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綿雪の偽日記

『あけましておめでとうございます』

1月1日
午前0時。

おめでとうございます、お兄ちゃん。
新しい年がやって来ました。
ユキたち家族が、いよいよ新年を迎えた瞬間です。
これから始まる、
まだ何も決まっていない
真っ白な一年。
家族みんなのところに、そろって届きました。
もう眠ってしまった子たちも、
除夜の鐘に耳を済ませているお兄ちゃんたちも、
おそばのおかわりも一段落して、一息ついている春風お姉ちゃんたちも
あわてなくても
決して、誰も置いていかれたりしない。
みんなで手を繋いで一歩を踏み出すように
同じ時間に
うれしい、すがすがしい年の訪れ。

まだ小さいユキがこんな時間に起きているのは
こわいような気もして
いけないことのようで
胸が鳴っている。
ドキドキしています。
大晦日だけは特別、って
おうちの小学生の子たちや、ちっちゃいみんなも言ってもらえました。
だからいけないことではないのに
どうしても止まない、不思議なときめき。
ユキが生まれて初めて体験した
新しい年に変わる瞬間。
観月ちゃんは、言っていたよ。
去年の歳神様が一年を経て
いっぱいお仕事をして、おじいさんになるまで歳をとったあとに
次の年を担当するまだ小さい新しい歳神様に
世界中の人を見守る大切なお役目をお願いする時なんだと。
もう、だいぶ前に眠ってしまった観月ちゃんには
今はお話は聞けないけれど
いったいどこで会うのか聞いていなかったから。
ユキは歳神様が交替する場面は見ませんでした。
どこかでひっそり
ふたりだけの秘密みたいに交替しているんでしょうか。
ほんの少し前になって通り過ぎていった、その時間。
時計の針が進んでいった時に
今日、日付が変わる時間はいつもとは違うと
ユキは知っていて、
でも、実際に何が違うのか詳しくは説明できない。
不思議な夜です。
昨日と今日で
全然違う、別の年になるなんて!
もう過ぎていく一年の最後と
ついに待っていた一年の始まり。
ずいぶん遠くに離れているように感じるふたつのものが
ほんの一瞬、隣に並んで。
そして私たちのところには
新しい年が残って
これからの時間を刻み始める。
おじいさんの歳神様は役目を終えて、それからどこかで一休みするのかな。
新しい年を担当する小さい歳神様は、
観月ちゃんとまだそんなに違わないくらいの子供だって聞きました。
きっと大変だろうな。
責任重大なお仕事に、震えていないかな。
もしかしたら、ドキドキ張り切っていたりする?
年が変わっていくその時。
いったい何が起こるんだろう? と
なんとなく落ち着かない気持ちで待っていました。
どこか遠くから聞こえてくる、除夜の鐘の音。
いけない悪い気持ちを全部おはらいして
すっきりした気持ちのいい新年を届けてくれる合図です。
あんまり聞きなれない音なのに
何も心配することはないみたいに
ユキは、お兄ちゃんたちと聞いている。
なんだか静かな
落ち着いた気持ちになる響き。
除夜の鐘がひとつ、またひとつと鳴り始めたら
お姉ちゃんたちは、懐かしい音がするって言っていました。
今年初めてこの鐘の音を聞いたユキも
この気持ちは
懐かしいと言っていいものなのでしょうか。
今年もいろいろなことがあったな。
鳴っては静まり、また響く鐘の音は
なぜか、一年の思い出を呼んでいるみたい。
悪い気持ちを取り除くんじゃなくて。
もしかしたら、おはらいのために
一年の間にあったいいことをたくさん思い出して
来年もまたこんなふうにすごそう、って気持ちにしてくれるのかな。
日付が変わったその時、
まだおきていた小さい子はユキだけでした。
ユキのお部屋はすぐ近くだから
いま戻っても、そばでみんながわくわくしながら待っているから
眠れないような気がして
いつでも眠くなったら戻ろうと思っていたけれど
そのまま、ずっとみんなと一緒に過ごした大晦日。
楽しかったことを思い出して
たくさんのお話をして
ときどき、みんなは言葉もなく
何かを思い返しているようでした。
ついに生まれて初めて迎えた
新しい年のはじめは
そこにいる家族のみんなで
穏やかに、
おめでとうのあいさつを贈り合った、静かな時間でした。
何も大きなイベントもなかったし
見たことのない何かが起こるような気がしていたけれど
別にすごいことがあったわけでもなくて
ただ、おめでとうの気持ちをみんなが持っていると
実感している時間が
ユキはなんだか
うれしくて
さわやかな年越しだな、と思ったよ。
次の年へとやって来たユキたちの
今もまだ届く鐘の音は
思い出を呼んでいるみたいじゃなくて
同じ鐘の音が
これからいろいろなことがはじまると
遠く聞こえてくる鐘の一つ一つが
教えてくれているようです。
いったい何が待ってあるかはわからないけれど
お兄ちゃんたちと迎えた年越し。
今年もいろいろなことを
お兄ちゃんと迎えたいです。
お兄ちゃん、
今年も一年、ユキと仲良くしてください。
新しい年──
うれしいな。
おめでとうございます!
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綿雪の偽日記

『魔法使いの弟子』

サンタクロースさんは
赤い鼻をしたちょっぴり恥ずかしがり屋のトナカイさんにも
勇気をくれる、とってもやさしい人。

ときどきあわてんぼうだけど。

遠い場所にある、雪の中のとても寒い国。
いま、今年の冬に寒い思いをして、
風邪に気をつけようねって家族でがんばっている
ユキたちがいるこの町よりも
ずっと寒いという国にいて
それでも笑顔を絶やさないおじいさん。
きっと大変な寒さのはずなのに
そんなこと何も関係なくて
何もつらいことがないみたいに
世界中のよい子にプレゼントを届けてくれるの。
どこにいても、どんな小さな子でも
必ず見つけてくれるよ。
子供たちのいいところを探し出したら
枕もとの靴下に
一年分のいい子に、勲章を
そっと残しておく
不思議な力を持った
立派な人。

むかしむかし。
貧しいおうちに
煙突から金貨を落とした贈り物が、最初のはじまり。
きっとその家に住んでいたのは
とてもいい子たちだったのだと思います。
サンタさんが、どうしても
年に一度の清らかな日に
素敵なプレゼントを送らないではいられなかったほど。
そして、
何年も後まで
今になってもずっと
サンタさんがいい子に贈り物を届けてくれるきっかけ。
やさしい習慣が、
いつまでも続いて、世界中のいい子のベッドに
暖かい心を届けてくれるようになったはじまり。
最初にサンタさんからプレゼントをもらったおうちに
届いたものは、
本当は金貨だけではなくて
人を思うやさしい心が形になったことだとか、
聖なる夜の奇跡を信じられる気持ち、
なのかな。
クリスマスの夜、
素敵な感情は
必ず、世界中のどこにでも届くのです。
いい子がいるから。
寒くて遠い、まだ行ったことのないどこかの国に
暖かい気持ちのサンタさんがいるからなんだよね。

夕凪お姉ちゃんが言っていたけれど
サンタさんって
やっぱり魔法使いなんですか?
煙突がないおうちにも
何があってもがんばって
うれしい贈り物を届けてくれるの。
クリスマスの一晩だけの、
大切なお仕事。
待っているすべての子供たちのために
誰にもできない奇跡を起こします。
不思議なサンタさん。
魔法使いかな。
それとも、魔法使いじゃなくても
すごい力を持っている人はいるのかな?

