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海晴の偽日記

『大掃除の続き』

年が明けて
私の仕事も始まって
もう、学校も新学期。

それなのに、
まだ大掃除が終わっていないなんて
そんなことがあると思う?

しかも、
霙ちゃん一人だけじゃなくて
立夏ちゃんもそうだし。
ついつい、みんなのお世話を優先したい
蛍ちゃんや、氷柱ちゃんまで。
でも、部屋の整理整頓をそんなに気にしないヒカルちゃんが
きっちり大掃除を済ませているのは
まめまめしい春風ちゃんが同じ部屋というだけじゃなくて
あんまり物を溜め込んで、増やさないほうだからかも?
だから蛍ちゃんも
どうしても片付けるものが多いみたいで困っているのね。
あんなによくできたかわいい妹なのに。
大掃除は途中で、どうも部屋は散らかっている真っ最中とのこと。
私は見ていないけど。
そもそも、蛍ちゃんと氷柱ちゃんが二人で結託して
他の誰にも部屋を見せてくれない状況なんだけど。
もうすぐだから、と言っているから
今のところは二人に任せておくことにします。

みんなの学校が始まってからはじめての
楽しい週末は
なんと、三連休が待っているというのに
私たちはどうも、大掃除の続きを
しなければならなくなりそう。
そんなことってあるのかしら?
このさわやかな一年の始まり。
さあ、新しい年に
まだ知らない未来へと
全力で
駆け出すぞ!
と、思っていたくても
足元はどうにも、散らかっていて
片付けの用事でいっぱい。
お手伝いを頼まれる子たちも
予定でいっぱいになっちゃった。
旅行している場合じゃなかったのかな……
でも、確か全員がきりがいいところまで進めていったはず。
もう済ませたか、
あるいは帰ってきてからでもすぐ終わるくらいだと
みんながすがすがしい顔で
新年を迎えていたはずなのに。
なぜこうなった?
うーん。
きっと、すぐに終わるはずと思い込んでいたのね。
大掃除って、なかなか時間の見通しが難しいものだし。
時間が空いたから張り切って片付けよう、という時は
あっさり終わってしまって、広くなった部屋で時間をもてあますことも
たまーに、
めったにないけど
たまにはあるから。
たいして時間がかかるわけはないと
思い込んでいたのね。
わかるなあ。
私も、掃除はそんなに得意じゃないほうだから。
あるいは、
旅行から帰ってゆっくりしようとしたその時、
思いがけない場所から
山のように積まれた荷物の山を発掘して
ええっ、この本は買ってあったんだっけ、
みたいなね。
ああ、編み物を途中まで進めてあったんだ、
みたいなね。
なぜか、ある程度進めてから放置した編み物が
最後まで仕上がることは少ないの。
最後まで進められるように余裕がある時期を選んだほうがいいのかな?
でも、何かと用事があるから、たいてい一度や二度は中断するものだし。
どうして春風ちゃんと蛍ちゃんは
きちんと編み物を最後まで仕上げられるの?
そのへん、編み物のコツがあるのか。
また別に、最後まで飽きないコツがあるのか。
一度しっかり聞いておいて
今年こそ、かわいい弟にセーターの一つでも着てもらって
海晴お姉ちゃんの腕で抱かれているみたいに
あったかくしてもらいたい。
でも、実際に腕で抱いているのが好きだから
それで、マフラーより自分の腕で抱いたら
満足してしまうのがいけないのかな?
寒くなったら
いつでも言ってね!
今日の夜から、急に気温が下がる予報なの。
今の時間、もうだいぶ寒くなってきているし。
このごろけなげに文句も言わず
霙ちゃんの片づけを手伝っているのはえらいけど。
片づけがはかどっているから、もう少しと思っても
あんまり夜更かししないで、早めに切り上げて
あったかくして休んでね。
それから、夜まで大好きなお姉ちゃんと楽しく片づけを続けて
なんだか盛り上がってしまって
深夜ならではテンションになってきて
なんだか楽しくて、もうちょっとこのまま話していたいと思っても
そんなのずるいから
早く寝ないとだめだよ!
私だって、部屋はあんまりきっちり片付いているというほどではないし
掃除の手伝いは、キミを部屋に招く口実にできそうだけど
私一人だけの弟クンじゃないんだから
そこはがまんしている。
一緒にいたいときは
おいしいお茶を用意して誘ったり
なんでも悩みを聞いてあげられる
ふたりきりの時間になるようにしたり
キミにとっての
世界にただ一人だけ、
特別なお姉ちゃんになりたいのに
部屋が散らかっているのが役得みたいになって
霙ちゃんはずるい!
そのうち、私の部屋にも片付けの手伝いに来てもらえたら
やっぱり、キミは苦労しちゃうかなあ。
むしろ私が君の部屋の掃除に行ってあげて、
って、掃除が得意じゃないからそれはダメか。
それに、そんな用事で部屋に訪れたとしたら
私は絶対に楽しんで
最初の目的を忘れてしまうわ。
キミといるふたりきりの大事な時間を
掃除よりも、もっと仲良く過ごそうとしてしまう。
そう考えると
実際に部屋が散らかっていて、緊急に助けてほしい霙ちゃんが
せっかくふたりきりでも、他のことをして遊んでいる余裕がないのは
あんがい気の毒な気もするし
やっぱり自業自得でもあるかな。
ともかく
今日あたりから寒くなるから、そんなに急いで片付けようとしないほうがいいと思うわ。
ゆっくりで。
連休は私も
手伝いに、部屋まで行くから。
霙ちゃんは抵抗すると思うけど
そんなわがまま言ってる余裕なんてないんだからね。
掃除しながら、きちんと説教を聞いてもらわないと。
もう私の大事な弟クンをひとりじめにするようなことはだめ、
って。

お掃除が得意な子は、春風ちゃんと小雨ちゃん。
だけど、誰の部屋がどれだけ時間がかかるのか
たぶん二人では手が回らない範囲だし
やっぱり連休は、家族総出になるのかな。
たくましい長男くんがいてくれなかったら
いったいどうなっていたことか、わからないわ。
まあ、
実際どうなるかはまだわからないんだけど。
キミがいてくれるからなんとかなりそうかな、っていう気持ちの支えがあります。
いったい、私たちの家族は
キミがやって来る前はこんなときどうしていたんだろう?
ずいぶん前のこと。
遠い遠い、今は彼方になってしまった昔のことね。
もう戻るつもりはないあの頃だけど
こうして大事な人がおうちにいて
活躍してくれる姿があまりにも頼もしいから
私たちの生活は、最初からこんな時間ばかりだったような気もして。
果たして本当に、遠く離れていた時期があったのかどうか疑問に思えてくる。
キミがいなくては成り立たない私たちの日々。
新年からいきなり、去年の後片付けから始まるのに
変かもしれないけれど
やっぱり今年も、私たちはキミがいないといけないなと実感している。
どうか今年もよろしくお願いします。
キミは今このときも、そしてこれからの一年もたぶんずっと
私たちの中心にいてくれる、この家族の支えです。
きっと、毎日重ねる時間の中で
私たちはにぎやかに過ごしながら
キミが大切な気持ちは、これからもどんどん大きくなっていくんだと思うわ。
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海晴の偽日記

『年の瀬』

今年も残すところ
大晦日のあと一日。

時間が経つのは
早いものね。

今月の初めに
まだクリスマスの足音も遠く耳を澄まして聞いていた頃、
あと一ヶ月、しっかりしなくちゃと決意した日から
何もしていないような気がするのに。
そんなことを言い出したら、
ちょうど一年前、
新しく迎えた年の初めに
今年は私も
いろいろなことに挑戦して、がんばるぞ!
と、決意したあの日から
まだそんなに時間は経っていないような気がするのに。

