れた七夕には、きっと叶うと思います。

王子様は、どんなお願いをしましたか?
さくらちゃんが、泣きそうになって心配していたの。
お兄ちゃんはカレーが好きだから
カレーをお願いしていたらどうしよう。
夏は野菜が豊富で、カレーがおいしい季節ですね。
春風と蛍ちゃんのふたりで、こわい顔にならないカレーを
がんばって作ります。
小雨ちゃんと星花ちゃんも手伝ってくれるなら、
とってもおいしい。
王子様のお願いなら、特別に
短冊につるさなくても聞いてしまいます。
どんなことでも、
いくつでも。
みんなに秘密で、こっそりと
あなただけのために。

春風の願い事は、内緒です。
一人に、ひとつだけのきまりの
今年の七夕。
とっても迷ったの。
ひとつだけ──
春風の今、一番に欲しいものは何かしら。
家の短冊には恥ずかしくて書けない、春風の素直な気持ち。
学校や商店街のイベントに参加する分は別でいいですよ、と話し合って、
夕凪ちゃんやさくらちゃんは、張り切って参加しているみたいです。
それだけじゃ足りなくて、家の笹の葉の奥にこっそり
ふたつめ、みっつめ。
無邪気なお願い事──
神様、今日だけは特別に
かなえてあげてください。
たくさんのお願いが、夏の広い夜空へと向かいます。
その中でも、家族のお願いはやっぱり、春風にも大事な気がするの。
どうか、この七夕の夜に
家族みんなが幸せであることを祈ります。

愛し合う織姫と彦星が、
今年も幸せに過ごせますように。
もし良ければ、
お願いをするみんなに、少しだけ幸せを分けてください。
春風も、いつか勇気を出して
たった一つの本当の願いを書けるように、がんばります。
七夕にはかなえてもらえない
ささやかな、一番の願い。
春風はきっといつか、伝えたいです。
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小雨の偽日記

『小雨の日』

ついに夏です。
家族みんなが指折り数えて待っていた
夏休みも始まりました。
ふだんとは違う、不思議な毎日。
見たこともない特別なことが起こってしまいそうな、
それでいて、ついうっかりだらだらと過ごしてしまいそうな
新しい時間が、私たちにも訪れます。

このごろは
あついあつい、
とってもあつい日が続いて
家族が体を壊してしまわないか
とっても心配で
心配で心配で
はらはら。
このままでは、心配のあまり
熱を出してしまいそう。
そんな小雨の情けなさを天の神様も見ていて
そこまで心配しなくても、と考えてくれたのか。
一休みの涼しいお天気、
オアシスのような、快適な小雨の日でした。
優しい雨。
うるおいの一日。
庭のすみにしぼんでいたお花たちも、
夕方には、たっぷり浴びた雨のしずくをまとって
別人みたいになってきらきら。
疲れきっていた夏の日々に、ひといき。
なんだかうれしい。
穏やかな天気に感謝の気持ち。
輝くような世界が広がります。

そんな雨の後は、毎日の花壇のお世話も
すこし色づいたように、胸が弾みます。
足音にぱらぱらと舞う土ぼこりのにおいも
乾いて夏の日がしみこんだ厳しさではない。
なんだか思いがけなく甘さまで感じさせてくれる
風もふんわり、雨の後。
寒すぎたりもせず、真夏の気温は
雨の後は、紫外線対策の厚着ごと小雨をじりじり焼いたり
そんなことはなく快適。
久しぶりの涼しさに誘われるのか、
雨がやんだら元気な子たちは庭に飛び出し、
静かな子たちもお姉さんも、気持ちのいい散歩を始めたい
過ごしやすい、珍しい夏の一日。
こんな夏休みもあるんですね。
小雨のささやかな仕事もはかどります。

天気予報では、しばらく曇りがちな空模様が続くそうです。
そうなると、今度はちょっと不安になってしまうもので──
たまには夏のぎらぎらする日差しが恋しくなったりは
しないでしょうか?
楽しみに待っていた、まぶしい季節。
暑さを乗り切りながら
いよいよ過ごせると思った、新しい私たちの夏。
始まるという時になったというのに、
それが、
こんなはずじゃなかった!
という気分になるなんて。
そんなことになってしまったら
小雨が情けないのがいけないんです。
もちろん、小雨が雨を呼ぶなんて
そんな大それたことを言うつもりはないのですけど、
じめじめしてしまう気持ちが雨を連れて来てしまったら
そう思うのは、小雨がうじうじ悩んでいる気持ちを
灰色の空に見てしまうからでしょうか?

あんまり暑い日が続くときの
心配もそうだけど、
それは、努力して気をつけていくことだから
まだなんとかなるほうです。
吹雪ちゃんの朝顔の育ちがなぜかあまりよくなくて
こんなにお世話をしているのになぜなんだろうって
二人で悩んでいるのもそうだけど
吹雪ちゃんは、こればっかりはどうにもならないことだと。
教わったとおりに、できることをお世話したら
あとは祈るばかり。
吹雪ちゃんがそう思っているなら
小雨がこれ以上心配することじゃあ、ないのかもしれない。
もっと、どうしたらいいのか
解決が難しい
ふいにあらわれる真夏の雨雲みたいに、
灰色に覆われる、小雨の気持ち。
小雨のこのごろは、夏のお百姓さんスタイル。
とってもだいじなこと。
花壇だけじゃなくて、家庭菜園にも手が回る
時間が自由な夏のお休み。
まだまだ初心者の小雨の力では、
形と色の悪い
トマトになすに、きゅうり。
痛んだところを捨てて、
汚れを洗ってよく落として、
お料理として食卓に提供できるのも
そんなに多くない、修行中。
お遊びみたいな、でも少しだけ役に立てている気持ちになれる
嬉しい時間の使い方。
困っているのは、その話ではないんです。