きのう、さくらちゃんがおなかが痛くなってしまったとき。
今から思えば、それ以上具合が悪くならないように
休むのが本当はよかったんだよね。
でもユキはそんなことを考えられないで
ただ必死でした。
付き添うことしかできないのにね。
ユキはお医者さんみたいに何かができるわけじゃない。
必要な知識もない。
ただ夢中だったことは覚えているんだけど
いったい、何をしていたんだろう?
もしも風邪だったらうつってしまう危険は、ぜんぜん頭に浮かばないで
何もできないユキが、どうしてもしたかったこと。
治ってほしい、
お願い神様、すぐに治してください。
あんなにお兄ちゃんにお歌を聞かせてあげたかったさくらちゃん。
まだ小さくてもお兄ちゃんが大好きなさくらちゃんの
やさしい気持ちを
どうか、届けさせてあげてください。
ユキがふだん病気がちで
誰かのために何かをしてあげるなんて全然できないから
さくらちゃんはいつも元気でやさしい子なのに
そんなつらい思いをしたら悲しいな、って思ったからでしょうか?
そのときは祈ることばかりで
どんなつもりでついていてあげたかったのか、なんておぼえていない。
いま落ち着いてみたら、自分が病気で悲しいことが多かっただけで
誰にもそんな思いをして欲しくない、と無理を言いたかっただけなのかもしれない。
ユキのこと、さくらちゃんを元気にできた不思議な力を持っている
サンタさんだと言ってくれる夕凪お姉ちゃん。
どこでそんな力を身につけたの? って。
本当は、まごころがこもった素敵なプレゼントを届けようとした
優しいサンタさんは
実はさくらちゃんで、
ユキはそんなさくらちゃんに力をもらって
ついていたいな、っていうお願いを叶えてもらっただけ。
さくらちゃんが元気になってくれた、そんなうれしいプレゼントをもらったのは
ユキのほうなんです。

クリスマスが近づいてきました。
一夜だけの奇跡が起こって
サンタさんが不思議な力で、プレゼントを届けてくれる日。
いったいどんな奇跡が起こるのかな。
本当に奇跡が起こるのかも、ユキはまだ少しだけ信じられない気持ち。
でも、サンタさんが届けてくれる優しくて暖かい気持ち、
そんなお話を聞くたびに
ユキが考えることは
それはいつも届いているような、
ユキのお兄ちゃんにいつも届けてもらっているのと同じような、
そんな感じがするな、ということ。
寒い国にいて大変そうでも、いい子のためにやってきてくれそうだとか。
いい子にしていたらきっと見つけ出して、えらいねって言ってくれそうだし。
何より、ユキをうれしい気持ちにしてくれる特別なプレゼントを
まいにち、まいにち
病気で少しだけつらい思いをするときだって
そんなことはすっかり吹き飛ばして
いつもユキを世界で一番幸せな女の子にしてしまうほど
にぎやかな毎日に、たくさん届けてくれる
すごい力。
あのね、
ユキはサンタさんのことはそんなに詳しく知らないし
どうやったらなれるのかも考えたことはないんだけど
お兄ちゃんは、
将来はサンタさんになって
世界中の子にプレゼントを届けられる魔法を
使えるようになるかもしれないね。
ユキの大切なお兄ちゃんなのに
他の子にプレゼントを上げるのは寂しいような気が
少しするけれど、
でも、その時もお兄ちゃんは
今みたいに優しいお兄ちゃんかもしれないから。
ユキたち家族のことも気にしてくれて
ちゃんと、おうちのユキたちにもプレゼントを届けてくれて。
クリスマスの大事なお仕事に行く前に
誰よりも先にプレゼントをくれるかもしれないな。
そしたらユキたちは、その年のクリスマスに
世界で一番最初にサンタさんにプレゼントをもらえる
サンタさんの正体は、なかなかわからないらしいから
他のみんなに自慢したりはできないけれど
たぶん、自慢できるとしてもしたくない。
ユキたちだけの大切な宝物に
お兄ちゃんと過ごすクリスマスが、なってしまう。
と思ったら、もう毎年のクリスマスが
とても幸せになっています。
すごい力を持つサンタさんって
クリスマスにプレゼントを届けるお仕事がないとき、いったい何をしているのか
たまに話題になるけれど。
きっと、そのすてきな力で
近くにいる人たちを大事にしてあげて
いつもすぐそばの人に幸せをプレゼントしているんだと
サンタさんにあんまり詳しくないユキだけど
そんなことを想像しました。

魔法みたいな力を持つお兄ちゃんのことが大好きで
さくらちゃんも、いつのまにかやさしいプレゼントができるようになったのかな?
だったら、お兄ちゃんを大好きなユキも
自分で知らないうちに力を身に着けて
さくらちゃんを元気にするために、ちょっとでも役に立っていたとしたら。
今のユキには夢みたいな話ですけど
でも、そんなことがあったならうれしい。
いつもお兄ちゃんと一緒にいるのが好きで
楽しい時間を過ごして。
優しいお兄ちゃんに憧れて
いっぱいにせのびをして少しでも近づきたい。
ユキだけじゃなくて
家族のみんなも似たようなことを考えているかも。
大した力もない
子供のユキだけど
どんなときでもお兄ちゃんを見て
もしかしたらお兄ちゃんみたいにすごい力を
だんだんおぼえようとして
これからも育ちます。
これからもいっぱい
ユキたちのそばにいてください。
お願いが叶って
うれしいプレゼントが届くとき、
それがお兄ちゃんといられる時間だったら
クリスマスの日でも
サンタさんのお仕事がお休みの日でも
ユキはきっと、いつも幸せです。

綿雪の偽日記

『日曜日』

日曜日には
氷柱お姉ちゃんがおうちにいてくれるの。
いっぱい一緒に遊びました。

ときどき不思議に思うの。
お兄ちゃんは、なぜなのか知っているでしょうか?
どうしてユキは、家族といるのがこんなに好きなのか。

学校に行けるようになったのもうれしくて、
お友達がたくさん出来たのもとってもうれしいのに。

氷柱お姉ちゃんがユキの側にいてくれたり
お兄ちゃんがいてくれたり
チビちゃんたちがユキのお部屋まで遊びに来てくれたりすることが、
学校の大切なお勉強より
とっても、
こんなにもうれしいのでしょうか。

その答えは、
ユキは
知らないの!