本当に。
ほんっとうに
早いものね。
明日が終わったら
新しい年が来ているなんて!
えー、
うっそだー、
やばい!
どうしよう、
焦っちゃう。
今年のうちに
何かしないといけない気がする。
やり残したことは
なかったっけ?
こんなときには
とりあえず片づけをして
一年分のたまった汚れを落として
新しい年を待つ気分になればいいかも!
おせちの準備を進めて
お正月を迎える準備が来たと
心構えができたらいいかも。
年末の年越し準備は
実は、三が日をゆっくりお休みする目的ではなくて
つい気がせいてしまう年末に
それなりにやることをした、という実感を得るためだったりして。
大掃除を済ませたら
新年はもういつでも来ていいよ!
って、気分になるもんね。
今日はいよいよ、おうちの掃除も大詰め。
一年間、私たちが生活してきたこの家に
感謝を込めて
すみずみまできれいにしたら
来年もまた気持ちよく過ごせるような気がして
みんなはりきっていました。
ぞうきんがけをして
窓拭きをして
お風呂の浴槽を磨いて
ついでに、今年も成長した伸びかけの体を
みんなまとめてすっきり洗って。
これは年末だからというわけではなく、ほこりだらけになっただけか。
家中のあちこちで
えいえいおう、
よいしょよいしょ、
うわーんお兄ちゃん助けてー、
声が響いていました。
キミもお疲れ様!
昨日のつまみ食いを叱られた立夏ちゃん、マリーちゃん、虹子ちゃんは
反省して大掃除をしっかり手伝うようにと言われていたみたいだけど
キミが先頭に立ってみんなを引っ張ってくれて
誰よりもいちばん活躍していました。
意外と夕凪ちゃんは、昨日は星花ちゃんがオトコマエに
おこづかいで買っておいたおやつを分けてくれたから
困った遊びに参加しないで済んだけど。
虹子ちゃんたちにも、星花ちゃんみたいに妹思いで気が回るお姉ちゃんが
同じ部屋の仲間で、すぐそばにいてくれたらよかったのに。
でも今日は、キミが妹たちの分も張り切って働いて
つまみ食いの罰なんて自分が引き受けるから大丈夫だよ、
と言っているみたい。
おうちに優しいお兄ちゃんがいてくれて、みんなうれしいと思うよ。
それとも、実は密かにキミもつまみ食いをしようとして
罪悪感があるからその分働いた、とかじゃあないよね。
いつもみんなの優しいお兄ちゃんだもんね。
うん、よくがんばったね。
よしよし。
小さい子たちにとって、優しくて頼りになる憧れのお兄ちゃん。
ちょっとうらやましくなるときもあるけれど
私は、こんなにいい弟を持った幸せ者。
お姉ちゃんと妹たちと、
どちらがうれしいかな?
昨日のおもちは、
春風ちゃんと蛍ちゃんが忙しいのも、もちろんあるんだけど
キミがいっぱいおもちを作ってくれたのが
うれしくてしょうがなかったから
おもちのことしか考えられなかったんじゃないかな、と勝手に考えています。
そんな気がするよ。
王子様がついてくれたおもち、
お兄ちゃんがついてくれたおもち。
誰の目から見ても
我が家でたった一人の、大切な男の子がおもちつきをしてくれたおもちは
あのときの勇姿がみんなの記憶に残るのと同じくらい
忘れられないような思いが込められた特別なおもちになったのかも。
キッチンはこまめに掃除をしていたようで、大掃除は早めに済んで
今日はついにおせち作りの仕事が
佳境に入っていました。
あとは明日を残すのみになった今年、
掃除ももうすぐ終わりそうだし
おせちも順調に仕上がりそうだし
お正月飾りの門松も、寒い風にめげずに
玄関に出すところを全員で囲んで喜んで、
どうやら、これで穏やかに新年を迎えられそうだな、
と、ひとまず落ち着いていたところに
この家はいったい何がはじまるか予想がつかないと
改めて思い知らされる、
やっぱり、いつものような私たちの年越しになりました。
初詣のスケジュールに意見がある子が増えてきて、
近い場所がいいとか
大きな神社のほうがにぎやかそうで行ってみたいとか
それと関係している話で
せっかくだし、ご利益があって有名なところに行きたいとか。
あと、晴れ着は今年もかわいいのを着せてねとか
そんな着慣れないものを着ていくのは面倒だとか
みんな言いたい放題の大騒ぎで、まとまらないったら。
それから、大磯旅行の準備でも
ホテルにずっといたら暇になりそうだから、遊び道具を持って行きたい子や
電車もバスも混んでいる時期には荷物を減らすのが先決だという主張もあるし、
行きがけにちょっと寄り道して箱根駅伝を生で応援できないかなあって
さすがにそんなヒカルちゃんの意見は、今年は予定になかったから今から言われても無理だけど。
氷柱ちゃんは、旅行に持っていく荷物をまとめようとして
ユキちゃんが寒い思いをしたらいけないからって
家中あっちこっち走り回って着替えを探してよっぽど疲れたのか、
こたつに入ってすやすや居眠りしていたし。
そんなところで気持ちよく寝てしまったら、びっしょり汗をかいてしまって
ユキちゃんよりも自分が風邪を引くかもしれないのにね。
心配するところがおかしいんだから、この子は。
隣でむにゃむにゃ寝返りしているあさひちゃんと
どっちが赤ちゃんかわからないくらい、
無邪気な寝顔だったよ。
あと、みんなまじめにお掃除をしてくれたし、
お外で遊ぶのはいいことだとしても
出したばかりの門松にサッカーボールが直撃して
変な倒れ方をしたせいで
よりによって一番目立つ真ん中の竹が真っ二つに折れてしまうし。
お正月飾りの目的はたぶん
愛する家族の健やかな成長を祝うことなんだから。
元気が有り余りすぎて壊してしまっても、怒るところじゃなくて、
むしろ、微笑ましく思えてうれしい気もするんだけど。
まあ、怪我をしたら大変だし
無茶な遊びをして、褒めるのもおかしい場面よね。
ボールを持ってしゅんとしていた子たちには、
一応、たしなめるくらいはしておいた。
ともあれ、
あんまり余裕を持って落ち着いて年越しできないおうちだなというのは
たった一日でずいぶん実感したわ。
もう!
そんなにぎやかな家族が
私のかけがえのない家族です。
今年もみんなといて、いろいろな出来事があったな、
まだ明日もいったい何があるのか、
大晦日になっても落ち着けそうにないけど。
一人一人にいっぱいお世話になって
たくさん助けてもらいました。
一緒に喜んだ思い出も、抱き合って泣いてしまった記憶も
あと一日になっても、まだ増えていくのかもしれない。
みんな、
まだ少し気が早いかもしれないけど
来年もよろしくね。
私はこの家族といられて幸せです。
それから、キミには特に
今年ずっとお世話になったお礼をしたいな、
いつもありがとう。
きっと来年もいろいろあると思うけど
よろしくお願いします。
キミが私たちと揃って過ごす年越しは、何度目になるかな。
年上の私でもまだ慣れた気がしないんだから、
女の子ばかりに囲まれていたら
とっても大変だよね。
こんな感じで、なかなかゆっくり落ち着いた年越しはできないかもしれないけど
今年もキミの本当の家族は、
おかげさまで、キミを中心にして
みんなで助け合いながら
元気に一年を終えることができそうです。
来年もまた、たくさんの出来事があると思うけど
私たちは家族なのだから
きっと離れることなく
一緒にいられると思います。
もうすぐ次の年がきても
また一年、どんな時も、お互いを思い合える家族でいられますように。
私は来年になっても、またその次の年も
いつまでも、この家族を愛しています。
私の大好きな家族。
みんながいつまでも幸せでいられたらいいね。
何事も起こらないように、なんて言ったら初詣に行って神様にお願いしても
なかなか叶いそうにない難しいお願いだけど
何かあったときには、
ううん、毎日何かあってばっかりの私たちには
頼りになる長男がいてくれる。
もうすぐ次の年が来たら
私たちみんな、一年をキミと暮らしていきます。
たくさん頼ることがあると思うけど
その分、私たちにもどんどん甘えてほしいな。
今年も一年、家族といてくれてありがとうございました。
お疲れ様!
来年も、私たちはずっと一緒だよ。