ところで、夏のお百姓さんばかりではない
少しうきうき、もうひとつのだいじなこと。
それは、夏のおじょうさん。
我が家では、夏のおじょうさんといえば
まず、虹子ちゃんが名乗りを上げます。
それから、たくさんのきれいなお姉ちゃんたちがそうなりたくて。
似合うものは、
つばの広いぼうしに、白いワンピース。
それからもちろん、勇気の大胆ビキニ。
そんなイメージ。
実は、小雨は普段からこんなふうに地味だから
あんまりおしゃれを知らないから──
心配したお姉ちゃんたちや妹たちが、
小雨ちゃんももっと、きれいになれるよ!
素質があるよ、と薦めてくれる
新しい服、華やかな色合い、清楚な誘い。
とても小雨に似合いそうにない、夏を凝縮した
太陽のようなおしゃれ。
ちょっぴり不安な思いに、曇る心。
いいのかな?
だんだん小雨は、どうしてかな
あまり嫌じゃないの。
なぜか勇気を出してみたい。
立夏ちゃんは、夏のせいだというんです。
新しく始まるかもしれない
わくわくする予感、
そんな季節。
希望していた何かに、挑戦してみたくなるものだと
そうなのでしょうか?
夏休みは、始まったばかり。
どうなってしまうのかしら。
いいものなのかしら。
とまどう曇りがちな心と、
晴れ間を覗かせそうな、冒険の気配。
小雨の心が迷う間は、灰色の空を見つめ続けるのかな。
お兄ちゃんは、小雨はどうしたらいいと思う?
やっぱり、小雨にひまわりモードは
似合わないかなあ。

あさひの偽日記

『ぴょんぴょん』

あーたん
ぴょんぴょん。

んばっ!

おおんばっ!

あっあー
がおがお。
あっあー
がぶり。

おおんばっ!

(あさひのなつふくは
 うさぎさん。

 かわいい?
 おんなのこはおしゃれがだいすき!

 ほたがつくるよ、
 あたらしいなつふく。
 なつににあうふく、
 なにがいいかな!

 あさひのあたらしいすがた、
 ライオン!
 あさひのあたらしいなつ、
 さめ!

 なつは、ゆかたもつくってもらう。
 ゆかたのがらはなにがいい?
 なつだから、ペンギン?
 クリオネ?
 あさひがうまれて、はじめてのゆかた!
 はじめてのなつ!)

観月の偽日記

『小鬼』

夏至に訪れるマホウは
結婚のマホウ。
だそうじゃ。

過ぎてしまったの。
兄じゃは、結婚しなかったの。
年齢的に、まだ早いという。
そうか?
あるいは、実はもう結婚しておるかも知れぬ。
こっそり、わらわにだまって
そんないいことを。
楽しい宴もなしに
秘密の愛を。
そうでもないか?
ひそめた思いの通じ合うのも楽しいが、
わらわはやっぱり、一生の一度のこと。
せっかくだから
華やかに祝福されるのが良いかと思う。

夕凪姉が、
妖精のマホウは真夏だと思って待っていたら
過ぎてしまったので
タイトルにだまされた!と
びっくりしておった。
本当は、夏至らしい。
海を渡ってきた習慣には
あいにくわらわは詳しくない。
しかし、夕凪姉もがっかりするのは早い。
この季節、妖精ならずとも
様々な狐狸妖怪がわんさか。
本朝の話なら、わらわにおまかせじゃ。

夏の妖しい風習といえば怪談。
真夏の怪談が涼しい理由は
恐ろしい話をしていると、寄ってきてしまうから。
いや、安心せい。
わらわが正しい儀式を知っている。
あらぶるもの、よこしまなものを鎮める方法。
怖い話をして何かあったら、きちんとわらわを呼ぶのじゃぞ。
ちょうど今の時期は、訪れるものが多い。
腕を磨いておく季節。
修行も、精進潔斎も、準備万端じゃ。
わるいものも、力あるものも、いっぱい来るぞ。
迎え火で招くご先祖様にも、
わらわの成長したところを見せるのじゃ。

いたずらをするものは
伊与狸に佐渡の弾三郎狸、
それに、この季節は
知らないお祭りが開かれていると
魅惑の匂いに誘われて近づいてみたら、
見たこともない品が並ぶ
不思議な市であったりもする。
爛熟の果実が香る露店に気を取られて
提灯の影に隠れる商人の姿が実は
人より小さな生き物であることに気がつかない。
うかつに足を踏み入れてしまったら、
呪いに取り込まれて、
逃げ出した後も正気に戻れぬ。
闇の宴を夢見て、
求めても二度と得られぬ魔法の果実を思いながら
さまよう、新しい魔物になる。
やつらの仲間入りじゃ。
そうなってしまったら、やつらの思うつぼ。
いかにして元に戻れるか、果たしてわらわのお祓いが効くものか。
容易に誘われぬように、気をつけておれ。
魔界の香りなんかに惑わされてはいかん。
迷わぬよう、
おうちで満足行くまで味わっておくといい。
お腹いっぱい詰め込もうぞ。
種類もさまざま。
夏のおいしい旬のもの。
子供にも人気の、定番は──
もちろん西瓜に、
甜瓜や桃、葡萄。
もとより桃と葡萄は神仙の霊験もあらたか、ありがたい果実。
妖魔の季節にうってつけ。
とはいえ、うちの家族はそんな細かいことは特に気にせず、
夏の果実のお好み、それぞれにごひいきがあるようじゃ。
わらわも、神仙の儀式は関係なく
甘い桃!
みずみずしい西瓜!
が、大好きじゃ。
兄じゃはどれが特にいけるであろうか。
台所の主におねだりしておくとよいぞ。
ホタ姉じゃも、春風姉じゃも、
聞いてくれるぞ。
家族それぞれに一番は分かれるものの、
食卓にどれが並んでも
みんなが喜ぶ
季節の宝物、
夏の甘い果実。
小鬼の宴に魂を抜かれぬよう、
ここでたっぷり、分け合おうぞ。
夕餉の献立は、今日は桃。
皮を剥いて小さく切って、子供でもぱくぱくいける。
おっと、いかん。
明日のお買い物の予習にと
かけておいた電車の映像に気を取られて
だらりだらり、手が汁でべとべと。
はかまの上はちょっとした水溜り。
後で粘るから大変じゃ。
お洗濯をして、
お風呂に入って、
綺麗になったら、早く床につかねば。
そう、今日のところはな。
まだまだ小さいわらわゆえ、
夜更かしして魔物退治は、少々不便。
夏休みでも夜歩きは怒られる。
魔物からは逃げて明日にして、夜は良い子でねんねしようぞ。