もしかしたら、小さい頃から入院しなければならなくて
家に帰れない日が多くて
さみしかったからなのかな、
そう考えることもあるのだけど。
でも、だったら学校で遊んでも
公園でお友達と遊んでも
一人で庭を歩いたって
楽しいはずなのにね。
もちろん、友達といるのも楽しいの。
ずっとこんな時間が続けばいいなと思うほど。
もう、体が疲れて重くなってきて
早く休みたいよって言い出しても
ユキはお願いだからもう少し、と無理をしてしまいたくなるの。
本当は、無理をしてしまうことはありません。
お兄ちゃんや氷柱お姉ちゃんや、家族のみんなが心配してしまうと思うから。
体が丈夫ではないことは、ユキは自分でよくわかっているのに
無理をするなんていけないですものね。
ときどき、体を自由に動かせる時間がもっと長ければいいのになと願ってしまう。
運動ができる人がうらやましくなってしまう。
あの子と体が入れ替わってしまったらいいなんて
自分でも恥ずかしいと感じる、悪い気持ち。
そんなことも、ときどきあるの。
本当は、氷柱お姉ちゃんがいてくれるほうがもっとうれしい。
家族といられるから、ユキはいつもはしゃいでいる。
弱い体だから元気に飛び跳ねたりはなかなかできなくて、
この気持ちを本当にわかってもらえるかどうか、それはわからないけれど
とっても楽しいの。
だから、他の誰とだって体を入れ替えたりしません。
ずっと氷柱お姉ちゃんの妹だよ。
氷柱お姉ちゃんとユキが、お兄ちゃんの妹です。
みんなでお兄ちゃんの家族なの。
うれしいな。
どんなことよりもうれしいよ。
丈夫な体を持ったことはないけれど
きっと、体が丈夫になったとしても
こんなに、ユキが自分でも分からないくらい不思議にうれしくなることなんてないと思うの。
こんなにも。
もっとうれしいことがあるなんて、とても考えられない。
自分でも説明がつかない、この気持ち。
なぜですか?
なんでも知っているお兄ちゃんならわかる?
ユキはおうちで家族のみんなといるのが好き。
氷柱お姉ちゃんが、もっとおうちにいてくれたらいいのにな。
とっても大変なお仕事をしているのに、そんなわがままを言ったらユキは恥ずかしい子です。
だから、お休みの日曜日はいっぱい遊んでもらいます。
蛍お姉ちゃんもいてほしかったよ。
クリスマスには、蛍お姉ちゃんも氷柱お姉ちゃんもお仕事が終わって帰ってくるんでしょう?
そのときにいっぱい一緒にいるために
体調を崩さないように気をつけることが
ユキにできることだと思います。

お仕事をするのは大変なことも多いの。
海晴お姉ちゃんは、毎朝テレビの向こうで笑顔。
ユキたち家族や、テレビの前の人たちに、今日も元気でいられるように挨拶をしてくれます。
麗お姉ちゃんとけんかしてしまった次の日でも
笑顔で、麗ちゃんも元気に学校に行ってきてね。
昨日のケンカのことはくよくよしないでいいから、まずは一日をしっかり過ごしてね、って。
麗お姉ちゃんは、そんなことまでテレビで言わないでよーって困っているけれど
その時はもう、落ち込んだ顔はしていません。
ユキには素敵なお姉ちゃんがたくさんいるんですね。
ときどきつらいことがあっても、海晴お姉ちゃんはあんなに元気をくれるの。
立派なお仕事だけど
とっても大変なんだろうなあって思います。
蛍お姉ちゃんと氷柱お姉ちゃんも、お仕事はきっと楽しいだけじゃないと思うんです。
氷柱お姉ちゃんは、お仕事は何も問題ないんだって。
かっこ良くお店のお姉さんをしているって、楽しいお話をいっぱいしてくれる。
ときどき怒られることもあるけれど大丈夫、と言う時の笑顔だけはちょっとつらそう。
失敗した話なんて、あんまりしたくないですよね。
でもユキはちょっと心配してしまう。
今日の夜、蛍お姉ちゃんに聞いたお話。
氷柱お姉ちゃんは、夕方に蛍お姉ちゃんのパン屋さんに行くから
お仕事の様子を見学させてほしいって言っていたけど
来なかったから、何かあったのかなって。
たぶん今日の夕方、ユキが氷柱お姉ちゃんにもっともっとっておねだりして、
ずっと一緒にいてほしくて、くっついていたのが原因なんです。
ユキ、少しでも長く氷柱お姉ちゃんと遊んでいたかったの。
氷柱お姉ちゃんは楽しそうに笑っていたけれど
ユキは、氷柱お姉ちゃんに迷惑をかけてしまったでしょうか?
いけないユキ。
でも、一緒にいたかったんだもん。
せっかく氷柱お姉ちゃんが一日中おうちにいる日曜日なのに
離れるなんて嫌だったの。

明日は月曜日。
氷柱お姉ちゃんはまたお仕事が始まります。
それなのにユキ、自分のことばっかり考えていて、ごめんなさい。
氷柱お姉ちゃんに元気にお仕事をがんばってほしいのは本当なのに
どうして困らせてしまうんでしょう?
お兄ちゃんは、明日は合唱の練習に行くんですか?
霙お姉ちゃんから聞いたの。
これからしばらくは、お兄ちゃんたちもいない日が増えるんですね。
クリスマス合唱会が終わるまでなんですよね。
お兄ちゃん、ユキが合唱に参加したら
やっぱり、いけませんか?
これからどんどん寒くなっていくのに、そんなに外出をするなんて良くないよね。
ただ学校に毎日通うだけでも難しい、ユキの体なのに。
立夏お姉ちゃんは、お兄ちゃんに楽しい歌声を届けたいから参加するんだって。
ユキはたぶん、他の人ほど立派に歌うことはできません。
楽しく元気な歌声も、きれいで上手な歌声も、届けることはできません。
ただ、家にいるのがちょっと寂しいからついて行きたいだけで
弱い体なのに、寒い季節に学校以外で外に出て行くのは
やっぱり、だめだよね。
わかっています、ユキの体は他の人より少し弱いのだから
無理をしないように自分でも気をつけなければいけないことくらい。
家族もユキの体のことを気をつけてくれるんだもの。
みんなをあんまり困らせたら、ユキも悲しいです。
だから、今日はもう少し。
お兄ちゃん、もう少しだけ
みんなと遊んでいたらいけない?
ちゃんと時間になったら素直にお休みするから
お願い、それまでは。
あの、お兄ちゃんもここで一緒にいてほしいの。
あのね、氷柱お姉ちゃんに教えてもらって
ユキはお店屋さんごっこをしたんだよ。
まだお外にお仕事にいける年じゃないけれど
やさしい挨拶が素敵だね、って褒めてもらえました。
ユキのお店屋さんに来てほしいです。
そんなに上手なお店屋さんじゃないかもしれないけれど
お兄ちゃんに見てほしいよ。
あったかいおうちの中だから、ユキはきっと大丈夫なの。
今日は日曜日なんだもの。
せっかくみんながいるんだから。
もう少し遊んでいたら、きっとお兄ちゃんにも喜んでもらえる。
ユキはもう立派な、ケーキ屋さんのお姉さん。
ごっこ遊びの中では、そうなんです。
お願い、お兄ちゃん。
せっかく今日は氷柱お姉ちゃんからいっぱい教えてもらったから。
ユキのいらっしゃいませや、
チョコレートケーキでございます、
ありがとうございましたのうれしい笑顔を
早く、たくさんお兄ちゃんに見てもらいたいんです。

綿雪の偽日記

『お兄ちゃんと氷柱お姉ちゃん』

うふふ。

あっ。
急に笑ってしまって
びっくりした?
お兄ちゃんは、こんなユキを見て困ってしまう?
ううん、
いいことがあったというよりは
なんて言ったらいいのかな──
こんなふうにうれしくなってしまうのは、少し変だとわかっているの。