海晴の偽日記

『大きなちから』

お天気お姉さんの力でどうにかなることではないけれど。
寒い冬が来て、誰もが厚着を来て歩く町に
ぽつぽつと滴る冷たい雨が続くと、
一日の天気をお知らせする私も少しがっかり。
本当は、こんな季節だからこそ
毎日暖かい晴れの予報をお届けしたいのに。
日差しの少ない季節でも
せめてお日様がにこにこ明るく見守ってくれている時間くらいは
子供たちは元気にお外で遊んでいられて
大人の皆さんは、忙しい日々にひとときでも暖かい日差しを感じて
大変なことがたくさんの師走の毎日を、気持ちよく送っていけたら。
お天気の情報でしかお手伝いできない私の仕事。
曇り空の予報を伝えるのは、あまり得意ではないけれど、
でも毎日必要としてくれる人たちがいます。
がんばって正確に伝えたい。
お天気お姉さん一年生、毎日勉強中です。
明日から関東では、やや天気は持ち直しそう。
発達した低気圧による風には注意が必要ですが
時間があったら、久しぶりのお日様をゆっくり浴びてみてください。
うーん。
私は毎日正確にお知らせするお天気お姉さんより、
大好きな晴れの空を呼びこむように
夕凪ちゃんみたいにマホウ使いを目指したらよかったかな?
今度、大学でそんな授業がないか探してみるね。

三連休の初日、
もしかすると、いい天気も午後から曇りに変わる場所も。
お洗濯は早めに済ませると良いかもしれません。
蛍ちゃんがアルバイトの前に、張り切って済ませていくかしら。
残り一週間足らずになったパン屋さんのお仕事。
よくがんばっているね。
お疲れ様です!
クリスマスケーキの販売に人手がほしいから
24日と25日は立夏ちゃんが臨時のアルバイト。
ええと……
蛍ちゃん、もう少しの間大変かもしれないけど、がんばって。
蛍ちゃんになら立夏ちゃんを任せられるよ。
よろしくお願いします。
立夏ちゃんは、落ち着いてお仕事をするようにしてね。
それから、たぶん言わなくてもいいくらい元気な立夏ちゃんだけど
初めてのアルバイト体験、
はりきってがんばってください!
元気に仕事を終えて帰ってきて
楽しかったことも、時には失敗してしまうこともあるだろうけど
立夏ちゃんだけのおみやげ話を持ってきてくれるなら
それが一番のクリスマスプレゼントです。
あ、もちろん
私も、サンタさんには別にプレゼントをお願いしてあるから
立夏ちゃんからと、サンタさんからももらいます。
本物のプレゼントがもらえなくなる心配とかは気にせず
たくさん、たくさんの体験を、欲張りにおうちに持ち帰ってください。
私の弟クンも誘ってもらっていたみたいね。
キミが近くにいてくれたら、立夏ちゃんのことも安心なんだけど。
やっぱり、おうちの準備が気になるかしら。
もし、立夏ちゃんたちと働いてみるつもりがあるなら、注意してね。
24日はみんなの学校で終業式。
半日で帰宅できるのはいいけれど。
学校にアルバイトの申し込みをする人は、当日にも結構いて
かなり混雑する職員室。
霙ちゃんの忠告がなかったら、
立夏ちゃんも今日のうちに届け出ておいたかどうか怪しいわ。
キミも、もし終業式の日になってからアルバイトをすることになったら
遅刻しないよう、時間には気をつけて、余裕を持って届けを出してね。
もしも学校に黙ってアルバイトしたら、すごーく怒られるよ。
見つからなければいいなんて考えてたら、
そんな悪い子は、先代生徒会長のお姉様が許しません。
かなり説教されてしまう子、よく見てきたし。
反省文もかなりの量を書かないといけないし。
私も、友達や下級生が泣きながら反省文を書いているのを
生徒会長としてはなんとなく見るに見かねて
つい手助けしてあげたものだし……
大変なんだから!
生徒会長の仕事というのは。
あ、そういう話じゃなかった。
学校の先生に怒られると大変なんだから!
氷柱ちゃんのアルバイト先も、クリスマスは忙しくなりそうな洋菓子屋さん。
でも、ケーキの予約なんて全然入ってないから
どうせ当日も大して忙しくならないし
アルバイトはあんまりいらないって、本人は言ってるわ。
ヒカルちゃんは、そんなに売れないで大丈夫なのかなって心配している。
ちゃんとお給料が出るのかな。
あんなに一生懸命がんばっていたのに。
私たちも一つ買いにいったほうがいいのか、なんて。
もう。
氷柱ちゃんが、気を使っていらないうそをつくから
かえって家族に心配をかけている。
立夏ちゃんが自分のお店に来ても、何かあったときにフォローできないかもしれないから
頼りになる蛍ちゃんのお店でアルバイトしてほしくて、言ってるんだと思うの。
まあ、同じお店で家族が働いていたらやりにくいのもあるかもしれないけど。
確か何日か前は、氷柱ちゃんも家族を誘っていたの。
蛍ちゃんのお店もアルバイトを募集しているって聞いてから、
氷柱ちゃんの話すお店の様子が急に閑散としてきた。
家族がお店に来るのが恥ずかしい様子の氷柱ちゃんが、
それでも人手がほしくて立夏ちゃんたちをアルバイトに誘っていたくらいなのにね。
お店だって、助っ人を引っ張ってこようとしているのは氷柱ちゃんだけじゃないはずだし
どうしても人手が足りないという状況になることはないだろうけど
忙しくなりそうだから、ちょっと心配だな。
正直に、手伝って! って言えば
かわいい妹のために力を貸してあげたい家族はいっぱいいるのに。
このごろは、自分一人で何とかしようと考えているのか
黙りがちな横顔がなんとなく悲痛に見えるのは気のせいかしら。
当日は時間を作って様子を見に行くつもりよ。
まったく。
氷柱ちゃんも強情なんだから。
一人でどうにか解決できたらと考えることは、よくあるよ。
まだ若くて、自分ひとりでもせいいっぱい力を出せばなんでもできそうな
そんな年頃。
でも私は──
暗い曇り空に、肩を丸めて帰ってくると
おうちではそんな天気は忘れるくらいの騒ぎで、
どうしてこんなに元気でいられるのか、小さい子のパワーが不思議なくらい。
吹雪ちゃんは、とうとう霙ちゃん相手に根負けしてしまったのか。
それとも、大好きなキミが参加しているから興味があったのか。
明日はハンドベル部の活動を見に行くって
練習の本を熱心に読んでは、半分握ったこぶしをふりふりしてる。
本番は日曜日の夕方だから
練習期間は土曜日と、日曜日当日、本番までの時間。
私は見学だけであきらめたハンドベルだけど
簡単なパートとはいえ、なんとかなるものなのかしら。
今日も家族は元気いっぱい。
この冬も、やりたいことだらけ。
予定を決めた立夏ちゃんのアルバイトや、
おうちで家族のためにクリスマスの準備をがんばりたい子たち。
アルバイトの誘いを真剣に断ってきた春風ちゃんやヒカルちゃん、
お料理担当の小雨ちゃんや星花ちゃん。
みんなが元気で過ごしているのを見ていると、
曇り空でも落ち込んでいられなくて、
この家で一番力をもらっているのは私なんじゃないかと感じてくる。
いつも意地を張ってしまいがちな氷柱ちゃんも
私の力なんだよ。
本人は知らないだろうけど、
強がりを言ってしまう氷柱ちゃんを守れたらいいと願う気持ちが、
私が長女としてみんなを助けてあげられる力です。
そんなみんなを気にしてくれるキミも。
いつも家族のことを大事にしてくれてありがとう。
そんないい子に、
サンタさんもきっととびっきりのプレゼントを届けてくれると思うわ。
冷たい雨の厳しさを実感する、とうとう冬になりました。
日差しが物足りなくて寂しくて、暗くなりがちな季節を乗り切る力は
なかなか一人では出せないんじゃないかな。
できる人もいるかもしれないけれど
私はたぶん、それは無理なんだとわかっている。
みんなに助けてもらっています。
このにぎやかな家族のみんなに囲まれているから。