麗の偽日記

『スケジュール』

起床は朝6時。

日課のラジオ体操と
いつもの朝食の後──

午前中の涼しいうちに
済ませておく、一日分の宿題。

一日分が計画通りに行かない
不測の事態があったときのために、
余裕をもって見積もった配分。
それでも、夏休みが終わる前に
だいぶ日があるうちに終わるように
しっかりと見越してある。
抜かりはないわ。

計画通りに過ごすのが
人間らしい生活よ。
油断したら、すぐにだらけてしまう
夏休みに潜む、悪魔の誘い。
といっても別に、家族のみんながだらけていたって
私が何か言うことじゃないし
言ったってあまり効果はないし
好きにすればいいけれど
私は自分の立てた計画通り、
きちんとした、それなりに後悔のない夏。
決めたとおりの生活をするの。

と願っていても
なかなか思い通りに行かないのが
家事の問題。
普段から、家のことはみんなで分担して
お手伝いしている。
時間があるお休みならスムーズに行くかと
思いきや。
なまけきって
緊張感をなくして
遊びに時間を使って
夕日が差すまで怠惰をむさぼり
とうとう
忘れ去られてしまう
お手伝いの大切な仕事。
放って置かれた
食事の下ごしらえが、
放り出されたお風呂のブラシが、
私たちのスケジュールを狂わせ
堕落へと誘います。
このままにしておいたら
どうなるか、わかったものじゃないわ。
こんなことになるなら夏休みなんて望まない、と
休日というものの意義を疑う事態よ。
やっぱり、
規則正しい生活でなくては。
自分を律する気持ちが大事だわ。
何事も、行き過ぎないこと。
抑制の効いた行動が取れるか、
わが身を省みるところから
私たちの日常は始まるべきです。
そうよ。
そうは言っても
怠惰はたしなめられるとしても
現状、しわよせが来ている分野を
急がせてしまうしまうのはお門違い。

やるべきことは、
今更、だらしのない生活を責めたり
過ぎた時間を悔やむことじゃなくて──
自分が何をするべきか。
今日のおやつのホットケーキは、
家事で忙しいホタ姉様の負担を減らしたくて
任された私の仕事よ。
大丈夫。
化学の実験と同じようなもので
分量を計って正しく作れば
失敗するわけがないと、吹雪ちゃんと協力して作ったの。
結果としては、
これは化学の実験ではなかったけれど。
でも、多少は技術が要求される場面があるというだけで
将来的には、調理器具の発達によって
解消される問題だろうと、吹雪ちゃんと話し合ったわ。
とにかく大丈夫。
製作手順は間違っていなかったのだし
味に問題はないと思う。
ただちょっと、焦げた部分と生焼けの部分を取り除けば
おいしく食べられるはず。
まあ、あんまり人気はなかったけれど──
見た目が悪いといけないのかしら。
あなたは、どういうつもりだったの?
焦げた部分が好きなの?
生焼けの部分が好きなの?
両方が好きなの?
今後リクエストされても、そんな期待には応えられないと思うけど。
毎日作っていれば、嫌でも上手になるって
ホタ姉様が言ってくれた。
みんなが予定通りにお手伝いできれば
私が毎日キッチンに立つことはないんだけど。
明日はどうなるのかな。
みんながしっかりするような
そんな変化が、急にあると思う?

明日のお手伝いの予定は、買い出し。
なるべく焦げないフライパンも探してこなくちゃ。
予定とは違って買い物が多くなってしまったのは
今日の出来事のちょっとした誤算だった。
思い通りに行かない、急な変化ってあるものね。
だからといって、予定通りに過ごさなくてもいいという話には
なりません。
多少は余裕を見込んで、何かあったときのことも考えてあるもの。
少しだけ張り切ってしまった、意外なお疲れの一日。
明日もきちんと起きられるように
早く休むことにします。

青空の偽日記

『むぎちゃ』

ほら!

みて!
みてみて!

つめたい、
れいぞうこ。

れいぞうこを
あけると、

むぎちゃ

むぎちゃ

むぎちゃだよ。

みぎも
ひだりも
むぎちゃ。

うえも
したも
むぎちゃ。

むぎちゃが
いっぱい、
ゆめ
いっぱい。

あついひに
むぎちゃ!

おいしい
むぎちゃ!

なつまっさかり!
なつには
むぎちゃ。

おんなのこは
むぎちゃがだいすき。

おとこのこも
むぎちゃがだいすき。

おにいちゃん
おねえちゃん
から
いっさいのこ
まで

だいすき!
むぎちゃ。

あーちゃんはまだちいさいから
みるくがすき。

みるくを
のんでみるく!
だじゃれ!
おもしろーい!