今日は一日お休み。
祝日です。
ユキは学校に行けるのも嬉しいんだけれど
でも、休日も好きなの。
今日は、大好きなお兄ちゃんがおうちにいてくれるでしょうか。
いっぱい遊んでくれるかな。
お兄ちゃんに何かご用があったらしかたない。
でももしかしたら、少し時間があるかも?
家族といるのはいつも楽しい。
怒られてしまっても、
ユキは今日もこの家で、みんなと一緒。
いつも笑顔でいるのは大変かもしれないけど、楽しいんだよ。
なるべくいつも笑顔でいたいな。
つらいことがあったら、泣いてしまうかもしれない。
今日は小さい子たちで手分けして運んだ洗濯物を
あわててしまって庭に転がして
落ち込んでしまうこともありました。
わざとじゃないからと。
がんばった気持ちが大切だから、失敗してもいいと。
失敗しても、お手伝いしてくれた気持ちが一番うれしいんだと。
なぐさめてくれるお兄ちゃんやお姉ちゃん。
どうしてユキには、こんなふうに優しいお兄ちゃんやお姉ちゃんがいるんだろう?
不思議だな。
変な疑問だと思いますか?
どうして素敵なおうちの家族のみんなが
世界中にたくさんいる他のりっぱな人たちの誰でもなく、
たいしたこともできないユキの家族だと神様は決めたんだろう。
こんなふうに優しくしてもらっている。
悲しくたって、涙を拭いたら
みんなのおかげで
ユキはすぐに笑顔です。
いつもありがとう、ユキはいつもうれしいんだよ。
今日怒られてしまったのは、別のこと。

だって、お兄ちゃんといると楽しくて、
ユキは自分でもなぜだかわからないくらい楽しくなって、
青空ちゃんと遊んでいるときや
氷柱お姉ちゃんがいつもユキに優しくしてくれるときと
どこか違う気持ち。
変なの、うまく説明できません。
春風お姉ちゃんは、ユキのこの気持ちのことを恋だって言うよ。
でも、まだ小さな小さなとっても小さな幼いユキです。
こんなに子供なのに、恋をするのでしょうか?
ユキには、どんな言葉でもうまく言い表せない気持ちです。
お兄ちゃん、
今日はお休みだよ。
いっぱい一緒にいてね。
いつもよりも、もっと。
迷惑をかけてばかりのユキが、まだわがままを言うなんて恥ずかしいのに。
でも、やさしいお兄ちゃんの顔を見てしまうと、なぜか自然に言葉にしてしまう。
おねがい!
もっと、もっと
どこにも離れないで
すぐそばにいてください。
今日も、立夏ちゃんと星花ちゃんと夕凪ちゃんとユキで大騒ぎをしました。
小さい子たちがお昼寝する時間になったから、
今度はここにいる誰かのもの!
お兄ちゃんを取り合っていたら
氷柱お姉ちゃんに怒られちゃった。
お兄ちゃん、
連休はユキたちのことをたくさんかまってくれて、
いっぱいお願いをきいてくれて
疲れてしまったの?
こらっ、
さわぎすぎ。
お兄ちゃんを少しは休ませてあげなさいって
氷柱お姉ちゃんが一人ずつ
ぺん、
ぺん、
ぺん、
ぺん、
あっ。
ふふ。
ユキも元気ないたずらっ子みたいに、頭をはたかれちゃった。
ついうっかり、だって。
本当はユキもこんなふうにいつも元気だったらいいな、って言ってくれたけど
ばれてしまったかも?
ユキは、もっといたずらをしてみたいいけない子。
優しい家族に甘えてしまうのが、こんなに止められない。
これからたくさん叱られてしまいます。
それとね、氷柱お姉ちゃんが、お兄ちゃんのことをとっても大事にしているのがわかったのも
うれしかったな。

霙お姉ちゃんは、
人間は小さなことを気にしすぎて
本当に大事な気持ちが言えなくなってしまうんだと、ときどき言っています。
大好きだって言葉にしないと、なかなか伝わらないのに。
だからどんどん好きだと素直な気持ちを言わなくちゃ。
そうなのかな?
ユキはお兄ちゃんや氷柱お姉ちゃんや、家族のみんなが大好き。
いつも言いたい。
大好きだよ。
一緒にいてくれて、ありがとう。
優しくしたり、叱ってくれたり。
いつも見ていてくれる。
いつだってユキと家族でいてくれて、ありがとうございます。
本当は、がんばって言おうとしなければ口に出せないらしい気持ち。
ユキは迷わず言える。
大好きです。
まだユキが子供だから仕方ないことがあって、
これからもたくさん迷惑をかけてしまう。
もしかしたら、病気が悪くなることもあるかもしれない。
そうしたら、お兄ちゃんは悲しくなってしまう?
ユキのことが負担にならないといいのに。
悲しませることしかできないこんなユキなら、
みんながユキのことすっかり忘れてしまうほうがいいのかな。
ときどき考えていたの。
でも、今はわかっている。
いくら迷惑をかけてしまっても
ユキはこれからもお兄ちゃんの家族なんですよね。
絶対に、離ればなれになったりしない。
もうユキのことを放り出してしまうなんてことは、家族の誰もしてくれないの。
お兄ちゃん、ユキと家族でいたら、これからもいっぱい困ってしまうことがあると思います。
これからどんなに大変な思いをさせてしまうのか、今のユキには何もわからない。
悲しまないでほしいと言っても、かなわない。
たくさん迷惑をかけてしまう。
家族なんだから、もう決まっている。
だけどできれば──
家族だから、好きだという気持ちは伝えたい。
言わないとわかりにくいことだって聞いたから、たくさん言ってもいいですか?
いつでもユキは思っています。
お兄ちゃん、大好きです。
もしも次のお休みに、あんまりおつかれじゃなかったら
また一緒にいてほしいな。
今日みたいに──
それとも、もっと仲良しみたいに、ぴったりくっついて。
いつまでも、決して離れたりしないのが家族なんだとわかっていても
少しでも近くにいてほしいのは
ユキがお兄ちゃんのことを好きだからです。

綿雪の偽日記

『ロボット』

氷柱お姉ちゃんは
本当は優しい。

みんなで決めた約束をやぶって
台風が近づく日に、危ない寄り道をした立夏お姉ちゃんを──

お兄ちゃんの助けがあれば
なんでも許されると思ったら
おおまちがいだ!

正座をさせて
向き合って、
台風の危険がどれほど予想できないものなのか
声がかれるまで言い聞かせていたのも
立夏お姉ちゃんをとっても心配しているから。

その横に
簡単に許すなんて甘すぎる、と
一緒に正座をさせられてしまったお兄ちゃんに
とうとうと自分の考えを語ったのも
どれだけ家族のことが大事なのか
お兄ちゃんには、わかってほしいから
だと思います。

まさか自分もおもちゃ屋に寄って
ガンダムでも買って来たかったから立夏を許しているんじゃないのか、
そういう甘やかしは筋違いだと。
ルールを守ることを忘れたら
これほど大人数の家族ではすぐに秩序が乱れてしまう。
ガンダムは違うとしても
立夏お姉ちゃんが無茶をしたことを
自分でわかってもらわなければいけない。

お兄ちゃんも、男の人だから
ガンダムが好きなの?
他にもロボットだとか、いろいろあるんだよね。
それとも、そういうのは子供っぽくて興味ない?
もうとっても大人に見えるお兄ちゃん。
いつもお兄ちゃんらしく、ユキたち家族のことを大事にしてくれている。
氷柱お姉ちゃんは、少し気にしているの。
自分たちみたいな女の子ばかりの家に来て
たったひとりの男の子は、好きなことができないで我慢しているのではないか?
いつかお兄ちゃんが、夢中になるものを見つけてしまうのではないか。
私たちはガンダムにお兄ちゃんをとられてしまうんじゃないか。