ついにはじまった本格的な冬を乗り切るために
どうか、これからよろしくお願いします。
それから、冬が終わった後も、ずーっとね。

イベント盛りだくさんのクリスマスシーズン、
そして、いよいよ冬休み。
みんなが毎日楽しく過ごせますように、祈っています。
どうか元気に、精一杯に。
ついでに私にも
そのあふれるエネルギーをいっぱいぶつけて
これからがんばっていく力をたくさんくれたらうれしいです。
みんな、風邪なんてひかないように!
家族で力を合わせて、冬を過ごしていこうね。

海晴の偽日記

『カレンダー』

リビングのカレンダーをめくると、
それは今年最後の一枚。
雪だるまを囲む厚着の子供たちのイラストと、その下には
あとたった31日分の数字が並んでいる。
その先で、カレンダーの最後に顔を見せた大晦日。

今年もついに12月になりました。

まだ早いかもしれないけれど
思い返してみる、
いろいろなことがあった一年。
お正月を家族で楽しく祝う始まりから
冬の寒さを助け合いながら乗り切って、
ようやく近づいてくる暖かい季節の気配を、みんなで喜んで。
そしてやってきたまぶしい夏の日々。
思い出がいっぱいの季節も
やがて過ぎて行き──
だんだん色を変える秋の景色を
大好きな人たちと並んで見つめて過ごしたら
今、冬の訪れと共に
一年が終わろうとしている。
新しい年を迎える瞬間が近づいている。
めまぐるしいほどの日々を過ごして
充実していたように感じる一方で、
まだ今年のうちに済ませておきたい
やり残したこともどっさりあるような気もする。
大掃除に悔いを残し、
時間を見つけて部屋の掃除を完璧に済ませようとした
新年のすがすがしい決意はどこへ?
飽きっぽい性格を直して
今年こそは、家族にセーターのひとつくらい贈りたかった!
少しは活躍できるようになっている予定だった
お天気お姉さんの仕事も
教わることばかりでまるっきり新米のまま。
足を引っ張らないように
必死でついていけたら上出来。
天気予報の仕事が増えそうな時期のあと一ヶ月で
もう少しは、成長できるのかしら?
責任を持って挑む大事なお仕事。
すてきな海晴お姉さんの天気予報を見ないと
一日が始まらないんだ!
そんなことを言ってくれるいい子は、
今、どこにいるのかな?
いないかしら?

それに、今年もわからないことだらけで、
毎日向き合うのに真剣だったのが
大事な家族の気持ち。
みんな、たくさんケンカもしました。
仲直りがなかなか上手にできないことも、たくさんあった。
今年もあまさずトラブルだらけ。
毎日大騒ぎをして、
暴走するほうも、
見守るお兄ちゃんお姉ちゃんたちも
いつまでも飽きないようす。
終わらないみたい。
とりあえずは一区切りが、もうすぐ。
来年はもう少し、大人らしく振舞える子が増えるかな?
みんなが新年に宣言する抱負が今から楽しみです。
私も、人のことはあまり言えないかもね。
今年をあと一ヶ月、
たぶん必死で、一生懸命走り抜けて
来年はどんな目標を立てるんだろう。
まだ私は知らない。
あとたった一枚だけになったカレンダーが
この家族みんなに、どんな時間をくれるんだろう?

さっそく、めくったそばから目に付くのは
すでに先月から日付にしるしがつけられている、イベントの予定。
幼稚園や、木花の生徒会も参加する教会のクリスマス合唱会。
そしてもちろん、蛍ちゃんや氷柱ちゃんが大変なお仕事を立派に終えて
家族みんなで楽しむクリスマス。
今日、新しく書き加えられたしるしは
来週の日曜日。
今のところは一番遅く決まったイベントなのに、一番早くやって来るのが
麗ちゃんの学芸会。
演目は、賢者の贈り物。
小さい頃から美人だった麗ちゃんだけど、
ついに目を付けられてしまったわね。
長い髪も、女の子として密かに誇らしく思っているらしかった。
女の子としては少しだけ変わっている趣味を大事にしている麗ちゃんとしては、
半分複雑な気持ちで、
でもやっぱり大事にしているようだった、長い髪。
みんなに期待されることになったのはいいこととわかっていても、
こんなことになるなら長い髪なんていらなかったのに、って
美人の顔を台無しにしてむくれさせている。
そんなふうに、家族にはもっと早く甘えてくれてよかったのにね。

演技が下手だから、恥ずかしくて誰にも見に来てほしくなくて
隠していた麗ちゃん。
本当は乗り気じゃないことを
誰にも相談できなくて泣いてしまうなんて
とても悲しいことだよ。
こんなに素敵な家族がいっぱいいるのにね。
弱音を吐いて、泣いてしまっても
みんな、そうしている。
家族に助けてもらっているんだもの。
この家に来て間もないお兄ちゃんもそうです。
キミもちゃんと、教えてあげてね。
大事なことを、たくさん。
麗ちゃんの来年の目標は、
なんでも素直に話せるようになることかしら。
つらいことがあったら、
もっと当たり前に、泣き顔を見せられるようになること。

それとも、今年のうちに達成できる目標かもね。
あんまり上手じゃない演技に初挑戦するのに
もしも劇がうまくいかなかったらどうするのかしら。
もしもうまくいったときに、うれしいって
誰に甘えるんだろう?
きっと、小さな胸のうちに抱え切れないことがいっぱいあると思うよ。

楽しいことも悲しいことも
家族がいるからいっぱいの一年。
泣いてしまうことはきっと、たくさんある。
これからもいっぱいある。
あと一ヶ月。
この一年の締めくくりの時間。
まだまだいろんなイベントが待っている一ヶ月に、
想像もしなかった特別なことがいっぱいやってくるんだろうと
それだけは、私には今から見えているよう。
何が起こるのか、それはまだわからないけれど。
でも、私はこの12月をどんなふうに過ごせるか
考えただけでどきどきしている。
みんなで助け合って、大騒動の日々を乗り切っていこうとして
今年の終わりを迎えるときに、
どんなに大変なことがいっぱいだったとしても、
大好きな人たちと笑顔を交わすことができたなら
それが一番の幸せなんじゃないかと
今からその日を楽しみにしています。

海晴の偽日記

『明日は』

蛍ちゃんのアルバイトは順調に続いている。
今日は、キミが晩ごはんの準備で忙しくて
私がお迎え。
蛍ちゃんの帰り支度を待っている間、
店員さんにイートインのコーナーに案内してもらって
サービスだからとコーヒーとパンまで。
なんだか悪いなと思ったんだけど
店員さんがお話をしたいみたいだったから
まあいいか?