ちいさいから
みるく!
むぎちゃは
まだ
はやいの。

おいしいのにね?

はやく、むぎちゃを
のめるようになれ!

むぎちゃを
のんでみるく!
だじゃれ!
おもしろーい!

あーちゃんがおおきくなるまで
むぎちゃ、
とっておくから
はやくおおきくなれ!
むぎちゃ。
いいむぎちゃだよ。

むぎちゃ
だいすき。

みるくも
だいすき。

かえるも
だいすき。

いいよね。
かえる。

げろげろ
かえるのきせつ。

かえるがでると
みづきがいうよ。
こうふんじゃ!

まりーがいうよ。
かくめいだわ!

みぞれがいうよ。
しゅうまつだ!

つららがいうよ。
きゃー!
きゃーって!
おもしろーい!

おにいちゃんがいうよ。
なにか!
わからないけど!

たのしいよ。
かえるがでるよ。

あついひは
いいな。
なつは
いいな。
むぎちゃをのんで
かえるをとりいこう。

なつのいちにち。
かえるがでるよ。
つかまえろ!
でてくる
なつを
むかえにいくよ。

かえるのきせつ。
れいぞうこいっぱいの
むぎちゃのきせつ。
へやいっぱい
かえるだらけのきせつ。
なつだ!

立夏の偽日記

『セクシーファントム』

セクシーになって
まだ間がない
リッカです。

中学生になってから
はじめての夏休み。
ハードな試験勉強を乗り越えて
灼熱のスクールライフを経て
待ちきれない楽しみな予感を胸に
やっと迎えた、大人の時間。
イエイ! やったね!
ついに来たね!
リカやっぱ中学生だから
次から次へと体験しちゃうのは
恋の暴走特急かなあ。
なにがあるのかなーと過ごしているけれど、
今のところ、
変わったことは何もなし!
なしといえば、おいしいフルーツ。
フレッシュ!
でも、リカの夏は現在、
新鮮さのかけら、ゼロ!
変わりばえもなく、いつも通り!
あれー?
どうして?
今年もまた、
あーちゃんと遊んで、
青空ちゃんと跳ねまわって、
チビたちを引き連れて家を野獣のように駆けたら
気がついたら、足元からは長ーい影。
西に傾く茜色。
小学生のときと同じだ!
うわーん!
今日も甘いイベントの一つもなく
オニーチャンが遠慮したまま終わっちゃったネ。
もーっ、
リッカちゃんはいつでもいいのに
何してるの?

でも、わかる、
わかるなあ。
ちょっと臆病なその気持ち。
なにしろ、あついよ
あついあつい。
いくら燃えるハートの季節だからって
体がくたびれちゃったら
まずアイス。
さらに水分補給。
塩分、ミネラル。
ぐったりしぼんだお肉の隅々まで
あげなくちゃ。
あとは、水撒きのホースから自分で浴びたら
少しは元気になれたかな。
そんなとき、もう裸にはなれない年頃。
見せるのは、心に決めた人だけだもん。
こんなに暑さでムシムシだと
平気で頭から水を浴びる
夕凪ちゃんたちがうらやましい。
乙女の誓いも放り捨てて
子供に戻ってみたい、
そんな気持ちにもなる、
あつい夏!
リカ、
この夏の恋の予感に失格だ。
涼しさ優先にしたくなるんだもん、
純情まるごと放り出して、
色気がないタイプの、生まれたままの姿に
なりかねない。
こんな暑さじゃ、ちょっとばかり恋も億劫になるヨ。
昼寝をしても、
昼寝をしても、
まだ暑い。
じっとり汗ばむ肌は、
そのままとけてしまいそう。
夏に生まれたリッカでも、こいつはきつい。
いや、夏生まれじゃないけどさ。
適当言ったけどさ。
でも気分的にはそうじゃない?
リッカの季節なのに!
暑さに負けていられないのに!
でも、じっとり空気にまるのみされちゃって、
はあ、
昼も夜も、
おやすみ!
暑さをやり過ごすのが精一杯。
寝ているだけでぐったり。
リカが暑さでとけてしまったら
さっそく今年のお盆に戻ってくるネ。
だってひとときもオニーチャンと離れていたくないもん!
死なないほうがいいか。
そこで思いついた解決策。
リカもう大人なんだからさ、
このくらい思いつかなくっちゃ。
中学生だよ。
勉学の徒だよ。
図書館に行けばいいんだよ!
涼しいところでゆっくり昼寝して、
パワーを充電したら
夜は二人だけのもの!
遊んで過ごそう。
トランプとか、いろいろして。
夏休みの、長い夜。
暑い時間を乗り越えて、セクシーに過ごす工夫。
もうわかってしまったのだ。
暑いときは涼しいところに隠れて、
朝も夜も一緒にいようね。
チャオ!

綿雪の偽日記

『じゃんけんぽん』

毎日暑い夏休み。
おうちのみんなも、赤い顔をして
ふうふう、
とっても疲れ気味に見えるけれど
どんなときも賑やかに騒いで
楽しそうに、
寝転がったり、
庭で水を浴びたり。
暑さに弱い吹雪ちゃんは、
太い血管を冷やすとちょっと楽になるからと
脇の下を冷やしたり
どうにか普通に過ごせています。
自分は氷河期に適応した突然変異なのではないかって
そんな冗談が出てくるくらい。
ふとももの血管も冷やしたいけれど、
おなかを冷やすと怒られるから、しないって。
本当は、変温動物でもなく
氷河期に適応もしていない
私たち家族みんなと同じからだの
まだ小学生、ユキとそんなに変わらない吹雪ちゃん。
暑くて体を壊してもいけないけれど、
あんまり冷えすぎるのも気をつけてね。
涼しいのが大好きで
知恵を使う吹雪ちゃんなのです。
ユキはというと。