面白い心配だと思う?
でも、真剣なんです。
ユキもわかるの。
お兄ちゃんがそのうち、家族に目を向けてくれなくなってしまうかもしれない不安。
氷柱お姉ちゃんは、男の人の好みにあまり詳しくないそうで
それで、熱中しそうなものがガンダムしか思いつかないんだって。
あんまりおさえつけたくはないの。
この家に来ても、趣味を楽しんでくれるのはいいこと。
でも夢中になってしまって、こちらを見てくれなくなったらと思うと
とってもこわい。
それにね、
ユキみたいに体が弱くて迷惑をかけて
何も立派なことができなくて
家族の自慢になんてまったくならないユキは
いつか、何かもっといいものに、家族のみんなを奪われてしまいそう。

ユキが不安をうちあけると
氷柱お姉ちゃんは
いつも一番大事なのが家族だから
家族の誰だって、大事なユキを見捨てることなんて絶対にないと言ってくれます。
それならもしかしたら
お兄ちゃんも、氷柱お姉ちゃんみたいに家族のユキに優しくしてくれる?
ユキが何もしてあげられなくて
ただ病気で心配させて
悲しませ続けるだけだとしても──
たとえば、かっこいいガンダムだとか
お兄ちゃんが夢中になるような大きなイベントだとか
いつかお兄ちゃんの隣にいる素敵なお嫁さんだとか
すてきなものたちと同じくらい
ユキのことを大事にしてくれると思ってもいいのでしょうか?
氷柱お姉ちゃんのことも、お兄ちゃんはいつまでも大事にしてくれる?
氷柱お姉ちゃんは、あんな男でも家族だから仕方ない、
ずっと一緒にいないとね、って言うけれど
ユキの大事なお兄ちゃんなのに、ちょっと失礼です。
でも、氷柱お姉ちゃんがとっても優しいと知っているから、いいの。
氷柱お姉ちゃんが家族みんなを大事にしていて。
本当はお兄ちゃんのことをとっても頼りにしていることを
ユキは知っているんだよ。

それに、氷柱お姉ちゃんは
立夏ちゃんの買ってきた人生ゲームで遊んでもいいって許してくれたよ。
優しいの。
人生ゲームは
サイコロじゃなくてルーレットだったね。
まだ小さくて、ちょっぴり不器用な青空ちゃんや虹子ちゃんのために
大きいお姉ちゃんが背中から手をとって、ルーレットの回し方を教えてあげて
自然とペアを組んで、チームが決まっていきました。
でも、お兄ちゃんにこんなときこそは挑戦してみたかったり
結婚イベントでお兄ちゃんを選んでみたい意見が多くて
お兄ちゃんは一人きりだったね。
さみしくなかった?
にぎやかだったから、そうでもなかった?
立夏お姉ちゃんが
10億円のかわりにお兄ちゃんにキスで許してもらおうとしたときは
大騒ぎでしたね。
キスは10億円なの?
だけど、人生ゲームにそんなルールはないので
結局、お兄ちゃんへのキスは無料でしてくれましたね。
夕凪お姉ちゃんが、罰ゲームのマスでもないのに踊りだしたのも
お金を出すかわりに踊ってみせて
うまく踊れたらいくらになる? という話の流れだったみたいだけど
うまく踊れても、ただでした。
青空ちゃんがまねをして歌って踊ったのも
かわいかったけど、人生ゲームの勝ち負けとは関係なかったね。
夕方になって、雲間からちらりと日差しが顔をのぞかせても
今日は一日、みんなで家の中でした。

台風は通り過ぎてくれましたね。
日曜日まで雨だったら本当に困ってしまったけれど、よかったですね。
明日は、台風が雲を吹き払ってくれたおかげで
晴れるところが多いそうです。
ユキ、教えてもらったの。
こういうのを、たいふういっかって言うんだよ。
晴れたら明日はみんなで公園に行けるでしょうか?
お休みはいっぱい遊びたいもんね。
ユキも体調が良かったら、みんなと手をつないで行きたいな。
ときどき考えてしまいます。
ユキもロボットみたいに体ががんじょうで
かっこよかったらよかったのに。
それで、お兄ちゃんにとても喜んでもらえたらな。
でも、ユキはもうお兄ちゃんの妹だから
そんなにたくさん欲しがらなくてもいいんです。
氷柱お姉ちゃんだって、ユキのことを見ていてくれる。
お兄ちゃんと氷柱お姉ちゃんとユキたちが、いつも家族でいられる。
ユキ、うれしいの。
これからもユキにできることは何もないかもしれない。
お兄ちゃんや氷柱お姉ちゃんの妹なのにぜんぜん立派じゃないの。
情けないユキで、ごめんなさい。
だけど悲しまなくていいんだよね。
みんなが優しくて仲がいい家族でいられて、素直にうれしくて、それだけでいい。
たくましいガンダムじゃなくたって
お兄ちゃんの妹でいていいんですね。

綿雪の偽日記

『お休み』

中学校から上のお兄ちゃんとお姉ちゃんたちは
学園祭の代休。
今日はお休みでした。
それで、小学校に行く夕凪ちゃんが
ずるい、
自分も応援に行ったし
喫茶店に食べに行ったのに
休みにならないなんて!
けさ、すねてました。
でもそれは、遊びに行っただけだもんね。
しかも、喫茶店に食べに行ったのは
お休みの理由にはならないですよね?
お兄ちゃんたちがお休みの日に一緒にいたいのは
本当はユキも同じ。
あまりわがまま言って困らせてはいけないから言わないだけ。
本当は、言葉にして伝えたほうがいいのでしょうか?
お兄ちゃんたちがいるなら、ユキもおうちで一日ずっと近くにいられそうなのに。
もしも昨日までの学園祭でお疲れなら、静かにできます。
しーって指を立てて、小さい子たちで励ましあって努力します。
近くにいるだけでいいんです。
だけど小学校のお勉強だって大事なこと。
お兄ちゃんたちだって、小学校に通って今の立派なお兄ちゃんたちになったんだもんね。
ユキはわがままはこれくらいにして、
ちゃんと小学校で一生懸命がんばってきます。
なんだかこれだと、今日はユキたちが応援してもらいたいみたいですね。
小学校って、お兄ちゃんたちの学園祭みたいに大変じゃないと思うのに、おかしいですね。