この前まではお店の商品を憶えるための期間。
まだ見習いみたいなものだったけど
今日は、蛍ちゃんは厨房に入れてもらって
いよいよ明日からはパンを焼く作業を手伝うんだって。
一日ごとに、時間をかけてじっくりと
順調に仕込まれているね!
もともと、即戦力の実力を持つ蛍ちゃん。
20人きょうだいを支えて鍛え上げた力は
店員さんが思っていた以上に期待が持てるらしい。
あんまりお化粧したがらないのも、食品を扱うお店としてはポイントが高いみたい。
うーん──
若い子だからいいんだし、
いいことよね。

それから、蛍ちゃんに期待されていることがもう一つ。
駅前には、ほかに洋菓子の専門店もあって
クリスマスシーズンになると、そちらのケーキと競合する一部商品の売れ行きがあまり思わしくない。
秋を感じる季節は、栗やさつまいも、かぼちゃのパンがある。
でもクリスマスになると、この季節らしい味わいのパンをお客さんにアピールするのが難しいとか。
試しにクリスマスケーキを作っても、近い場所には専門のお店があってなかなか目立たない。
そこで、おうちで小さい子を相手に、お菓子作りの腕前を日々磨いている蛍ちゃんに
力になって欲しかったんだと。
すごい期待されているね。
本人は、そこまで大げさな話じゃなくて本当にお手伝いだけだと思っているみたい。
大変そうだけど、疲れているだけじゃないその顔は
毎回ステップアップしていくお仕事に、充実感があるみたいです。
まだ緊張してしまうところもあるそうよ。
初々しくていいな!
忙しくなってきたら、私たちみんなで蛍ちゃんを支えてあげたいね。

それから、おうちのほうはというと。
がんばっています。
お姉さんから、小さい子まで。
今日はキミとヒカルちゃんの手作り。
焼きそばがメイン!
明日は、チャーハンの予定!
焼けば何でも食べられる男らしい料理ということ?
でもないか?
豪快な味だけど、おいしいよ。
明日は私も休日。
お手伝いをするね。
こう見えても、春風ちゃんと蛍ちゃんが大きくなるまでは
家事を担ってきた実績があります。
自分で言ってて、こう見えてもってどういうことよと思ったけど
まあ、今の私からは想像がつかない姿かな。
可憐なエプロンを付けて、ちゃきちゃきとマメに立ち働く姿。
よくやってたなあ。
自分でも感心しちゃう。
その時は、ママも家にいたけどね。
あと、春風ちゃんや蛍ちゃんがお手伝いをしてくれると
すごーい!
えらーい!
褒めていたら、どんどん張り切る二人だから
なんだか私がおだてて働かせて、自分は楽をしているみたいな光景になってしまう。
そんなつもりはないんだけど……
今思うと、ずいぶん楽をさせてもらっちゃったな。
今はなかなか愛する家族に、こんな身近な形で貢献する場面がない社会人一年生。
そして、大学一年生。
忙しく過ごす日々を、一日くらいは忘れて
かつての経験を家族のために活用します。
腕がなまっていないといいけど。
勘を取り戻すのに時間がかかったらごめんね。
あんまり頼りにならなかったら、
お手伝いだと思って、何でも言いつけていいから。
はい。
がんばります。
そういえば、キミがリーダーシップをとっているって聞いたよ。
キッチン。
春風ちゃんが参謀を担当してくれるという理由もあるかもしれないけど
意外とこんな時も頼りになる男の子。
それでかな──
氷柱ちゃんが相談に来たのは。
たくましい長男でも
始めたばかりのお料理も大変なんだし
みんなの悩みに気を配るのも難しい。
キミが氷柱ちゃんにひどいことを言うはずはないって知っているけど──
ときどきデリカシーが足りないこともあるかなとは、
私も思います。
悩んでいたというか、
落ち込んでいたというか、
怒っていたのかな、
気持ちの整理がついていないというのかな?
あんな男と一緒に料理なんてやっていられない、
自分が本当に出来ることが何なのか考えているんだと
私に相談に来た話。
さっきの話にも出たケーキ屋さん。
あそこは自社工場で作ったケーキをお店に並べているの。
でも、料理がぜんぜんうまくいかない状態では仕事にならないような気もするけど。
クリスマスシーズンに向けてアルバイトを募集しているから
あのお店で働いてみたいと言ってきたよ。
家事をしても失敗が多くて、迷惑をかけているって考えているのかな。
がんばっている蛍ちゃんを近くで見ていてうらやましくなったとか?
それとも、よくお迎えに行くお兄ちゃんを
蛍ちゃんに取られちゃったみたいで対抗したいのかも。
ライバルのお店を選ぶんだもんね。
本人の考えもまだまとまっていないみたい。
私から出した条件は一つだけ。
一晩ゆっくり考えて、もし考えが変わらなかったら、と。
明日は面接に行くつもりみたいよ。
私は、あんまりできることがなくても焦らないでいいって言ったんだけどね。
それじゃあ納得いかないのが、あの子の性格みたいだし。
なんとなく、すぐにクビになってしまいそうなかわいそうな想像をしてしまうんだけど。
いくらなんでもあんまり向いてないんだし。
でもそんなことを言って、素直に考え直すと思う?

海晴の偽日記

『お姉ちゃん』

商店街のハロウィンイベントがはじまったのは
ほんの4、5年前。

その頃、大人に憧れているばかりで生意気だった私は
はやりに乗ってハロウィンなんかはじめるなんて、
なんて軽薄な商店街なんだろう!
と、全然興味もなかった。
お菓子と言われても別にねえ。
うちの春風ちゃんのおやつを食べたら
どこにもない一番のおいしさは、家族だけのものだって気がつくはず。
ハロウィンのありきたりなお菓子なんか全然かなわない。
どうでもいいイベントだと、春風ちゃんが家族にいればすぐわかると思うけどな。
でも春風ちゃんを他のおうちになんてあげないけどね!
と思っていた。
家では参加したい子が多いから、仕方なく行っただけ。
だけど、まだ中学生になったばかりの春風ちゃんが
化け猫の肉球手袋にお菓子をたくさん乗せて戻ってきたときの笑顔に
まあ、いいか。
こういうイベントもあっていいんじゃないかなって。
変に自分の考えにこだわって、意地を張ってこわばっていた心が
すーっと気持ちよくほぐされていくような──
と言っても、肩こりに縁のないまだ若いキミにはわからない例えかな。
とにかく、ぶつかってみて感想が変わることは良くあるんだなとわかりました。
いい歳の大人なのに、経験してみないとわからないことがまだいっぱいある。

今年のハロウィンは、私も参加するよ。
一般参加で。
町の普通のお姉さんとして。
商店街をおなじみにしているお客さんとして。
お天気お姉さんの顔はこの一晩は封印して。
これでも芸能人だから、主催者側に巻き込まれてしまいそうになっている。
芸能人だからというか……
もともと、顔なじみだけで行うイベント。
仮装していても結構わかるくらい、近所の人ばっかりの
ゆるーいイベント。
細かいルールも別に必要なかった。
知ってる子の笑顔が、この日はちょっとたくさん商店街を歩いている
それだけの、私たち地元の人にとってのぜいたくなイベント。
気がついたらここ数年は、だいぶ知らない人が増えてきた。
にぎやかになるのはいいことなんだけどね。
主催者のおじさんたちは、毎年のイベントに張り切って
今回はお菓子を大放出したいって、お買い物のときの世間話に相談してくれたけれど
思っているより大勢の人が集まるイベントになってきたので
何も考えずにお菓子を配っていたらすぐ足りなくなるんじゃないかな。
人が増えると、決まりごとが必要になるのは
私たち家族でなくても同じ。
まあ、私たち家族が他の家とは少し違う決まりごとが必要だってことは感じるけど。
おやつをわけるときだったり
大事だって気持ちを、みんなに伝える手助けになったり。
ね。
でもなんでおじさんたち、そんなに私の意見を聞こうとするんだろう?
仮装コンテストの表彰やビンゴゲームは
前に世間話で提案したら本当になったなあってびっくりしたけど、たまたまだよね。
別に私が言ったから実現したってわけじゃないよね?
このハロウィンに関しては、私は一般人だし。
そんなふうに不思議に思っていたら。
ハロウィン当日に配るチラシの話になって
商店街のおじさんたちの仮装を並べて
この人たちをさがしてみよう!
たくさんお菓子をくれるかもしれないぞ!
と、主催者自ら盛り上げようとするたゆまぬ努力というか
ノリがいいというか。
チラシの下書きを、今日もらったの。
ふーん、こういうのも楽しそうでいいわね。
でも女の人も参加してくれないと、麗ちゃんみたいに声をかけにくい繊細な子もいるんじゃないかな。
奥さんたちは事務を担当しないとならないから、難しいかな?
お子さん連れでいらしてくれるお母さん方がたくさんいるからそのへんは問題ないのかな。
ぼんやり考えていたら
海晴さんも当日はよろしくお願いします。
えっ。