ユキは、ふだんはあんまり暑くない
涼しいところにいないと、って
注意されています。
ずいぶん体は良くなったし
そんなに、危ないから絶対に、というわけでもない。
でも念のため、過ごす場所は快適な部屋の中。
無理をしすぎてもいけないから。
それだけのことなの。
今日は──
午前中に雲がかかったおかげで、
まだ暑さも本格的じゃない
陽射しもぬるめの真夏の庭へ出て行って、
少し、体を動かしても
全然平気でした。
庭に水を撒くホースも貸してもらって
手のひらに感じる、重たい水の脈打つ流れ。
お兄ちゃん、今日はユキは
そんなお手伝いをしました。
いつもはできない、
みんなが揃っているときだけの
あぶなっかしい、ユキの挑戦。
うまくできたかな?
優しい曇り空に、ありがとう。
見守ってくれて、助けてくれて
ときどきのわがままを聞いてくれる家族のみんなが
ユキは大好きです。
夏休みの間ずっと、いっぱいみんなで過ごせるといいね。

日が出たら、急に気温は上がります。
カーテンを細く開けただけでもまぶしい、
あんなかんかんなお日様なんだもの。
ユキは無理をしないように、
お昼寝は自分のお部屋。
みんなは──
とっても暑くて、まいってしまったって。
疲れなんてわからないくらい、元気に主張します。
どこまでも響く声は、
ときどき、あんなふうに──
うるさいとか、元気が有り余ってるって
氷柱お姉ちゃんに叱られるのもいいな。
叱られる本人は、それどころじゃないですね。
でも、楽しそうだったよ。
お兄ちゃんも参加したのかな?
今日のじゃんけん。
いくらお兄ちゃんでも、じゃんけんは運任せ。
それとも、実は違うのかも。
相手の癖を読む子はちょっと強いの。
よく出す手が決まっていると
みんなに知られている子は
今度はそれを利用して、心理戦に持ち込むそうです。
最初はグー、から次の手に変わるときの指先を
見抜くだけの視力が立夏ちゃんにあるっていうけど
本当かな?
お兄ちゃんは、本当だと思う?
指先を組んで覗いたとき、次の手が見えるんだって占いも
している子がいます。
ユキの占いは当たるほうだって、ときどき褒めてもらえるの。
指先を組んで、
ちょっとほっそり、頼りない指先から
あんなにまぶしい光が怖いほど差し込むときに
いったい、ユキには何が見えるのでしょうか。
さて、負けたほうは、うちわをあおいで1分間の約束。
飛び入りのユキの成績は、3勝2敗でした。
まずまずかな?
今日は、みんなのじゃんけん必勝法に負けないくらい、
ついていたほう。
何も対策はしないんだけど、
不思議と、ユキのじゃんけんは家族内でも評判です。

じゃんけんと言えば、
近いうちにやって来る、夏の旅行を決める戦い。
それはもちろん、ハワイやインドなんて意見は無理として。
夏はだいたい、ふたつの方向性に分かれることが多いです。
涼しい環境でゆっくりしたい子と、
珍しいどこかで冒険してみたい子と。
上のお姉ちゃんたちは、ゆっくりしたい派だけど
どちらが優勢になるかわからないのが、家族の話し合い。
ユキは、いつもだと仲のいい吹雪ちゃんと
今年は意見が割れるかもしれない予感。
ユキはもう、小学生になったの。
体もきっと大丈夫。
お兄ちゃんは、どこか行きたいところがある?
もし、別の意見になってしまったら
ユキとじゃんけんでどっちが強いか、
お兄ちゃんと勝負です。
とっても強そうなお兄ちゃん。
初めての挑戦にドキドキするけど
今年のユキは
きっと、負けないです。

虹子の偽日記

『なにもの』

にほんのなつ。

おばけのなつ。

あついあついなつ、
おばけがやまもりで
やってくる。

ひとつのめだまの
からかさ。
ひとをおどかす
のっぺらぼう。
おにいちゃんよりおおきい
だいだらぼっち。
ほんとうに、おにいちゃんよりおおきい?
にじこ、そんなのみたら
こわくてにげだすの。
わーい!
おっきーい!
こわーい!
おにいちゃんいじょう、ふつうじゃない。
だいだらぼっち。
だけど、
おにいちゃんみたいにやさしかったら
おともだちになる!
あそんであげる!
かぞくになる?
にじこには、おにいちゃんがいるから
そんなにたくさんいらないの。
だから、
だいだらぼっちは、おとうとにしてあげる。
おおきなおばけ。
やさしいかな?

いろんなところから
でてくるよ。
おばけ。
なつだから、
どこからでも。
うみから
やまから
とだなから。
あのね、
ほたおねえちゃんがね、
うすぐらいパントリーの
たべものをさがしていたら
しーんとしていて
ものがおおくて
くらがりのむこうから
なにかが、
きゃーっ!
でてきそう。
だって。
おうちにいるおばけは、
おねえちゃんたちがしってるのはね、
えっとね、
パントリーと
うらやまのおいけ。
ちっちゃい、おいけ。
なにかいそうだって。
ざっそうがしげる
くらいえだのかげ。
ふんいきがあって
ゆうれいがでそうだって。
でも、このまえみにいったらね、
ひあがってたよ。
ゆうれい、どうなったの?
しんじゃった?
あしたは、あめがふるって
みはるおねえちゃんがいうよ。
おいけのみずがもどったら
ゆうれい、いきかえる?
おいけのおばけ。
かえってきてくれるかな?
どこにいるかわからない、おばけ。
にじ、まだみたことないの。
しょうたいをしってるよ。
おばけはね、
ひゅーどろどろ。
うらみがあるから
でてくる。
うらみまーす。
やりのこしたことがあるの。
きつねのおばけは
あぶらあげをたべたくて
でてくる。
こどものおばけは
アイスをたべたくて
でてくる。
ひどい!
そんなことで、ひとにめいわくをかけたら
いけないの。
じょうぶつしてください!
それから、
いもうとのおばけは
おにいちゃんとあそびたくて
でてくる。
わーん!
そんなの、かなしいよ!
とってもかわいそう。
じょうぶつできないよ。
だからね、
おばけがでたら
おにいちゃんが、おばけのおにいちゃんのふりをして
あそんであげたらいいとおもうの。
おにいちゃんは、せかいいちのおにいちゃん。
おばけだって、こんなおにいちゃんができたら
ちょううれしいよ。
パントリーに、おばけをさがしにいこうよ!
あそんであげようよ。
にじこもね、
おにいちゃんとあそべなかったらかなしいから
いまのうちにあそんでおかないと
きっと、ばけてでます。
だから、くいをのこさないように
おねえちゃんになっても
おかあさんになっても
おばあちゃんになっても
おにいちゃんと、ずーっとあそんで
おばけにならないと
おもいます。