夕凪ちゃんがお疲れなのもわかるの。
霙お姉ちゃんのコスプレ写真館では
星花ちゃんと共にお写真のモデルになって
その場で少しチラシに刷って、その格好で配りにまわったりしていました。
お仕事お疲れ様です!
あんなに小学生のサイズの衣装が充実していたなんて
お兄ちゃんたちの学校の学園祭は、
たくさんの人が来るんですね!
やがて木花に入学するかもしれない子たちもいる。
卒業した先輩たちが今はママになって
母校にお子さん連れでやって来る人もいます。
子供の人も大人の人も、お祭りのようにたくさん。
歴史の長い学校だから、お年を召した人も多くて
各地の休憩所も、生徒会が管理する場所だから、こまめに顔を出してご案内していたんだって。
小雨お姉ちゃんと麗お姉ちゃんもなぜか休憩所を回るお仕事を任されたそう。
ユキ、吹雪ちゃんや海晴お姉ちゃんと落ち着いた出し物を回っていたから気がつかなかった。
なんだか大変だったんですね!
人手が足りなかったなら、お手伝いができたら良かったな。
ユキには無理でしょうか。
喫茶店のチラシを配っていた蛍お姉ちゃんは、おまわりさんのかっこうだから
お客さんたちにずいぶん頼りにされたそうです。
勘違いしてコスプレ写真館の宣伝だと思った人も
けっこういたらしいの。
おかげで大盛況だったと霙お姉ちゃんがほくほくしていました。
もちろん、蛍お姉ちゃんのクラスもお客さんがいっぱいで
お昼過ぎには全品が売り切れ。
そのあとは、本当に霙お姉ちゃんの写真館に合流して宣伝していたんだって。
春風お姉ちゃんたちのクラスも、夕方には完売で、霙お姉ちゃんにスカウトされたみたい。
お兄ちゃんも見た?
学園祭って、あんなに学校中がたくさんの衣装で溢れるものなんですね。
なんの場所なんだろう?
夢の国?
ユキの疑問に、
違うよ、学校だよ。
これも学習活動の一環だよ。
と答えた海晴お姉ちゃんも、あまり自信はなさそうでした。
でもなんだか、嬉しそうに見ていたよ。
この学校でお勉強して、お天気お姉さんになったんですよね。
海晴お姉ちゃんを、ユキの大好きな素敵なお姉さんにした秘密が
この学習活動にあるのでしょうか。
中学生になると、お勉強の内容は授業だけではないみたいなの。
教科書に載っていないお勉強は、小学生も時々あるよ。
どうすれば、今年知り合った同じクラスの子たちともっと仲良くできるのか。
家族やお世話になった人たちに、日頃の感謝を表現できるのか。
中学生からは、そんなお勉強がもっと大きなものになるみたい。
ユキが今はまだ全然知らない大切なことも
こうして学んでいくのかもしれないですね。
もしユキがいつか元気な中学生になれたなら
こんなお勉強もがんばれるような、立派なお姉さんになっていたい。
そのためには、今は小学校にちゃーんと通わないと。

お疲れだった人たちに、今日の代休。
どうかゆっくりお休みしてください。
でも、小学生のみんなはそんなわけにはいかないですね。
小学校を元気に過ごして
いい子で帰ってきてから、ゆっくりしたいね。
ユキもできることがあったら、何かお手伝いします。
もしまた人手が足りないときには
何もできないで済ませるのは、ちょっとさみしい。
体の調子がいいユキは、今日はサポート。
少しでも特訓していいですか?

氷柱お姉ちゃんも大丈夫かな。
今日一日お休みすれば元気が戻るでしょうか?
本当は、今日の日記は氷柱お姉ちゃんが書く予定だったんです。
海晴お姉ちゃんが決めたの。
きっと書きたいことがたくさんあるだろうって。
どんな形になってもいいから、自分の気持ちを伝えて欲しい。
でもね、氷柱お姉ちゃんは
今の自分は家族に合わせる顔がないからと
ユキに日記を渡しました。
きっとユキが書いたら、お兄ちゃんだって嬉しいからと言ってました。
お兄ちゃんは、氷柱お姉ちゃんの日記も嬉しいよね?
きっと待ち遠しいって言ってくれる。
家族でも、日記でないと伝えにくい出来事がたくさんあるの。
毎日読むの楽しみだよね。
家族全員の日記が読みたいよね。
ユキも氷柱お姉ちゃんも、みんなお兄ちゃんの家族です。
気持ちを伝えていけないなんてこと、ないはずです。
お兄ちゃん、違うでしょうか。
ユキも、この日記を書くのが好き。
文章を書くのって、ときどきうまくいかなくて
まだ国語もそんなに進んでいないから欲しい言葉が浮かばなくて、迷って大変で、
下手な文章だらけでも、お兄ちゃんに届けるんだと思ったら一生懸命です。
ユキ、大変だけど、書くのが嫌だなんて思ったことはない。
読んでもらえて、返事をもらえるのがとてもうれしい。
体調が悪くて書けなくてユキがつらくて泣きそうだったとき
日記に白紙がないように、代わりに書いて助けてくれたのは氷柱お姉ちゃんなのに
どうして今は、逃げようとしているみたいなんだろう。

黙って発表したお写真のこと、
とても責任を感じているみたい。
お兄ちゃんは怒ったりしないよ。
ううん、怒られるようなことをしたと思っているなら
誤らなくちゃいけないんだよ。
どんなことがあったって
氷柱お姉ちゃんは家族。
お兄ちゃんが、氷柱お姉ちゃんを嫌いになるなんてことは絶対にない。
優しい氷柱お姉ちゃんだもん。
ユキの病気がずっと治らなくても見放したりしないで
何も変わらず、優しくしてくれる。
だからもっと、そんなふうにお兄ちゃんたちにもできたらいいのに。
氷柱お姉ちゃんは家族の全員が好きなんだっていうこと、
もうみんなが知っています。
ユキにしているみたいに
お兄ちゃんにも優しく気持ちを伝えてあげられないでしょうか。

明日は氷柱お姉ちゃんが日記を書いてくれると思います。
氷柱お姉ちゃんだって、今のまま逃げ回っていいと思っているわけはないもの。
ユキが説得するね。
氷柱お姉ちゃんにしてもらった優しいふれあいがあるから
ユキは素直な気持ちを言えるようになりました。
お兄ちゃん、いつもありがとう。
氷柱お姉ちゃん、いつもありがとう。
家族がいるからユキは毎日幸せです。
どんなにつらい病気だって、関係ない。
みんなに迷惑をかけていたって変わらない。
いつもこんなに愛されている。
ユキはこの家族が大好きです。
いつも言えるよ。
少しも迷わずに、本当の気持ちを言葉にできる。
氷柱お姉ちゃんが優しかったからだよ。
今度はユキが氷柱お姉ちゃんと同じことをすればいいだけです。
氷柱お姉ちゃん、
こんなに小さいユキが愛してるなんて言ったら笑われるでしょうか。
でもユキは小さくて病気がちな弱い体の全部で、
誰にも負けないほど氷柱お姉ちゃんを愛していると言いたいです。
大人になったらたぶん、どんなに小さな愛情だったか自分でも恥ずかしくなる。
ユキは愛してもらった経験ばかり。
自分がどんなに人を愛しているか、そんな大人みたいなことは考えられない。
わかっています、お兄ちゃんやお姉ちゃんたちに比べて自分がどれだけ小さな子なのか。
今は、そんなことを気にせずに自分の気持ちを伝えたいです。
弱弱しいユキでも、本気で愛していたら
こんなに気持ちが体の中全部に詰まっているよ。
今はユキにできる全部が、こうして愛を言葉にすることです。

今の気持ちを伝えてくれたらいいと思っています。
でも、そんなことをしたくないなら、それでもいい。
ユキは、氷柱お姉ちゃんが悲しそうにしているのがつらいです。
早く元気になってください。

綿雪の偽日記

『夜長』

おひさまが出ている時間が
日に日に短くなって
気がついたら、
夕方には思ったよりも涼しい風。
まだこんな時間なのに!
ベッドに重ねるおふとんが、一枚増える季節。
体が弱いユキは、
暗くなったら
早くおうちに入らなくちゃ。