いえいえ、主催者でもない私なんかがでしゃばっても。
いえいえ、海晴さんも主催者として企画を提案してくださって。
えっ。
そもそも、ハロウィンをしたいと申し出たのも
海晴さんでしたね──
さすが芸能事務所の娘さんは違いますね。
その海晴さんが今ではテレビでお仕事を見かける立派な方になって。
また今年も力を貸していただいて
商店街の誇りです!
何を言われているのかちょっと頭がぐるぐるしてしまったんだけど
どうも昔、私が言ったことが全ての始まりらしい。
商店街のハロウィンパーティ。
たぶん何も考えていない軽い冗談だったと思うの。
だって全然憶えていないんだけど!?
じゃあ、
世間話のつもりだったあれもこれも
全部真面目な相談のつもりだったんだ。
そういえば、夏が終わって水着を着る機会がなくて寂しいと話したら
ハロウィンイベントで寒中我慢大会を開催して
水着の参加を優遇していた年があったような。
こんな偶然もあるんだなって無邪気にはしゃいで立夏ちゃんを応援していたんだけど
きゃあー!
じゃあ、今年の目玉の仮装コンテストが盛り上がらなかったら
私にも責任があるってこと!?
そんな大事なこと急に言われても!
ちょっと待ってよー。
それならもっと真面目に答えていたわよー。
ど、どうしよう。
やっぱり私もハロウィンを盛り上げるの協力しなくちゃまずいかなあ。
適当に受け答えしていたら、商店街がさびれてしまいました!
うわあー!
むりむり!
責任取れないよー!
そんなにアイデアマンじゃない、
お天気が好きなだけで、どちらかというと地味なタイプの海晴なのに。
いやまあテレビに出演して笑顔をお届けするのは嫌いじゃないんだけど。
どちらかというと大好きなんだけど。
お天気って生活に密着した大事なものですと伝えられる仕事は、やりがいがあるけれど。
でも、
もちろん愛する家族がいちばん大好きで、いちばん大事なの!
とにかく、イベントを盛り上げる責任重大な役割を任されたって……
私は家族と参加したいだけなんだから!
思わずチラシの下書きをもらって帰ってきてしまって
明日には仮装する私の写真を届けて、ここに並べてもらうことになったんだけど。
じっくり考えたの。
おやつを食べながら、
晩ごはんを食べる時間までうわのそらになりながら
じっくり考えたんだけど。
もし私がお菓子を配っていたら麗ちゃんは参加しやすいか迷ったりもしたけどね。
一般参加させてほしいから、って断ることに決めたわ。
ごめんなさい、商店街の皆さん。
ハロウィンを盛り上げてくださってるのはとても苦労が多いことだと思うし
感謝はいっぱいです。
協力できることがあればしたいのはやまやまなんですが。
私、やっぱり──
一番好きな人たちと歩きたいよ。
今回は許してください!
がっかりさせてしまうおじさんたちの顔が今から目に浮かぶようで、胸が痛いけれど。
麗ちゃんのことは主催者になって引っ張るより、となりで手をとってあげたいな。
キミも、こういうイベントは子供っぽいと思う?
私みたいに楽しみにしていてくれるかな。
当日は保護者の立場になりそうで、苦労も多いかもね。
もし大変なことがあったって、お姉ちゃんはそばにいる。
いつも私はキミのすぐ近くで一緒にイベントを楽しんでいると思います。
どんなときも、頼ってくれていいからね。
私もキミがいてくれたら心強いんだよ。

海晴の偽日記

『帰宅』

本人は内緒にしているつもりでも
駅からの帰り道に、ときどき見つけてしまう
麗ちゃんのお気に入りの場所。
待っていると、通過する電車がよく見える。
たたずんでいるその背中。

何か困ったことや、人に言えないようなこと。
自分で一人で抱え込む気持ちになってしまうつらいこと。
誰に話したらいいのかもわからない
本人だけの大きな問題や、ありふれた小さな出来事。
ただ普通に過ごしているだけで、
誰にでもどんどん増えていく重荷を
ひとときだけ肩から下ろして
自分の気持ちの中だけでも整理したら
また背負いなおして、歩き出す。
なんでもない立ち止まる時間が、
好きなものがそばにあるだけで大切になる。
それは必要なことなのか、こちらとしてはもう少し頼ってもらいたいのか
あとで正面から顔を見て話しかける言葉を考えながら
肩を落とした背中に声をかけないで通り過ぎる。
一人きりで気持ちを見直す時間が欲しいときは、誰にでもある。

私の小さい頃は、そういう時間はあまりとれなかった。
もっと気になっていたのは
自分よりも少しだけ小さな家族たちの姿。
せいいっぱいに伸ばした手足と、丸まってしまう遊んだ後。
夢中になっていたのは、いつでもくるくるする表情。
きらきらした真剣な瞳にひきつけられて
いつも近くで見つめていたくなる。
私もまだ、あんまりしっかりしていなかった時代。
逆にお世話をしているつもりの私が助けられるのが当たり前だった。
それは今でも変わっていない部分があるけれど。
ときどき一人きりで調べる天気図の上。
指先でうつろいゆく天気に、妹たちの顔を重ねている。
晴れたとき、くもったとき、いつでも見ているからすぐに浮かぶ。
さみしいときも、私が一緒にいてもらっていたようなものだった。
だから気がつかなかった。
妹たちが自分だけのものと思ってしまう悩みを抱えたときに、たまにひとりで考えたくても
私はあまり力になる手段がないということ。
一人でいなくてもいい、どんな形でぶつかってきてくれても頼って欲しいと
それだけを願ってしまうのは、繊細な子には厳しいお願いかな。

今日の麗ちゃんは、一人じゃなかったよ。
秘密にしていた大事な場所に、夕凪ちゃんを連れてたたずんでいた。
夕凪ちゃんは、どうして自分が連れてこられたのかよくわかっていなくて
きょろきょろ。
帰ってきてからも、麗ちゃんの寄り道に付き合ったみたいな報告をしてくれました。
でも、たまたま見かけただけなのにわかってしまう。
思うことがあるときに一人になりたくて来る場所に、
どうして自分以外の誰かを連れてきたのか。