氷柱の偽日記

『大雨』

各地で大雨の被害が出ていると
ニュースでも、天気予報でも注意を促している。
うちでも、いざというときの対策を
話し合っているわ。
災害はどんな形で起こるかわからないけれど
ある程度の予想ができて
備えが可能な限りは、備えておくべきもの。

この家は高い位置にあるし、浸水の危険も少ないと思う。
裏山も崖崩れの心配などはそんなにしなくていい。
もしも大雨が降って、幾筋も分かれるアマゾンの川のように
雨水が流れてきて
そこらじゅうが洪水みたいに見えていても
被害が大きく広がるということはない。
水はけはいいみたい。
自然が残っているほうだからかな。
だから、大雨で大変な事態が発生する心配は今のところなさそう。
もちろん、過信は禁物。
有効そうな対策は、いざというときの避難経路を
確認しておくことかな。
これは、いつでも大事。
それから、もうひとつ心にとどめておく
大事なこと。
情報を正確に把握して、
危険な場所には近づかない。
絶対に。
雨で増水すると、堤防を越えて氾濫する場合もある
大きな川や、海辺。
そういうのは、この近くにはないみたいだけど
もし急な大雨のおそれがあったら、
ニュースをチェックして、危なくなりそうな場所から
すみやかに離れること。
安全が確認できる場所で、冷静に待機。
ましてや、普段と全然違う嵐の風景を
好奇心で見に行くようなことがあったら
柱に縛り付けてでもやめさせなくちゃ。
うちは、台風でテンション上がる子も多いようだし
冒険好きな子も多いようだし。
小さい子は、言い聞かせてもなかなか止まらないものだけど
こればっかりはいくらなんでも。
しっかり見ていなくちゃ。

とは言っても、急に警戒するほど
そんなに降らなかったわね。
この近くでは。
一日を通して、しとしと、降ってはやんで、
気がついたらまた降っているようだわ、っていう。
細く降る雨の気配に
当たり前のような半袖にも少しの肌寒さを感じて、心細いような。
実はそんなこともなく、重ね着をするってほどでもない。
ムシムシした湿度の高さ。
いつ大雨に変わってもおかしくない灰色に垂れ込めた雲。
今日は過ごしやすいというわけでもなく、
といって、あんまり降ってきても困るんだし、どっちつかず。
夏の夕立なら、さーっと降ってくれた後は
きっと涼しい風を感じるのだろうけれど
このところの天気は、そういうのとは違うんだし。
急に降ってすぐ晴れるというものじゃない。
家の中で寝転がって、気長に待つのがせいぜい。
何をするにも集中力に影響が出る、はっきりしない天気。
そうしたら、何か家の中が騒がしくなって
みんながそれぞれやりたいように遊び始めた。
今日はやっぱり、蒸し暑さを感じて息苦しい子が多かったのかな。
遊ぶときくらいは身も心も解放的に、要するにやりたい放題。
雨空の不快な暑さを乗り切るために
水着のファッションショーだって。
まったく。
もうすっかり水着の季節。
今日もこんなじめじめした日でなかったら、
庭にプールを出して、水しぶきを跳ね上げていたのかもしれない。
家族で海にでも出かけていい、
今こそ水着が本格的にまぶしく輝いたっていいシーズン。
でもそれは、家の中で変にハメを外してもいい理由にはならない。
本当ならたしなめなければいけない騒ぎも、
今日はそんな気分でもなかったから
はしたない格好で過ごす姉妹は、そのままほったらかし。
露出の多い上半身に、薄い普段着を羽織っただけの半袖で、
無理に日常的に過ごそうとしているアンバランスに
一言の忠告が喉から飛び出そうとするのをどうにか我慢しつつ
やり過ごしたちぐはぐな風景。
もうちょっと元気が出る日なら、黙ってなんておかない。
知らないうちに、夏の暑さに疲れてるのかな。
気崩した服装の揺れる短いスカートに、
下僕は動揺していたみたいだけど
別に中が見えたところで、期待に添えるお色気は
誰も提供してくれないから。
ただの水着だから。
残念だったわね。