夏の暑さが続きそうだった
9月のはじめから
ほんの数日。
まだ、汗をかく強い日差しはときどきあるのに
今日みたいな、薄い雲のかかる日は
いつもより感じる。
秋は深まっています。

体の調子を見て、早めに休んで
目を覚ましたらまだ暗い
そんな朝にも。
目を閉じて、ときどき目を開けて
窓の外を、カーテン越しに見つめて。
起き出して行く時間を待つとき
優しい家族と、楽しい学校と
もしかしたらそれを我慢する日になるかもしれないことを思って
胸が早くなって、また寝付けるなんて思えない
一人の朝。
カーテンを見ている時間が増えるのは
くもりの日が続いたからではなくて
秋がやって来たことが理由。
春風お姉ちゃんと、蛍お姉ちゃんが起き出して
キッチンのほうで朝の音が聞こえ始めるのが
一日一日、だんだん待ち遠しくなるのも
くもりのせいではないの。

これからだんだん
暖かい時間が減っていくと
お外に出られる時間も減っていくのかな。
まだ全然平気な時期のはずなのに
急に涼しくなってきたから
実際は、過ごしやすいくらいの気温でも
なんだか
物思い。

小さい子が読むおはなしでは、
体が丈夫じゃない子はよく
知恵者の役割で
部屋にこもることが平気みたいだけど
ユキは人並み以上に成績がいいということはなく
それなり。
家の中にいるのは
ここにはいつでも
お姉さんも、赤ちゃんも
家族がいるんだもの、
好きなほうではあるけれど
お外も、嫌ではないです。
走ったりとんだりしなくても
のんびり歩くだけでもいい。

ずっと家にいると、
体が弱かったせいにしたらいけないけれど
小さかった頃からの趣味は、そんなにないの。
おうたをうたったり
おどりをおどったり
みんながしているようにしたくても
あまり知らなくて、はずかしいな。
家の中でお勉強をしていても
天才さんではないから
ずっと集中はできない。
氷柱お姉ちゃんやお兄ちゃんは、すごいね。
学校だけじゃなくておうちに帰ってきてから
何時間も、ユキにはまだわからない難しいお勉強をするのでしょう?
中学生や高校生になった人は、そうしたい。
ヒカルお姉ちゃんも、体を動かすほうが好きなのに
学校のテストの時期は一生懸命お勉強しているみたいです。
ユキもそのくらいの年になったら、お外に出られない季節に
ずいぶんかしこくなるかもしれません。
嫌いだなんて投げ出すことは
しないんだから!
そのくらいの頃には
もう子供じゃなくなっているんだから。

でも、小さいユキは今は
秋が来るのが寂しいみたいです。
運動の秋や、食欲の秋が待ち遠しい子もいるのに
ユキってわがまま!
日暮れの早さが、いじわるをしているみたい。
そんなことないのに。
おうちに帰って家族と過ごせる時間が増えるのにね。
ユキも一人部屋ではなかったら、よかったのでしょうか?
お兄ちゃんは一人部屋で寂しくない?
もう高校生だから平気なの?
ユキは高校生になるまで、ずいぶん長いです。

綿雪の偽日記

『一年生の願い』

ユキの
お天気予報。
一年生版。

明日は
家族日和。
晴れたら
大好きな家族と遊ぼう。
雨が降ったら
お兄ちゃんやお姉ちゃんたちに飛びついて
くっつける。
蛍お姉ちゃんも、お兄ちゃんに
得意なごろにゃんができる。
もしも雨が続いて
あんまり急に気温が下がるようなら
大勢でベッドに集まって
丸まってもいいかも。

晴れでも雨でもいいなんて
ユキも細かいことを気にしない性格でしょうか?
きちんとした子に思われることも多いけれど
実は遊びたい盛り。
やりたいことがたくさん。

ユキは
暑すぎるときは外に出られないし
冷えてきたら風の当たらないところに行きます。
自由になる時間が誰よりも少ないような気がして
でも、ほんの少し許された時間を
精一杯に遊ぶ力も
なかなか持っていなくて。
ときどき、歩いているだけでめまいがするのは
病気だったころのなごりというだけで
決して再発したわけじゃない。
そう思える強い心が欲しい。
思いたくても
不安でますますくらくらしてしまうと
もうユキの夏休みの一日は
いつのまにか、それでおしまい。

本当は
ユキは悲しいことなんか何もないのにね。
だって、いつも一緒にいたい家族が
こんなにたくさん
ユキの近くにいるの。
優しいお兄ちゃん。
すてきな氷柱お姉ちゃん。
遊んでもらいたくてたまらなくて
とても楽しい
かわいい小さな子たち。
きれいでなんでも知っているお姉ちゃんたち。
みんな、大好き。
ユキのまわりは
たぶん、他にはどこにもないほど
にぎやかで、あたたかな場所です。
それとも、よそのおうちのことは知らないから
こんなににぎやかなのが普通なのでしょうか?
子供がはしゃぐ声がしたら
どこでもそうなのかしら?
よそのおうちがもしもそうだったとしても
ユキはこの家のきょうだいにうまれて
よかったな。

時々は
検査入院で
一人で病院にいて
寂しい思いをすることがあったって
絶対、何もつらくなんかないんです。
晴れたときにしてみたいことと
雨が降ったときにしてみたいことが
いつだってたくさんあって
優しい家族のみんながいてくれるから
すぐに実現できそうだな、
そんな希望を忘れずにいられる。

天気予報は好き。
どんな天気が来るとしたって
明日は家族と過ごそうねって
言っているみたいだから。
晴れでも雨でも
みんなといる明日を思い描いています。

お兄ちゃん!
お天気予報のまねをして遊ぶ子の日記が
近いうちに
もう一回くらいはありそうですけど
どうかな。
だって、お天気を予報するふりをして
好き勝手なことを言うのは
大きなお空の力を借りるみたいで
なかなか言えなかった願い事が
するりと出てくるから。
それで、もう一回くらいあったら
元気な子ばかりがいて
話したいことがいっぱいのこの家だもの。
別の話題がびっくりするほど出てくると思います。

一年生になったばかりで
雲の動きも天気図も
何も知らないユキが
お天気予報のふりをして
込める願い。

夏休みが
もう少し続くことではなく、
病気にならない体を
欲しがるわけでもなく、
それどころか
いよいよ迎える二学期を
元気な体で人並みに経験する
そんなあれこれよりも
実はもっと大それた願い。
どんなお天気が来て
大変なことがあっても
ユキはこれからも
家族と一緒の時間を
過ごせますように。

立夏お姉ちゃん、
宿題を終わらせた後に待っている
土曜日と日曜日のお祭りが
雨になりそうだからって
悲しまないで。
天気が何だって
家族で楽しく過ごすことはできると思うから
ユキも、雨のときはなんとか努力します。
早く宿題を終わらせて
一緒にお祭りに行こうね。

蛍お姉ちゃんは宿題が順調みたいで
うれしいな。
みんなで作るご飯の候補に
マンガ肉があがっているけれど
どう作っていいかわからないし、
それにいつまでもマンガ肉の話題も続くかな。
ユキは大きなお肉はちょっと食べきれないです。
作って欲しいというわけではなくて。
この数日で料理の腕をちょっぴり鍛えあげた小学生組。
ユキもピーラーの使い方が少し上手になったよ。
蛍お姉ちゃんと並んでご飯を作れる時間がすぐ来ると思うと
気持ちは果てしなく盛り上がります。
小学生のみんなが揃ったら
キッチンにそんなに何人も並べるか心配。
夏場は暑苦しいかも?
だけど
ユキの想像は
細かいことは気にしないの。

綿雪の偽日記

『明日には』

うっとり
かいてき
海の中。

いったい
海の水を
どこからどこまで切り取ったら
こんなに大きな水族館になるのだろう?