サーカスを招いたのは
アミューズメント施設の三連休のイベントのひとつなんだって。
開催の日は土曜日。
他の日は体育の日関連のイベントが続くから、前夜祭みたいな感じ。
たった一日だけで終わってしまう
夢のようなきらめく体験。
光り輝くライトと、集まった人たちの熱気の中で
後になって幻と区別がつかなくなってしまう、目に映るもの全てが華やかなショータイム。
いつもの日常とはほんのちょっと離れた世界にいるような、魅惑の時間です。
その一日が過ぎ去ってしまうと、どうしても旅立ってしまうサーカスのみんな。
せっかく仲良くなったちゃちゃちゃんも、明日限りでお別れの約束。
夕凪ちゃんは、明日のサーカスが楽しみでまだ気がついていないのかもしれないけれど
麗ちゃんはわかってしまったのかもしれない。
敏感に、気配を感じてしまった。
遠くに離れてしまった後に、残された人の気持ち
想像できてしまったんじゃないかな。

夕凪ちゃんを慰める役目は、氷柱ちゃんも見過ごしていられないみたいだし
星花ちゃんも仲良しで、よく一緒だもんね。
麗ちゃんが気にしてあげているのは、よく道案内で動物病院に付き合ってあげているからかな。
家族のことを幸せにしたいけなげな子が増えて、
悲しいときに、どうすれば立ち向かえるのか教えてあげられる。
別に私がどうしてもしなければいけないわけじゃないことは知っている。
でも、私も手助けしてあげたいのに、何もできないのはやっぱりつらい。

本当は悲しむことじゃないはず。
ちゃちゃちゃんはやっと家族と出会うことができて、戻っていく。
これからも離れないでついていける。
せっかく友達になれた夕凪ちゃんと別れて、さみしく感じるときがあっても
夕凪ちゃんと同じように励ましてくれる家族がいる。
それはたぶん、私たちとは違うやり方になるだろうけど
そのおうちの大事なことを教わっていくはずです。
見送るときには、もう会えないかもしれないさみしさを思うより
友達が大切な家族とまた出会えて、一緒にいられる幸せを喜んであげたい。
もしかしたら、お別れのあいさつをする機会はないかもしれないの。
公演のあとはすぐに出発するからと
今日、ちゃちゃちゃんを引き取っていったサーカスの人が
夕凪ちゃんではなく、私に教えてくれました。

サーカスの開演は、土曜日の夕方6時から。
我が家でもみんなで見に行く予定だよ。
ひとときの夢の時間、
私の家族たちが楽しんでくれたらいいな。
もう二度と見ることがないかもしれない、まぶしすぎるステージ。
ずっと忘れられなくなる出会いのひとつ。
私が家族に毎日もらっている大切な日みたいに?
そばにいるだけで一番幸せな、愛する人たちのしぐさと少し似ている。
あんなに華やかなのに、私たちのありふれた毎日とどこかで重なる。
いっぱい楽しもうね。
小さな子たちも、ここだけにある刺激的な出し物を待っている。
仲良しの友達が参加している、きっと自慢の家族たち。
ちゃちゃちゃんは、迎えに来てもらってとても嬉しそうにしていたわ。
あっという間に終わってしまう夢でしかないとしても
開幕の時間は、もう近くまで迫っています。

海晴の偽日記

『もうすぐ学園祭』

いよいよ間近。

学園祭が
今週末に迫ってきたわね。

いいなあ。
学生らしくて。
生き生きしてるね。
フレッシュだね。
まぶしいな。

お姉ちゃんは
もう戻れない
青春時代。

大学の学園祭って
それまでみたいに先生たちが指導しながらではなく
学生会が主体になって
もう少し大人の企画力。
タレントを呼んだりね。
私はまだ呼ばれないけどね。
こんな大きな活動もまた学生の形だけど
高校までの学園祭とは
違うなあ。
戻りたいっていうより
なんだか郷愁というか
ふるさとは遠くにありて、というか。
私も木花の出身だから
いま現役で学園祭の準備をしている家族を見ていると
とても懐かしい。
ああ、そんなことあったなあ。
入学したときは、先輩たちの活動を追いかけているだけだった。
やっぱり小学生とは違うんだ、ってずっと遠くに眺めていたら
いつの間にか自分たちが下級生を引っ張る役になっていると
急に気づいたときの、あの感覚。
自分はまだ、憧れだったお姉さんたちみたいほどは
全然立派になっていないのに
ある日、気がついたら同じ場所に立っている。
不安だけど、
できるかわからないけど
でも、やらなくちゃ。
そしたら、力が足りないから
なんとなく予想していた通り、失敗ばかりで。
思っていた以上にうまくいかないことが見つかって
泣きたくなったり
実際、泣いたりね。
妹たちと弟クンも
泣くことある?
その時は、恥ずかしがらなくていい。
私も通ってきた道だから、わかるよ。
うまくいかなくて
準備中はケンカもして落ち込んで
でも、乗り切ったときにちょっとわかりあえたような気がする
そんな友達がいたら
どんなに失敗だらけでも
苦しくても、それでよかったと思えるんじゃないかな。
キミとヒカルちゃんはそんなふうになれる仲良しだと思います。
このイベントを通して
私の大事な家族に、たくさんの友達が見つかることを
願っています。
真剣になって参加すれば
いい思い出になるよね。
がんばってね、と声をかけたい気持ちであって
お姉ちゃんも
いーれーてー!
って言いたいわけじゃないのよ。
さすがに。
いくら楽しくたって
遊びとは違うもんね。
学園祭の準備っていうのはね。

だいいち私は大学の学園祭にだって
参加できないし。
忙しいです。
現実逃避をしている場合じゃない!
大学一年生の海晴は
お天気お姉さんの経験も一年生。
このごろは、あまりにも不安定な秋のお天気に
天気図と、流れの速い雲を見ながら
半泣きです。
初めての挫折?
予想していたよりもずっと大変な仕事だった。
お天気を伝える役目。
長年勤めている熟練の気象予報士さんと
話し合いながら予報をしているけれど
私の予報は間違ってばかりです。
あまりに悲しいので
しばらく家に引っ込んで
天気図だけ眺めて暮らしたい。
かわいい弟クンを抱っこして
モフモフするだけでお給料がもらえる仕事に就職したい。
でも実際にそんな仕事があったとしても
お天気お姉さんとして、やりたいことがいっぱいある。
毎日笑顔で大事なお天気を伝えたい。
まだまだあきらめたくないので
弟モフモフはアルバイトでやらせてください!
賃金が発生してなくてもかまわないから!
思えば、乗り越えられないと思っていた壁に
人生で何度もぶつかってきた。
必ず乗り越えてきた、なんてとても言えない。
挫折することのほうがずっと多かったかもしれない。
でも、後悔することがたくさんあっても
つらいばかりじゃないの。
未熟な自分が、必死にもがいただけの思い出であっても
あのとき、仲間と協力して作り上げた学園祭が
今の私を動かす力のひとつです。
がんばってね。
この歳になったら、もう経験できない
幼い時代のイベント。
今年の学園祭を作り出そうとしているみんなは
今は夢中でぶつかるだけであってもいい。
過ぎた後には必ず、残るものがあると
同じ学校を一足先に卒業した先輩から
励ましの言葉を贈りたくなりました。

海晴の偽日記

『二日目』

午前中には
地域の防災訓練に参加して。

お昼からは
行き慣れた商店街で
お祭りを楽しんで。

20人きょうだいの全員が
地元密着型の
お祭り二日目。
今日が夏休み最終日です。

楽しみにしていたお祭りが
どうしても晴れてほしいと願う
お日様むすめの
立夏ちゃんと、
うっとおしい雨が今日だけは待ち遠しい
追い詰められた麗ちゃんと、
運命の一日の行方は
はたして。

かんかん照りに
晴れたね。

ここ数日の天気図は
見習いお天気お姉さんの目から見ても
あーこれはしょうがないか、
せっかくのお祭りだけど
こういう天気だってあるよね、
長女としてはなぐさめの
優しい言葉の準備をしておきたいな