そういえばこのあたりでは、夕立もあんまり降らないわね。
暑さに汗まみれになりながら日暮れまで過ごす毎日。
たまにはこんなじめじめじゃなく、ニュース規模の天気でもなく
一日の熱を吹き飛ばす、それなりの恵み。
こういうのがあってもいい、っていう夏の風物詩も
時々は来るものだと思うけど。
まあ、積乱雲の雷がゴロゴロ鳴り出したら
妹たちは怖がって泣き出すし、
身を縮めてぷるぷる震えて、
さらに、こんな時にでも頼りになればと
家族唯一の男にここぞとばかりにべたべたする
ちゃっかりものが必ず一人は現れるし
ないものなら、なくてもいいか。
急な夕立につきものの、突然の閃光。
雷なんて、そんなに落ちないってわかっている。
怖がるほどのものじゃない。
大きな音で鳴っていても、たいていはすぐ近くってわけじゃないんだから、
落雷の事故だってそうそう起こったりしない。
万が一の場合も、大事故にならないように対策もしてあるものだし。
雷なんて、理屈でどうにかなる問題であって
私はいいとしても。
ちっちゃい子が怖がるようなものは
なるべく多くないほうがいいから。

海晴の偽日記

『お白洲』

昨日まで雨雲を呼んでいた不安定な大気は移動し、
私たちの住むところにもまた、
太陽の輝く夏休みの一日が帰ってきました。
今後しばらくは、またはっきりしないお天気の予報。
晴れ間はしばらくお預けになるかもね。
まぶしい夏の休日を、充分に楽しんだ?
後から二度とやって来ない、少年少女たちのひと夏。
歳をとってから後悔しないように、
しっかりと経験をしておくこと。
特に、私たちの家に来てくれてから間がない
弟くんには
貴重な夏休みになるかも。
青春時代のきらめく記憶の、その中でも
ひときわ燦然と思い起こすことになる一幕。
私は──
家族たちと過ごした学生時代の夏休みを
これからも忘れることはないと思います。
振り返るには、今はだいぶ忙しい日々。
めまぐるしく過ぎる社会人一年生の生活に、
まだ、懐かしく思い返す余裕はなかなかない。
それでも、時々まばゆい日光がひらめくと、
同じように良く晴れた日、
暑い暑い、汗が噴き出す気温に
妹たちと一緒に入ったビニールプールの冷たい水しぶきが、
今も私の手のひらに感じられるかのように
蘇ってきます。
私の大事な思い出のひとかけら。
だからやっぱり、夏はこのくらいの暑さであって欲しい。
あの時には、キミはいなかったね。
ちょっぴりさみしい。
そんな19歳の夏。
いいえ、まだこれから。
うん。
うんうん。
忙しいといったって、まだまだまぶしい思い出を作るには
遅くない年齢だし
いいよね?
目の前にあらわれたのは、
やっと出会えた本当の家族。
生まれたときから決められていた通り、
日々を過ごして、特別な時間を積み重ねていく
大切なパートナー。
これから一生を共にする、かけがえのない人。
の、一人。
もう少し、思い出作り重視でも
若いお姉ちゃんは
全然大丈夫な年頃だと思います。
それで、相談なんだけど。

今日は氷柱ちゃんは、怒ってたね。
さすがに、毎日家の中がこんなになっては
見過ごすことはできないって。
だらしのない格好、
なぜか着っぱなしの水着。
若い盛りの女の子が、
もうためらわずに解放感を求めています。
暑さで体調を崩すのが一番の心配とはいえ、
それは水分補給や夏バテ対策の栄養管理、
汗をかいたときの適切な着替えで対処するもの。
裸族になることで暑さを耐えしのぐ方向は、
氷柱ちゃんの理性がある限り
認められません。
そんな具合。
まあ、女の子がこんなに
人体のどこもかしこも肌を丸出しにしていては
いくら真夏とはいえ、おなかを壊してしまうかもしれないし
それに、男の子から見ても女の子から見ても
照れちゃうな。
いやーん。
こんなにすべすべ肌色率の多い家庭では
なかなか普段通りの日常は過ごせないわ。
かといって、氷柱ちゃんの提案するような
プール以外の水着着用禁止令──
も、ちょっとどうかと思う。
禁止したって、暑いのは変わらないんだから
年上の人の目が届かないところで薄着で涼むようになってしまったら
体調管理に目が行き届かなくて、なお危険。
許されるか許されないかの問題ではなく、したいことは相談してくれなきゃ。
気持ちを押し込んで隠してしまうなんてことになったら悲しい。
だいいち、
見ているほうが動揺しちゃうからって
実はそんなに嫌でもない、
かわいらしい水着が花盛りの
刺激的な光景。
時々は、いいんじゃないかな。
本心を言うと、いつだってこんな華やかなのって
なかなかないすごいことじゃないかな?
私だって参加してもかまわない?
限りある夏を、楽しく過ごす一工夫。
禁止なんて違うと思う。
私たちが家族としたいことは、
お白洲に引き出して桜吹雪を見せ付けることじゃない。
たぶん神様は、私たちにできるだけのことを
この世界に与えてくれています。
どんなことも、私たちが選んで生きていける。
正しい経験も、
ちょっとした冒険も、
とても許されないようなことだって、
思うようにと任せている。
この世界に、こうして命を与えてくれて
私たちの自由の全てを、許しています。
それが、神様が私たちを愛することなのかもしれない。
と、ときどき怒ってしまうときに考えます。
私はなかなかそんなふうにはできない。
大切な人たちが、家族としてこれからもいられるように
放ってはおけない。
どうしても厳しくする場面もあるの。
お姉ちゃん19年目。まだまだ修行の真っ最中です。
四六時中ずっと水着の生活は、涼しいのは間違いないとして
どうしてもだらしがなくて、けじめがつかないよね。
家族のみんなを考えて、私にできる提案としては
水着で過ごすことよりも、きちんとした生活を過ごすことが
さわやかで快適で、本当に気持ちがいいものだと、
私たちがそうして見せて、一緒の生活で実感してもらうことだけ。
かわいい服を選んでもいいし、涼しさを求めるなら相談しよう。
はりきっちゃう。
何も行き過ぎたことをしなくても、この日々は思い出になるはず。
暑さに負けそうでも、助け合って乗り越えていけるようにしたいな。
もし、キミに何かあったとき、自分の気持ちを隠さないで。
私たち家族は誰も、悪いことだからと裁いたりしない。
自分のことみたいに真剣に相談に乗るよ。
ちょうど、明日はアイスがお得な31日。
男の子は、アイスの好みを真剣に話すのは恥ずかしい?
なかなか言えない恥ずかしいことでもいいよ。
なんでも、おねだりがあるなら聞いてあげる。

夕凪の偽日記

『小学生は忙しい』

暑い暑い。
ねっ!