青く光る水の
ふもとを歩くと、
実際に海の底を散歩する
そんな経験なんてないけれど
こんなふうなのかしら?

広い世界で
見たことがないものがあって──
そこには、
おもしろい魚が
たくさん。
まだ一年生のユキには
本で読んだものとも違う、
テレビで見たものとも違う、
想像だってできなかったような
不思議な景色。

水族館と聞いて
ぼんやり思い浮かべていた
子供っぽい空想は
とても、こんなに大きなものを
作り出せない。

驚くような
大きな水槽に
こんなにも
声も出なくなるほど
たくさんの
新しい発見が
すいすい
ゆらゆら
どの子も、その魚らしい動きで
横切って、浮いて沈んで
どこか気持ち良さそうに
泳いでいます。

おうちの子たちの
きらきら見つめる大きな瞳は
旅行中にいつもあったその表情と同じ。

たくさんのことを見つける旅行。
知らなかった新しいことを
いつのまにか、両手からこぼれそうになるまで
集め続けていた
ユキたちの家族旅行。
明日は飛行機に乗っておうちに帰ります。
みんなは何を見つけたんだろう。
ユキみたいにたくさん?
びっくりするね。
ユキの今の気持ちが
ひとりだけのものじゃないなんて。
同じ気持ちで、
いろんなことがあったね、
楽しかったねって
砂浜でも
水族館でも
ベッドに入ろうとしている今も、
みんなの顔が伝えているよう。

お兄ちゃん、
ユキはこんな顔をしているみんなを
前にも見たことがあるよ。
一日を一生懸命に
楽しく送って、
おうちの鏡で髪をとかすとき
そこに映っている家族の顔。
そんなみんなとちっとも変わらない
ユキが見せている、
今日も一日を過ごせました、
いろんなことがあったな、って
満足そうにしているユキの表情。
せっかく旅行に来たのに、
おうちにいるのと同じだなんて変かしら?

毎日過ごしている嬉しいことに、
旅行に出かけて
少し離れた場所で
振り返ってから気がつくなんて
不思議ですね。

おうちに着いたら、
とうとう戻ってくる
ユキのいつもの毎日に
大きな声でただいまを
言わなくちゃ!

綿雪の偽日記

『じゃんけんぽん』

毎日暑い夏休み。
おうちのみんなも、赤い顔をして
ふうふう、
とっても疲れ気味に見えるけれど
どんなときも賑やかに騒いで
楽しそうに、
寝転がったり、
庭で水を浴びたり。
暑さに弱い吹雪ちゃんは、
太い血管を冷やすとちょっと楽になるからと
脇の下を冷やしたり
どうにか普通に過ごせています。
自分は氷河期に適応した突然変異なのではないかって
そんな冗談が出てくるくらい。
ふとももの血管も冷やしたいけれど、
おなかを冷やすと怒られるから、しないって。
本当は、変温動物でもなく
氷河期に適応もしていない
私たち家族みんなと同じからだの
まだ小学生、ユキとそんなに変わらない吹雪ちゃん。
暑くて体を壊してもいけないけれど、
あんまり冷えすぎるのも気をつけてね。
涼しいのが大好きで
知恵を使う吹雪ちゃんなのです。
ユキはというと。

ユキは、ふだんはあんまり暑くない
涼しいところにいないと、って
注意されています。
ずいぶん体は良くなったし
そんなに、危ないから絶対に、というわけでもない。
でも念のため、過ごす場所は快適な部屋の中。
無理をしすぎてもいけないから。
それだけのことなの。
今日は──
午前中に雲がかかったおかげで、
まだ暑さも本格的じゃない
陽射しもぬるめの真夏の庭へ出て行って、
少し、体を動かしても
全然平気でした。
庭に水を撒くホースも貸してもらって
手のひらに感じる、重たい水の脈打つ流れ。
お兄ちゃん、今日はユキは
そんなお手伝いをしました。
いつもはできない、
みんなが揃っているときだけの
あぶなっかしい、ユキの挑戦。
うまくできたかな?
優しい曇り空に、ありがとう。
見守ってくれて、助けてくれて
ときどきのわがままを聞いてくれる家族のみんなが
ユキは大好きです。
夏休みの間ずっと、いっぱいみんなで過ごせるといいね。

日が出たら、急に気温は上がります。
カーテンを細く開けただけでもまぶしい、
あんなかんかんなお日様なんだもの。
ユキは無理をしないように、
お昼寝は自分のお部屋。
みんなは──
とっても暑くて、まいってしまったって。
疲れなんてわからないくらい、元気に主張します。
どこまでも響く声は、
ときどき、あんなふうに──
うるさいとか、元気が有り余ってるって
氷柱お姉ちゃんに叱られるのもいいな。
叱られる本人は、それどころじゃないですね。
でも、楽しそうだったよ。
お兄ちゃんも参加したのかな?
今日のじゃんけん。
いくらお兄ちゃんでも、じゃんけんは運任せ。
それとも、実は違うのかも。
相手の癖を読む子はちょっと強いの。
よく出す手が決まっていると
みんなに知られている子は
今度はそれを利用して、心理戦に持ち込むそうです。
最初はグー、から次の手に変わるときの指先を
見抜くだけの視力が立夏ちゃんにあるっていうけど
本当かな?
お兄ちゃんは、本当だと思う?
指先を組んで覗いたとき、次の手が見えるんだって占いも
している子がいます。
ユキの占いは当たるほうだって、ときどき褒めてもらえるの。
指先を組んで、
ちょっとほっそり、頼りない指先から
あんなにまぶしい光が怖いほど差し込むときに
いったい、ユキには何が見えるのでしょうか。
さて、負けたほうは、うちわをあおいで1分間の約束。
飛び入りのユキの成績は、3勝2敗でした。
まずまずかな?
今日は、みんなのじゃんけん必勝法に負けないくらい、
ついていたほう。
何も対策はしないんだけど、
不思議と、ユキのじゃんけんは家族内でも評判です。

じゃんけんと言えば、
近いうちにやって来る、夏の旅行を決める戦い。
それはもちろん、ハワイやインドなんて意見は無理として。
夏はだいたい、ふたつの方向性に分かれることが多いです。
涼しい環境でゆっくりしたい子と、
珍しいどこかで冒険してみたい子と。
上のお姉ちゃんたちは、ゆっくりしたい派だけど
どちらが優勢になるかわからないのが、家族の話し合い。
ユキは、いつもだと仲のいい吹雪ちゃんと
今年は意見が割れるかもしれない予感。
ユキはもう、小学生になったの。
体もきっと大丈夫。
お兄ちゃんは、どこか行きたいところがある?
もし、別の意見になってしまったら
ユキとじゃんけんでどっちが強いか、
お兄ちゃんと勝負です。
とっても強そうなお兄ちゃん。
初めての挑戦にドキドキするけど
今年のユキは
きっと、負けないです。


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