みんなより先を見通せる
大人の余裕のふりでいたら
まさかの晴れ。
お天気お姉さんの自信が
音を立てて崩れていきます。
プロの気象予報士さんと話をしていても
ここ数日の天気は予想が困難だったとのお言葉も。
おそるべきは、立夏ちゃん。
本当にそんな力があるの?
お天気業界は揺れています。
晴れてよかったね。
意外な展開でも、お祭りは晴れたほうがいいよね。
麗ちゃんはとうとう覚悟を決めて
蛍ちゃんの選んだシックなおしゃれ着も
熱い戦いを待って背中が燃えていました。
せっかくの機会で、もっといろいろ着てほしかったって
蛍ちゃんはぼやくけれど
本人の選曲が『待つわ』では工夫しづらいよね。
猫耳も似合わないし。
待つにゃんでは雰囲気出ないもの。
かわいいステージ衣装を期待していたお姉ちゃんも
もう!
麗ちゃんの照れ屋さん!
つっつきたくなりました。
でも、勇気を出して出演してくれてよかったな。
もう、いつまでもぐずっていた頃の
小さな麗ちゃんじゃないのね。
衣装選びで振り回されたり
選曲のことでまわりから意外だと言われたり
大変なことがいっぱいあったみたいだけど。
キミが気遣ってくれたのかな。
どうにかステージに立てました。
一緒に出演する仲間がいたし。
立夏ちゃんじゃなくて、同じ歌を歌う仲間。
本家の番組でも、二人組の出演が多い曲。
この曲を選んだって聞いたとき、
本当は麗ちゃんも、小雨ちゃんと二人で歌いたかったのかなと
私は余計な気をまわしたりしたけれど。
よかったね。
結局、あーちゃんがなぜか麗ちゃんから離れようとしないものだから
急遽、0歳との二人組で出演する許可を取って
そのことがあって奮起して
麗ちゃんに守ってもらってばかりではいけないと
浴衣の小雨ちゃんも飛び入りで
三人でステージに立って
あーちゃんも緩やかなステップに揺られながら
声を合わせていました。
0歳だから限度があるかもしれなくて
ずいぶん演奏からずれていたけれど
でも、あれは歌っていたと思うわ。
にぎやかなステージに立っているとか、どこまで意識していたのかは
私たちには分からないけれど。
かわいい三人組、がんばって歌っていたよ。
拍手も盛大でした。
審査員特別賞の発表の時に、候補として名前を出してもらったよ。
賞はもらえなくてちょっと残念だったね。
開催直前、予告なしで登場した特別審査員は
家族の誰にも事前の報告がなかった
そこそこ名前が知られている芸能事務所の社長さん。
ママでした!
地元のお祭りだからってことで招かれたんだって。
とはいえ、家族だからという特別扱いはしない。
麗ちゃんたちをひいきしすぎない、平等な審査が行われて
審査員特別賞は
会場を誰よりも明るく盛り上げた
立夏ちゃんでした。
実力で勝ち取ったものよ。
歌はともかく
会場が喝采のパフォーマンス。
さすがにチャンピオンは逃したね。
チャンピオンの子は歌がうまかったね。
でもうちの妹たちも、
かわいさでは全然負けていなかったと思います。
出演したみんな、お疲れ様。
応援していた家族たちも、大声を出して届くように。
みんな、がんばったね。
ステージで一緒だったあーちゃんにつられるみたいにして
花火大会の途中で眠ってしまった麗ちゃんと小雨ちゃん。
きっとすごく緊張していたんだね。
安心した寝顔でした。
花火がおしまいまで楽しめなかったのは
明日の朝、起きたらなんて言うかな。
ただでさえ大騒ぎになりそうな
二学期の初日。
全員がさわやかに、いい朝で始められるよう願っています。
お姉ちゃんは、少し朝早く出かけて
テレビの向こうから、家族に挨拶するよ。
キミもしっかり学校の勤めを果たしてきてね。
いよいよ始まる二学期。
何事も、初日が肝心です!

海晴の偽日記

『日焼け』

天気予報で
注意を呼びかける毎日が、
見習いお天気お姉さんに
戻ってきました。

テレビの前の皆さん、
暑さに気をつけて!
そんなとき
頭に思い浮かべるのは
大事な家族のこと。

大丈夫?
無理してない?

あんまり暑いせいで
霙ちゃんみたいにおかしなことを口走ったり
していない?

宇宙の炎に巻かれて
塵に帰ろうとする快感だって。
夏の暑さは宇宙とかじゃないから!
あきらめないで対策してね。

立夏ちゃんみたいに
暑い中でも平気で外に飛び出したりしていない?
暑さなんてかまわないヨ、
よゆうよゆう、
よゆうっスよ、
と汗だくで
サッカーボールを追いかけ回している。
最低限の帽子だけでは熱中症は防げない。
夢中になりすぎないでね。
言ってもあまり効果がないのがもどかしい。
適度に休憩して欲しいな。
一緒に遊ぶときは、よく見てあげてね。

暑さでへとへとに
弱っている時期、
みんな、
自分の体をいたわって!
これでよく
沖縄旅行なんて行って
全員無事に帰ってこれたなあと
感心するくらい。
旅行ではあれでも
猫をかぶっていたほうなのね。
どうかな。
そうでもないかな。

キミも、あんまり夏場は
無理はしないでね。
言っても聞かないかもしれない
そんな生き物が
男の子だってわかってる。
家族のためによく働いてくれているけど
無理をしすぎたら困るな!
困ったことがあったらなんでも言ってね。
どんな大変なことがあっても
本気で助け合おうとする
世界に唯一の存在の私たち、
家族です。

天気予報で届けるのは
情報だけじゃなくて元気な笑顔。
私も、朝の予報で
テレビの向こうの家族に向かって
元気な笑顔を届けます!

今は、
少し日焼けした笑顔。

日焼け止めはしっかり塗っていたけれど、
なにしろ夏の海。
元気に楽しむ子たちが
うらやましくなって
いつの間にか混じってみたくなって
日差しの下に飛び出して
こんがり焼けました。
焼けてしまいました。

ぎらぎらまぶしい
太陽の誘惑に
負けてしまいました!

小さい子たちを見ていたら
私の日焼けなんてたいしたことないか、
と思っていたけれど
テレビの映像は正直でした。
笑顔の口元から覗く白い歯が
さわやかに輝いて見えるほど
一目で分かる
小麦色。
私、焼けました。

健康的でいいねって
褒めてもらえるのが
ちょっと複雑。
テレビに出る人間なんだから
もっと気をつけたかったのに。
誘惑に弱いお天気お姉さんだけど
これから荒れた肌は見せないように
今後のお手入れを徹底します。
応援してね。
家族にしかこんな情けないこと
相談できないんだもの。

嬉しかったのは
若いからできるって言ってもらえたこと。
花も恥じらうお年頃は
春風ちゃんと比べたって負けないと思うんだけど
どうかな?
言いすぎかな?
とうが立ってきた?
日焼けが許されるぎりぎり?
来年から先が心配だな。
だってあんなに海を楽しんでいるのを見て
我慢なんてできない。

あさひちゃんが大きくなるまで
続けられたらいいね、
楽しかった
家族で行く旅行。
かけがえのない家族が
ただ、一緒に過ごすだけでいい。
みんなにそう思ってもらえるようにっていうのが
長女の願いです。
日焼けの心配は少し優先順位が下がるの。
いけないね。
どうしてもテレビに出られない
悪いお姉ちゃんになったら
もう健康的なお嫁になって
結婚するしか道はない。
相手はもう決めてしまったけれど
ね、
いいよね?

そうなった時に
あの人は今みたいな番組に
変わらぬ笑顔で出演できる
有名人になる野望を抱いて
今は張り切っています。


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