夕凪は毎日
暑くても元気に過ごしています。
夕凪が元気だと
お兄ちゃんが嬉しそうだから!
そうだよね?
それと、
暑さなんかに負けないで、
ついにやって来た夏休みを、たくさん楽しみたいから。
はしゃいで
遊んで
仲良くして
それでもまだまだ
夏休み。
明日もあさっても
ずーっと
夏休み。
いつか終わってしまう、夏休み。
今はそんな気配もなく、
ひたすら
夕凪の時間です。
朝起きてから寝るまで、
まるごと夕凪のもの。
本当は、楽しい夏休みの一日はまだ足りない。
日付が変わってから
また日付が変わるまで
毎日ずっと、夕凪のものにしたい。
どうして夏休みは、
夜遅くまでおきていていい
大晦日がないの?
どうして紅白歌合戦がないの?
そうだ!
夕凪、真夏の歌合戦を始めるよ。
AKB48メドレーも
さそり座の女も
あの鐘を鳴らすのはあなたも
歌って踊る!
でも、夕凪はそんなに遅くまで起きているわけにはいかないので
限られた時間を、もっとお兄ちゃんと一緒に過ごすために
もっと今日一日の楽しかった話を聞いてもらって
もっともっとこれからずっと愛し合っていくために
早口言葉の練習をします!
なまむぎなまごめなまたまご。
あおまきがみあかまきがみきまきがみ。
とうきょうとっきょきょかきょくきょかかきょかがかりきょかしんせいかきょかしんせいまどぐち。
早口でも伝え切れないことがいっぱいあるよ。
こんなに時間がたっぷりあって
いくら遊んでもまだ余裕なのに
どうして家族みんな、
夕凪に宿題のことばっかり聞くの?
大丈夫!
今日、同じクラスのお友達のところに遊びに行ったけど
集まったみんな、
夏休みの前は、絶対7月中に終わらせるって決意していたのに
ぜんぜん途中。
終わらせたのは、たったひとり。
すごーい!
えらーい!
かっこいーい!
偉い人の生まれ変わりじゃないの?
これはもう、神様か仏様?
ありがたやありがたや。
拝んできた!
少しは夕凪にも、頭が良くなるご利益があるかな?
吹雪ちゃんが言うには、
夏休みは、暑さで勉強がはかどらないからお休みになっているの。
ということは、夕凪は考えたんだけど、
先生がそれをわかっていて宿題を出すということは、
あんまり暑さに耐えて無理をしなくても、問題ない分量に
抑えられているはず。
休むときは休んでも大丈夫な量なんじゃない?
その気になれば、すぐ終わるよ。
だから宿題なんてまだいいと思うな。
それよりも、夏をどうやって楽しく過ごすか、
そっちのほうが大事だと思います。
毎日毎日、研究しないといけない。
小学生の夏休みって暇じゃないの!
今日は遊びに行って帰ってきた後、
星花ちゃんとキャッチボールをしたよ。
調子に乗ってくると投げ方も工夫を凝らすようになるので
変な方向に飛んでいくことも多くなります。
ふざけているわけじゃないの!
フォーク、スライダー、シュートを試して
夕凪大回転マホウ球を試して
キャッチボールのだいごみ。
だから、すっぽ抜けたボールが氷柱お姉ちゃんに当たってしまっても
よくあること。
ごめんなさいで許して。
氷柱お姉ちゃんに向かって投げたわけじゃないの。
たまたまボールが飛んでいった場所に氷柱お姉ちゃんがいただけだよ。
わかって、氷柱お姉ちゃん!
いつもはボールの飛んでいくほうには
なぜか小雨お姉ちゃんがいることが多くて
よく当たるの。
ボールって寂しがり屋?
人間が大好きなのかな。
でも、氷柱ちゃんが投げる球は、誰もいないほうによく飛んでいくよ。
荒野の一匹狼、氷柱ちゃんの球。
前にヒカルお姉ちゃんが言ってた。
スポーツは、勝ち負けが目的じゃない。
自分の中にある何かと向き合うもの。
だから大人に成長して、熟練のスポーツマンになったら
どんなプレーをしていても、必ず、その人らしさが見えてくる。
夕凪のボールは寂しがり屋。
スポーツが個性を発揮する場になるくらい、
しっかりした大人です。
じゃあ、もう、
夜遅くまで起きて、朝早く起きて、
24時間を夕凪のものにしていてもいいはず。
あのねー、お姉ちゃんたちが夜遅くまで寝ないでいられるのは
コーヒーのおかげだって聞いたことがある。
ミルクも砂糖も入れない、大人の味はそりゃ効くはず。
今日は勇気を出して、背伸びをして試してみるよ。
夕凪はこの夏、大人の階段をのぼってしまう。
星花ちゃんは、夕凪が晩御飯の後でお風呂に入ると
遊び疲れて湯船で寝ちゃうから目が離せないって。
たいてい寝ぼけてるから、そのまま星花ちゃんに引っ張って行ってもらって
そのままベッドに入るところを、
お兄ちゃん、今日はお風呂に一緒に入って、もしどうしても寝そうになったら起こして!
コーヒーの効き目を見てね。
おねがい!

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